【剣闘獣】全盛期 ガイザレスのトラウマ

2019年1月22日

【前書き】

 【第5期の歴史37 オネスト降臨 「ダメステいいすか」の恐怖】の続きになります。特に、この記事では前中後編の後編の話題を取り扱っています。ご注意ください。

 

最強の剣闘獣 ガイザレス爆誕

 レギュラーパック「LIGHT OF DESTRUCTION」がもたらした最大の出来事、それはファンテーマ【剣闘獣】に対する大幅強化でした。

剣闘獣ベストロウリィ」+「剣闘獣」と名のついたモンスター
自分フィールド上に存在する上記のカードをデッキに戻した場合のみ、融合デッキから特殊召喚が可能(「融合」魔法カードは必要としない)。
このカードが特殊召喚に成功した時、フィールド上のカードを2枚まで破壊する事ができる。
このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードを融合デッキに戻す事で、デッキから「剣闘獣ベストロウリィ」以外の「剣闘獣」と名のついたモンスター2体を自分フィールド上に特殊召喚する。

 上記は【剣闘獣】における切り札、「剣闘獣ガイザレス」の当時のテキストです。【剣闘獣】カテゴリの専用融合モンスターの一種であり、それらと共通の疑似コンタクト融合による召喚条件を備えています。

 結論を先に言ってしまえば、剣闘獣ガイザレス」は第5期出身カードの中でも上位に入る屈指のパワーカードに他なりません。

 「剣闘獣ガイザレス」の強さを支える最大の魅力は、何と言っても特殊召喚成功時に発動する強烈な除去効果にあるでしょう。万能除去かつ2枚まで破壊可能というのは当時の水準を遥かに超えるパワーであり、単刀直入に壊れカードと言って差し支えない性能です。

 さらに、【剣闘獣】というテーマそのものが持つ特徴が「剣闘獣ガイザレス」の有用性を高めます。

 【剣闘獣】モンスターは一部の例外を除き、戦闘終了時に自身をデッキに戻し、代わりに別の【剣闘獣】モンスターをリクルートする共通効果を備えています。これを駆使してアドバンテージを取っていくのが【剣闘獣】の基本戦略でもありますが、ここで重要になるのは「自由自在に【剣闘獣】モンスターの種類を変えられる」という点です。

 これにより【剣闘獣】モンスターが2体並んだ時点で「剣闘獣ガイザレス」の融合素材が揃ったも同然の状況となり、あとは戦闘を通しさえすればメイン2での特殊召喚が成立します。もちろん、その「戦闘を通す」というのが【剣闘獣】最大の課題でもあるのですが、そもそも「剣闘訓練所」などのサポートの存在から素で融合素材を揃えるのも容易く、【剣闘獣】において「剣闘獣ガイザレス」を呼び出すのは難しいことではありません。

 これがどういうことかと言うと、【剣闘獣】においては剣闘獣ガイザレス」がエクストラデッキに存在する≒「氷帝メビウス」(万能除去版)が常に手札に存在するということとほぼ同じ状況が生み出されていることになります。

(【剣闘獣】モンスターが2体揃う状況≒アドバンス召喚に成功する状況となるため)

 それどころか、その「剣闘獣ガイザレス」すら別の【剣闘獣】モンスター2体分(「剣闘獣ベストロウリィ」を除く)と交代する効果を持つため、ターンを跨げば再び「剣闘獣ガイザレス」を立てることも難しくありません。これが壊れカードでなければ一体何が壊れなのかという話であり、実際に「剣闘獣ガイザレス」の参入により間もなく【剣闘獣】が環境入りを果たしています。

 これまでファンデッキに過ぎなかったマイナーカテゴリを1枚で超強化した形であり、同パック出身の【ライトロード】と同じく開発側からの手厚いサポートがあったことは疑う余地もないでしょう。

 

【剣闘獣】環境入り ファンデッキからの大躍進

 このように、「剣闘獣ガイザレス」を獲得したことで大躍進を遂げた【剣闘獣】でしたが、実はその活躍がすぐさま始まったわけではありません。

 というのも、流石にこの時点の【剣闘獣】では【ダムドビート】などに対抗できるほどの強さはなく、おおむね中堅クラスを抜け出せない状況に置かれていたからです。

 一応、【次元ビート】などの墓地メタを苦にしない強みはありましたが、そもそも当時の【メタビート】における最大勢力は【パキケガジェット】が担っていたため、これもあまり大きな優位性だったとは言えません。

 そのため、【剣闘獣】が本格的にトーナメントシーンに参入してくるのは第6期突入以降の話となります。丁度その時期に「剣闘獣エクイテ」や「剣闘獣の戦車」といった有力なサポートを獲得していたこともあり、素のデッキパワーだけでも十分にメタ上位に食い込める勢いを持っていました。

 しかし、【剣闘獣】の強さはそうした真っ向からのパワーではなく、むしろメタデッキとしての粘り強さにこそあります。

 具体的には、神の宣告」や「魔宮の賄賂」などのカウンターはもちろん、「奈落の落とし穴」「次元幽閉」といった各種罠カードで相手を徹底的に妨害する【罠ビート】としての顔を持ったデッキです。従来の【メタビート】とは違い、永続系メタによる封殺は基本的に行いません(※)が、単発の妨害カードの数だけで言えば【パキケガジェット】並の密度を持っています。

(※ただし、【次元剣闘獣】などの例外は一部存在します)

 見方を変えれば【メタビート】のメタモンスター周りを【剣闘獣】ギミックに差し替えたデッキとも取れ、その意味では純粋なデッキとしての地力の高さは【メタビート】の比ではありません。実質的には主流デッキ並の地力を備えた【メタビート】のようなデッキであり、両者の良いところ取りをすることに成功したアーキタイプだったと言えるでしょう。

 それを裏付けるように2008年の世界大会では見事優勝の栄光に輝くなど、【剣闘獣】の持つポテンシャルの高さを見せつける結果を残しました。これにはカードプールの関係で【シンクロ召喚】全般が使用不可だったことも影響していますが、それを踏まえても非常に大きな快挙だったことは間違いないのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 前記事、前々記事と合わせて、レギュラーパック「LIGHT OF DESTRUCTION」の販売によって起こった出来事は以上です。

 遊戯王におけるデザイナーズデッキ隆盛の走りとなった【ライトロード】や【剣闘獣】の台頭に加え、「オネスト」といった後々の環境にまで影響が及ぶ大型新人も現れています。同じく環境を激変させた前弾に勝るとも劣らない衝撃であり、まさしく第5期の最後を飾るにふさわしいパックと言えるでしょう。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。