【生け贄無し最上級】(第1期)
【デッキデータ】
活躍期間 | 1999年2月4日~5月4日 |
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脅威度 | 暗黒期 |
主な仮想敵 | 無し |
モンスターカード(21枚) | |
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アクア・マドール | ×3枚 |
暗黒騎士ガイア | |
カース・オブ・ドラゴン | |
ブラック・マジシャン | |
青眼の白龍 | |
ワイルド・ラプター | |
×2枚 | |
エルフの剣士 | ×1枚 |
ハープの精 | |
ホーリー・エルフ | |
魔法カード(15枚) | |
サンダー・ボルト | ×3枚 |
死者蘇生 | |
地割れ | |
光の護封剣 | |
ブラック・ホール | |
×2枚 | |
×1枚 | |
罠カード(4枚) | |
落とし穴 | ×3枚 |
×2枚 | |
はさみ撃ち | ×1枚 |
エクストラデッキ(0枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | |
×1枚 |
【デッキ解説】
【生け贄無し最上級】は、アタッカーの大半を最上級モンスターで固めた最上級ビートダウンデッキです。
遊戯王OCGの黎明期においては「生け贄召喚ルール」が存在せず、「青眼の白龍」などの高レベルモンスターであってもノーコストで召喚可能であったことから成立しました。なんとデッキの3割近くが上級以上のモンスターで占められており、一見して非常識なデッキバランスとなっていることが分かります。
星8/光属性/ドラゴン族/攻撃力3000/守備力2500
上記は「青眼の白龍」のステータスです。サポートカードの存在を考慮しなければ有り触れた最上級バニラですが、これが仮に下級モンスターとして存在していたとしたら一体何が起こるのでしょうか?
構造的には【バニラビート】と同型のデッキとなっているものの、文字通り打点の高さが桁違いであり、こと戦闘においては無類の強さを発揮します。特に当時は効果モンスターがまだ生まれておらず、モンスターカードの評価項目が「ステータスの優劣」の1項目しか存在していなかったため、事実上【生け贄無し最上級】以外のデッキを選択できない状況となっていました。
ただし、これらの最上級モンスターはいずれも入手困難(※)なレアカード(ウルトラレア)であり、現実的には大半のプレイヤーにとっては構築不可能なブルジョワデッキでもありました。
(※この辺りの詳しい背景は下記の記事で触れています)
そのため、この【生け贄無し最上級】は単一のデッキというよりも「概念」に近く、「攻撃力の高いモンスターを上から順に積む」という理念の元に構築されたデッキは全てがこれに該当していたと言っても過言ではありません。
そうした事情から、プレイヤーが所持している最上級モンスターの枚数がそのままデッキパワーに直結する環境が誕生し、「レアカードを持っているプレイヤーが強い」という、原作初期さながらの暗黒期が到来する形となりました。
相手モンスターをすべて破壊する。
もちろん、高打点の最上級モンスターもバニラに過ぎない以上、「サンダー・ボルト」などの除去カードによって処理されてしまう弱みはあります。
しかし、残念なことにそもそもその除去カードすらレアカード(スーパーレア)であり、最上級モンスターほどではありませんが入手困難な一品であることに変わりはありません。
結局のところ、当時の遊戯王OCGがこうした「レアカード至上主義」とも言える空気に支配されていた事実は否定できず、カードゲームとして成り立っているとは言い難い状況が広がっていました。
こうした事態が問題視されたためか、1999年5月5日、公式ルールとは別にエキスパートルールが導入され、「生け贄召喚ルール」が取り入れられる形となります。
その結果、【生け贄無し最上級】というデッキは事実上完全消滅する格好となり、やがては【下級ビート】へと姿を変えていくこととなりました。
【まとめ】
【生け贄無し最上級】に関する話は以上です。
本来は生け贄が必要である最上級モンスターを下級モンスターのように並べていくという、あたかも黎明期特有の混乱がそのまま実体化したかのようなデッキとなっています。
原作初期ルールの再現という意味では需要を満たしていたと考えられますが、やはり漫画のルールをそのまま現実に持ち込むというのも弊害があったのかもしれません。
ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
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