ライオウが最強のメタビモンスターだった頃

2019年1月8日

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【前書き】

 【第5期の歴史23 【フロフレホルス】の現役時代 2007年下半期の奮闘】の続きになります。ご注意ください。

 優良カード「氷炎の双竜」の誕生によって【フロフレホルス】のひな形が成立、以降は中堅格のデッキとして一定の存在感を示していくことになりました。

 しかし、その後しばらくは目立った動きがなく、勢力図の入れ替わりがないままにメタゲームが推移しています。続く7月には次弾となるレギュラーパックも販売されていますが、第5期出身パックとしては珍しく今一つ振るわないラインナップ(※)であったため、少なくとも環境目線では取り立てて大きな出来事には数えられなかったと見るべきでしょう。

(※正確には、将来的に地雷デッキ【ダーク・ガイア】のキーカードとして名を馳せる「E-HERO ダーク・ガイア」や、2008年の世界大会で優勝の栄光に輝く【剣闘獣】などが参入してきていましたが、いずれもこの時点ではデッキパーツが満足に出揃っておらず、あまり注目されていない状況でした)

 やや停滞気味となっていたメタゲームが大きく動いたのは、それから更に時間が過ぎる8月上旬のことでした。

 

ライオウ 最強のメタビモンスター筆頭候補

 2007年8月3日、「遊☆戯☆王GX(第2巻)」が販売されました。その書籍同梱カードとして新たに1種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは2883種類に増加しています。

 ここで新たに現れたカード、それこそが「ライオウ」という怪物でした。

このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事はできない。また、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地に送る事で、相手モンスター1体の特殊召喚を無効にし破壊する。

 攻撃力1900という下級アタッカーとして一級品のステータスに加え、非常に優秀なメタ効果を2つ同時に内蔵しているモンスターです。一見して見て取れる通り、第5期当時のカードパワー水準を大幅に超えていることは言うまでもなく、例によって書籍販促の意図が見られる「露骨に強すぎるパワーカード」としてデザインされたのは間違いないでしょう。

 性能を見る場合、やはり「ライオウ」最大の強みはサーチメタ能力にこそあると言っても過言ではありません。

 ドロー以外の方法によるデッキサーチ全般を封じるというのは非常に強力な封殺効果であり、むしろゲームスピードが加速した現在でこそ真価を発揮しやすいとも言えます。実際にメタの流れによっては今なおサイドカードとして声がかかるケースもあるなど、10年以上前に現れたとはとても思えないほど時代を先取りした制圧効果です。

 この時期の環境においては、当時の主流デッキの一角【ガジェット】に対するメタカードとして注目が集まっています。

 単純にこれがフィールドに立っているだけでガジェットトリオがバニラ化するため、【ガジェット】のコンセプトを根本から潰すことができます。もちろん、相手が「ライオウ」の影響下で素直にガジェットを出してくることは考えにくいですが、実質的に召喚封じに近い効力を発揮すると思えば悪い働きではありません。

(つまり、「ガジェットを召喚させないターンを作る」ことにより有利を取っている、という考え方です)

 除去耐性は持っていないため、「地砕き」や「地割れ」などで早々に処理されることも多いですが、ただの下級モンスターがこれほどの圧力をかけてくるのは【ガジェット】視点では相当苦しい状況でしょう。まかり間違って定着を許せばほぼ勝ち目がなくなるほか、そもそも基礎スペック自体が1900打点のアタッカーであるということもあり、仮想的に【ガジェット】を見据えるなら無条件で3枠取っていいほどの優良サイドカードです。

 実際、「ライオウ」はその参入直後からまたたく間にサイドの常連メンバーとなり、デッキによってはメインから3積み候補になるほどの高評価を得るに至っています。

 

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全盛期はシンクロ時代 生きる神宣

 このように、「ライオウ」は当初に限ればサーチメタとしての起用が中心となっていましたが、もちろん後半の特殊召喚メタ効果も標準以上の強さです。

 この時期は「サイバー・ドラゴン」程度しか当てる先がなく、「あって損はないオマケ効果」という扱いに甘んじていましたが、将来的に「ダーク・アームド・ドラゴン」を始めとする凶悪な特殊召喚モンスターが台頭するにつれて評価が急上昇しています。先出し限定ながら「サイドラやダムドと相打ちできる下級アタッカー」というのは単純に考えてもかなり強く、やがてはこちらの効果を目当てに採用されるケースも散見されるようになっていきました。

 こうした流れを受けて成立したデッキの走りが「ライオウ」搭載型の【メタガジェ】であり、ひいてはその発展形の【パキケガジェット】であったというのは非常に有名な逸話です。

 一見すると血迷った考えにしか思えないアンチシナジーなカード選択ですが、使い切りのアタッカー兼カウンター要員と割り切れば見た目ほど邪魔にはなりません。これは丁度その時期に【ガジェット】が規制を受けて弱体化していたことも関係しており、デッキコンセプトを【メタビート】軸に寄せることで生存を図った型だったとも言えます。

 もちろん、【ガジェット】と「ライオウ」の噛み合わせが良くないという欠陥を誤魔化すことはできませんが、それに目を瞑ってでも使いたいカードだったと言い換えることもでき、あるいは当時の環境(2007年11月~)がそれほど特殊召喚重視のゲームバランスに寄っていたという事実の裏返しでもあるでしょう。

 とはいえ、やはり「ライオウ」の全盛期は第5期当時ではなく、シンクロ召喚が導入される第6期環境において訪れていたのではないでしょうか。

 シンクロ召喚も「条件による特殊召喚」に分類される以上、当然「ライオウ」の対応範囲に含まれていることは言うまでもありません。つまり、これが立っているだけで【シンクロ召喚】絡みの展開は行き詰まるということに等しく、非常にローリスクで相手の行動を大幅に減速させることができたのです。

 特に「大寒波」によって潰されない点が非常に重要で、ある意味では「神の宣告」以上に信頼できる防御札として機能していたところもあります。もちろん、相手に存在がバレている以上は過信するのは危険ですが、多くの場合「ライオウ」の処理に1ターンかけさせることができ、また状況によっては1:2交換以上を強要させることもできました。

 さらには【剣闘獣】の切り札「剣闘獣ガイザレス」などを同時に見られる利点もあるなど、とにかく2008年環境においては重要な立ち位置にあった1枚です。【メタビート】などのメタデッキではもちろん、【レスキューシンクロ】を始めとする主流デッキ側においてすら採用実績を残していたと言えば、当時の「ライオウ」というカードの強力さが垣間見えるのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 「ライオウ」についての話は以上となります。

 下級メタビモンスターとしては最強の一角にまで数えられたカードであり、実際にメタゲームに及ぼした影響も類型カードの中では屈指です。現在ではカードプールの拡大によって相互互換カードも増え、唯一無二の存在とは言えなくなっていますが、良くも悪くも「ライオウ」の存在が強く印象に残っているという方は少なくないのではないでしょうか。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。