制限改訂2008年3月 「死者蘇生」制限復帰 3年半ぶりの現世

2019年1月23日

【前書き】

 【第5期の歴史38 【剣闘獣】全盛期 ガイザレスのトラウマ】の続きとなります。ご注意ください。

 第5期最終弾となるレギュラーパックが販売され、当時の環境に少なくない波紋が広がりました。とりわけ【ライトロード】を筆頭とするデザイナーズデッキの躍進は衝撃的と言うほかなく、この時をもって現行OCGにおける「デザイナーズデッキ全盛期」が始まりを告げたのではないでしょうか。

 歴史の転換期とも言える一大事を尻目に、続く3月に第5期最後の制限改訂が実施されることになります。

 

制限改訂 2008年3月1日

 2008年3月1日、遊戯王OCGにおいて23回目となる制限改訂が行われました。

 禁止カードに指定されたカードは以下の40枚です。

聖なる魔術師 制限
魔導戦士 ブレイカー 制限
リビングデッドの呼び声 制限
ヴィクトリー・ドラゴン」 -
混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前) -
カオス・ソーサラー -
カオス・ソルジャー -開闢の使者- -
キラー・スネーク(エラッタ前) -
黒き森のウィッチ(エラッタ前) -
サイバーポッド -
サウザンド・アイズ・サクリファイス -
処刑人-マキュラ(エラッタ前) -
月読命 -
デビル・フランケン -
同族感染ウィルス -
ファイバーポッド -
魔導サイエンティスト -
八汰烏 -
悪夢の蜃気楼 -
いたずら好きな双子悪魔 -
王家の神殿(エラッタ前) -
押収 -
苦渋の選択 -
強引な番兵 -
強奪 -
強欲な壺 -
心変わり -
サンダー・ボルト -
蝶の短剣-エルマ -
天使の施し -
ハーピィの羽根帚 -
ブラック・ホール -
突然変異 -
遺言状 -
王宮の勅命(エラッタ前) -
現世と冥界の逆転(エラッタ前) -
第六感 -
刻の封印 -
破壊輪(エラッタ前) -
ラストバトル! -

 

 制限カードに指定されたカードは以下の57枚です。

風帝ライザー 無制限
高等儀式術 無制限
死者蘇生 禁止
抹殺の使徒 準
おジャマトリオ 無制限
異次元の女戦士 -
E・HERO エアーマン -
カードガンナー -
クリッター(エラッタ前) -
混沌の黒魔術師(エラッタ前) -
スナイプストーカー -
魂を削る死霊 -
ダンディライオン -
D-HERO ディスクガイ(エラッタ前) -
ドル・ドラ -
深淵の暗殺者 -
N・グラン・モール -
封印されしエクゾディア -
封印されし者の左足 -
封印されし者の左腕 -
封印されし者の右足 -
封印されし者の右腕 -
マシュマロン -
冥府の使者ゴーズ -
メタモルポット -
森の番人グリーン・バブーン(エラッタ前) -
黄泉ガエル -
大嵐 -
オーバーロード・フュージョン -
巨大化 -
サイクロン -
地砕き -
次元融合 -
地割れ -
スケープ・ゴート -
洗脳-ブレインコントロール(エラッタ前) -
団結の力 -
連鎖爆撃 -
手札抹殺 -
早すぎた埋葬 -
ハリケーン -
光の護封剣 -
封印の黄金櫃 -
未来融合-フューチャー・フュージョン(エラッタ前) -
リミッター解除 -
レベル制限B地区 -
グラヴィティ・バインド-超重力の網- -
激流葬 -
死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前) -
聖なるバリア -ミラーフォース- -
ダスト・シュート -
血の代償 -
停戦協定 -
転生の予言 -
光の護封壁 -
マインドクラッシュ -
魔法の筒 -

 

 準制限カードに指定されたカードは以下の12枚です。

サイバー・ドラゴン 無制限
ネクロフェイス 無制限
光と闇の竜 無制限
おろかな埋葬 無制限
月の書 制限
魔導師の力 制限
魔法石の採掘 制限
暗黒のマンティコア -
D-HERO ディアボリックガイ -
闇の仮面 -
増援 -
王宮のお触れ -

 

 無制限カードに緩和されたカードは以下の8枚です。

イエロー・ガジェット 準
グリーン・ガジェット 準
人造人間-サイコ・ショッカー 準
見習い魔術師 準
レッド・ガジェット 準
強制転移 準
貪欲な壺 準
無謀な欲張り 準

 

 以上が当時コナミから下された裁断となります。変動23枚、うち規制強化が11枚、規制緩和が12枚となっており、なんと緩和枚数が規制枚数を上回るという快挙を達成しています。

 これは遊戯王OCG史上でも数少ない事例であり、第3期中頃の2003/4/10の改訂以来5年ぶりの出来事です。規制すべきカードよりも緩和を許すカードの方が多いというのは稀な状況と言ってよく、つまるところ当時の環境全体が「良くも悪くも安定していた」ことを裏付けているのではないでしょうか。

 

【ライダー】系・【帝コントロール】への規制

 当改訂のうち最も注目を受けていた出来事は、「光と闇の竜」が準制限カードに、「風帝ライザー」が制限カードに、それぞれ規制強化されたことでしょう。

 どちらも2007年を代表する【生け贄召喚】系列のエースモンスターであり、これらが前年上半期から下半期にかけて猛威を振るっていたことは間違いありません。特に「光と闇の竜」は2007年3月以降の環境では長らくトップメタの筆頭として活躍していたため、これに対する規制強化も一見するとそれほど不自然な決定ではないようにも見えます。

 しかし、この時期の【ライダー】系は【ダムドビート】の台頭に始まる環境の変化に適応し切れなくなっており、あえて規制強化すべきカードとは言えなくなっている部分もありました。それも準制限カード指定というのはかなり中途半端な規制であり、悪く言えばあまり意味をなさない改訂だったのではないでしょうか。

 一方で、「風帝ライザー」は【帝コントロール】以外でも汎用アタッカーとして声がかかることも多かったため、この影響は比較的広範囲に及ぶことになりました。

 とはいえ、やはり「ダーク・アームド・ドラゴン」の流行を抑えるほどではなく、これも俯瞰視点ではそれほど大きな変化には繋がっていなかったと見るべきでしょう。

 

 ワンショット系デッキの筆頭である【デミスドーザー】に対する圧力として、「高等儀式術」が無制限カードから制限カードまで一気に規制強化されています。

 2007年9月の改訂でいくつかのキーカードを失いながらも、依然メタの一角として生存していた勢力ですが、この規制をもって遂に環境からは完全に脱落することになりました。事実上【儀式召喚】全体を巻き込んでの解体宣言であり、純粋な【儀式召喚】の愛好家にとってはとばっちりに近い話です。

 さらに言えば、【デミスドーザー】自体が2007年末を境に衰退気味だったこともあり、どちらかと言うとカジュアル環境に対する影響の方が大きい改訂だったのではないでしょうか。

 

汎用パワーカードへの規制

 「聖なる魔術師」「魔導戦士 ブレイカー」「リビングデッドの呼び声」の3枚が一斉に禁止カード指定を受けました。

 いずれも遊戯王前半期を代表するパワーカードとして名を馳せており、非常に幅広いデッキで準必須級カードのような扱いを受けていた面々です。こうした状況はゲームバランスとしては不健全な部分も多く、そういった汎用的な使い方を潰す意図があったものと思われます。

 さらに、上記3枚ほどではありませんが、「サイバー・ドラゴン」が準制限カード行きとなった影響も小さなものではありません。

 「サイバー・ドラゴン」はそれ自体が優秀なアタッカーでありながら、「キメラテック・フォートレス・ドラゴン」を絡めた【機械族】メタとして環境を席巻していました。この状況が【機械族】全体に対して非常に厳しい向かい風を生み出していたことは言うまでもなく、半バニラアタッカーとしては異例の規制強化という決定に向かったのではないでしょうか。

 また、恐らくはこれに関連した流れとして、ガジェットトリオや「人造人間-サイコ・ショッカー」に対する規制が解除されています。

 元々使用率が下がっていた「人造人間-サイコ・ショッカー」はともかく、【ガジェット】は前回の2007年9月の改訂で規制されたばかりであり、これほど早く無制限復帰を遂げたことは非常に驚くべき話です。特にこの時期は【パキケガジェット】として環境にも顔を見せていたため、裏を返せばそれだけ「キメラテック・フォートレス・ドラゴン」の影響が致命的なものだったのだと言えるでしょう。

 その他、やや軸をずらした規制としては、「おろかな埋葬」が準制限カード行きとなっていたことも特筆すべき出来事と言えます。

 これまでは一部のデッキで使われるコンボパーツという扱いを受けており、長らく無制限カードの立ち位置にあったカードですが、時代の変化によって遂に規制の手が及んだ格好です。

 もっとも、この時期に「おろかな埋葬」を3積みしていたデッキは直前に現れていた【ライトロード】や、あるいは「ネクロ・ガードナー」を使うタイプ(※)の【帝コントロール】程度しかいなかったため、実質は将来的な影響も踏まえた規制だったとも言えるでしょう。

(※当時は主に【ネクロ帝】と呼ばれていました)

 

「死者蘇生」の制限復帰

 一方、上記とは逆に規制緩和されたカードも多く、とりわけ「死者蘇生」が禁止カードから制限復帰を遂げたことは衝撃の大事件と言うほかありません。

 第4期初頭の2004年9月の改訂で禁止カードに指定されて以来、3年半にも渡ってその位置にとどまり続けたカードが現役復帰した事実は重く、これにより「長期間禁止カード指定を受けていたカードにも復帰の見込みがある」といった価値観が少なからず広まりました。

 他方では、2005年9月に制限カード指定を受けていた「月の書」が準制限カードに復帰を果たすなど、長年重い規制が続いていたカードに対する規制緩和も目立った改訂です。

 

コンボ系カードの規制強化・緩和

 その他、コンボ系カードに対する圧力として、「おジャマトリオ」が制限カードに、「ネクロフェイス」が準制限カードに、それぞれ規制強化されました。

 いずれも一時期は様々なデッキでコンボパーツとして名を馳せたカードであり、これ以上の悪用を防ぐ目的で規制が入ったものと思われます。

 しかし、この時期に限って言えばトーナメントレベルではほぼ意識されておらず、なぜこのタイミングになって突然規制強化に向かったのかは不明です。一応、「ネクロフェイス」に関しては【次元ビート】の派生型の一つである【次元ネクロ】などで使われることもありましたが、あえて規制するほど大きな勢力だったとは言えません。

(というより、中堅レベルにも届いていなかった印象です)

 逆に、2006年3月の改訂以降2年間に渡って制限カードに指定されていた「魔法石の採掘」が準制限カードに復帰するなど、往年のコンボパーツに対する規制緩和も見られます。

 中でも「貪欲な壺」「無謀な欲張り」の2枚は環境レベルでの実績も多く、時代が進んだ当時においても少なからず話題を呼ぶことになりました。

 

【まとめ】

 2008年3月の改訂で起こった出来事は以上です。

 変動枚数は23枚と比較的多めの数値ですが、それに反してメタゲームへの影響はほぼ見られない「凪の改訂」だったと言えるでしょう。実際、環境目線では特に語る部分もなく、いずれもカードレベルの話にとどまっている面はありました。

 そして、遊戯王OCGの第5期の歴史はここまでで以上となります。長時間記事にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

 

Posted by 遊史