【剣闘獣】の歴史・時代ごとのデッキレシピまとめ
・前書き
・2008年4月(全盛期)
・2008年9月(【次元剣闘獣】型)
・2008年11月(【猫剣】初期型)
・2009年7月(【猫剣闘獣】全盛期)
・2009年10月(半ハイランダー構築)
・2011年3月(【アライブ剣闘獣】型)
・2011年9月以降
・2019年(【リンク剣闘獣】型・回し方解説つき)
・スレイブパンサー 【剣闘獣】を別物に変えたカード
・剣闘獣アンダル必須枠へ パンサー展開の要
・剣闘獣総監エーディトル 絶対に覚えるべき展開ルート4種
・まとめ
【前書き】
【剣闘獣】の大まかな歴史・時代ごとのデッキレシピについてまとめています。メタゲームやデッキ概要の解説については下記のリンクをご参照ください。
2008年4月(全盛期)
モンスターカード(12枚) | |
---|---|
×3枚 | 剣闘獣ベストロウリィ |
×2枚 | E・HERO プリズマー |
剣闘獣エクイテ | |
剣闘獣ラクエル | |
×1枚 | 剣闘獣ダリウス |
剣闘獣ホプロムス | |
剣闘獣ムルミロ | |
魔法カード(11枚) | |
×3枚 | 剣闘訓練所 |
×2枚 | 収縮 |
月の書 | |
×1枚 | 大嵐 |
サイクロン | |
死者蘇生 | |
早すぎた埋葬 | |
罠カード(17枚) | |
×3枚 | 神の宣告 |
剣闘獣の戦車 | |
次元幽閉 | |
奈落の落とし穴 | |
魔宮の賄賂 | |
×2枚 | |
×1枚 | 激流葬 |
聖なるバリア -ミラーフォース- | |
エクストラデッキ(9枚) | |
×3枚 | キメラテック・フォートレス・ドラゴン |
剣闘獣ガイザレス | |
剣闘獣ヘラクレイノス | |
×2枚 | |
×1枚 |
【剣闘獣】はその名の通り、【剣闘獣】カテゴリの中でも特に優秀なモンスターをメインアタッカーに据えた「半デザイナーズデッキ」の一種です。当初は光る部分はありつつもトーナメントレベルには至らないファンデッキという扱いでしたが、第5期終盤に「剣闘獣ガイザレス」を、第6期初頭に「剣闘獣の戦車」「剣闘獣エクイテ」をそれぞれ獲得したことで大幅に強化され、一気に環境入りを果たしています。
ただし、【剣闘獣】モンスターの性質上、戦闘を通さなければ何も始まらないデッキでもあるため、その補助として「神の宣告」などの各種カウンターが標準搭載される傾向にありました。結果として、純粋なビートダウンというよりは中速ビート・コントロール系のコンセプトに仕上がることが多く、上記サンプルレシピでも【罠メタビ】としての側面が強く出ていることが窺えます。
当時の【剣闘獣】が「半デザイナーズデッキ」と言われていたのはこのためで、20種類近く存在する専用サポートカードもそのほとんどは使用されることがありません。環境レベルで使われるサポートカードは「剣闘獣の戦車」「剣闘訓練所」の2種類に限られ、メタゲームによっては「剣闘獣の底力」がピン挿しされるケースもなくはないという程度です。
逆に汎用カード枠の選択肢は非常に豊富であり、環境に応じてメタカードを使い分ける柔軟性も備えています。例えば2008年当時においては【シンクロダムド】(※)が最大勢力を築いていたため、シンクロモンスターを1:1交換で潰せる「奈落の落とし穴」「次元幽閉」といった除去カードや、「大寒波」などの致命的なカードを意識した「魔宮の賄賂」など、3枚積むべきカードを3積みしたような安定構築がメジャーだったのではないでしょうか。
(※【ダムド】の名を冠していますが、アーキタイプとしては【レスキューシンクロ】に属するデッキです)
とはいえ、やはり2008年3月~2008年9月環境における【シンクロダムド】の支配力は圧倒的であり、【剣闘獣】ですら2番手のポジションを抜けられない状況にあったことは否めません。同じく後追いの立場にあった【ライトロード】と同様、シンクロ召喚ギミックに頼れない弱みが浮き彫りになってしまった形です。
しかし、逆にシンクロ召喚が使用不可だった世界大会では優勝を含む上位4名中3名が【剣闘獣】を使用するなど、一転して華々しい実績を残しています。カードプールの制限による後押しがあったとはいえ凄まじい好成績であり、この時代が【剣闘獣】最大の全盛期であったことは間違いないと言えるでしょう。
2008年9月(【次元剣闘獣】型)
モンスターカード(12枚) | |
---|---|
×3枚 | 剣闘獣ベストロウリィ |
ライオウ | |
×2枚 | 剣闘獣エクイテ |
剣闘獣ラクエル | |
×1枚 | 剣闘獣ダリウス |
剣闘獣ムルミロ | |
魔法カード(13枚) | |
×3枚 | 剣闘訓練所 |
次元の裂け目 | |
×2枚 | 収縮 |
月の書 | |
×1枚 | 大嵐 |
サイクロン | |
死者蘇生 | |
罠カード(15枚) | |
×3枚 | 神の宣告 |
剣闘獣の戦車 | |
次元幽閉 | |
奈落の落とし穴 | |
×2枚 | ゴッドバードアタック |
×1枚 | 聖なるバリア -ミラーフォース- |
エクストラデッキ(9枚) | |
×3枚 | キメラテック・フォートレス・ドラゴン |
剣闘獣ガイザレス | |
剣闘獣ヘラクレイノス | |
×2枚 | |
×1枚 |
その後、「ゾンビキャリア」の誕生により成立した【シンクロアンデット】が台頭する頃になると、【剣闘獣】も【次元剣闘獣】に姿を変えてこれに対抗していくことになります。
【次元剣闘獣】は全体除外カードである「次元の裂け目」を用いて墓地利用デッキ全般にメタを張った【剣闘獣】の派生型であり、実質的には【墓地メタビ】に属するアーキタイプです。元々【剣闘獣】は墓地利用を積極的に狙うデッキではないため、コンセプトをほぼそのまま維持しつつ【メタビート】として振る舞えることが最大の強みと言えるでしょう。
しかし、上記サンプルレシピの通り【墓地メタビ】要素は基本的には「次元の裂け目」のみに限られ、それ以外の構成は従来の【剣闘獣】の流れを汲んでいることが分かります。これは墓地メタを張ることが最大の目的ではなく、あくまでも【剣闘獣】本来のコンセプトが主軸となっていることが主な理由です。
つまり、言ってしまえば【次元剣闘獣】にとっての「次元の裂け目」は汎用カード枠の選択肢の一つとして採用している程度の意味合いしかなく、いわゆる【次元ビート】ほど墓地メタに特化しているわけではありません。というより、そもそも厳密にはアーキタイプですらないという意見も存在するほどであり、実際はっきり特徴と言えるのは「ライオウ」や「王虎ワンフー」を積むケースが多いということ程度です。
しかし、逆に言えばカードプールに左右されずにいつでも組める【墓地メタビ】のように考えることもでき、墓地利用系デッキが環境で流行するたびに何度も再浮上していた息の長い型でもありました。
具体的には、【ライトロード】が流行する2009年9月環境、【インフェルニティ】が流行する2010年3月環境などでの活躍が有名です。特に2009年9月環境では【次元エアトス】と並んで【墓地メタビ】の代表として環境終盤まで生き残っており(※)、【次元剣闘獣】の名前が最も広く知れ渡っていた時代だったと言っても過言ではないでしょう。
(※逆に2010年3月環境では【旋風BF】との板挟み状態となったため、最終的には淘汰されています)
2008年11月(【猫剣】初期型)
モンスターカード(19枚) | |
---|---|
×3枚 | E・HERO プリズマー |
剣闘獣ベストロウリィ | |
×2枚 | 剣闘獣エクイテ |
剣闘獣サムニテ | |
剣闘獣ダリウス | |
剣闘獣ラクエル | |
スレイブタイガー | |
レスキューキャット(エラッタ前) | |
×1枚 | 剣闘獣ムルミロ |
魔法カード(7枚) | |
×3枚 | 剣闘訓練所 |
×2枚 | 月の書 |
×1枚 | 大嵐 |
死者蘇生 | |
罠カード(14枚) | |
×3枚 | 神の宣告 |
奈落の落とし穴 | |
魔宮の賄賂 | |
×2枚 | 剣闘獣の戦車 |
次元幽閉 | |
×1枚 | 聖なるバリア -ミラーフォース- |
エクストラデッキ(9枚) | |
×3枚 | キメラテック・フォートレス・ドラゴン |
剣闘獣ガイザレス | |
剣闘獣ヘラクレイノス | |
×2枚 | |
×1枚 |
そんな【剣闘獣】に再び大きな動きが起こったのは、2008年11月にレギュラーパック「CRIMSON CRISIS」が販売された時のことでした。
「ダーク・ダイブ・ボンバー(エラッタ前)」という怪物の台頭により環境が一気に高速化を迎え、それにより【スーパードローライダー】を始めとした新勢力が頭角を現すことになります。この影響で【次元剣闘獣】の需要が相対的に上がったところまでは良かったのですが、問題は7シンクロの重要度が上がったことで「緊急テレポート」ギミックが大流行してしまったことにありました。
具体的には、凶悪なリセットカードである「ブラック・ローズ・ドラゴン」との遭遇率が急激に上昇してしまったため、肝心の「次元の裂け目」の信頼度が下がるという逆転現象が発生してしまった格好です。感覚的には毎ゲーム全体除去が飛んでくるような環境だったと言っても過言ではなく、【次元剣闘獣】どころか【剣闘獣】としても苦しい状況に置かれていたことは否めません。
一応、「神の宣告」などの各種カウンター罠で身を守ることは不可能ではありませんでしたが、その上で「氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前)」などにも対処しなければならないとなると相当厳しいものがあります。もはや「次元の裂け目」だけで有利を取ろうとするのは無理があったと言わざるを得ず、実際に年末が近付くにつれて徐々に勢力を縮小させていくことになります。
とはいえ、そんな【剣闘獣】もただ弱体化する一方だったわけではなく、「スレイブタイガー」や「剣闘獣サムニテ」などの強力なサポートを密かに獲得して強化を重ねていました。特に「剣闘獣サムニテ」の存在は「レスキューキャット(エラッタ前)」採用型【剣闘獣】という新たな可能性をもたらし、これが後に【猫剣闘獣】成立のきっかけにもなったほどです。
上記サンプルレシピはその初期型となる構築であり、純【剣闘獣】に「レスキューキャット(エラッタ前)」をそのまま積んだような非常にシンプルな構造に仕上がっています。完全に「剣闘獣サムニテ」「スレイブタイガー」をリクルートするためだけのカードとしての採用、つまりは単純にパワーカード(※)ゆえに声がかかった結果と言えるでしょう。
(※現在の価値観ではピンと来ない話ですが、当時はカード1枚でモンスター2体を並べるというだけでも非常に強力なコンボでした)
2009年7月(【猫剣闘獣】全盛期)
モンスターカード(17枚) | |
---|---|
×3枚 | |
×2枚 | X-セイバー エアベルン |
剣闘獣エクイテ | |
剣闘獣サムニテ | |
召喚僧サモンプリースト | |
レスキューキャット(エラッタ前) | |
×1枚 | 剣闘獣ダリウス |
剣闘獣ベストロウリィ | |
剣闘獣ムルミロ | |
剣闘獣ラクエル | |
クリッター(エラッタ前) | |
コアラッコ | |
スレイブタイガー | |
魔法カード(14枚) | |
×3枚 | 剣闘訓練所 |
月の書 | |
×2枚 | 封印の黄金櫃 |
我が身を盾に | |
×1枚 | 大嵐 |
サイクロン | |
死者蘇生 | |
ハリケーン | |
罠カード(9枚) | |
×3枚 | 神の宣告 |
×2枚 | 剣闘獣の戦車 |
奈落の落とし穴 | |
×1枚 | 聖なるバリア -ミラーフォース- |
ダスト・シュート | |
エクストラデッキ(15枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | 剣闘獣ガイザレス |
ダーク・ダイブ・ボンバー(エラッタ前) | |
×1枚 | アーカナイト・マジシャン |
A・O・J カタストル | |
ギガンテック・ファイター | |
剣闘獣ヘラクレイノス | |
ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前) | |
スターダスト・ドラゴン | |
XX-セイバー ガトムズ | |
ナチュル・パルキオン | |
ナチュル・ビースト | |
氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前) | |
ブラック・ローズ・ドラゴン |
その後、2009年3月の改訂で「剣闘獣ベストロウリィ」が制限カードとなり、【剣闘獣】も少なからずデッキパワーを落とすことになります。
さらに、【レスキューシンクロ】の復権とそれに伴う「大寒波」環境の再来により、【剣闘獣】に限らず【メタビート】全般にとっての逆風環境が訪れてしまうことになります。根本的に伏せカードを駆使して戦うような環境ではなくなったため、そもそも【剣闘獣】を使おうとすること自体が無謀だったことは否めません。
しかし、それでも【剣闘獣】が他のデッキと比べて高い地力を維持していたことは変わらず、向かい風を受けながらも引き続き環境デッキの一角として研究が行われていました。
その結果、最終的に【剣闘獣】が行き着いたのが自分自身も【レスキューシンクロ】を取り込むことで【レスキューシンクロ】に対抗すればいいという結論であり、これ以降は【猫剣闘獣】として環境に躍り出ることになります。身も蓋もないと言ってしまえばその通りの経緯であり、そもそもデッキコンセプトとしては【レスキューシンクロ】側の要素の方が濃いということもあり、むしろ取り込むというより取り込まれていたのではないか(※)という意見も少なくなかったほどです。
(※型によっては「大寒波」などを採用し、さらに【レスキューシンクロ】側に寄せてしまう場合もありました)
ともあれ、【レスキューシンクロ】の脆い部分を【剣闘獣】で補った【猫剣闘獣】は実際のところかなり強く、この成立から間を置かずに【レスキューシンクロ】を差し置いてトップメタにまで成長を遂げることになります。【猫剣闘獣】としてはもちろん、【剣闘獣】としても最大規模の勢力を築いていた時代であり、2008年上半期の躍進に勝るとも劣らない勢いを示していたのではないでしょうか。
2009年10月(半ハイランダー構築)
モンスターカード(16枚) | |
---|---|
×3枚 | |
×2枚 | 剣闘獣サムニテ |
剣闘獣ラクエル | |
×1枚 | X-セイバー エアベルン |
E・HERO プリズマー | |
剣闘獣エクイテ | |
剣闘獣ダリウス | |
剣闘獣ベストロウリィ | |
剣闘獣ホプロムス | |
剣闘獣ムルミロ | |
剣闘獣レティアリィ | |
召喚僧サモンプリースト | |
スレイブタイガー | |
魔轟神獣ケルベラル | |
レスキューキャット(エラッタ前) | |
魔法カード(13枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | 剣闘訓練所 |
次元の裂け目 | |
月の書 | |
×1枚 | 大嵐 |
禁じられた聖杯 | |
剣闘獣の底力 | |
サイクロン | |
地砕き | |
ライトニング・ボルテックス | |
我が身を盾に | |
罠カード(11枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | 剣闘獣の戦車 |
奈落の落とし穴 | |
和睦の使者 | |
×1枚 | 神の宣告 |
激流葬 | |
聖なるバリア -ミラーフォース- | |
トラップ・スタン | |
リビングデッドの呼び声 | |
エクストラデッキ(15枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | 剣闘獣ガイザレス |
×1枚 | アーカナイト・マジシャン |
A・O・J カタストル | |
A・O・J ディサイシブ・アームズ | |
エンシェント・ホーリー・ワイバーン | |
ギガンテック・ファイター | |
剣闘獣ヘラクレイノス | |
ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前) | |
スターダスト・ドラゴン | |
ナチュル・パルキオン | |
ナチュル・ランドオルス | |
氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前) | |
ブラック・ローズ・ドラゴン | |
魔轟神レイジオン |
しかし、そんな【猫剣闘獣】の全盛期はそれほど長くは続きませんでした。2009年9月の改訂で【レスキューシンクロ】が厳しい規制を受け、【猫剣闘獣】も大幅に弱体化してしまったからです。
とはいえ、元々の【剣闘獣】としての力が失われたわけではなく、依然トーナメントシーンでも大きな存在感を示していたことは変わりません。特にこの時期は「光の援軍」の来日により【ライトロード】がトップメタに浮上していたため、上述の【次元剣闘獣】として勢力を拡大していったという流れです。
しかし、中には【猫剣闘獣】のコンセプトをどうにか残そうとする動きもあり、間もなく【次元猫剣】と呼ばれる型が考案されています。
【次元猫剣】はその名の通り、【猫剣闘獣】の墓地利用ギミックを若干薄めにすることで「次元の裂け目」を採用できるようにした、【猫剣闘獣】としては最終形態となる派生型です。お互いにリクルートし合える【剣闘獣】モンスターの性質を汲みつつ、当時の制限カードやシルバーバレット要員をふんだんに盛り込んだツールボックス系のデッキとも言えるでしょう。
結果的にハイランダー構築に近いリストとなることが多く、上記サンプルレシピでもピン挿しカード24種類という非常に尖ったバランスが取られています。しかし、逆に言えば【剣闘獣】の動きができる【グッドスタッフ】のように振る舞うこともできるため、理屈の上ではどんな相手とも戦えるデッキと言われていました。
とはいえ、理屈の上ではと断っている通り、【次元猫剣】はプレイング難易度も事故率も高いという非常に気難しいデッキでもあります。初手が悪い場合はもちろん、たとえ序盤は安定していても中盤以降に何らかの理由で戦線が途絶えてしまうことは珍しくなく、構造的にかなり厳しい負荷を抱えていたことは否定できません。
そのため、この【次元猫剣】が環境で存在感を示していた時期は長く見積もっても第6期中にとどまり、それ以降は緩やかに自然衰退の道を辿っていきました。最終的には2010年9月の改訂で「レスキューキャット(エラッタ前)」が禁止カードとなったことでデッキの構築自体が不可能となり、環境デッキとしては事実上の現役引退を余儀なくされています。
2011年3月(【アライブ剣闘獣】型)
モンスターカード(16枚) | |
---|---|
×3枚 | E・HERO プリズマー |
スレイブタイガー | |
×2枚 | 剣闘獣エクイテ |
剣闘獣ダリウス | |
剣闘獣ラクエル | |
×1枚 | E・HERO エアーマン |
剣闘獣ベストロウリィ | |
剣闘獣ムルミロ | |
剣闘獣レティアリィ | |
魔法カード(11枚) | |
×3枚 | 禁じられた聖槍 |
ヒーローアライブ | |
×2枚 | 剣闘訓練所 |
×1枚 | 死者蘇生 |
月の書 | |
ハリケーン | |
罠カード(13枚) | |
×3枚 | トラップ・スタン |
×2枚 | 剣闘獣の戦車 |
盗賊の七つ道具 | |
奈落の落とし穴 | |
×1枚 | 神の宣告 |
激流葬 | |
聖なるバリア -ミラーフォース- | |
リビングデッドの呼び声 | |
エクストラデッキ(15枚) | |
×3枚 | 剣闘獣ガイザレス |
×2枚 | インヴェルズ・ローチ |
×1枚 | キメラテック・フォートレス・ドラゴン |
剣闘獣ヘラクレイノス | |
A・O・J カタストル | |
氷結界の龍 トリシューラ | |
氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前) | |
イビリチュア・メロウガイスト | |
虚空海竜リヴァイエール | |
ジェムナイト・パール | |
No.17 リバイス・ドラゴン | |
No.39 希望皇ホープ |
そんな【剣闘獣】最後の浮上の機会は、第7期中期にあたる2011年3月環境において訪れることになります。
強力な展開カードである「ヒーローアライブ」を手に入れたことによる躍進であり、これによって「E・HERO プリズマー」の使用感が大幅に改善に向かいました。これまでと違い下準備の必要なく「剣闘獣ガイザレス」を立てられるようになったことの意味は大きく、「レスキューキャット(エラッタ前)」が抜けた穴は十分にカバーできていたと言えます。
また、この時期は【ジャンクドッペル】が環境トップの一角にあったため、そのメタデッキとしても一定の実績を残していました。豊富な罠によって相手のビッグアクションを牽制し、その合間に「剣闘獣レティアリィ」で墓地リソースを奪っていくというのは【ジャンクドッペル】対策としては非常に有効な戦法だったからです。
しかし、やはり最大の追い風は「インヴェルズ・ローチ」という新兵器を獲得していたことにあったのではないでしょうか。
ステータスこそ物足りないものの、シンクロデッキ全般にメタを張れる強烈なメタモンスターであり、【ジャンクドッペル】に対してはこれを置くことが勝利に直結すると言っても過言ではない働きが期待できます。
なおかつ、性質上【アライブ剣闘獣】はレベル4の展開を非常に得意としているため、自然と「インヴェルズ・ローチ」をコンセプトに取り入れることが可能です。特に「ヒーローアライブ」からの展開では1枚初動かつアド損もテンポ損もないという破格の軽さであり、とにかく「インヴェルズ・ローチ」の土台としては極めて高い適性を持っていました。
その他、細かな部分では「虚空海竜リヴァイエール」によって多少ながら「剣闘獣ベストロウリィ」の除外にも耐性を獲得するなど、かつてとは別の方向で強化を受けていた時代だったと言えるでしょう。
2011年9月以降
しかし、その後の環境では【アライブ剣闘獣】にとっての冬の時代が続くことになります。
最大の仮想敵であった【ジャンクドッペル】が2011年9月の改訂で衰退したことを皮切りに、根本的にゲームスピードに対応できないことが多くなっていきました。エクシーズモンスターの充実によって相対的に「インヴェルズ・ローチ」の制圧力が落ちたことも向かい風となり、そもそも【剣闘獣】というアーキタイプ自体が型落ちとなってしまっている現実が徐々に無視できなくなっていたからです。
2012年に入って【甲虫装機】が環境トップに立つとその傾向は決定的なものとなり、さながら乗用車でF1レースに混ざるかのような厳しい性能差が現れていたことは否めません。同様に、【甲虫装機】の影響でフィールドにカードを置かない戦法が主流になり、「剣闘獣ガイザレス」の威力が激減したことも原因の1つであったと言えます。
最終的には2012年9月に【アライブHERO】の巻き添えで「ヒーローアライブ」すら規制されてしまうなど、まさに踏んだり蹴ったりの状況に置かれていたことは否めません。
よって【剣闘獣】が環境デッキとして明確に存在感を示していたのは2011年下半期までであり、事実上は第7期後期を境に現役時代を終えていたと言えるのではないでしょうか。
2019年(【リンク剣闘獣】型・回し方解説つき)
モンスターカード(22枚) |
||
---|---|---|
×3枚 | 剣闘獣アンダル | |
スレイブタイガー | ||
増殖するG | ||
レスキューラビット | ||
×2枚 | 剣闘獣アウグストル | |
灰流うらら | ||
×1枚 | E・HERO プリズマー | |
剣闘獣アトリクス | ||
剣闘獣ウェスパシアス | ||
剣闘獣エクイテ | ||
剣闘獣ダリウス | ||
剣闘獣ベストロウリィ | ||
魔法カード(16枚) |
||
×3枚 | 再起する剣闘獣 | |
墓穴の指名者 | ||
予想GUY | ||
×2枚 | 剣闘排斥波 | |
ヒーローアライブ | ||
×1枚 | 死者蘇生 | |
団結する剣闘獣 | ||
ハーピィの羽根帚 | ||
罠カード(2枚) |
||
×3枚 | ||
×2枚 | ||
×1枚 | 剣闘獣の戦車 | |
猛進する剣闘獣 | ||
エクストラデッキ(15枚) |
||
×3枚 | スレイブパンサー | L |
×2枚 | 剣闘獣総監エーディトル | F |
剣闘獣ガイザレス | F | |
×1枚 | ヴァレルソード・ドラゴン | L |
剣闘獣アンダバタエ | F | |
剣闘獣ドミティアノス | F | |
剣闘獣ドラガシス | L | |
剣闘獣ヘラクレイノス | F | |
召命の神弓-アポロウーサ | L | |
トロイメア・ユニコーン | L | |
No.41 泥睡魔獣バグースカ | X |
その後、数世代に渡って時代の流れから置き去りにされていた【剣闘獣】ですが、第10期頃から散発的に新規カードを獲得し始め、やがて2019年7月販売のレギュラーパック「CHAOS IMPACT」にて大量の新規サポートを携えて再び現代に蘇ることになります。
とはいえ、はっきり言って従来の【剣闘獣】とは全く別物のデッキと化してしまっているため、ここからは過去の【剣闘獣】とは一旦切り分けて基本的な知識や回し方の解説を入れていきます。
スレイブパンサー 【剣闘獣】を別物に変えたカード
最大の違いはやはり何と言っても「スレイブパンサー」の存在であり、ひいてはそれに伴う「戦闘を経由せずに動けるようになった」というコンセプトの進化です。
具体的には、これまで必須とされていた「相手の行動を罠で妨害し、その後に改めて戦闘を通す」という工程を省けるようになったため、先攻1ターン目から能動的に盤面を広げていける力を手にしています。むしろ近年出身のテーマでこれを持っていないようなデッキはほぼ存在しないため、「スレイブパンサー」を得たことで【剣闘獣】もようやく現代遊戯王への適応を果たしたとも言えるでしょう。
その結果、必然的に【剣闘獣】のコンセプトも「スレイブパンサー」を中心としたものに移り変わっていくことになります。
当初は従来通りの【罠ビート】を下敷きにする構成なども試されていましたが、次第に相手の妨害よりも自分自身の展開に重きを置くようになっていき、とにかく「スレイブパンサー」を安定して立てることが何よりも重視されるようになりました。最終的には【罠ビート】要素はほぼ残らなくなっており、根本的にデッキの目的自体がすり替わってしまっています。
もちろん、【剣闘獣】というカテゴリの性質そのものが変わったわけではありませんが、それにしても大胆すぎるイメージチェンジであると言うほかないでしょう。
剣闘獣アンダル必須枠へ パンサー展開の要
中でも急激に変化していったのが「剣闘獣アンダル」の存在感です。
星4/地属性/獣戦士族/攻撃力1900/守備力1500
これ自体は何の効果も持たないカードですが、「レスキューラビット」や「予想GUY」といったカードに対応する唯一無二の強みがあり、【剣闘獣】の展開力を外部から補強することができます。と言っても、これまではそれを踏まえた上で「特化するほど強くはない」と言われていたカードでもあったのですが、「スレイブパンサー」の存在を考慮するのであれば話は別です。
具体的には、下記のような動きを取れるようになります。
①:「剣闘獣アンダル」を絡めてモンスターを2体揃える。
②:「スレイブパンサー」をリンク召喚し、効果で「再起する剣闘獣」をサーチする。
③:「再起する剣闘獣」で「剣闘獣アンダル」を蘇生する。
④:「スレイブパンサー」の効果で「剣闘獣アンダル」を任意の【剣闘獣】と交換する。
要するに「剣闘獣アンダル」に対応する各種展開札が「リンク先を確保しつつ任意の剣闘獣の効果を発動する」と書いてあるカードに変わるため、このカードを採用することでデッキ自体のパワーが大きく底上げされます。実質的には3積み確定枠であり、今後の【剣闘獣】においてはどのような型であれデッキの核を担うと言って良いほどの重要カードです。
剣闘獣総監エーディトル 絶対に覚えるべき展開ルート4種
「スレイブパンサー」及び「剣闘獣アンダル」の重要性については上記の通りですが、これらはあくまでも展開の起点となるカードであり、最終的にゲームを決めるのは各種融合体の【剣闘獣】モンスターです。
従来の【剣闘獣】においては主に「剣闘獣ガイザレス」や「剣闘獣ヘラクレイノス」がこの役割を担っていましたが、今後は「剣闘獣総監エーディトル」がそれを引き受けることになります。これまでは召喚条件の重さとエクストラモンスターゾーンの工面の難しさから実用困難とされていましたが、「スレイブパンサー」の誕生がその両方の問題を同時に解決したからです。
まずは最もシンプルな展開ルートを下記に示します。
①:「スレイブパンサー」をリンク召喚し、効果で「再起する剣闘獣」をサーチする。
②:「再起する剣闘獣」で「剣闘獣アンダル」を蘇生する。
③:「スレイブパンサー」の効果で「剣闘獣アンダル」を「剣闘獣アウグストル」と交換する。
④:「剣闘獣アウグストル」の効果で「剣闘獣アトリクス」を特殊召喚する。
⑤:「剣闘獣アトリクス」の効果でレベル5以上の【剣闘獣】モンスターを墓地へ送る。
⑥:「剣闘獣アトリクス」と「剣闘獣アウグストル」を素材に「剣闘獣総監エーディトル」を特殊召喚する。
上記の展開によってリンク先を確保しつつ「剣闘獣総監エーディトル」を立てられるため、「剣闘獣ドミティアノス」もしくは「剣闘獣ヘラクレイノス」をリクルートすることで盤面を固めることができます。基本的に先攻時は全く動けなかった【剣闘獣】としては革命的な進歩であり、実際に現在の【剣闘獣】では「剣闘獣総監エーディトル」を軸に戦うのが主流のプランとなっています。
とはいえ、この展開ルートはあくまでも基礎知識的なもので、実戦でこの動きを取ることは実はそれほど多くありません。中には気付いた方もいらっしゃるかと思われますが、要するに下記のような条件さえ揃えば「剣闘獣総監エーディトル」を立てることができるからです。
①:「スレイブパンサー」をリンク召喚し、効果で「再起する剣闘獣」をサーチする。
②:残った【剣闘獣】モンスターを「剣闘獣アトリクス」に交換する。
③:「剣闘獣アトリクス」の効果でレベル5以上の【剣闘獣】モンスターを墓地へ送る。
④:墓地へ送った【剣闘獣】モンスターを「再起する剣闘獣」で蘇生する。
⑤:「剣闘獣アトリクス」と蘇生した【剣闘獣】モンスターを素材に「剣闘獣総監エーディトル」を特殊召喚する。
ポイントは「再起する剣闘獣」を残したまま「スレイブパンサー」の効果を使用できるかどうかという部分であり、これさえ満たせるのであればどのような初手であっても「剣闘獣総監エーディトル」まで繋がります。そして「スレイブパンサー」のリンク素材は「剣闘獣モンスターを含むモンスター2体」であるため、「スレイブタイガー」などはもちろんのこと、極端な話「増殖するG」などを通常召喚して条件を満たすことも可能です。
逆に言えば、「剣闘獣総監エーディトル」を展開する場合は何をおいても【剣闘獣】モンスター2体を確保しなければなりません。「剣闘獣アトリクス」の存在がありながら「E・HERO プリズマー」不要論が出ないのもこの辺りが理由で、実際に上記レシピでも「ヒーローアライブ」が最大枚数積まれています。
では、ここからは上記を踏まえ、応用編に入ります。
とはいえ、全てのルートを事細かに記載していくと日が暮れてしまうため、ここでは特に有用と思われるものを2つほど厳選して紹介します。
①:「レベル5以上の【剣闘獣】を出せるカード」を利用し、「再起する剣闘獣」を残したまま「剣闘獣総監エーディトル」を展開する。
②:「剣闘獣総監エーディトル」の効果で適当な【剣闘獣】をリクルートする。
③:「スレイブパンサー」+「剣闘獣総監エーディトル」+適当な【剣闘獣】を素材に「召命の神弓-アポロウーサ」をリンク召喚する。
④:「再起する剣闘獣」で「剣闘獣総監エーディトル」を蘇生する。
⑤:「剣闘獣総監エーディトル」の効果で「剣闘獣ドミティアノス」をリクルートする。
簡単に言えば、こちらは「剣闘獣総監エーディトル」展開後まで「再起する剣闘獣」を残せるパターンです。
「剣闘獣ドミティアノス」と「召命の神弓-アポロウーサ」による二重のモンスター効果縛りに加え、攻撃対象選択効果によって「召命の神弓-アポロウーサ」の戦闘破壊もケアできる布陣であり、これが成立すれば非常に有利な状況に持ち込めます。有利とは言えても勝てるとは言い切れないのが現代遊戯王の恐ろしいところですが、ひとまず制圧盤面としては十分な硬さを持っていると言って差し支えありません。
ちなみに、「召命の神弓-アポロウーサ」の代わりに適当な下リンク持ちをリンク召喚すれば「剣闘獣ドミティアノス」と「剣闘獣ヘラクレイノス」を揃い踏みさせることもできます。どちらを選択するかはプレイヤーの考え方次第ですが、見栄え的には後者の方が格好良いのは確かです。
①:「スレイブパンサー」をリンク召喚し、効果で「剣闘獣ダリウス」をサーチする。
②:残った【剣闘獣】モンスターを「剣闘獣アウグストル」に交換する。
③:「剣闘獣アウグストル」の効果で手札の「剣闘獣ダリウス」を特殊召喚する。
④:「剣闘獣ダリウス」の効果で墓地の「剣闘獣アンダル」を蘇生する。
⑤:「剣闘獣アウグストル」「剣闘獣ダリウス」「剣闘獣アンダル」を素材に「剣闘獣アンダバタエ」を特殊召喚する。
⑥:「剣闘獣アンダバタエ」の効果で「剣闘獣ガイザレス」を特殊召喚する。
⑦:「剣闘獣アンダバタエ」と「剣闘獣ガイザレス」を素材に「剣闘獣総監エーディトル」を特殊召喚する。
最後は「剣闘獣ダリウス」と「剣闘獣アンダバタエ」を起点に展開するパターンです。
初動条件は基本のエーディトル展開と同じであり、展開途中で「剣闘獣ガイザレス」を経由できる分、こちらの方が通常のルートよりも強力です。しかし、当然ながら「剣闘獣ダリウス」と「剣闘獣アンダバタエ」の両方が残っていなければならず、さらに「再起する剣闘獣」を墓地に置くこともできないため、完全な上位互換ルートとして見ることはできません。
とはいえ、恐らく実戦では最も多用すると思われる展開ルートであり、【剣闘獣】を回す上では絶対に押さえておくべき動きです。
ちなみに、上記ルートの更なる応用として「スレイブパンサー+手札にダリウス(エクイテ)」というパターンも存在します。上記の構築では素引きに頼る面が大きいため使用頻度は少なめですが、逆に「剣闘訓練所」や「炎舞-「天璣」」を投入するタイプの構築(※)では必須級の展開ルートであり、知っておいて損はない知識です。
(※しかし、ダリウス訓練天璣セットはアライブなどと違いそれ自体が展開手段になるわけではないため、個人的にはあまり信頼していません)
いずれにしても、こうした「スレイブパンサー」を筆頭とする各種新規サポートによって【剣闘獣】が大きく強化されたことは間違いありません。
流石にかつてのように環境の最前線で戦っていけるほどのパワーはありませんが、それでも中堅クラスの地力は持っており、今後のテコ入れ次第では十分に環境入りのポテンシャルを秘めているのではないでしょうか。
【まとめ】
【剣闘獣】の大まかな歴史・時代ごとのデッキレシピについては以上です。
環境全体の流れについては下記リンクをご参照ください。
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