遊戯王最初の事件 東京ドームの乱 プレミアムパック販売中止騒動

2017年11月28日

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【前書き】

 【第1期の歴史11 不遇すぎる儀式召喚 復活できなかったスカルライダー】の続きになります。ご注意ください。

 儀式モンスターと呼ばれる新たな分類のカードも誕生し、遊戯王OCGはカードゲームとして可能性の幅を僅かに、しかし確実に広げる形となりました。

 順調に成長を続ける遊戯王OCGでしたが、1999年8月26日、コナミ主催の公式イベントにて、保護者まで巻き込んだとある大騒動が引き起こされてしまうことになります。

 

【1999年8月26日 東京ドームの乱】

 事の発端は、とあるパックが「遊戯王デュエルモンスターズ決闘者伝説 in TOKYO DOME」というイベントの会場限定で販売されると告知されたことにありました。

 パックの正式名称は「PREMIUM PACK 1」で、現在まで続くプレミアムシリーズの第一弾となっています。現在では、イベントで先行販売された数ヶ月後を目安に一般販売されるという形式のパックですが、この時はイベントを逃すと二度と購入できないものとされていました。

 曖昧な記憶で恐縮ですが、当時の現行の週刊少年ジャンプで「ここでしか手に入らない」といった類の煽り文句を見た覚えもあり、この時期にこのパックの存在を目に入れていた方は多かったのではないでしょうか。

 結果的に、この宣伝効果はコナミの想定を超える絶大な影響を及ぼす形となります。

 イベント開催日、限定パックを求めて全国各地から遊戯王ファンが東京ドームに詰めかけました。その推定人数はおよそ4万人以上とされており、頭の中でもすぐには想像できない数字です。

 ここに一つ目の落とし穴があります。

 そもそも、このイベントは元々はゲームソフト「遊戯王デュエルモンスターズⅡ 闇界決闘記」の全国大会、及び遊戯王OCGの全国大会のために開催されたものでした。

 しかし、あまりにも高い宣伝効果が発揮されたことで目的が入れ替わり、結果的に限定パック目当ての来場者が大部分を占めるという状況へと陥ってしまいます。つまり、万単位の購入者が一つの商品を求めて会場に集まった恰好となります。

 問題はこれだけではありません。

 二つ目の落とし穴は、パックの販売態勢が十分に整えられていなかった点にありました。

 現在、コミケなどの大規模なイベントが大過なく消化されていることからも明らかですが、きちんとした態勢さえ整っていれば多少の混雑は処理することができます。

 しかし、この時のイベントでは十分どころか標準以下の態勢しか取られておらず、なんと販売スペースが一ヵ所しか設けられていませんでした。

 万単位の人数が販売スペースという狭い空間に集まろうとする訳ですから、混乱が起こらない筈がありません。販売開始直後に一気に大勢が押し寄せてしまったらしく、販売スペース周辺が大混乱に陥ってしまう形となりました。

 その結果、事態を抑えるためか二時間近くに渡って販売が先延ばしにされたようですが、結局収拾がつかずパックの販売自体が取り止めとなってしまったようです。

 しかし、本当の騒動はここからで、パックの販売が中止となったことで来場者が激怒し、会場内で大騒動が起こってしまう形となりました。単にパックが手に入らないというだけの話ではなく、炎天下で何時間も待たされた挙句の販売中止であり、当然と言えば当然の反応です。

(コメントにて情報提供をいただきました。会場内のヘイトを一身に集めたミスターエックス氏にご冥福をお祈りします。)

 事態の収拾のために機動隊も出動するなど、騒動を通り越して「暴動」に近い状況となっていたことが窺えます。騒ぎは日中の間には収まらず、その日の夜になっても数千人の方が会場に残り、主催側に抗議を続けました。

 実際に行ってきた当時の友人によると、あまりの混雑で前にも後ろにも進めないような状況だったそうです。とにかく待たされたことしか印象に残らなかったらしく、「運動会の練習の3倍くらい疲れた」などと語っていたことを覚えています。

 もちろん、パックが販売中止となったことには相当腹が立ったようですが、その時にはもう怒る気力も残っていなかったとのことです。しかも、騒動のせいで販売スペースから出るに出られず、脱出には一時間近くかかったと零していました。

 後日、販売中止となったパックが来場者限定で通信販売されたものの、それが騒動の補填となった訳ではないのは言うまでもないことでしょう。

 また、この次の弾となるプレミアムパック2では、限定販売(ウルトラレア収録)の後、収録カードのレア度を下げた上での一般販売(スーパーレア収録)がなされています。この販売形態の変更の背景に、当事件の手痛い失敗の影響があることは間違いないと思われます。

 ちなみに、上記の通信販売では一人当たり購入できる数には限りがあったようですが、この時は私も数パック分だけ相乗りさせてもらっています。普通は友人同士でもとても頼めないところですが、当時子供だったこともあってカード欲しさが先に出てしまった苦い記憶です。

 いえ、別に喧嘩になったとか、険悪な空気になったとかいう訳ではないのですが……。

 

【召喚神の降臨】

 とはいえ、この時に起きたことは悪いことばかりではありません。

 プレミアムパックに収録された10種類のカードの中に、最後のエクゾディアパーツである「封印されしエクゾディア」が封入されていたからです。

・このカードに加え「封印されし者の左足・右足・左腕・右腕」が手札に全て揃った時、勝利が決定する。

 遊戯王OCG史上初となる特殊勝利カードです。テキストの通り、エクゾディアパーツを手札に揃えることでゲームに勝利することができます。

 遊戯王を代表するカードの一つと言っても過言ではない存在で、原作ファンにはたまらない一品となっています。原作漫画では「DEATH-T編」の最終決戦において、主人公の伝説的な逆転劇を演出しました。

 しかし、知名度の高さに反して、作中で主人公に使われたのはその一度が最初で最後となっています。揃った瞬間に勝利が確定するというデウス・エクス・マキナ的な扱いの難しさからか、敵キャラクターによってパーツを海に捨てられてしまい、それ以降は主人公に使われることはありませんでした。

 もちろん、純粋にカードゲームとしての面においても、あらゆる意味で規格外な性能のカードです。心を奪われたプレイヤーも少なくはなく、誕生以降はこれを軸にしたデッキが無数に考案されていくことになりました。

 しかし、当時はエクゾディアパーツ一つ一つが希少度の高いカードであったため、全てを自力で揃えるのは非常に困難と言わざるを得ない状況となっていました。

 エクゾディア界隈が活発化するのは、再録によってパーツの入手が容易となってからの出来事となります。

 

【大会プロモカード】

 また、当大会のプロモーションカードとして、合計8種類の新規カードが誕生しています。

 同年2月21日開催の大会の賞品と比較すれば配布数は多かったものの、やはり例外的なカードであることに変わりはなかったため、ここでも便宜上は存在しないカードとして扱わせていただきます。

 ちなみに、この時の優勝賞品である「青眼の究極竜」は2012年にオークションに出品され、120万円で落札されたそうです。世界に2枚しか存在しない内の1枚であるため、価格としては妥当なものだったのかもしれません。

 しかし、個人的な意見を申し上げるのであれば、「それを売るなんてとんでもない」と考えてしまいます。もちろん、カードが欲しい人の手に渡るというのは、良いことだとは思いますが……。

 

【まとめ】

 1999年8月26日当時に起きてしまった騒動については以上となります。

 来場者はもちろん、主催側にとっても苦い事件であったことは間違いありません。この騒動の影響でイベントの本命だった筈の大会すら途中で打ち切られてしまったらしく、誰にとっても遺恨の残る結末となってしまいました。

大会の方は後日、地域ごとに分けられての予選が改めて行われたそうです。情報提供感謝します。)

 後味の悪い話ではございますが、避けては通れない話題でもあり、記事に取り上げさせていただいた次第です。ご容赦ください。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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