【ハンデス三種の神器】(第2期)の歴史・デッキレシピまとめ
【デッキデータ】
活躍期間 | 2000年4月20日~7月14日 |
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脅威度 | 暗黒期 |
主な仮想敵 | 無し |
モンスターカード(15枚) | |
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クリッター(エラッタ前) | ×3枚 |
黒き森のウィッチ(エラッタ前) | |
聖なる魔術師 | |
ヂェミナイ・エルフ | |
×2枚 | |
異次元の戦士 | ×1枚 |
ダーク・エルフ | |
デーモンの召喚 | |
魔法カード(24枚) | |
いたずら好きな双子悪魔 | ×3枚 |
押収 | |
苦渋の選択 | |
強引な番兵 | |
強奪 | ×2枚 |
死者蘇生 | |
天使の施し | |
ハーピィの羽根帚 | |
強欲な壺 | ×1枚 |
心変わり | |
サンダー・ボルト | |
ブラック・ホール | |
罠カード(1枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | |
聖なるバリア -ミラーフォース- | ×1枚 |
エクストラデッキ(0枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | |
×1枚 |
【デッキ解説】
【ハンデス三種の神器】は、単刀直入に申し上げますと【グッドスタッフ】の皮を被った手札破壊デッキです。
2000年4月20日販売の「Magic Ruler -魔法の支配者-」において、「押収」「強引な番兵」「いたずら好きな双子悪魔」という三大ハンデスカードが誕生したことで自然成立しました。全体的に当時の【グッドスタッフ】を下敷きにした構築となっていますが、元々【グッドスタッフ】に「ハンデス三種の神器」を採用したことが始まりであり、手札破壊を主軸として組まれていたわけではありません。
しかし、これらのハンデスカードが度を越して凶悪なカードパワーを持っていたことから、次第にデッキのコンセプトがビートダウン軸からハンデス軸へと変質していきます。【遊戯王 環境の歴史25 第2期 ハンデス三種の神器】の記事で詳しく取り上げていますが、一言で纏めれば「目には目を」の理屈であり、相手のハンデスに対抗するために自分もハンデスをするという不毛な戦いが行われていました。
上記のサンプルレシピではハンデス3種と「苦渋の選択」をそれぞれフル投入しており、事実上のハンデス12枚体制(※)となっています。この時、初手5枚+先攻ドロー1枚を含めてハンデスカードを最低1枚以上引く確率はおよそ9割となり、かなりの高確率で先攻ハンデスを決めることができました。
(※ただしハンデスをゲーム後半にドローすると弱いため、場合によっては枚数を減らされることもありました)
もちろん、ハンデス1回だけでは勝負を決定付けるほどの威力はありませんが、これが2連打以上となると話が変わります。
例えば、自分の初手が「ヂェミナイ・エルフ」「押収」「天使の施し」「デーモンの召喚」「ハーピィの羽根帚」の5枚だった場合、ハンデスを2回受けてしまえば一体何が起こるでしょうか?
多少経験のあるプレイヤーであれば、まず間違いなく「ヂェミナイ・エルフ」と「天使の施し」を落としてくるでしょう。すると手札に残るのは「押収」「デーモンの召喚」「ハーピィの羽根帚」の3枚となります。
率直に申し上げて、全く先が見えないハンドです。
本来であれば「押収」で前方確認をしつつ「天使の施し」で手札を整理し、攻勢に転じるところですが、これでは動きようがありません。精々「押収」を撃ち返す程度ですが、攻め手がない以上は苦し紛れにしかならないでしょう。
こうなると通常ドローで何か引いてくるしかありませんが、それまでは完全に無防備となるため、下手をすると何もできないまま負けてしまいます。運よくドローできたとしても、カードを引いているのは相手も同じであり、都合良く相手のドローだけが腐り続けることに期待するのは楽観的すぎると言わざるを得ません。
そして、上記のシチュエーションとの遭遇率、つまりハンデスカードを2枚以上引く確率は6割弱となっています。これは要するに2回に1回はゲームが成り立たないということを意味するため、どう言い繕っても暗黒期以外の何物でもないでしょう。
もちろん、「手札をボロボロにされてから逆転するのが楽しい」と感じるプレイヤーにとっては、中々エキサイティングな環境だったのかもしれません。しかし、恐らくそういった方は少数派であり、大半のプレイヤーにとってはストレスを感じる状況だったのではないでしょうか。
このハンデス地獄の環境はしばらく終わらず、およそ3ヶ月の間は理不尽な手札破壊が横行する形となります。しかも、【遊戯王 環境の歴史28 第2期 早すぎた制限改訂】の記事で触れている通り、間に制限改訂を一度挿んでおり、規制するチャンスがあったにもかかわらず見落とされるという体たらくです。
とはいえ、それは今だからこそ言えることで、当時はまだハンデスの危険性が浸透し切っていなかったという事情もあるにはありました。販売戦略が絡む以上はしがらみなく規制をかけるのも難しい都合もあり、むしろ3ヶ月で対応できたのは上々の結果だったのかもしれません。
【まとめ】
【ハンデス三種の神器】に関する話は以上です。
凶悪なハンデスカードの台頭により【グッドスタッフ】が乗っ取られ、その結果として「先にハンデスした方が勝つ」という不健全なゲームバランスを生み出してしまいました。第2期開始早々に暗黒期が到来する格好となり、非常に幸先の悪いスタートと言うほかありません。
訓練された遊戯王プレイヤーにはともかく、アニメから参入した新規プレイヤーにとっては過酷な環境となっていたのではないでしょうか。
ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
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