ガーディアン・エアトス誕生 専用デッキ【次元エアトス】成立の兆し

2019年3月22日

【前書き】

 【第6期の歴史19 BF-大旆のヴァーユ参戦 【墓地BF】の成立】の続きになります。ご注意ください。

 「BF-大旆のヴァーユ」の参戦によって【墓地BF】が成立し、以降の環境ではメタの一角として存在感を示していくことになりました。

 しかし、その後はメタゲームの動きが停滞に向かっており、【レスキューシンクロ】とその派生デッキが頂点に君臨する状況は変化していません。カードプールの変動についても同様であり、環境レベルでは7月に現れた「BF-孤高のシルバー・ウィンド」が【墓地BF】の新戦力として注目を受けていた程度(※)です。

(※一応、同パックからは将来的に環境で活躍する実戦級カードが10枚近く現れていましたが、この時期に限ってはそれほど注目されない状況にありました)

 良くも悪くも固定化したゲームバランスが展開される中、続く8月に限定パックから密かに有力新人が姿を見せることになります。

 

ガーディアン・エアトス 6年越しのアニメ出身カード

 2009年8月上旬、限定パック「LIMITED EDITION 15」の配送が開始されました。新たに5種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは3902種類に増加しています。

 アニメ出身カードをまとめたパックの例に漏れず、どちらかと言うとファンアイテムとしての側面が強いカード群です。しかし、過去のアニメであるDMやGXからのOCG化という点では高評価を受けており、中でも「ガーディアン・エアトス」の注目度は非常に高いものだったのではないでしょうか。

星8/風属性/天使族/攻撃力2500/守備力2000
自分の墓地にモンスターカードが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
このカードに装備された装備魔法カード1枚を墓地へ送る事で、相手の墓地に存在するモンスターを3枚まで選択し、ゲームから除外する。この効果でゲームから除外したモンスター1体につき、エンドフェイズ時までこのカードの攻撃力は500ポイントアップする。

 最上級モンスターとしてはやや物足りないステータスですが、代わりに自分の墓地にモンスターが存在しない場合に手札から特殊召喚できるという召喚ルール効果を持っています。癖のある条件とはいえ2500打点がいきなり飛び出してくるというのは第6期当時としては破格であり、実際に情報判明当初から【次元ビート】系のデッキで新戦力として期待が集まっていたカードです。

 一方、後半の効果は率直に言って非常に扱いづらく、なおかつ前半の効果とは明らかにコンセプトが噛み合っていなかったため、こちら目当てに声がかかるケースは稀でした。そのため、実質的には「サイバー・ドラゴン」のような半バニラアタッカーとしての機能が主となるカードであり、当時においてもそういった運用法が試されていくことになります。

 しかし、やはり「墓地にモンスターが存在しない」という状況を安定してキープできるデッキは多くはなく、それは【次元ビート】のような除外デッキであっても例外ではありませんでした。というのも、そもそもデッキ内のモンスターの割合が多いこと自体が「ガーディアン・エアトス」の安定性を下げてしまうため、根本的にビートダウンデッキのアタッカーには向いていないカードだったからです。

 よってモンスターではなく魔法・罠カードをメインに据えており、なおかつ数少ないアタッカーでライフを取りにいくタイプのデッキ、つまり【メタビート】こそが「ガーディアン・エアトス」の真価を引き出せるデッキだったと言えるでしょう。

 

【次元エアトス】の成立 【次元スキドレ】からの派生

 とはいえ、ただ漠然と【メタビート】に採用するだけでは強みを発揮できないため、これ以降は専用デッキとして【次元エアトス】の開発が進んでいくことになります。

 そのための土台として持ち上がったのが【次元スキドレ】であり、コンセプトとしては墓地メタ・効果モンスターメタを同時に取り入れた混合メタビの一種です。「ガーディアン・エアトス」が「スキルドレイン」の悪影響を受けないことに着目した構成であり、通常の【メタビート】よりも【スキドレバルバ】ギミックとの親和性に優れていることが最大の魅力と言えるでしょう。

 ただし、流石にモンスター枠が6体だけでは火力が乏しすぎるため、追加で何らかの枠を用意するのが定石とされていました。最も素直なところでは「ライオウ」が筆頭候補に挙がりますが、それ以外にも「異次元の生還者」を採用してビートダウンを意識したものや、あるいはそもそも多少のアンチシナジーは気にせずに【メタビート】に寄せてしまうなど、様々な型が考案されています。

 しかし、最終的に主流として生き残ったのは「E・HERO エアーマン」と「E・HERO アナザー・ネオス」、そして「デュアルスパーク」を取り入れた【デュアルHERO】ギミックでした。

自分フィールド上に表側表示で存在するレベル4のデュアルモンスター1体をリリースし、フィールド上に存在するカード1枚を選択して発動する。選択したカードを破壊し、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 単純に使っても1:1交換の万能除去であり、さらに速攻魔法であるためにサクリファイス・エスケープにも対応するなど、基本的にアドバンテージを稼げない【メタビート】にとっては革新的なギミックです。特に【メタビート】が最も苦手とする「一旦着地を許してしまった脅威」に広く対応できることがありがたく、このギミックの発見以降は【次元エアトス】のみならず各種【メタビート】でも出張候補として有力視されるに至っています。

 その筆頭が後に成立する【光デュアル】であり、むしろ【次元エアトス】でこのギミックが脚光を浴びたからこそ【光デュアル】が生まれたと言っても過言ではないでしょう。

 

現役時代は2009年9月環境 【ライトロード】との戦い

 そんな【次元エアトス】の現役時代は2009年9月以降、【ライトロード】全盛期の環境において訪れています。

 簡単に言えば「光の援軍」の参戦によって大きく強化された【ライトロード】や、その派生デッキである【ライロアンデット】のメタとして注目されたことによる結果です。また、丁度【魔轟神】などの墓地利用系デッキが新たに環境入りをしてきた時期でもあったため、これ以降は【次元】系メタビの筆頭デッキとして名を馳せていくことになります。

 というより、最終的には当時の【メタビート】系デッキ全般が【次元エアトス】に派生するという経緯を辿っており、事実上「ガーディアン・エアトス」そのものが【メタビート】の必須カードのように見られていたと言っても過言ではありません。本質的には半上級バニラアタッカーに過ぎない「ガーディアン・エアトス」がアーキタイプの中核を担うというのは驚異的な話であり、それだけ「特殊召喚が容易な高打点アタッカー」という性質が【メタビート】のコンセプトに噛み合っていたと言えるでしょう。

 

アニメ版のエアトスについて

 ちなみに、そんな「ガーディアン・エアトス」のアニメ版効果を現行テキストに直すと下記のようになります。

自分フィールドに「女神の聖剣-エアトス(アニメ版)」が存在しない場合、このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
①:自分の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②:このカードが「女神の聖剣-エアトス(アニメ版)」を装備している場合に発動できる。装備しているそのカードを破壊し、以下の効果を適用する。
●相手の墓地の一番上のカードを確認し、それがモンスターだった場合、そのモンスターを除外する。その後、モンスター以外が出るまでこの効果を繰り返す。このカードの攻撃力は、この効果で除外したモンスターの元々の攻撃力を合計した数値分アップする。
③:このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。デッキから「ガーディアン・デスサイス(アニメ版)」1体を守備表示で特殊召喚する。

 主に効果外テキストのせいで使い勝手が大幅に悪くなっていますが、②の効果によるワンキルや、③の効果による安定した後続確保など、専用デッキを組めば輝き得るポテンシャルは持っています。実際にアニメでは攻撃力を10000にまで上昇させて主人公を打ち破っており、使用者の実力も相まって非常に強力かつ重要な切り札として活躍していた(※)モンスターです。

(※というより、むしろストーリー部分にもかなり深く絡んでいました)

 「ガーディアン・エアトス」の人気の高さにはこうした背景があり、このことがOCG環境における【次元エアトス】の流行に少なからず寄与していたことは間違いないのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 「ガーディアン・エアトス」についての話は以上となります。

 その独特かつ優秀な特殊召喚効果から注目を集め、やがては【次元エアトス】のキーカードとして環境に浮上したモンスターです。また、そうしたOCG面の高評価とは別にファンアイテムとしても屈指の人気を誇っており、第一線を退いた後も様々なカジュアルデッキが考案されていました。

 それを裏付けるように第9期に入ってからもサポートカードを獲得するなど、開発側からも何かとテコ入れがあった名カードです。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。