【グッドスタッフ(下級軸)】(第1期)

2017年12月11日

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【デッキデータ】

 活躍期間 1999年5月5日~12月15日
 脅威度 トップメタ(1999年5月5日~11月17日)
メタ内(1999年11月18日~12月15日)
主な仮想敵  【装備ビート(属性軸)】(1999年5月25日~6月中旬)
【グッドスタッフ(リバース軸)】(1999年6月中旬~8月25日)
【エクゾディア】(1999年11月18日~)

 

デッキレシピ

サンプルレシピ(1999年5月5日)
モンスターカード(27枚)
アクア・マドール ×3枚
エルフの剣士
カース・オブ・ドラゴン
地獄の裁判
ハープの精
青眼の白龍
ホーリー・エルフ
ワイルド・ラプター
タイホーン ×2枚
ブラック・マジシャン ×1枚
魔法カード(11枚)
死者蘇生 ×3枚
地割れ
光の護封剣
  ×2枚
サンダー・ボルト ×1枚
ブラック・ホール
罠カード(2枚)
  ×3枚
  ×2枚
落とし穴 ×1枚
はさみ撃ち
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

 

【デッキ解説】

 

1999年5月

 【グッドスタッフ(下級軸)】は、下級モンスターを中心に据えたビートダウンデッキです。【生け贄無し最上級】がエキスパートルールの導入に伴い解体された後、その後継デッキとして生み出されました。

 記事トップのサンプルレシピでは最上級モンスター4枚、上級モンスター3枚、計7枚と重めの構築ですが、そのぶん下級モンスターも20枚と多く、デッキの大半がモンスターカードで占められている格好です。

 これは当時のカードプールには実用レベルの魔法・罠カードが少なかったことが関係しています。ほとんどはデッキに入れるだけ損とすら言える厳しい性能のカードだったことから、魔法・罠カードの顔触れはほぼ固定されている状況となっていました。

 デッキの構造は至ってシンプルで、下級モンスターでビートダウンを行いつつ、隙を見て「青眼の白龍」などの大型モンスターを出して勝負を決めるというコンセプトです。

 主力となる下級アタッカーの打点は「ワイルド・ラプター」の1500を頂点に、1400~1200の範囲で100刻みに散っています。しかし、打点1400の「エルフの剣士」は「STARTER BOX」の予約特典カード、打点1300の「地獄の裁判」は劇場限定版収録カードといずれも入手が難しく、事実上は打点1200帯がメインのアタッカーラインとなっていました。

 また、こうした下級モンスターが戦闘の主体となっている関係上、とにかく「ホーリー・エルフ」などの壁モンスターが強く、非常に信頼性の高い防御策として運用することができます。基本的に最上級モンスターや除去カード以外では突破されることがなかったため、1体の壁モンスターを前に下級アタッカー達が立ち往生するといったシチュエーションも珍しくはありませんでした。

 しかし、時代が進んでカードプールが広がるにつれて、こうした状況は次第に変化していきます。

 

1999年7月

サンプルレシピ(1999年7月8日)
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モンスターカード(20枚)
カース・オブ・ドラゴン ×3枚
岩石の巨兵
スカイ・ハンター
人喰い虫
ホーリー・ドール
アクア・マドール ×2枚
青眼の白龍
ハネハネ ×1枚
魔法カード(16枚)
強欲な壺 ×3枚
死者蘇生
地割れ
光の護封剣
 『守備』封じ ×2枚
サンダー・ボルト ×1枚
ブラック・ホール
罠カード(4枚)
 鎖付きブーメラン ×3枚
  ×2枚
落とし穴 ×1枚
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

 上記は【グッドスタッフ(下級軸)】の誕生から2ヶ月後、1999年7月頃のサンプルレシピです。全体的に内容がシェイプアップされ、デッキパワーが底上げされていることが分かります。

 「強欲な壺」はもちろんのこと、「人喰い虫」などの優秀なモンスター除去、表示形式変更カードの「『守備』封じ」、「鎖付きブーメラン」「援軍」といった強化カードなど、この2ヶ月で得たものは少なくありません。

 その結果、相対的に壁モンスターの信頼性は低下していき、以前と比較してゲームが膠着状態に陥るケースは発生しにくくなりました。それに加えて、下級アタッカーの打点も1600~1550と高い水準に収束する形となり、やはりゲームスピードは相応に増しています。

 ちなみに、上記サンプルレシピでは「鎖付きブーメラン」が3積みされていますが、当時はカードショップ周りの設備があまり充実しておらず、現実的には入手困難なカードであったことから、多くの場合「援軍」が代用されていました。

 また、「人喰い虫」や「ハネハネ」といったリバースモンスターが採用されているなど、【グッドスタッフ(リバース軸)】とは境目がやや曖昧になっていることが分かります。

 デッキコンセプトを重視するのであれば、リバースモンスターのスペースにも下級アタッカーを積むべきです。しかし、この頃は「人喰い虫」などの除去効果持ちモンスターはほぼ必須カードの扱いを受けており、デッキの型を問わず投入されるケースが大半となっていました。

 そのため、「人喰い虫」を切り捨ててまでビートダウンに特化するケースは稀であり、そしてその理由は多くの場合資産的なものが占めていたことから、そうした下級特化軸がいわゆる「貧乏デッキ」の扱いを受けていたことは否めません。

 しかしながら、議題を放り投げるようで恐縮ですが、実際のところ当時はこうした細かい区分けはあまり気にされていない状況でもありました。型の違いというより「カードを持っているかいないか」の違いでしかなく、別種のデッキとして扱うのはナンセンスだったからです。

 

1999年9月

サンプルレシピ(1999年9月23日)
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モンスターカード(16枚)
 聖なる魔術師 ×3枚
 ヂェミナイ・エルフ
 デーモンの召喚
 メカ・ハンター
 岩石の巨兵 ×2枚
 人喰い虫
  ×1枚
魔法カード(21枚)
 強欲な壺 ×3枚
 心変わり
 死者蘇生
 天使の施し
光の護封剣
 死者への手向け ×2枚
 地割れ
 サンダー・ボルト ×1枚
 ブラック・ホール
罠カード(3枚)
  ×3枚
 鎖付きブーメラン ×2枚
落とし穴 ×1枚
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

 その後、1999年7月22日に「デーモンの召喚」「聖なる魔術師」などのパワーカードが誕生したことでその傾向はより一層強まり、次第に【グッドスタッフ】の構築は画一化が進んでいきました。

 そして同年8月26日、「ヂェミナイ・エルフ」「メカ・ハンター」といった革命的な攻撃力を持つアタッカーの参入が決定打となり、ほぼ1つの型へと収束しています。

 率直に申し上げて非常に攻撃的なデッキであり、これまでとは根本的に打点の高さが桁違いです。下級アタッカーライン1900~1850と、従来の「ホーリー・ドール」などの下級アタッカーでは太刀打ちできない数値となっていました。

 上級ラインについても「カース・オブ・ドラゴン」の2000から「デーモンの召喚」の2500へと塗り替わっています。それに伴い「岩石の巨兵」などの壁モンスターも役割の変化を求められる格好となり、デッキスペースの問題もあって次第に採用率を落としていきました。

 また、「心変わり」や「死者への手向け」といった優秀な除去カードの参入による影響も無視できません。基本的にモンスターが長生きできない環境に推移してしまったため、ディスアドバンテージを負いやすい「青眼の白龍」などの重い最上級モンスターはこの時期に軒並み姿を消しています。

 とどめとなったのが「強欲な壺」「天使の施し」といったドローソースの存在です。

 それらのカードがデッキの回転速度を底上げしてしまったことにより、全体的にゲームスピートが急激に加速しています。流石にワンショットキルとまではいきませんが、ライフが残り半分を切ったらいつ負けてもおかしくないと言われていたほどです。

 場合によっては6000前後のライフを1ターンで持っていかれることすらあり、1999年前半期から見れば異次元とも言える攻防が行われていました。

 

1999年11月

サンプルレシピ(1999年11月18日)
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モンスターカード(17枚)
クリッター(Vol.6) ×3枚
黒き森のウィッチ(Vol.6)
聖なる魔術師
ヂェミナイ・エルフ
デーモンの召喚 ×2枚
メカ・ハンター
 人喰い虫 ×1枚
魔法カード(20枚)
 強欲な壺 ×3枚
 心変わり
 死者蘇生
 天使の施し
 死者への手向け ×2枚
 地割れ
光の護封剣
 サンダー・ボルト ×1枚
 ブラック・ホール
罠カード(3枚)
  ×3枚
 鎖付きブーメラン ×2枚
落とし穴 ×1枚
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

 そして1999年11月18日、「Vol.6」収録の「クリッター(Vol.6)」「黒き森のウィッチ(Vol.6)」を獲得し、更なる強さと安定性を手にしています。

 その一方で、熾烈な枠争いによって「メカ・ハンター」「人喰い虫」「光の護封剣」などのパワーカードすら採用枚数を減らされるケースが増加しました。「岩石の巨兵」に至っては2軍落ちを迎えており、当時の【グッドスタッフ】が飽食時代を迎えていたことが窺える状況です。

 上記レシピでは「デーモンの召喚」の採用枚数も減らされていますが、こちらは「黒き森のウィッチ(Vol.6)」によるサーチを前提とした枚数調整となっており、単純なリストラとは明確に理由が異なります。また、この調整はプレイヤーの好みによるところが大きく、従来と同じく3枚フル投入するプレイヤー、あるいはピン挿しで運用するプレイヤーなど、それぞれの考え方の違いが表れていました。

 総評としましては、強いカードを上から順に積むという、まさに【グッドスタッフ】を体現した構築です。第1期の【グッドスタッフ】の中ではトップクラスのデッキパワーを持っており、デッキとしては一つの完成形とも呼べるリストとなっています。

 しかしながら、この時期には【エクゾディア】という次元違いの強さを持ったデッキが台頭してきており、この【グッドスタッフ】も一気にトップメタから追い落とされています。

 一ヶ月ほどは元トップデッキの意地から辛うじて踏みとどまっていましたが、1999年12月16日に現れた「遺言状(エラッタ前)」の存在が決定打となり、遂にメタゲームから弾き出されることになりました。

 

【まとめ】

 第1期の【グッドスタッフ】に関する話は以上です。

 元々は【生け贄無し最上級】の後継デッキとして受け身的に生まれてきたデッキでしたが、そもそも当時はデッキの種別自体がごく僅かしかなく、繰り上がり的にトップデッキとして活躍していくことになっています。

 最後は【エクゾディア】という怪物に飲み込まれ、環境の最前線から姿を消しました。しかし、【グッドスタッフ】の活躍はこれで終わりではなく、第2期はもちろん第4期中頃に至るまで最大勢力の一角として存在感を示しています。

 こうした息の長さを鑑みるに、この【グッドスタッフ】というアーキタイプは歴史的資料としての側面も持ち合わせているデッキなのかもしれません。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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