【ネクロフェイス】の歴史・時代ごとのデッキレシピまとめ
【前書き】
【ネクロフェイス】の大まかな歴史・時代ごとのデッキレシピについてまとめています。メタゲームやデッキ概要の解説については下記のリンクをご参照ください。
モンスターカード(14枚) | |
---|---|
×3枚 | ニードルワーム |
ネクロフェイス | |
×2枚 | カオスポッド |
魂を喰らう者 バズー | |
×1枚 | クリッター(エラッタ前) |
魂を削る死霊 | |
マシュマロン | |
メタモルポット | |
魔法カード(17枚) | |
×3枚 | 次元の裂け目 |
封印の黄金櫃 | |
×2枚 | 悪夢の鉄檻 |
×1枚 | 押収 |
大嵐 | |
サイクロン | |
スケープ・ゴート | |
月の書 | |
手札抹殺 | |
天使の施し | |
光の護封剣 | |
レベル制限B地区 | |
罠カード(9枚) | |
×3枚 | マクロコスモス |
×2枚 | 異次元からの帰還 |
×1枚 | グラヴィティ・バインド-超重力の網- |
激流葬 | |
聖なるバリア -ミラーフォース- | |
破壊輪(エラッタ前) | |
エクストラデッキ(0枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | |
×1枚 |
【ネクロフェイス】はその名の通り、「ネクロフェイス」をキーカードに据えているデッキの総称です。「ネクロフェイス」というカードの性質上、その運用方法によって振る舞いが大きく変化するため、それに伴って専用デッキの型も複数に分かれているという特徴が存在します。
上記サンプルレシピはその中でも最もメジャーと思われる【デッキ破壊】を主軸にした構築であり、また【ネクロフェイス】としては最初期の段階で組み上がったデッキでもあります。
なおかつ、この時期は【ネクロフェイス】というより【デッキ破壊】の方にコンセプトが寄せられているケースが多く、「ネクロフェイス」による除外ギミックはあくまでもサポートにどとまる構成が主流でした。場合によっては【デッキ破壊】に「封印の黄金櫃」「ネクロフェイス」の6枚セットだけを積み、完全に「封印の黄金櫃」を「お互いのデッキを5枚削る魔法カード」と考えて運用する場合もありました。
とはいえ、2006年当時はそもそも【デッキ破壊】自体がかなり下火になっていたため、「ネクロフェイス」を取り入れるだけでは到底環境上位のデッキには太刀打ちできなかったことは否めません。特にこの時期は【エアブレード】や【ダークゴーズ】、また【チェーンバーン】といった強力なデッキが幅を利かせており、根本的に【デッキ破壊】のような低速デッキが生き残れるような環境ではなかったからです。
実際のところ、この【デッキ破壊】型の【ネクロフェイス】が大々的にトーナメントシーンで活躍していた時期は今日に至るまで存在しないため、分類上はファンデッキに該当する型であったと言えるでしょう。
【ネクロフラ】型
モンスターカード(15枚) | |
---|---|
×3枚 | 異次元の生還者 |
デビル・フランケン | |
ネクロフェイス | |
×2枚 | |
×1枚 | 異次元の偵察機 |
魂を喰らう者 バズー | |
魂を削る死霊 | |
マシュマロン | |
魔導戦士 ブレイカー | |
メタモルポット | |
魔法カード(16枚) | |
×3枚 | 次元の裂け目 |
魂吸収 | |
封印の黄金櫃 | |
×2枚 | |
×1枚 | 押収 |
大嵐 | |
サイクロン | |
月の書 | |
手札抹殺 | |
天使の施し | |
光の護封剣 | |
罠カード(9枚) | |
×3枚 | 神の宣告 |
マクロコスモス | |
×2枚 | |
×1枚 | 激流葬 |
死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前) | |
聖なるバリア -ミラーフォース- | |
エクストラデッキ(33枚) | |
×3枚 | アンデット・ウォーリアー |
おジャマ・キング | |
ガトリング・ドラゴン | |
サイバー・エンド・ドラゴン | |
サイバー・ツイン・ドラゴン | |
ドラゴン・ウォリアー | |
青眼の究極竜 | |
魔人 ダーク・バルター | |
竜魔人 キングドラグーン | |
×2枚 | |
×1枚 | 異星の最終戦士 |
デス・デーモン・ドラゴン | |
ドラゴンに乗るワイバーン | |
ナイトメアを駆る死霊 | |
マスター・オブ・OZ | |
闇魔界の竜騎士 ダークソード |
しかし、「ネクロフェイス」自体のカードパワーは当初から高く評価されており、間もなく【ネクロフラ】として環境に参入を決めることになります。
【ネクロフラ】は「ネクロフェイス」と「魂吸収」のコンボによって大量のライフ・アドバンテージを稼ぎ、「デビル・フランケン」でゲームを決めることを狙うコンボ・コントロールデッキの一種です。感覚的には【デビフラ1キル】ギミックを搭載した【次元ビート】としての趣が強く、いわゆる「除外デッキ」に分類されるアーキタイプとなっています。
そのため、このデッキにおける「ネクロフェイス」の役割は大量ライフゲインのためのコンボパーツという扱いが主となり、デッキ破壊カードとしての側面が現れることはほとんどありません。言い換えれば、【デッキ破壊】型ではアンチシナジーだった自己強化効果を積極的に使っていけるため、除外回収を兼ねるアタッカーのような感覚で運用できるのが強みです。
ただし、ライフゲインカードとしては「魂吸収」を張らない限り全く役には立たないため、デッキ内の他のカードと比べて明らかに腐りやすいという弱点もあります。特に全体除外カードが張られていない場合には完全に死に札となってしまう点が苦しく、手札に「ネクロフェイス」を抱えたまま負けてしまうというケースも決して少なくありません。
逆に言えば、それを補うために【次元ビート】を下敷きにしていた面もあり、実際のゲームではコンボに頼らず「異次元の生還者」などでビートダウンしていく展開の方が多めです。そのため、構築によっては「増援」「異次元の女戦士」「D.D.アサイラント」といった【次元斬】要素を取り入れ、ビートダウンにコンセプトを寄せてしまうケースもありました。
とはいえ、やはり【ネクロフラ】にとっての一番の強みが【デビフラ1キル】ギミックにあることは間違いなく、コンボさえ決まれば一撃必殺という爆発力は大きな魅力です。通常の【デビフラ1キル】と違い「巨大化」に頼る必要がなく、さらに「ドラゴン・ウォリアー」を先置きすることで「炸裂装甲」などをケアできるといった【ネクロフラ】ならではの強みも見逃せません。
しかし、そんな【ネクロフラ】の寿命はそれほど長くは続きませんでした。
なぜなら、2007年3月の改訂で「デビル・フランケン」が禁止カードに、「封印の黄金櫃」が制限カードにそれぞれ規制され、デッキの構築が完全に不可能になってしまったからです。
一応、「ネクロフェイス」や「魂吸収」のギミックは手付かずで生き残っていたため、これが【次元ビート】に出張されるケース(※)が全くなかったわけではありません。しかし、全体の割合としては少数派に分類されることは否めず、また少なくともデッキ単位での活躍は全く望めなくなっています。
(※当時は【次元ネクロ】と呼ばれて区別されていました)
というより、2007年3月以降の環境では【ガジェット】や【ライダー】系の台頭によって【次元ビート】自体が衰退に向かってしまったため、そもそも「ネクロフェイス」を使うどころの話ではなかったことは否めません。
いずれにしても、これ以降は「ネクロフェイス」を主軸としたデッキをトーナメントレベルで組むことはほぼ不可能となっており、環境デッキとしての歴史も一旦ここで途絶えてしまったと考えるべきでしょう。
2009年11月 【酒ネクロ】型
モンスターカード(20枚) | |
---|---|
×3枚 | 酒呑童子 |
バトルフェーダー | |
×2枚 | サイバー・ヴァリー |
ネクロ・ガードナー | |
ネクロフェイス | |
馬頭鬼 | |
×1枚 | クリッター(エラッタ前) |
ゴブリンゾンビ | |
ゾンビキャリア | |
ダーク・アームド・ドラゴン | |
冥府の使者ゴーズ | |
メタモルポット | |
魔法カード(19枚) | |
×3枚 | 異次元からの埋葬 |
×2枚 | おろかな埋葬 |
奇跡の発掘 | |
D・D・R | |
手札断殺 | |
封印の黄金櫃 | |
闇の誘惑 | |
×1枚 | 大嵐 |
サイクロン | |
手札抹殺 | |
レベル制限B地区 | |
罠カード(1枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | |
×1枚 | 異次元からの帰還 |
エクストラデッキ(15枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | A・O・J ディサイシブ・アームズ |
デスカイザー・ドラゴン | |
×1枚 | A・O・J カタストル |
X-セイバー ウルベルム | |
ギガンテック・ファイター | |
キメラテック・フォートレス・ドラゴン | |
ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前) | |
スターダスト・ドラゴン | |
ダークエンド・ドラゴン | |
氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前) | |
ブラック・ローズ・ドラゴン | |
ミスト・ウォーム | |
蘇りし魔王 ハ・デス |
【ネクロフェイス】が再び環境に浮上したのはそれから約2年半後、第6期も終盤に近付く2009年末のことでした。
「LIMITED EDITION 14」から獲得した「酒呑童子」という新たなパートナー、さらには2009年9月の改訂で「馬頭鬼」が準制限カードに規制緩和されたことなどが上手く噛み合い、遂に【酒ネクロ】として頭角を現すことに成功しています。この躍進には当時のトップメタであった【ライトロード】の存在も強く絡んでおり、むしろこれに対するメタデッキとしての役割(※)が求められたからこそ【酒ネクロ】がメタゲームに参入を果たしたと言っても過言ではありません。
(※【酒ネクロ】は【ネクロフラ】とは違い、「ネクロフェイス」によるデッキデスもメインの勝ち筋の一つでした)
これと似たような経緯で浮上したアーキタイプとしては【終焉のカウントダウン】などが有名ですが、【酒ネクロ】は単純に素のデッキパワーがかなり高く、メタデッキでありながら主流デッキ並の地力を持っているという強みがありました。
というより、元々【酒ネクロ】自体が【シンクロアンデット】を基盤に組まれたデッキだったため、そもそもある程度のデッキパワーは元から保証されていたとも言えます。
ただし、【シンクロアンデット】を下敷きとしていることからも分かる通り、【酒ネクロ】は除外デッキのように見えて墓地利用デッキでもあったため、【次元エアトス】などの【次元】系には「有利とも不利とも言えない」という不思議な相性がついていたという裏事情も存在します。
具体的には、「馬頭鬼」「ゴブリンゾンビ」「ゾンビキャリア」などの【シンクロアンデット】系のカードとは相性が悪く、逆に「ネクロフェイス」「異次元からの埋葬」「D・D・R」などの【ネクロフェイス】系のカードとは友情コンボになるという複雑な関係にありました。
しかし、「酒呑童子」を手札に引いている場合など、逆に「ネクロフェイス」が墓地に落ちていた方が都合が良いという状況もあり、必ずしも友情コンボになるケースばかりだったわけではありません。
また、【シンクロアンデット】時代は厳しい仮想敵であったはずの「王宮の弾圧」「スキルドレイン」なども刺さらない時は全く刺さらず、しかし刺さる時は普通に刺さるという奇妙な相性が成立していました。極端な話、デュエルのたびにメタが刺さるかどうかが二転三転してしまうようなマッチアップだったため、結局最後までどちらが有利なのかがよく分からないまま環境が流れてしまったというのが実情です。
いずれにしても、当時の環境において【酒ネクロ】が大きな存在感を示していたことは間違いなく、その結果2010年3月の改訂では厳しい規制の手が入ることになります。「ネクロフェイス」「馬頭鬼」「異次元からの埋葬」「おろかな埋葬」「闇の誘惑」などの重要なカードが軒並み制限カード行きとなってしまい、【酒ネクロ】もほぼ構築不能に近い状況にまで追い込まれました。
ちなみに、この時に規制された「ネクロフェイス」は今現在においても制限カードから動いていない状況です。実に10年もの期間を微動だにしないまま過ごしており、そうした慎重すぎる扱い(※)からも「ネクロフェイス」というカードの危険性が窺えるのではないでしょうか。
(※個人的には、流石にそろそろ戻ってきても良いのではないかとも思っていますが……)
【まとめ】
【ネクロフェイス】の大まかな歴史・時代ごとのデッキレシピについては以上です。
環境全体の流れについては下記リンクをご参照ください。
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