【宝札エクゾディア】(第2期)

2018年2月21日

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【デッキデータ】

 活躍期間 2001年4月19日~2002年4月30日
 脅威度 暗黒期
主な仮想敵  【グッドスタッフ】(~2001年11月28日)
【デッキ破壊】(~2001年9月20日)
【宝札ビッグバン】(2001年5月中旬~年内、詳細不明)
【八汰ロック】(2001年11月29日~)
【ラストバトル!】(2001年11月29日~)
【現世と冥界の逆転】(2001年12月28日~)

 

サンプルレシピ(2001年5月28日)
モンスターカード(15枚)
 キャノン・ソルジャー ×3枚
 サンダー・ドラゴン
 クリッター(エラッタ前) ×2枚
 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
 封印されしエクゾディア ×1枚
 封印されし者の左足
 封印されし者の左腕
 封印されし者の右足
 封印されし者の右腕
魔法カード(23枚)
 浅すぎた墓穴 ×3枚
 生還の宝札
 手札抹殺
 成金ゴブリン
 早すぎた埋葬
 ハリケーン
 天使の施し ×2枚
 苦渋の選択 ×1枚
 強欲な壺
 死者蘇生
罠カード(2枚)
  ×3枚
 補充要員 ×2枚
  ×1枚
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

【デッキ解説】

2001年4月

 【宝札エクゾディア】は、「生還の宝札」をメインエンジンに据えた【エクゾディア】の派生デッキにして、高い安定性を誇る先攻1キルデッキです。2001年4月19日に「Spell of Mask -仮面の呪縛-」から「生還の宝札」が現れたことで成立しました。

 デッキの構造を簡単にまとめると以下の通りとなります。

 

①:「手札抹殺」や「天使の施し」で墓地にモンスターを溜める。

 

②:「生還の宝札」を設置した上で蘇生カードを連打し、デッキを回転させる。

 

③:エクゾディアパーツを揃えて特殊勝利する。

 

 特定のキーカードを揃えて即座に勝利するタイプではなく、引いたカードで連鎖的に動きを繋げていくという、コンセプト的にはチェイン・コンボの趣が強いデッキです。紛らわしいですが、「暗黒のマンティコア」の無限ループを搭載した型ではありません。そちらは後ほど【宝札マンティコア】として専用記事に取りまとめる予定です。

 通常の【エクゾディア】と比較して、蘇生カードをドローソースに数えられることが何よりの魅力であり、それによってデッキの回転力が大幅に向上しています。「生還の宝札」が複数枚張られている場合は凄まじい勢いで手札が膨れ上がっていくため、ほぼ無限ループに近い状況にまで持っていけるでしょう。

 ただし注意点として、墓地のモンスターが尽きてしまえば蘇生カードを撃てなくなり、そのまま手詰まりに陥るケースがあることは留意しておかなければなりません。その対策として「キャノン・ソルジャー」が標準搭載されるパターンが多く、実際に上記サンプルレシピでは3枚フル投入されています。

 用途としては、蘇生したモンスターを即座に射出し、常に墓地にモンスターが存在する状況を作り出すという理屈です。「キャノン・ソルジャー」の射出効果にはターン1制限がないため、1体立てておくだけで打てる手が大きく広がります。

 また、この動きに「クリッター(エラッタ前)」などのサーチャーを絡めるのも有力なギミックの一つです。単純に回転速度が倍化するほか、デッキ圧縮効果によって不要牌を引く確率が低下するメリットも侮れません。

 とりわけ強烈なのが「早すぎた埋葬」を「ハリケーン」で使い回すパターンで、2枚ドロー+2枚サーチによって一気に勝利へと近付きます。もちろん、「早すぎた埋葬」が2枚ある場合は更に凄まじく、なんと4枚ドロー+4枚サーチという圧倒的なアドバンテージが約束されます。

 もはや何を引いても勝てるという状況であり、事実上の確定勝利パターンと言っても過言ではないでしょう。

 そんな【宝札エクゾディア】ではありますが、実は構造的な欠陥も決して少なくありません。

 中でも「胴体パーツが墓地に落ちた際の回収手段がないこと」が致命的で、ハンデスで抜かれた瞬間に勝利手段を喪失してしまうリスクがあります。元々ハンデスそのものに対しても苦手意識のあるデッキですが、敗北が確定してしまうというのは弱点としては見過ごせません。

 当然、自分の「手札抹殺」に巻き込んでしまった場合も同様のことが言えます。つまり胴体パーツを手札に引き込んだが最後、それ以降は「手札抹殺」を完全に腐らせてしまうことになります。

 【宝札エクゾディア】にとって「手札抹殺」は重要な回転パーツの一つであり、これが使えなくなることは非常に大きな痛手です。ゲーム最序盤にこの状況に陥った場合、墓地を肥やすことすらままならなくなってしまうでしょう。

 その場合は先攻1キルは諦め、サーチャーを使い回す低速コンボルートに切り替える形になります。しかし、先攻1キルに特化している関係上デッキとしての地力は低く、【グッドスタッフ】【デッキ破壊】などの強豪と渡り合うのは難しい都合もあります。

 最悪の場合、大量のコンボパーツを抱えたまま何もせずにゲームを落とすことも珍しくありません。前身の【苦渋エクゾディア】とは異なり、単体では役に立たないカードが多すぎる弱みが露骨に浮き出た格好です。

 ちなみに、この時期は「遺言状」が無制限カードに緩和されていたのですが、こうした都合もあってか上記サンプルレシピでは1枚も採用されていません。これは「遺言状」単体では仕事をしない割に、一旦回り始めた後は不要になってしまうことが多く、恩恵を享受しにくいからです。同型デッキである【宝札ビッグバン】では必須カードですが、どれほど強力なカードであっても向き不向きはあるということの証左でしょう。

 

2001年12月

 その後、【宝札エクゾディア】は年末までの数ヶ月間、有力な先攻1キルデッキとして一定の存在感を示し続けていくことになります。

 しかし、11月29日に「Mythological Age -蘇りし魂-」が販売され、そうした状況に激震が走りました。「八汰烏」から【八汰ロック】が、「ラストバトル!」から【ラストバトル!】が成立し、またたく間に環境を荒らし始めたからです。

 いずれも非常に凶悪なデッキであり、暗黒期指定を行うことに不足はありません。同じく先攻1キルデッキである【ラストバトル!】はもちろんのこと、【八汰ロック】も当時の【グッドスタッフ】を丸々乗っ取ってしまったほどの力の持ち主です。

 むしろ総合力では【八汰ロック】が一段上のステージに立っており、実際のトーナメントシーンにおいても最も結果を出していました。これは上述の通り、先攻1キルデッキは構造的に欠陥が多く、負ける時は何もできずに負けてしまうという弱点を抱えていたからです。

 【宝札エクゾディア】もこの問題からは逃れられず、全体的な勝率では【八汰ロック】に一歩譲っていました。外見こそ派手ながら、意外にも活躍の場は訪れていなかった印象となります。

 

2002年3月

サンプルレシピ(2002年3月21日)
モンスターカード(13枚)
 処刑人-マキュラ ×3枚
 メタモルポット
  ×2枚
 サイバーポッド ×1枚
 封印されしエクゾディア
 封印されし者の左足
 封印されし者の左腕
 封印されし者の右足
 封印されし者の右腕
 闇の仮面
魔法カード(22枚)
 浅すぎた墓穴 ×3枚
 生還の宝札
 太陽の書
 手札抹殺
 成金ゴブリン
 天使の施し ×2枚
 早すぎた埋葬
 苦渋の選択 ×1枚
 強欲な壺
 死者蘇生
罠カード(5枚)
 無謀な欲張り ×3枚
  ×2枚
 現世と冥界の逆転(エラッタ前) ×1枚
 補充要員
エクストラデッキ(0枚)
  ×3枚
  ×2枚
  ×1枚

 

 2002年に入り、事態は最悪の方向へと動き始めます。

 「処刑人-マキュラ」と「無謀な欲張り」によるドロー加速に加え、「太陽の書」と「サイバーポッド」「メタモルポット」を組み合わせた莫大なアドバンテージ生成ギミックなど、遊戯王史上稀に見る凶悪コンボを搭載していることが分かります。

 何よりも「現世と冥界の逆転(エラッタ前)」によって墓地回収が容易になったことが大きく、胴体含めてエクゾディアパーツが墓地に落ちることをほぼ無視できるようになりました。さらに罠サルベージカードとして「闇の仮面」が挿されており、「無謀な欲張り」「補充要員」と合わせて万一の回収手段も用意されている格好です。

 代わりに「キャノン・ソルジャー」や「クリッター(エラッタ前)」などの定番ギミックが抜けていますが、もはや必要ないとすら言える状況であり、ほとんど採用候補には挙がっていません。一旦デッキが回り始めれば当たり前のようにデッキを全て引き切ってしまうため、わざわざサーチに頼る必要性が失われていった結果となります。

 また、「サイバーポッド」「メタモルポット」を積んでいることでデッキ自体の地力も上がっており、身動きが取れない初手であっても5枚ドローによってリカバリーが効きやすくなりました。総じて前期とは桁違いにデッキパワーが跳ね上がっており、【八汰ロック】すらまともに立ち向かうのは難しい領域です。

 しかしながら、実はそんな【宝札エクゾディア】も一つだけ大きな問題点を抱えていました。

 そもそも勝利手段として【エクゾディア】を用いる必要がないという根本的な問題です。

 単純な話として、勝つことだけを考えるのであればエンドカードは「現世と冥界の逆転(エラッタ前)」や「手札抹殺」だけで十分であり、あえてエクゾディアパーツで5枠消費するメリットはありません。身も蓋もない言い方をするのであれば、上記リストからエクゾディアパーツを全て抜き、そのスペースに「強欲な瓶」などを積んだ方が遥かに安定するでしょう。

 実際のところ、それはもはや【現世と冥界の逆転】以外の何物でもなく、つまり上記のデッキも実質的には【現世と冥界の逆転】でしかないという理屈が成り立ちます。いわゆるコンセプトの迷子であり、アーキタイプとして存在価値があるとは到底言えません。

 この一ヶ月半後、第2期最後の制限改訂でキーカードを失い、解体宣言を受けることになる【宝札エクゾディア】ではありますが、実質的には既にこの時点で消滅してしまっていたのかもしれません。

 

【まとめ】

 【宝札エクゾディア】に関する話は以上です。

 2000年代後半に現れた【苦渋エクゾディア】を発端に、2001年では先攻1キルデッキとして生まれ変わり、最終的には【現世と冥界の逆転】に半分取り込まれるような形で最期を迎えています。純粋なメタゲームからはかなり外れた動きを見せており、まさしく暗黒期指定デッキにふさわしい異質な姿と言えるのではないでしょうか。

 また、第3期では「暗黒のマンティコア」の誕生を受けて【宝札マンティコア】として復活を果たすなど、先の時代でも活躍を続けることになります。そちらは無限ループによる無限ドローを勝利手段に据えており、チェイン・コンボデッキである当デッキとは対照的なコンセプトとなっていました。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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