【苦渋エクゾディア】(第2期)

2018年1月15日

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【デッキデータ】

 活躍期間 2000年9月28日~2001年1月14日
 脅威度 トップメタ(2000年9月28日~2001年1月14日)
主な仮想敵  【デッキ破壊】(2000年9月28日~2001年1月14日)
【グッドスタッフ】(2000年9月28日~2001年1月14日)

 

サンプルレシピ(2000年9月28日)
モンスターカード(14枚)
 クリッター(エラッタ前) ×3枚
 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
 キラー・トマト ×2枚
 封印されしエクゾディア ×1枚
 封印されし者の左足
 封印されし者の左腕
 封印されし者の右足
 封印されし者の右腕
 闇の仮面
魔法カード(20枚)
 浅すぎた墓穴 ×3枚
 苦渋の選択
 成金ゴブリン
 早すぎた埋葬
 ハリケーン
 死者蘇生 ×2枚
 天使の施し
 強欲な壺 ×1枚
罠カード(6枚)
 補充要員 ×3枚
 リビングデッドの呼び声
  ×2枚
  ×1枚
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

【デッキ解説】

 【苦渋エクゾディア】は、第1期で誕生した【エクゾディア】に「苦渋の選択」と「補充要員」のコンボを組み込んだ特殊勝利デッキです。

 2000年9月28日販売の「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」で「補充要員」が誕生し、「苦渋の選択」の墓地肥やし能力を効果的に活用できるようになったことで成立しました。同時期に現れた各種蘇生カードも含めてデッキに取り込んでおり、第1期のものとは大きく構造が異なっています。

 上記のサンプルレシピの通り、蘇生カードは可能な限り積まれるのが主流の構築となっていました。第1期のようにドローカードを潤沢に採用できなくなったため、「クリッター(エラッタ前)」などのサーチャーを使い回す構成にシフトしていった結果です。

 モンスターカードは「クリッター(エラッタ前)」「黒き森のウィッチ(エラッタ前)」「キラー・トマト」を基本に、「闇の仮面」をピン挿しするのがセオリーでした。「聖なる魔術師」はプレイヤーの好みによるところがありましたが、採用する場合はデッキスロットとの相談となるでしょう。

 デッキの基本的な動きは以下の通りです。

①:「苦渋の選択」で胴体以外のパーツ4枚と「補充要員」1枚を選ぶ。普通はパーツが手札に加わるため、「補充要員」と残りのパーツ3枚が墓地に落ちる。

 

②:サーチャーで「闇の仮面」をサーチする。

 

③:「闇の仮面」で墓地の「補充要員」をサルベージする。

 

④:「補充要員」でエクゾディアパーツ3枚をサルベージする。

 

⑤:サーチャーで胴体をサーチする。

 上記の手順でエクゾディアが完成します。不確定要素が少なく、比較的ルートが安定しているのが魅力です。

 性質上、サーチャーのサーチ効果を2回発動しなければならない点がネックですが、豊富な蘇生カードのお陰でサーチャーを使い回すことは難しくありません。また「苦渋の選択」を引けない場合であっても、サーチャーを5回使い回して強引にエクゾディア完成に持っていくことも可能です。

 これらの蘇生カードのサポートとして、しばしば「ハリケーン」も採用されていました。

 「リビングデッドの呼び声」「早すぎた埋葬」をセルフバウンスすることで、蘇生効果を2回分使用できます。「リビングデッドの呼び声」の場合は蘇生先のモンスターが破壊されてしまいますが、元々サーチャーは墓地に行くのが仕事です。実質的にはデメリットにはなりません。

 また、サルベージを基本戦略に組み込んでいる関係上、ハンデスに対して一定の耐性がついている点も見逃せません。これまではパーツを一つでも落とされた時点で勝ち手段を喪失してしまっていましたが、その欠陥部分が改善されてデッキの安定性が大きく向上しています。

 ただし、胴体のみ効果モンスターであり、補充要員」でサルベージできないので注意が必要です。胴体をハンデスされると勝ち筋がなくなってしまうため、考えなしに序盤からサーチするのは控えるべきでしょう。

 しかし、対【デッキ破壊】においてはデッキから直接墓地に落とされる危険性も考慮しなければなりません。「サイバーポッド」「カオスポッド」でフィールドに引きずり出された場合も同様に詰んでしまうため、そちらも警戒が必須となります。

 具体的な対策を取る場合、蘇生カードで胴体を釣り上げ、「ペンギン・ソルジャー」などのバウンスカードで回収するルートが最も現実的となるでしょう。ただし、かなり迂遠な動きであり、妨害に弱いので注意が必要です。確実に拾えるとも限らない以上、潔く諦めてしまうというのも一つの結論かもしれません。

 総評としましては、この【苦渋エクゾディア】はコンボデッキとして高い完成度を持っており、環境クラスの力を秘めていることは明らかです。実際に当時の環境においても【グッドスタッフ】や【デッキ破壊】と対等な戦いを繰り広げ、多くの結果を残しています。カードプールの変化に押し流されることもなく、2000年の最後まで環境の最前線に立ち続けました。

 しかし、2001年1月15日の制限改訂で大規模な規制を受け、大幅にデッキパワーを落としてしまうことになります。

 「苦渋の選択」と「補充要員」が制限カードに指定されたほか、「クリッター(エラッタ前)」などの関連パーツにも圧力をかけられた格好です。

 コンボパーツを潰されたコンボデッキが生き残れるはずもなく、【苦渋エクゾディア】も静かに環境から撤退していきました。

 

【実は存在しない 苦渋クリッチー】

 ちなみに、よく誤解されやすいのですが、巷で有名な「苦渋クリッチー」が実際の環境で暴れたことはありません。「苦渋の選択」が生まれたのは「クリッター(Vol.6)」にエラッタが入った後のことで、実際には存在しないコンボです。

 「苦渋クリッチー」というのは、簡単に纏めると以下のようなコンボになります。

①:「苦渋の選択」で「クリッター(Vol.6)」「黒き森のウィッチ(Vol.6)」を5枚選び、4枚を墓地に、1枚を手札に加える。

 

②:墓地へ送られたサーチャーの効果でエクゾディアパーツ4枚をサーチする。

 

③:ターン終了時の手札調整でサーチャーを捨て、最後のエクゾディアパーツをサーチする。

 端的に申し上げれば、苦渋の選択」1枚で特殊勝利が確定するという即死コンボの一種です。初期のサーチャーはどこから墓地へ送られても効果が発動していたため、こうしたコンボに悪用されやすい土壌が整っていました。

 手札が7枚以上になりさえすれば連鎖的にディスカードしていけるため、初手にサーチャーが固まった場合でも問題にはなりません。流石に5枚以上引いてしまった場合は失敗してしまいますが、ほぼ無視できる確率でしょう。

 わざわざ語るまでもありませんが、上記コンボが遊戯王OCG全体で見ても屈指の凶悪さを誇ることは明らかです。仮に実在していたとしても規制は確実であり、長期の活躍は不可能だったのではないでしょうか。

 念のため、「苦渋の選択」が誕生したのが2000年4月20日、規制を受けたのが2001年1月15日です。公式の怠慢が囁かれる遊戯王OCGではありますが、いくらなんでもこんなコンボが9ヶ月間も野放しにされるわけがありません。

 とはいえ、当時はカードの裁定を確認する手段も乏しく、こうした誤解もやむを得ない部分がありました。むしろカードの裁定がはっきりしないことが既に公式の怠慢そのものであり、やはり当時のプレイヤーに完璧なルールの理解を求めるのは無理があったのかもしれません。

 

【まとめ】

 【苦渋エクゾディア】に関する話は以上です。

 誕生以降は常に環境上位で活躍していたデッキでしたが、2001年に入ってすぐの制限改訂でデッキのキーカードを潰され、新年早々にメタゲームから姿を消してしまいました。

 しかし、【エクゾディア】の活躍はこれで終わりではなく、同年4月19日に「生還の宝札」を取り込んで【宝札エクゾディア】として生まれ変わることになります。そちらは先攻1キルに特化しており、凶悪さという面ではこのデッキの遥か上を行っているところもありました。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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