第3期スタート 世界統一フォーマット導入
【前書き】
【第2期の歴史46 制限改訂2002/5/1 第2期が迎えた結末】の続きとなります。ご注意ください。
波乱の第2期を乗り越え、遊戯王OCGは遂に第3期へと突入することになりました。
カードゲームとしては4年目を迎える格好となり、次第にTCG全体でも有数の勢力を築き上げていっています。2つの世代を越えたことでゲームシステムはより一層洗練され、その複雑さ、高度さは初期とは比べものになりません。
ただし、第2期突入時とは異なり、世代交代による大規模なルール改訂は行われていません。細かな調整こそ施されていますが、引き続き新エキスパートルールが採用されている形です。
新エキスパートルールの完成度の高さが窺える出来事であり、まさしく遊戯王前半期~中期を象徴するルールと言っても過言ではないでしょう。
カードデザインの進化 第3期~第6期のテンプレート
しかし、世代交代による大きな変更点が存在しなかったわけではありません。新世代の遊戯王の始まりを大々的に示すように、カードデザインに新たなテンプレートが導入されています。
世界統一フォーマットです。
一言で申し上げれば「現在の遊戯王に通ずるカードデザイン」となっています。細部こそ異なりますが、ほぼ今のカードと同型のフォーマットと称しても語弊はないでしょう。
第2期と比較してイラスト欄がやや縮小され、その分だけ効果のテキスト欄が拡大されています。さらに文字自体のサイズも細かくなり、これまでと比較して記述可能なテキスト量が大幅に増加しました。
とりわけ変化が大きかったのがモンスターカードのデザインです。なんと「攻・守」の枠が削除され、カード下部に「ATK/DEF」表記で小さくまとめられるようになっています。僅か1行のスペースであり、最低限データを記入できれば良いという、やや味気ないデザインとなってしまったことは否めません。
もっとも、現実的に考えれば効果欄のスペースを犠牲にしてまで攻守の数値を大きく強調する意味は薄く、妥当と言えば妥当な変更です。全体的に前期と比べてスマートな仕上がりとなっており、そうした風味もまた新時代特有の空気を醸し出していたのかもしれません。
結論としましては、この世界統一フォーマットの採用により、これまで以上に複雑な効果を持ったカードをデザインできるようになっています。一見すると単なるフォーマット変更に過ぎないように見えますが、これまでは文字数の関係で物理的に作れなかったカードを気兼ねなく生み出せるようになったため、実際には遊戯王OCGの発展にも大きな影響を及ぼした極めて重要な出来事です。
例えば、このフォーマット導入が行われなければ「混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前)」が生まれてくることもなかったのではないでしょうか。
【まとめ】
第3期開始時に行われた主な出来事については以上です。
これまでのようにルールの変更などの大きな調整はありませんでしたが、カードデザインが洗練されたことで間接的にゲームの幅が広がっています。モンスターカードに至ってはテキストの記述可能量が数倍に跳ね上がっており、テキストサイズを調整すれば最大300文字前後の効果を記入することもできたほどです。
おおよそどんなカードもデザインできると言っても過言ではない状態であり、開発側としても腕の鳴る状況だったのかもしれません。
個人的な話で恐縮ですが、私が遊戯王に復帰したのもこの頃です。無事に受験勉強から解放されたことで心理的な余裕も生まれ、生まれ変わったような心境でカードゲームに勤しんでいました。
とはいえ、進学後は進学後で何かと忙しく、以前ほどには時間を取れない状況が続いていたのは事実です。友人関係がリセットされてしまったこともあり、ややモチベーションを失いつつある時期でしたが、ショップで偶然友人と出会うことも多く、その度に熱意を取り戻していた記憶が残っています。
今思うと、むしろ友人に会うためにショップに通い詰めていたような気がしなくもないのですが……。
ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
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