【デッキ破壊】(第2期)

2018年2月7日

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【デッキデータ】

 活躍期間 2000年4月1日~2001年9月20日
 脅威度 メタ外(2000年4月1日~7月14日)
トップメタ(2000年7月15日~2001年9月19日)
メタ内(2001年9月20日~11月28日)
主な仮想敵  【グッドスタッフ】(2000年7月15日~2001年11月28日)
【キャノンバーン】(2000年8月上旬~10月31日)
【苦渋エクゾディア】(2000年9月28日~2001年1月14日)
【宝札エクゾディア】(2001年4月19日~)
【宝札ビッグバン】(2001年5月中旬~年内、詳細不明)

 

サンプルレシピ(2000年4月1日)
モンスターカード(19枚)
 岩石の巨兵 ×3枚
 クリッター(エラッタ前)
 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
 聖なる魔術師
 ニードルワーム
 メタモルポット
  ×2枚
 デーモンの召喚 ×1枚
魔法カード(17枚)
 光の護封剣 ×3枚
 死者蘇生 ×2枚
 死者への手向け
 地割れ
 天使の施し
 ハーピィの羽根帚
 強欲な壺 ×1枚
 心変わり
 サンダー・ボルト
 ブラック・ホール
罠カード(4枚)
 和睦の使者 ×3枚
  ×2枚
 聖なるバリア -ミラーフォース- ×1枚
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

【デッキ解説】

 

2000年4月

 【デッキ破壊】は、通常のビートダウンデッキとは異なり、相手のデッキ切れによる勝利を狙うコントロールデッキです。

 第2期に入って新エキスパートルールが導入され、デッキ切れに関するルールが整備されたことで成立しました。これまでのルールでは「デッキ切れになった時点でライフが多いプレイヤーが勝利する」と定められていましたが、この時のルール改訂によって「デッキ切れになったプレイヤーがカードを引けない場合、敗北する」という現在と同様のルールに変更されています。

 ビートダウン戦略を取らないため、「ヂェミナイ・エルフ」などのアタッカーは採用せず、その枠にデッキ破壊効果を持ったカードを積んでいます。ただし、全くの無抵抗であるケースは少なく、後述の理由もあって「デーモンの召喚」がしばしばお守りにピン挿しされていました。

 デッキの構造は簡単で、最も基本的なデッキ破壊カードである「ニードルワーム」はもちろん、リソース回復カードも兼ねる「メタモルポット」をそれぞれフル投入しています。いずれも低ステータスのリバースモンスターであり、「クリッター(エラッタ前)」「黒き森のウィッチ(エラッタ前)」のサーチ範囲に含まれているため、安定してデッキを削り続けることが可能です。

 しかしながら、相手のデッキを削り切るには通常ドローを考慮しても4~5回は効果を発動しなければならず、6枚体制ではかなりギリギリのラインとなっています。当時のカードプールではモンスターを再利用する手段はなく、これらのリバース効果も基本的には使い切りという扱いでした。

 そのため、一度ならばともかく、二度、三度と妨害を受けると相当苦しい状況に立たされてしまいます。事実上、勝ち手段を喪失してしまう格好となるため、もはや取れる行動はほとんど残されていないでしょう。

 更に、例によってこの時期は【ハンデス三種の神器】の全盛期であり、除去以前に手札破壊によってデッキコンセプトを潰されてしまう危険についても警戒する必要がありました。もっとも、先攻ハンデスには対処のしようがなく、精々撃たれないことを祈る程度しかできません。

 また、これらの問題をクリアしたと仮定しても、あくまでもスタートラインに立っただけです。他の多くのデッキと比べてビートダウン性能で劣っている以上、その対策は必須となります。

 上記のサンプルレシピでは「光の護封剣」「和睦の使者」をそれぞれ3枚積みしており、防御面はかなり強く意識していることが分かります。また、上述の「デーモンの召喚」という秘密兵器の存在もあり、ビートダウンに対しては一定の耐性を持っていました。

 しかし、前述の通りこの時期の【デッキ破壊】は速度に優れているとは言えず、デッキを削り切るまでにかなり長い時間生存しなければなりません。

 それを考慮するとやや手が足りないことは否めず、上手くデッキ破壊を進めることができても間に合わずに殴り切られてしまうケースは少なくありませんでした。

 総評としましては、第2期冒頭の【デッキ破壊】は環境で活躍するポテンシャルを持っていたとは言い難く、どちらかというとファンデッキに近い立ち位置にありました。

 

2000年7月

サンプルレシピ(2000年7月13日)
モンスターカード(17枚)
 クリッター(エラッタ前) ×3枚
 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
 サイバーポッド
 ニードルワーム
 メタモルポット
 ダークファミリア ×2枚
  ×1枚
魔法カード(14枚)
 光の護封剣 ×3枚
 平和の使者
 死者蘇生 ×2枚
 天使の施し
 強欲な壺 ×1枚
 心変わり
 ハーピィの羽根帚
 ブラック・ホール
罠カード(9枚)
 神の宣告 ×3枚
 マジック・ジャマー
 和睦の使者
  ×2枚
  ×1枚
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

 しかし、2000年7月13日発売の「Pharaoh’s Servant -ファラオのしもべ-」で複数の新兵器を手に入れたことで状況が一変、一躍トップメタに躍り出ます。

 墓地に落ちたリバースモンスターを再利用する「ダークファミリア」や、強力な攻撃抑制カードである「平和の使者」など、この時に得たものは決して少なくありません。

 しかし、何よりも大きかったのは「サイバーポッド」の存在でした。

リバース:フィールド上のモンスターを全て破壊する。お互いデッキを一番上から5枚めくり、その中のレベル4以下のモンスターカードすべてを任意の表示形式でフィールド上に出す。

 上記は当時の「サイバーポッド」のテキストです。遊戯王OCGでも屈指の凶悪カードであり、最強クラスのリバースモンスターでもあります。莫大なアドバンテージを稼ぎながらデッキを5枚削ることができるため、【デッキ破壊】のコンセプトと強烈に噛み合っていたことは言うまでもありません。

 もちろん、サーチャーにも対応しているため、事実上の「サイバーポッド」9枚体制と想像を絶する状況です。「メタモルポット」も含めれば12枚もの回転パーツがデッキに含まれている格好となり、コンセプトデッキにもかかわらず【グッドスタッフ】すらしのぐ高い安定性を持っていました。

 そして、これらのアドバンテージソース、そして多数の防御カードを得たことでモンスターに個別に対処する必要性が薄くなっていっています。その結果、「地割れ」「死者への手向け」などの除去カード、更には「サンダー・ボルト」「聖なるバリア -ミラーフォース-」といったパワーカードすらデッキから抜けていき、その枠を埋めるように「神の宣告」や「マジック・ジャマー」などのカウンター罠が収まる形となりました。

 これによって「ハーピィの羽根帚」「大嵐」などの致命的なカードに対して一定の耐性がつく格好となり、また「死者への手向け」などのリバースモンスターメタにも回答を持てるようになっています。この影響は非常に大きく、仮想敵である【グッドスタッフ】は苦しい立場に立たされることになりました。

 しかし、この時期の「サイバーポッド」や「ダークファミリア」はテキストが非常に曖昧であり、その結果広い範囲で効果の誤解釈が生まれてしまうという状況に陥っていました。特に「ダークファミリア」は「どういう効果なのかも分からない」という始末であり、あまりにもトラブルが多いことからプレイヤー側で使用を自重されることすらあったほどです。

 そのため、この時期の【デッキ破壊】は一部の地域では開発が進んでおらず、依然としてファンデッキに近い立ち位置に甘んじていました。当然ながらそうした場所では環境での活躍もなく、【グッドスタッフ】や【マハー・ヴァイロ】などのフェアデッキが広いシェアを維持している状況となっていました。

 

2000年10月

サンプルレシピ(2000年9月28日)
モンスターカード(19枚)
 カオスポッド ×3枚
 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
 サイバーポッド
 ニードルワーム
 メタモルポット
 クリッター(エラッタ前) ×2枚
 ダークファミリア
  ×1枚
魔法カード(11枚)
 浅すぎた墓穴 ×3枚
 光の護封剣
 天使の施し ×2枚
 強欲な壺 ×1枚
 ハーピィの羽根帚
 ブラック・ホール
罠カード(10枚)
 神の宣告 ×3枚
 和睦の使者
 王宮の勅命(エラッタ前) ×2枚
 マジック・ジャマー
  ×1枚
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

 そして9月28日、「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」にて「カオスポッド」「浅すぎた墓穴」の2枚を獲得し、更なる安定性を手に入れます。

 除去、展開、デッキ破壊の3役を同時にこなす「カオスポッド」は、まさに当時の【デッキ破壊】の新兵器とも言えるポテンシャルを持っていました。浅すぎた墓穴」もリバースモンスター専用の「死者蘇生」であり、デッキコンセプトを柔軟に支えます。

 また永続的に魔法カードを無力化する「王宮の勅命(エラッタ前)」もデッキに取り入れられています。単純にパワーカードゆえの採用であり、デッキコンセプトと直接の関係はありません。「光の護封剣」などを多用する関係上、むしろ相性は悪いと言えるでしょう。

 それでも採用されるほど、「王宮の勅命(エラッタ前)」は強力なカードだったということです。当時の魔法至上環境に対して強烈なまでに噛み合っており、「積まない理由が無い」必須カードの扱いを受けていました。

 こうした流れから「平和の使者」などのロックカードはやや肩身が狭くなり、次第に採用圏外へと飛ばされていきます。上記のサンプルレシピでは9月28日時点でデッキから抜けていることになっていますが、実際に使用頻度が下がっていくのは10月中旬頃の話です。

 「王宮の勅命(エラッタ前)」とは逆に、罠カードを封じる「人造人間-サイコ・ショッカー」はそれほど目立った脅威ではありませんでした。【デッキ破壊】には「サイバーポッド」「カオスポッド」という強力なリセットカードが積まれており、基本的にモンスターカードは明確な脅威とはなりません。流石に完全に無視することはできませんが、直撃はしないため「デーモンの召喚」と大差ないというのが実情です。

 当時の仮想敵となる【グッドスタッフ】がこの「人造人間-サイコ・ショッカー」を主力に据えていたため、その部分においては【デッキ破壊】が優位に立っていました。

 また、この時に開発された【苦渋エクゾディア】に対しても一定の優位性を保っています。詳細は【苦渋エクゾディア】側の記事で解説していますが、胴体パーツを墓地に落としさえすれば「コンセプトキル」が成立します。【デッキ破壊】においてそれは難しいことではなく、かなり余裕を持って相手をすることができました。

 しかし、この時期には「抹殺の使徒」「停戦協定」といった非常に厳しいメタカードも現れており、順風満帆の状況ではありません。

 特に「抹殺の使徒」は汎用カードとして扱えるほどの優良カードです。メインからこれに当たるケースも珍しくなく、何らかの用意が求められる格好となっていきます。

 話が少し戻りますが、相性の悪い「王宮の勅命(エラッタ前)」が積まれていることにもこうした理由が含まれています。場合によってはメインギミックを多少削り、「対策の対策」に特化するケースすらありました。

 総評としましては、前期と比べて一筋縄ではいかない環境が訪れている印象です。

 

2000年11月上旬

サンプルレシピ(2000年11月1日)
モンスターカード(17枚)
 クリッター(エラッタ前) ×3枚
 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
 ダークファミリア
 ニードルワーム
 メタモルポット
  ×2枚
 カオスポッド ×1枚
 サイバーポッド
魔法カード(10枚)
 浅すぎた墓穴 ×3枚
 天使の施し ×2枚
 強欲な壺 ×1枚
 サンダー・ボルト
 ハーピィの羽根帚
 光の護封剣
 ブラック・ホール
罠カード(13枚)
 神の宣告 ×3枚
 死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前)
 和睦の使者
 王宮の勅命(エラッタ前) ×2枚
 マジック・ジャマー
  ×1枚
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

 しかし、そんな【デッキ破壊】に窮地が訪れることになります。同年11月1日の制限改訂で「サイバーポッド」「カオスポッド」が同時に制限カードに指定されてしまったからです。

 率直に申し上げて相当大きな打撃であり、【デッキ破壊】は重要なキーカードを潰されたことで大きく勢いを失ってしまいました。これまでのようにリセット除去連打で雑に押し切る戦い方ができなくなり、デッキの方向性を見直す必要性に駆られています。

 上記サンプルレシピでは「死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前)」が試されています。ゲーム同梱カードゆえに入手難易度は高めですが、それに見合う性能は持ち合わせている強力なカードです。

 発動コストで闇属性モンスターを速やかに墓地へ送れるため、サーチャーや「ダークファミリア」の効果を発動させるのに役立ちます。変わったところでは、抹殺の使徒」に狙われたセットモンスターを「墓地に逃がす」使い方も有効でしょう。

 もちろん効果そのものも凶悪であり、ビートダウンデッキに対して壊滅的な被害を与えることができます。罠カードが効かない「人造人間-サイコ・ショッカー」も手札にある内に除去してしまえば怖くありません。サーチャーやエクゾディアパーツなどの低ステータスモンスターに効果がないのが惜しいところです。

 とはいえ、そうした工夫を踏まえても不利な立場に置かれていたことは否めません。主流デッキを名乗れる程度の力は維持していましたが、全体的に勝率は低下しています。「停戦協定」などのメタカードへの対策も完成しておらず、当時の環境では厳しい状況に立たされる形となっていました。

 

2000年11月下旬

サンプルレシピ(2000年11月23日)
モンスターカード(15枚)
 黒き森のウィッチ(エラッタ前) ×3枚
 ニードルワーム
 メタモルポット
 クリッター(エラッタ前) ×2枚
 ダークファミリア
 カオスポッド ×1枚
 サイバーポッド
魔法カード(13枚)
 浅すぎた墓穴 ×3枚
 手札抹殺
 天使の施し ×2枚
 強欲な壺 ×1枚
 サンダー・ボルト
 ハーピィの羽根帚
 光の護封剣
 ブラック・ホール
罠カード(12枚)
 神の宣告 ×3枚
 和睦の使者
 王宮の勅命(エラッタ前) ×2枚
 死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前)
 マジック・ジャマー
  ×1枚
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

 ところが、同月下旬に現れた「手札抹殺」を得たことで状況が一転、再び息を吹き返しています。

お互いの手札を全て捨てた後、それぞれ自分のデッキから捨てた枚数だけカードを引く。

 上記は当時の「手札抹殺」のテキストです。言わずと知れた有名カードですが、この時の【デッキ破壊】では「手札交換カード」と「デッキ破壊カード」の2つの役割を持たされていました。単純に考えても「攻め手に使える潤滑油」であり、制限改訂で失ったものをある程度取り返すことに成功しています。

 流石に「サイバーポッド」らのように除去カードとしての仕事はこなせないものの、魔法カードゆえの即効性という強みは何物にも代えがたいものがあるでしょう。「メタモルポット」で手札を押し付けると共に「手札抹殺」を連打し、即ゲームセットまで持っていってしまうことすらあったほどです。

 凶悪リバースモンスターを多数積んだ前期とは別方向に強化を受けた格好であり、当時の環境においてもすぐさま存在感を取り戻していきました。

 

2001年1月

 勢いに乗る【デッキ破壊】でしたが、2001年1月15日の制限改訂で当時の勢力図に激震が走ることになります。

 「苦渋の選択」と「補充要員」を失った【苦渋エクゾディア】が環境から脱落しており、仮想敵が【グッドスタッフ】1本に定まりました。それによってカード選択の的を絞れるようになった反面、元々【デッキ破壊】が【苦渋エクゾディア】に強かった都合もあるため、相対的にはやや有利な立ち位置を喪失した格好です。

 また、ミラーマッチの遭遇率も高まったことから、デッキの削り合いで優位に立つために50枚前後までデッキを膨らませるケースも増えています。事故の問題を考慮すると諸刃の剣ではありますが、やるとやらないでは耐久力が段違いであり、安定性を犠牲にしてでも勝率を追及するプレイヤーは後を絶ちませんでした。

 その後、これ以降はしばらく【グッドスタッフ】と【デッキ破壊】の2強環境が続いていくことになります。どちらもトップメタを名乗るにふさわしい強力なデッキであり、両者がお互いを見据えて緩やかにメタゲームが進行していきました。

 ちなみに、この時に「王宮の勅命(エラッタ前)」が制限カードに指定された影響で「マジック・ドレイン」が再評価されていますが、【デッキ破壊】では基本的に「マジック・ジャマー」が優先されるケースが大半でした。元々アドバンテージを追求しない戦い方をするデッキであることや、「抹殺の使徒」などの致命的なカードの存在もあり、ディスアドバンテージを負うデメリットよりも「確実にカウンターできる」というメリットが優先されていった結果となります。

 個別のカード性能は「マジック・ドレイン」に軍配が上がることは明らかですが、デッキによってはカードの評価が入れ替わりうることの好例と言えるのではないでしょうか。

 

2001年5月

 転機が訪れたのは5月のことでした。

 4月19日に現れた「生還の宝札」によって【宝札エクゾディア】が成立し、高い安定性を持つ先攻1キルデッキとして突如環境に襲来します。

 デッキコンセプトは【エクゾディア】を下敷きにしていますが、構造的には即死コンボの一種であり、完全に先攻1キルに特化している点が特徴です。つまり、これ相手に先攻を取られた場合は「相手がソリティアを成功させるかどうかを眺める遊び」が始まってしまうため、最悪見ているだけでゲームが終わってしまいかねません。

 派生デッキとして【宝札ビッグバン】も開発されるなど、これ以外にも様々な悪用方法が考え出されています。暗黒時代の始まりであり、これ以降の遊戯王OCGには常に先攻1キルの影がついて回るようになりました。

 ただし、同じく先攻1キル系暗黒時代を作り上げた【エクゾディア】(第1期)とは異なり、ある程度の対抗手段は用意することが可能です。

 これまで挙げたサンプルレシピの通り、基本的に【デッキ破壊】はメインからカウンター罠を多数搭載しており、コンボデッキに対しては強く出ることができました。流石に先攻1キルには成す術がありませんが、逆に先攻1キルさえしのげばそのままゲームをコントロールしてしまえるでしょう。

 もちろん、こちらが先攻であれば話は更に簡単です。1枚カウンターを握っているだけでもコンボの成功率は大きく変わってくるため、きちんとマストカウンターさえ見極められれば相手のプランを崩すことはそれほど難しくありません。

 【宝札エクゾディア】側も先攻1キルだけのデッキというわけではなく、蘇生軸の【エクゾディア】として振る舞うこともできますが、やはり即死コンボなしで真っ向からトップメタに立ち向かうのは厳しいと言うほかありません。世間を騒がせた【宝札エクゾディア】トーナメントレベルでは大きな問題とはならず、この時点では地雷としての評価にとどまっていました。

 とはいえ、先攻1キルを現実的な確率で実現できてしまう、というのは対人ゲームとして問題があることは明らかです。一般プレイヤー視点ではフラストレーションの溜まる環境であったことは否めず、これに対する暗黒期指定も妥当な評価と言えるのではないでしょうか。

 

2001年7月

 しかし、7月21日に「Labyrinth of Nightmare -悪夢の迷宮-」から「王宮の号令」が現れたことで状況が一変、苦しい展開に追い込まれています。

全てのリバース効果モンスターの発動と効果を無効にする。

 上記は「王宮の号令」のテキストです。見ての通りリバースモンスターに対しては劇的に刺さり、それらをキーカードとする【デッキ破壊】にとっても致命的なカードであることは言うまでもありません。

 汎用性に優れているカードではないため、メイン戦での遭遇を考えずに済むことは不幸中の幸いとなります。ただし、サイド戦では確実にこれとぶつかることになる以上、何らかの対策は必須です。

 最も現実的な対策はサイクロン」などの汎用魔法・罠除去カードとなるでしょう。単純に腐る場面が少なく、メタカードに収まらない器用な働きが期待できます。

 とはいえ、元々【デッキ破壊】はコンセプト的にアドバンテージを追求するデッキではない上に、伏せ除去の重要性もそれほど高いわけではありません。結局のところそうした魔法・罠除去がデッキの中で「浮いて」しまうことは否めず、あくまでも「王宮の号令」に対する用意でしかないことは事実です。

 やはり「メタのメタ」の用意を強いられる状況は向かい風であると言うほかなく、環境での立ち位置も次第に危うくなりつつありました。

 

2001年9月

 そして、9月20日に「デス・デーモン・ドラゴン」という天敵が現れ、遂にトップメタから転落してしまうことになります。

グランド・ドラゴン」+「レッサー・デーモン」 このモンスターの融合召喚は、上記のカードでしか行えない。このカードがフィールド上に存在する限り、リバースモンスターの効果を無効化する。また、このカードを対象にする罠カードの効果を無効にし破壊する。

 融合モンスターの1体であり、一見するとメタカードとしての役割を持たせるのは難しいようにも思えますが、「デビル・フランケン」を利用する場合はその限りではありません。

 言うなれば5000ライフと引き換えに「王宮の号令」が飛んでくるようなもので、致命的なカードとの遭遇率が大幅に上昇してしまった格好です。

 元々デビル・フランケン」自体が【グッドスタッフ】に入り得る性能の汎用カードである都合上、「王宮の号令」とは違い常にこれと遭遇する危険を考慮しなければなりません。その一方で、【グッドスタッフ】側は「デビル・フランケン」のギミックに「デス・デーモン・ドラゴン」を挿すだけでよく、ほとんど労力を割かずに対策が済んでしまいます。

 このように、何らかのギミックの「ついで」に対策を取られてしまうというのは相当厳しい状況であり、メタゲームにおいては非常に大きなハンデです。もちろん、サイド戦では更に苦しくなることは言うまでもなく、よほどの幸運に恵まれない限り勝利は難しくなるでしょう。

 「死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前)」や、同時期に現れた「ならず者傭兵部隊」で除去するなど、全くの無策ではありませんが、そもそも対策前提でゲームに臨むこと自体が弱体化を認めているようなものであることは否めません。【キャノンバーン】【苦渋エクゾディア】のようにデッキの構築自体が難しくなったわけではないものの、やはり環境トップから弾き出されてしまったことは認めざるを得ないのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 第2期の【デッキ破壊】に関する話は以上です。

 多少の浮き沈みこそありましたが、2000年7月に環境に浮上してからは1年以上に渡って活躍し続けた息の長いデッキとなっています。最後はカードプールの変化に押し流されるという結末に終わってしまったものの、第2期を代表するデッキの1つであることは疑いようもありません。

 もちろん、【デッキ破壊】というアーキタイプは第2期以降も続いていきます。流石にデザイナーズデッキが隆盛し始める近代頃からは眠りに就いている状態ですが、それまでは世代を跨いで存在感を示し続けてきたデッキです。

 しかし、実際のところ第3期ではその性質を変質させており、さながら【デッキ破壊1キル】とも言える姿に変貌を遂げています。当時の現役プレイヤーの方には【三原式】と呼んだ方が通りが良いのではないでしょうか。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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