制限改訂2000/7/15 墓守の使い魔なぜか準制限に
【前書き】
【第2期の歴史8 サイバーポッド 意味不明の永久禁止カード】の続きとなります。ご注意ください。
第2期開始から3ヶ月が経過し、遊戯王OCGは非常に際どい立ち位置に置かれていました。
アニメの影響で新規プレイヤーを獲得する一方、環境に蔓延するハンデスに嫌気がさし、半引退状態にまで追い込まれるプレイヤーも続出しています。原作漫画の人気に反比例するように、カードゲームとしての遊戯王OCGは厳しい評価をつけられていました。
そんな折、第2期2回目となる制限改訂が行われ、とうとう「ハンデス三種の神器」の暴虐に終止符が打たれる形となります。
【制限改訂 2000年7月15日】
2000年7月15日、遊戯王OCGにおいて4回目となる制限改訂が行われました。
制限カードに指定されたカードは以下の14枚です。
押収 | 無制限 |
---|---|
強引な番兵 | 無制限 |
封印されしエクゾディア | - |
---|---|
封印されし者の左足 | - |
封印されし者の左腕 | - |
封印されし者の右足 | - |
封印されし者の右腕 | - |
強欲な壺 | - |
心変わり | - |
サンダー・ボルト | - |
ハーピィの羽根帚 | - |
ブラック・ホール | - |
遺言状 | - |
聖なるバリア -ミラーフォース- | - |
準制限カードに指定されたカードは以下の5枚です。
いたずら好きな双子悪魔 | 無制限 |
---|---|
墓守の使い魔 | 無制限 |
強奪 | - |
---|---|
死者蘇生 | - |
天使の施し | - |
以上が当時コナミから下された裁断となります。
まず目につくこととして、「ハンデス三種の神器」に規制が入ったことが挙げられます。「押収」「強引な番兵」が制限カード、「いたずら好きな双子悪魔」が準制限カードに指定されるなど、ノータッチだった前回とは打って変わって非常に厳しく取り締まられています。
間にクッションを挿まない突然の重い規制であり、開発側も「ハンデス三種の神器」の危険性を十分に認識していたことが分かる改訂です。これにより、ゲーム中におけるハンデスとの遭遇率はある程度落ち着く形となりました。
墓守の使い魔 なぜか準制限カードに
また、ハンデスに対する規制とは別に、なぜか「墓守の使い魔」が準制限カードに指定されています。
相手モンスターが攻撃するたびに、相手はデッキの一番上のカードを1枚墓地に送らなければならない。
攻撃宣言のコストとして、デッキトップのカードを墓地へ送ることを要求するカードです。条件はあるものの永続的にデッキを削る効果を持っているため、【デッキ破壊】を意識した規制であると推測できます。
しかし、実際には不当な規制であり、使用を制限されるほど強力なカードではありませんでした。
カード1枚使っている以上、元を取るためには最低5枚前後はデッキを削る必要がありますが、それは言い換えれば5回も相手モンスターの攻撃を通さなければならないということです。リスクとリターンが見合っておらず、【デッキ破壊】のコンセプトとも明らかに噛み合っていません。
そもそも、「光の護封剣」などで3ターン生き残るだけでも、都合3枚分の通常ドローにより間接的にデッキ破壊を行うことができます。つまり、永続的なデッキ破壊という観点でも「平和の使者」などの防御カードの採用で賄えるため、わざわざこのカードを使う意義はほとんどないと言えるでしょう。
結論としましては、【グッドスタッフ】などのフェアデッキではもちろんのこと、【デッキ破壊】ですら採用圏外のカードとなっており、本格的に何を見た規制なのかが不明瞭な状況となっていました。
当時、私はなぜこれが規制されたのか分からず、仲間内で揃って首を傾げた記憶が残っています。しかし、規制されているからには何か悪用できるのだろうと考え、幻の凶悪コンボを探して悪戦苦闘していました。
明後日の方向の努力も空しく、「墓守の使い魔」はこの半年後に規制が解除されています。結局最後まで目立った活躍もなく釈放の日を迎えたことから、恐らくは無実の罪で投獄されていたものと思われます。
【当時の環境 2000年7月15日】
「ハンデス三種の神器」が規制を受けたことにより、当時の環境はひとまずの沈静を得る形となりました。
【グッドスタッフ】はハンデスという凶器を失い、コンセプトの変更を余儀なくされました。ハンデスを雑に連打する戦い方は不可能なものとなり、徐々に従来通りの素直なビートダウンデッキへとシフトしていきます。
その影響でフェアデッキに強い【デッキ破壊】がシェアを拡大し、次第に環境における支配的な地位を確立していきました。直前に誕生した「キラー・スネーク(エラッタ前)」も【デッキ破壊】に対してはほとんど機能せず、じわじわと格差をつけられていくことになります。
その一方で【マハー・ヴァイロ】などのコンセプトデッキが隆盛し始め、ゲームは多様化を迎えていく形となりました。しかし、完全にハンデスが消えたわけではないことから、【エクゾディア】に限り依然として厳しい立場に置かれており、環境に顔を出すことは難しい状況となっています。
しかしながら、前記事でも申し上げた通り、私の周りでは【デッキ破壊】が流行しておらず、実際にこの環境を経験したことはございません。推測を重ねた考察となってしまいますことを重ねてお詫びいたします。
【まとめ】
2000年7月15日の制限改訂により起こった環境の変化は以上です。
全体的に【デッキ破壊】が勢力を増してきており、【グッドスタッフ】などのフェアデッキはその対応に追われる形となっていました。
【デッキ破壊】を除いて考える場合、やはり【グッドスタッフ】が安定して強く、その後ろを【マハー・ヴァイロ】などの中堅が追いかける状況となっています。
ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
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