【マハー・ヴァイロ】(第2期)の歴史・デッキレシピまとめ
【デッキデータ】
活躍期間 | 2000年4月20日~ |
---|---|
脅威度 | メタ外 |
主な仮想敵 | その他 |
モンスターカード(16枚) | |
---|---|
クリッター(エラッタ前) | ×3枚 |
黒き森のウィッチ(エラッタ前) | |
ヂェミナイ・エルフ | |
マハー・ヴァイロ | |
異次元の戦士 | ×2枚 |
聖なる魔術師 | |
×1枚 | |
魔法カード(20枚) | |
強奪 | ×3枚 |
デーモンの斧 | |
悪魔のくちづけ | ×2枚 |
移り気な仕立屋 | |
死者蘇生 | |
天使の施し | |
ハーピィの羽根帚 | |
強欲な壺 | ×1枚 |
心変わり | |
サンダー・ボルト | |
ブラック・ホール | |
罠カード(4枚) | |
鎖付きブーメラン | ×3枚 |
×2枚 | |
聖なるバリア -ミラーフォース- | ×1枚 |
エクストラデッキ(0枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | |
×1枚 |
【デッキ解説】
【マハー・ヴァイロ】は、装備カードによる打点補助と、それらを最大限に活かす「マハー・ヴァイロ」を切り札に据えたビートダウンデッキです。
2000年4月20日発売の「Magic Ruler -魔法の支配者-」において、「デーモンの斧」を始めとする優秀な装備魔法カード、そして「マハー・ヴァイロ」が誕生したことで成立しました。第1期の【装備ビート(属性軸)】とは同じデッキタイプとなっており、デッキ構築やプレイングの面では多くの部分で共通しています。
しかし、デッキパワーは文字通り「時代が違う」と言えるレベルで異なっており、当時の【グッドスタッフ】などと比べても見劣りしない高い完成度のデッキに仕上がっています。
装備カードの枠を占めているのは「デーモンの斧」「悪魔のくちづけ」「鎖付きブーメラン」の3枚です。上記のサンプルレシピではデッキバランスを意識して「悪魔のくちづけ」のみ2枚積みとなっていますが、気にせず9枚フル投入するケースも多く、あるいは予算の都合(※)から「鎖付きブーメラン」が減らされることもありました。
(※当時は入手困難な高額レアカードの1枚でした)
また、プレイヤーによっては「メタル化・魔法反射装甲」を採用しているケースもあり、第1期と比べて装備カードに関する選択の幅がかなり広がっていることが分かります。
そして、これが一番の違いとなりますが、これらの装備カードは装備先に制約がなく、どんなモンスターにでも装備できるという強みを持っていました。【装備ビート(属性軸)】のように装備魔法カードに合わせてモンスターを選ぶ必要がなく、ある程度は自由にモンスターを選択することができるようになっています。
モンスター自体の質も上がっており、「ヂェミナイ・エルフ」などのアタッカーはもちろん、「クリッター(エラッタ前)」「黒き森のウィッチ(エラッタ前)」などのサーチャーも強固にデッキを支えていました。
ただし、「ヂェミナイ・エルフ」は当時入手が難しかったため、平均的な【マハー・ヴァイロ】では採用を見送られていたのが実情です。「ヂェミナイ・エルフ」を3枚持っているようなプレイヤーはカード資産も潤沢であり、自然と【グッドスタッフ】を組んでいるケースが大半となっていました。
とはいえ、サーチャーに関してはノーマルカードゆえに在庫数も多く、入手はそれほど難しくありません。除去されても即座に後続を確保できるため、【装備ビート】が抱える「ディスアドバンテージの負いやすさ」という弱点がある程度緩和されています。
そして、この【マハー・ヴァイロ】のコンセプトを根本から支えたのが、デッキ名にもなっている「マハー・ヴァイロ」の存在です。
装備されたカードの効果に加え、装備カード1枚につき攻撃力500ポイントアップ!
自身に装備されている装備カードの枚数に応じて攻撃力が上昇する効果を持っており、まさに【装備ビート】のためにあるようなカードと言っても過言ではないでしょう。500ポイントという数値は馬鹿にできず、例えば「デーモンの斧」を装備するだけで3050打点に到達し、「青眼の白龍」の攻撃力を上回ることができます。
もちろん、2枚以上装備すればその分だけ強化が累積するため、攻撃力4000程度であれば比較的容易に到達可能となっていました。
とはいえ、1体のモンスターに装備カードを集中させるのは除去を受けた時のリスクが大きく、複数のモンスターに分散して装備させるというのがセオリーです。ただし、【マハー・ヴァイロ】とのミラーマッチなど、相手が超高打点の「マハー・ヴァイロ」をコントロールしているシチュエーションにおいては、純粋なステータス勝負を行うためにこちらも装備カードを集中させるケースもありました。
しかし、この【マハー・ヴァイロ】も【装備ビート】の一種である以上、継戦能力の乏しさや立て直しの難しさといった問題から逃れることはできません。サーチャーの存在で多少は改善されているとはいえ、根本的に問題がクリアされたわけではなく、やはり大きな障害として立ち塞がってきます。
実際のところ、上記の問題は当時のカードプールでは解決不可能となっており、「除去されたら諦める」と割り切るしかない状況となっていました。そのため、【グッドスタッフ】などの除去を豊富に積んだデッキを相手にする場合、かなり厳しい戦いを強いられてしまうことになります。
また、この時期は【ハンデス三種の神器】の全盛期であり、ハンデスを撃たれてデッキが機能不全に陥ってしまうケースも少なくありませんでした。見方によっては除去以上に致命的なカードで、ただでさえ高い事故率が更に悪化してしまう格好です。
そして、コンセプトデッキの宿命としてデッキスペースにゆとりがなく、ハンデスカードを積むような余裕もありません。よって「手札破壊に対抗して自分も手札破壊を使う」という対策を取ることもできず、結局は頭を伏せて嵐が過ぎ去るのを待つしかない状況に陥っていました。
その後、2000年7月15日の制限改訂で「ハンデス三種の神器」が規制を受け、相対的にゲームでの活躍の機会が増えていくことになります。しかし、【グッドスタッフ】や【デッキ破壊】などの強豪と比べて全体的に実力不足であることは否めず、やや小さな活躍にとどまる形となりました。
とはいえ、【遊戯王 環境の歴史27 第2期 マハー・ヴァイロ黄金伝説】の記事でも触れているように、この【マハー・ヴァイロ】は多くのプレイヤーの人気を集めていたデッキとして有名です。
モンスターを強化して殴るという分かりやすいコンセプトはもちろん、アニメでも中々見ないような高攻撃力モンスターを使用できることは他のデッキにはない魅力です。キーカードである「マハー・ヴァイロ」もノーマルレアリティゆえに入手しやすく、低予算でも組みやすいというところも見逃せません。
このデッキの本質は単純な強さではなく、そうしたファンデッキとしての適性の高さにこそあったのではないでしょうか。
【まとめ】
【マハー・ヴァイロ】に関する話は以上です。
第1期初期に輝いた【装備ビート(属性軸)】が時代を越えて復活し、多くのプレイヤーに愛されるデッキとして生まれ変わることになりました。初心者、経験者どちらにとっても夢のあるデッキで、「装備カードを使いたいからこのデッキを使う」というプレイヤーを無数に生み出したほどです。
もちろん、【マハー・ヴァイロ】の活躍はこの時で終わりではなく、同年9月28日に「早すぎた埋葬」を得て微強化を受けるなど、細々と命脈を繋いでいます。2001年に入った後も「団結の力」「魔導師の力」といったパワーカードを獲得し続け、侮れない活躍をしていました。
原作未登場にもかかわらず高い人気を集めた「マハー・ヴァイロ」というカードは、ある意味で原作人気カード以上の影響力を持っていたのかもしれません。
ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません