ネクロフェイス誕生 悪用しがいのある面白カード

2018年11月2日

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【前書き】

 【第5期の歴史5 万能サーチカード封印の黄金櫃 禁止行きが囁かれた時代】の続きになります。特に、この記事では前後編の後編の話題を取り扱っています。ご注意ください。

 

黄金櫃ネクロ 一粒で二度おいしいコンボ

 「封印の黄金櫃」を除外版サーチカードとして昇華させた最初の存在、それは「ネクロフェイス」という下級モンスターに他なりませんでした。

このカードが召喚に成功した時、ゲームから除外されているカードを全てデッキに戻してシャッフルする。このカードの攻撃力は、この効果でデッキに戻したカードの枚数×100ポイントアップする。このカードがゲームから除外された時、お互いはデッキの上からカードを5枚ゲームから除外する。

 やや読み取りにくいテキストですが、簡単にまとめると以下の2つの効果を持っているモンスターです。

 

①:召喚成功時にお互いの除外されたカードを全てデッキに戻し、その枚数×100の自己強化を行う。

 

②:自身が除外された時、お互いにデッキトップ5枚を除外する。

 

 どちらも除外関連の効果ですが、その性質は全くの真逆となっていることが分かります。とはいえ、どちらにしても効果を活かすには何らかの除外ギミックが必要となるため、この専用デッキを組む場合は必然的に【次元ビート】の要素を含むことになるでしょう。

 しかし、あえて2つの効果を比較するのであれば、このカードの真価は後半のデッキトップ除外効果にこそ秘められていることは間違いありません。

 性質上、直接的なアドバンテージに繋がるタイプの効果ではありませんが、例えば【デッキ破壊】のサポートとして見るなら十分な強さを備えています。5枚分のデッキデスという標準的なスペックに加え、除外によるデッキデスであるため相手に墓地利用を許さないのは他のデッキデスカードにはない「ネクロフェイス」だけの強みです。

 一応、逆に除外肥やしとして逆利用されてしまう場合も全くないとは言えませんが、墓地肥やしに比べればそうした状況はレアケースでしょう。

 欠点があるとすれば【デッキ破壊】のために除外というノイズ的なギミックを踏まなければならないことですが、この問題も容易に解決することができます。具体的には、封印の黄金櫃」と組み合わせることで即座に効果の誘発条件を満たすことができるからです。

 もちろん、これで除外した「ネクロフェイス」は2ターン後に手札に加わるため、再びそれを除外することで更なるデッキ破壊に繋げるのも難しいことではありません。非常に強固なシナジーであり、まさしく一粒で二度おいしいコンボです。また、この2枚は同じ書籍に同梱されていたため、開発側としてもこの使い方は意図的なものだったことが窺えます。

 これに特化したデッキこそが【ネクロフェイス】であり、成立以降は新たな形の【デッキ破壊】として脚光を浴びることになりました。

 

大量ゲインからのデビフラ連打 【ネクロフラ】の成立

 しかし、意外なことに【ネクロフェイス】系列デッキとして最初に活躍があったのは、純正の【デッキ破壊】軸ではなく俗に【ネクロフラ】と呼ばれる派生型でした。

 その成立のきっかけとなったのは、「魂吸収」という永続魔法カードです。

このカードのコントローラーはカードがゲームから除外される度に、1枚につき500ライフポイント回復する。

 カードが除外される度に、その枚数×500のライフゲインを行うという効果を持っています。これ自身にカードを除外する効果はないため、単体では全く何もしないカードですが、上記コンボと併用することで大量ライフゲインカードとして運用できるようになります。

 単純に考えても一度のコンボで5000ものライフゲインを行うことができ、カード1枚によって得られるライフ・アドバンテージとしては破格の見返りです。当然ライフゲイン効果は「魂吸収」の枚数分だけ累積するため、このカードを重ね張りすることで万単位のライフ・アドバンテージを得ることも不可能ではありません。

 もちろん、このカードと相性の良いカードは「ネクロフェイス」だけではなく、「マクロコスモス」などを張っておくだけでもかなりのライフゲインが見込めます。そもそも【ネクロフェイス】は【次元ビート】の要素を色濃く受け継いでいるため、見た目以上に優秀な働きが期待できる非常に重要なキーカードです。

 とはいえ、ただライフゲインを行うだけでは勝利に繋がらないのもまた事実です。

 この大量のライフを勝ち手段に変換するカードとして浮上したモンスター、それこそが「デビル・フランケン」でした。

 大半の融合モンスターを自由自在に呼び出せる反面、非常に重いライフコストを要求される扱いの難しいモンスターですが、【ネクロフラ】においてはこれほど噛み合ったカードは他に存在しません。同じく「デビル・フランケン」を利用するデッキとしては【デビフラ1キル】が挙げられますが、そちらと違い「ドラゴン・ウォリアー」を先置きすることで通常罠カードを封殺できるため、伏せカードを恐れずコンボを狙いに行けるのが最大の魅力と言えるでしょう。

 ワンショットが狙えない場面であっても、「魔人 ダーク・バルター」などを置くことで制圧軸にプランを切り替えることができる柔軟性の高さも強みの一つです。この時期は「サイバー・ドラゴン」や「死霊騎士デスカリバー・ナイト」が流行していたため、あまり信頼できるロックではありませんでしたが、時間稼ぎとしては十分な役割を果たせます。

 また、先に述べた通り【ネクロフラ】は除外系メタデッキとしてもそれなりに優秀で、特に少なからず墓地利用を狙う【ダークゴーズ】に一定の有利を取れるのはメリットとして見過ごせません。

 とはいえ、【ダークゴーズ】は【グッドスタッフ】の一種でもあるため、墓地を封じるだけで勝てるほど甘いデッキではなかったことも確かです。そもそも、この時期は「E・HERO エアーマン」の流行によって永続系カードが著しく評価を落としていたため、それらに強く依存する【ネクロフラ】も結局はカジュアルデッキの域を出なかったことは否定できません。

 それでもデッキが上手く回った時の爆発力の高さは本物です。以降のメタゲームでは中堅デッキの一角として次第に頭角を現していき、数は少ないものの一部ではトーナメントシーンで結果を残すこともありました。

 最終的には2007年3月の改訂で「封印の黄金櫃」が制限カードに、そして「デビル・フランケン」が禁止カードに指定されたことで構築不能となり、事実上の解体宣言を下されています。

 ただ、これらはどちらかと言うと【ネクロフラ】の存在とは無関係の、いわゆる「巻き込まれ規制」だったのですが、ひょっとするとその理由の一端程度にはなっていたのかもしれません。

 

【まとめ】

 前記事と合わせて、「ザ・ヴァリュアブル・ブック9」書籍同梱カードの参入によって起こった出来事は以上です。

 何よりも「封印の黄金櫃」の誕生は衝撃的であり、汎用サーチカードという「存在してはならないカード」として環境を支配していくことになります。セットで現れた「ネクロフェイス」は環境レベルには至らないもののポテンシャルそのものは侮れず、実際に後世では【酒ネクロ】のキーカードとして一時期注目を集めたほどです。

 ちなみに、現在ではカードプールの変化もあってか、「ネクロフェイス」が制限指定のまま長らく固定される一方、「封印の黄金櫃」は規制を行ったり来たりしている不安定な状況が続いています。

 実際、つい先日の2018年10月の改訂では無制限カードから制限カードに移動したばかりであり、今なお形を変えながら環境に影響を及ぼしていることが窺える出来事です。上述の通り、流石にサーチカードとして使われることはなくなっていますが、今後の動き次第では何が起きても不思議ではないカードなのではないでしょうか。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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