制限改訂2007年9月 ガジェットトリオ準制限行き そして生け贄召喚全盛期へ

2019年1月12日

【前書き】

 【第5期の歴史27 フォッシル・ダイナ パキケファロ誕生 メタデッキ【パキケガジェット】の成立】の続きとなります。ご注意ください。

 遊戯王前半期の特殊召喚メタを代表する「フォッシル・ダイナ パキケファロ」が誕生し、当時の【メタビート】界隈に少なくない追い風が吹くことになりました。参入直後の時点ではあまり注目を集めていませんでしたが、2007年末から2008年のシンクロ全盛期にかけて名を馳せるカードです。

 そんな中、続く9月の制限改訂で大規模なカードプール調整が入ります。

 

制限改訂 2007年9月1日

 2007年9月1日、遊戯王OCGにおいて22回目となる制限改訂が行われました。

 禁止カードに指定されたカードは以下の38枚です。

押収 制限
強奪 制限
突然変異 準
破壊輪(エラッタ前) 制限
ヴィクトリー・ドラゴン -
混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前) -
カオス・ソーサラー -
カオス・ソルジャー -開闢の使者- -
キラー・スネーク(エラッタ前) -
黒き森のウィッチ(エラッタ前) -
サイバーポッド -
サウザンド・アイズ・サクリファイス -
処刑人-マキュラ(エラッタ前) -
月読命 -
デビル・フランケン -
同族感染ウィルス -
ファイバーポッド -
魔導サイエンティスト -
八汰烏 -
悪夢の蜃気楼 -
いたずら好きな双子悪魔 -
王家の神殿(エラッタ前) -
苦渋の選択 -
強引な番兵 -
強欲な壺 -
心変わり -
サンダー・ボルト -
死者蘇生 -
蝶の短剣-エルマ -
天使の施し -
ハーピィの羽根帚 -
ブラック・ホール -
遺言状 -
王宮の勅命(エラッタ前) -
現世と冥界の逆転(エラッタ前) -
第六感 -
刻の封印 -
ラストバトル! -

 

 制限カードに指定されたカードは以下の58枚です。

カードガンナー 無制限
スナイプストーカー 無制限
聖なる魔術師 禁止
D-HERO ディスクガイ(エラッタ前) 無制限
魔導戦士 ブレイカー 禁止
巨大化 無制限
地砕き 無制限
地割れ 無制限
洗脳-ブレインコントロール(エラッタ前) 無制限
ダスト・シュート 無制限
転生の予言 無制限
光の護封壁 準
異次元の女戦士 -
E・HERO エアーマン -
クリッター(エラッタ前) -
混沌の黒魔術師(エラッタ前) -
魂を削る死霊 -
ダンディライオン -
ドル・ドラ -
深淵の暗殺者 -
N・グラン・モール -
封印されしエクゾディア -
封印されし者の左足 -
封印されし者の左腕 -
封印されし者の右足 -
封印されし者の右腕 -
マシュマロン -
冥府の使者ゴーズ -
メタモルポット -
森の番人グリーン・バブーン(エラッタ前) -
黄泉ガエル -
オーバーロード・フュージョン -
大嵐 -
サイクロン -
次元融合 -
スケープ・ゴート -
団結の力 -
連鎖爆撃 -
月の書 -
手札抹殺 -
早すぎた埋葬 -
ハリケーン -
光の護封剣 -
封印の黄金櫃 -
魔導師の力 -
魔法石の採掘 -
未来融合-フューチャー・フュージョン(エラッタ前) -
リミッター解除 -
レベル制限B地区 -
グラヴィティ・バインド-超重力の網- -
激流葬 -
死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前) -
聖なるバリア -ミラーフォース- -
血の代償 -
停戦協定 -
マインドクラッシュ -
魔法の筒 -
リビングデッドの呼び声 -

 

 準制限カードに指定されたカードは以下の14枚です。

イエロー・ガジェット 無制限
グリーン・ガジェット 無制限
人造人間-サイコ・ショッカー 制限
D-HERO ディアボリックガイ 無制限
レッド・ガジェット 無制限
貪欲な壺 制限
抹殺の使徒 制限
王宮のお触れ 無制限
暗黒のマンティコア -
見習い魔術師 -
闇の仮面 -
強制転移 -
増援 -
無謀な欲張り -

 

 無制限カードに緩和されたカードは以下の4枚です。

神殿を守る者 制限
D.D.アサイラント 準
ゴブリンのやりくり上手 準
魔のデッキ破壊ウイルス 準

 

 以上が当時コナミから下された裁断となります。変動28枚、うち19枚が規制強化、残り9枚が規制緩和という規制重視の決定であり、全体的にインフレを抑制する意図が強く見られる改訂です。

 また、変動枚数そのものも非常に多く、第5期では最多の枚数、遊戯王全体を見渡しても上位に入ります。そうしたこともあり、この時の改訂は環境に対しても大きな影響を及ぼしたカードプール調整だったのではないでしょうか。

 

【ガジェット】への規制

 「イエロー・ガジェット」「グリーン・ガジェット」「レッド・ガジェット」が準制限カードに、「地砕き」「地割れ」が制限カードに、それぞれ規制強化されました。

 第4期中頃の2005年3月頃から頭角を現し、それから非常に長い間メタゲームに居座っていた【ガジェット】にもようやくの規制が入った形です。【ガジェット】の心臓であるガジェットトリオはもちろん、「地砕き」「地割れ」の2枚も必須除去として活躍してきたカードであり、これに対する規制強化は非常に大きなダメージとなることは言うまでもありません。

 しかし、元々【ガジェット】は3色全てを3積みする「9ガジェ」と、それぞれ2枚積みに抑える「6ガジェ」の2種類の型に分かれていたため、準制限カード指定を受けただけでは致命傷には至りませんでした。

 「地砕き」「地割れ」についても、優秀ではあるものの他の除去カードで代替が利き、やはり致命的なダメージとは言えません。

(というより、むしろ「地割れ」についてはこれ以前からピン挿しか、そもそも採用しないという型も少なくありませんでした)

 よって、当改訂で受けた【ガジェット】の被害は見た目ほど大きなものではなく、ある程度勢いを落としながらも引き続きメタゲームに影響を及ぼしていくことになります。

 

【デステニーライダー】への規制

 「D-HERO ディアボリックガイ」が準制限カードに、「D-HERO ディスクガイ(エラッタ前)」が制限カードに規制強化されています。

 このうち、ダメージが大きかったのはやはり「D-HERO ディアボリックガイ」の方で、自身のリクルートという効果の性質上2枚では効力、安定性どちらも低下してしまったため、これ以降は採用率の下落を招いてしまった格好です。それでも無理を推して使われるケースが全くなかったわけではありませんが、少なくとも円滑な運用は期待できなくなったと見るべきでしょう。

 一方、「D-HERO ディスクガイ(エラッタ前)」は元々ピン挿し採用が主流だったため、制限カード指定は事実上ほぼ意味のない規制となっていました。むしろ上記の「D-HERO ディアボリックガイ」の規制により、間接的に「デステニー・ドロー」などのサポートを併用しにくくなったダメージの方が大きいと言われていたほどです。

 また、上記2枚とはやや方向性が異なりますが、「カードガンナー」も制限カード指定を下されています。

 これは【デステニーライダー】を名指ししているというより、そもそも「カードガンナー」自体がパワーカードであったことが直接の規制理由となっていました。

 しかし、それでも全体の割合としては【ライダー】系での採用が最も多かったため、実質的には当アーキタイプに対する圧力(※)だったと判断していいのではないでしょうか。

(※追記:コメントにて情報提供をいただきました。この他にも【未来オーバー】の後継として「機械複製術」や「リミッター解除」を組み合わせたワンキルギミックを搭載したデッキが存在したため、それらに対する規制という側面もあったようです)

 

 ワンショットパーツである「巨大化」が制限カードに、そして「突然変異」「破壊輪(エラッタ前)」が禁止カードに指定されました。

 これらはいずれも【デミスドーザー】のワンショットパターンの成立に貢献していたため、そうした後攻1キルの発生を抑える意図が出た決定となっています。

 このうち、「破壊輪(エラッタ前)」に関しては【デミスドーザー】に限らず他デッキでも使われていましたが、当時の環境では【デミスドーザー】での濫用が最も目立っていたため、このことが禁止カード指定の駄目押しとなった可能性は高かったのではないでしょうか。

 また、関連パーツの一つである「王宮のお触れ」も準制限カードに規制強化されるなど、当改訂における【デミスドーザー】への圧力は決して無視できるものではありません。「王宮のお触れ」は直接ワンキルギミックに関係するカードではありませんが、【デミスドーザー】においては実質「大嵐」や「ハリケーン」のように振る舞っていたため、そうした使い方を潰す目的があったものと思われます。

 また、恐らくはその代わりとして、遂に「人造人間-サイコ・ショッカー」が準制限カードに規制緩和されたことも大きな出来事に数えられるでしょう。

 かつてはパワーカードの筆頭として環境を席巻していた存在ですが、流石にこの頃になると姿を見かけることも稀になっていたため、そうした使用率の低下も緩和の後押しとなった印象です。

 

汎用パワーカードへの規制と緩和

 【ハンデス三種の神器】最後の1枚「押収」に加え、最高のコントロール奪取カード「強奪」の2枚が禁止カード指定を受けました。

 そして、これ以降は2枚とも一度として現役復帰を遂げておらず、この改訂をもって永年禁止カードにメンバー入りを果たした形です。どちらも純粋にカードパワーが明らかに壊れており、特に「押収」の方は今後もエラッタなしでの復帰の見込みはまずあり得ないほどのカードと言えます。

 上記に次いで環境に影響を与えたのは、「スナイプストーカー」「洗脳-ブレインコントロール(エラッタ前)」「ダスト・シュート」の3枚が制限カードに規制強化されたことです。

 いずれも無制限カードからいきなりの制限行きとなっており、当時の環境においてこれら3枚が高い使用率を誇っていたことが窺えます。中でも「ダスト・シュート」はデッキを問わずメインから3積みされることも少なくなかったため、これに対する規制強化の影響は極めて広範囲に波及しました。

 一方、上記とは逆に規制緩和が行われたカードも多く、とりわけ「聖なる魔術師」「魔導戦士 ブレイカー」の制限復帰は非常に大きな出来事に数えられます。

 また、「貪欲な壺」や「抹殺の使徒」などのパワーカードの準制限緩和も出来事としては見逃せません。特に「貪欲な壺」はかつて【雑貨貪欲ターボ】を筆頭に墓地利用デッキで一世を風靡していたこともあり、この規制緩和はプレイヤーの間で少なからず話題を呼びました。

 とはいえ、安易に複数枚積むようなカードではないこと、また優秀な相方であった「カードガンナー」を失っていたことなどがあり、案外問題には繋がらなかった印象です。そのため、以前のように専用デッキが組まれるというよりは、元々相性の良いデッキがこれを取り入れるといった健全な範囲での使用にとどまることになりました。

 

【TOD】系カードへの規制

 その他、一部界隈で起こった問題への対処として、「転生の予言」「光の護封壁」の2枚が制限カード行きを宣告されています。

 問題というのはつまり【TOD】に絡んだ話となっており、掻い摘んで言えば「遅延」に関係した各種対人問題と言えるでしょう。

 もちろん、流石にかつてほど露骨な形で騒動に繋がることはありませんでしたが、それでも完全に【TOD】の概念が消えていたわけではなかったため、その燻りが「転生の予言」の存在によって表面化してしまった格好です。

 こうした不都合が開発側としては放置できない問題であることは言うまでもなく、今後遺恨を残さないようにするという意味でも明確な形で対処を行ったのではないでしょうか。

 

【後編に続く】

 このように、9月の改訂によって当時のカードプールに大規模な調整が入り、それに釣られる形でこれ以降のメタゲームも大きく揺れ動いていくことになりました。

 後編に続きます。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

Posted by 遊史