【八汰ロック(ヤタロック)】(第2期~第3期)の歴史・デッキレシピまとめ

2018年5月14日

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【デッキデータ】

 活躍期間 2001年11月29日~2003年4月24日
 脅威度 暗黒期(2001年11月29日~2002年5月1日)
トップメタ(2002年5月1日~2003年4月24日)
主な仮想敵  【宝札エクゾディア】(~2002年5月1日)
【ラストバトル!】(2001年11月29日~2002年5月1日)
【宝札ビッグバン】(~2001年内、詳細不明)
【現世と冥界の逆転】(2001年12月28日~2002年5月1日)
【トマハン】(2002年5月1日~2003年4月24日)
【デビフラ1キル】(2002年5月16日~2003年4月24日)
【ギアフリード1キル】(2002年11月21日~2003年1月1日)
【ジャマキャン】(2002年11月21日~)

 

デッキレシピ

サンプルレシピ(2001年11月29日)
モンスターカード(16枚)
×3枚 ニュート
ファイバーポッド
×2枚 クリッター(エラッタ前)
黒き森のウィッチ(エラッタ前)
八汰烏
×1枚 人造人間-サイコ・ショッカー
ダーク・ヒーロー ゾンバイア
デビル・フランケン
ならず者傭兵部隊
魔法カード(17枚)
×3枚  
×2枚 いたずら好きな双子悪魔
天使の施し
早すぎた埋葬
抹殺の使徒
×1枚 押収
強引な番兵
強奪
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
ハーピィの羽根帚
ブラック・ホール
罠カード(7枚)
×3枚  
×2枚 破壊輪(エラッタ前)
マジック・ドレイン
×1枚 王宮の勅命(エラッタ前)
聖なるバリア -ミラーフォース-
リビングデッドの呼び声
エクストラデッキ(5枚)
×3枚  
×2枚  
×1枚 異星の最終戦士
サウザンド・アイズ・サクリファイス
デス・デーモン・ドラゴン
青眼の究極竜
魔人 ダーク・バルター

 

 

【デッキ解説】

 【八汰ロック】は、凶悪なドローロック能力を持つ「八汰烏」を中核に据えたビート・コントロールデッキです。2001年11月29日、レギュラーパック「Mythological Age -蘇りし魂-」から「八汰烏」が誕生したことで成立しました。

 成立までの具体的な経緯については上記記事で解説していますが、一言でまとめれば「当時のビートダウンデッキに八汰烏を投入したもの」を指します。おおよそ【グッドスタッフ】の理念を下敷きとしており、デッキパーツの大半が汎用パワーカードで占められていたのが特徴です。

 そのため、時期によって多少の変動はあれど、基本的にはデッキの大部分が共通のパーツで構成されています。便宜上【八汰ロック】というデッキ名を与えられてはいますが、ほぼ【グッドスタッフ】と呼称しても語弊はないでしょう。

 ただし、これまでの【グッドスタッフ】と全く同じ構成が取られていたわけではありません。通常のビートダウンプランはもちろんですが、それ以外にも「八汰烏」のドローロックを決めることを大きな目標のひとつに据えていたからです。

 通常、【グッドスタッフ】はアドバンテージの削り合いで優位に立ち、ビートダウンを行っていくことを最大の目的としています。しかし【八汰ロック】の場合は追加の勝ち筋として「ドローロックの成立」を掲げており、アドバンテージを度外視した決着を狙える可能性がありました。

 そのため、「八汰烏」の攻撃を通すことを意識した結果として、普通の【グッドスタッフ】と比べて除去カードが多めに採用されていたという特徴があります。自分が有利な状況はもちろん、多少不利な状況であっても「除去→直接攻撃→除去……」のループに入った場合、事実上の詰みに向かってしまうことも珍しくなかったからです。

 

2001年12月

 とりわけ【八汰ロック】の成立当初である2001年12月においては、こうした特色は際立ったものとなっていました。この時期は「八汰烏」が無制限カードだったことはもちろん、「クリッター(エラッタ前)」「黒き森のウィッチ(エラッタ前)」などの優秀なサーチャーの規制も緩く、非常に安定して「八汰烏」を確保することができたからです。

 おおむね【八汰ロック】の全盛期とも言える時代であり、実際に当時の環境を【八汰ロック】で塗り潰してしまっています。【宝札エクゾディア】などの先攻1キルデッキの脅威も存在していたため、完全な1強時代ではありませんが、暗黒時代を作り上げていたことは事実だったのではないでしょうか。

 また、他の時代にはない特徴として、ミラーマッチ対策でもある「ファイバーポッド」が3積みされるケースが多かったことにも触れておきます。

 遊戯王史上最強クラスのリセット効果を持ち、ドローロック成立直前の状況をこれ1枚でひっくり返すことができます。単純にカードパワーが極めて高いこともこのカードの評価を高め、まさしく必須カードとも言える活躍をしていました。

 この対策として「抹殺の使徒」が使われることも多く、上記サンプルレシピにも2枚(当時は準制限カード)投入されています。もちろん、純粋に除去カードとして運用することもできるため、【八汰ロック】そのもののデッキコンセプトとも噛み合っていたのが強みです。

 とはいえ、やはり「ファイバーポッド」側の存在感の方が大きく、初期の【八汰ロック】を象徴するカードの1枚として猛威を振り撒いていました。

 

2002年1月

 ところが、僅か1ヶ月後の制限改訂で「八汰烏」と「ファイバーポッド」が制限カードに指定され、【八汰ロック】に大きく弱体化が入ることになります。

 しかし、元々「八汰烏」はサーチを前提に投入枚数が抑えられる傾向にあり、厳しい規制もそれほど致命的ではありませんでした。反面、「ファイバーポッド」への規制は無視できないダメージですが、そもそも「ファイバーポッド」はむしろ「八汰烏」のメタカードであり、ある意味では【八汰ロック】の強化に繋がっていた形です。

 結論としましては、この時期の【八汰ロック】も依然として暗黒期指定クラスのデッキパワーを備えていたと言えるでしょう。

 

2002年3月

 しかし続く3月21日、レギュラーパック「Pharaonic Guardian -王家の守護者-」から強力な先攻1キル系コンボパーツが現れ、【現世と冥界の逆転】が完全体に成長を遂げました。

 端的に言って凄まじい安定感を備えた先攻1キルデッキであり、【八汰ロック】であっても太刀打ちできる相手ではありません。コンボ成功率は脅威の8割超えとなっており、遊戯王前半期においてはトップクラスの数値です。

 事実上、先攻1キルによって環境を支配されていた時代であり、一時的ではありますが【八汰ロック】も影を潜めていました。

 

2002年5月

 

サンプルレシピ(2002年5月21日)
モンスターカード(17枚)
×3枚 キラー・スネーク(エラッタ前)
ピラミッド・タートル
×2枚 ヴァンパイア・ロード
クリッター(エラッタ前)
魂を削る死霊
ブレイドナイト
×1枚 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
ならず者傭兵部隊
八汰烏
魔法カード(18枚)
×3枚 悪夢の蜃気楼
サイクロン
×2枚 天使の施し
×1枚 いたずら好きな双子悪魔
押収
強引な番兵
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
ハーピィの羽根帚
早すぎた埋葬
ブラック・ホール
罠カード(7枚)
×3枚  
×2枚 サンダー・ブレイク
×1枚 王宮の勅命(エラッタ前)
破壊輪(エラッタ前)
リビングデッドの呼び声
エクストラデッキ(0枚)
×3枚  
×2枚  
×1枚  

 

 その後、2002年5月1日に第2期最後となる制限改訂が行われ、【現世と冥界の逆転】を含む多数の先攻1キルデッキに規制の手が入っています。

 もちろん、【八汰ロック】に対しても規制は入っていましたが、相対的には環境のデフレが起こったことで勢力を回復させています。同じくこの時期から台頭し始めた【トマハン】とともにトップメタに浮上し、第3期初頭環境をビート・コントロールの色濃い時代へと変化させました。

 ただし、後攻1キルデッキである【デビフラ1キル】も同時に浮上していたため、完全に中速環境が成立していたわけではありません。同時期販売のレギュラーパック出身の「名推理」の存在もこの流れを生み出していたと言えるでしょう。

 また、5月21日にVジャンプ付録特典カードとして現れた「ブレイドナイト」も有力なアタッカーとして取り上げられています。

 当時としては破格の性能を備えたパワーカードに他ならず、【八汰ロック】においても即戦力として高く評価されていました。これら3つの出来事を合わせて非常に大きな変動があった月となっており、第3期という新たな時代の始まりを予見させる瞬間だったのではないでしょうか。

 

2002年9月

 

サンプルレシピ(2002年9月19日)
モンスターカード(15枚)
×3枚 キラー・スネーク(エラッタ前)
魔導戦士 ブレイカー
×2枚 クリッター(エラッタ前)
同族感染ウィルス
魔導サイエンティスト
×1枚 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
魂を削る死霊
八汰烏
魔法カード(19枚)
×3枚 悪夢の蜃気楼
サイクロン
×2枚 天使の施し
×1枚 いたずら好きな双子悪魔
大嵐
苦渋の選択
強引な番兵
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
ハーピィの羽根帚
早すぎた埋葬
ブラック・ホール
罠カード(6枚)
×3枚 サンダー・ブレイク
×2枚  
×1枚 王宮の勅命(エラッタ前)
破壊輪(エラッタ前)
リビングデッドの呼び声
エクストラデッキ(15枚)
×3枚 紅陽鳥
サウザンド・アイズ・サクリファイス
デス・デーモン・ドラゴン
ドラゴン・ウォリアー
魔人 ダーク・バルター
×2枚  
×1枚  

 

 第3期突入後、初動の大きさに反して目立った変化もなく数ヶ月が経過しています。しかし、9月19日にレギュラーパック「黒魔導の覇者」が販売されたことで当時の環境に激震が走ることになりました。

 「魔導戦士 ブレイカー」「魔導サイエンティスト」「同族感染ウィルス」といったパワーカードが同時に現れ、またたく間に必須カードの立ち位置を確立していっています。いずれも第3期の基準では飛び抜けて強力なカードです。

 実際に「ブレイドナイト」を始めとして、「ピラミッド・タートル」と「ヴァンパイア・ロード」のギミックなども上記カード群によって淘汰されています。「悪夢の蜃気楼」ギミックによるドロー加速も合わせ、そのデッキパワーの高さはこれまでの比ではありません。

 歴代【八汰ロック】の中でも最強候補の時期であり、当時の環境でもほぼ1強に近い時代を築き上げています。例外は後攻1キルデッキの【デビフラ1キル】ですが、総合的には【八汰ロック】有利と言える状況です。

 続く11月には【メタビート】の元祖である【ジャマキャン】参入の気配もありましたが、やはりこの時期の【八汰ロック】の牙城を崩すことはできませんでした。

 

2003年1月

 

サンプルレシピ(2003年1月1日)
モンスターカード(18枚)
×3枚 異次元の女戦士
ピラミッド・タートル
×2枚 ヴァンパイア・ロード
魂を削る死霊
魔導サイエンティスト
×1枚 キラー・スネーク(エラッタ前)
クリッター(エラッタ前)
黒き森のウィッチ(エラッタ前)
同族感染ウィルス
魔導戦士 ブレイカー
八汰烏
魔法カード(17枚)
×3枚 サイクロン
×2枚  
×1枚 悪夢の蜃気楼
いたずら好きな双子悪魔
押収
大嵐
強引な番兵
強奪
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
天使の施し
ハーピィの羽根帚
早すぎた埋葬
ブラック・ホール
罠カード(5枚)
×3枚  
×2枚 死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前)
×1枚 王宮の勅命(エラッタ前)
破壊輪(エラッタ前)
リビングデッドの呼び声
エクストラデッキ(18枚)
×3枚 アンデット・ウォーリアー
紅陽鳥
サウザンド・アイズ・サクリファイス
デス・デーモン・ドラゴン
ドラゴン・ウォリアー
魔人 ダーク・バルター
×2枚  
×1枚  

 

 このような状況が容認されるはずもなく、2003年最初の制限改訂で【八汰ロック】に厳しい規制が入りました。

 「魔導戦士 ブレイカー」「同族感染ウィルス」「キラー・スネーク」「悪夢の蜃気楼」が無制限カードから、「クリッター(エラッタ前)」「天使の施し」が準制限カードから、それぞれ制限カードに指定されています。いずれも【八汰ロック】では必須枠を務めていたカードであり、これらが潰されたことによる大幅な弱体化は免れません。

 とりわけ「キラー・スネーク(エラッタ前)」「悪夢の蜃気楼」に手が入ったことは非常に厳しく、関連して「サンダー・ブレイク」などの手札コストがかさむカードもデッキから抜けていきました。

 一方で、「サイクロン」はその汎用性の高さから依然として必須枠に残っています。これには「魔導戦士 ブレイカー」が規制されたことも関係していたと言えるでしょう。

 こうしたカードプールの変更を受け、【八汰ロック】の構造も大きく様変わりしています。

 まず、ピラミッド・タートル」「ヴァンパイア・ロード」「魂を削る死霊」の出張ギミックが再び戻ってきたことが挙げられます。時代の変化によりリクルーターが信頼性を落としつつあったとはいえ、やはりこのコンボは当時としては強力極まりなく、【グッドスタッフ】を下敷きとする【八汰ロック】であっても十分に採用圏内です。

 ただし、上記モンスターのいずれにも刺さる「異次元の女戦士」という新戦力も現れており、以前ほどの盤面制圧力は得られなくなっています。これに頼った戦法を取るというよりは、あくまでも武器のひとつという認識へと変化していました。

 また、【ジャマキャン】の流行に伴い、その対策にもなる「死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前)」が採用率を上げていたことも大きな変化に数えられます。

 とはいえ、【八汰ロック】が特別「死のデッキ破壊ウイルス」と相性に優れているわけでもなく、大々的に使われていたカードではありません。このカードの採用如何に関しては、メタゲームとの相談、もしくはプレイヤーの好みによるところが大きかったのではないでしょうか。

 

2003年4月

 そして、運命の2003年4月24日、レギュラーパック「混沌を制す者」から【カオス】が降臨し、当時の遊戯王を暗黒時代へと突き落としました。

 そのあまりの強さから、これ以降のビートダウン系デッキはそのほぼ全てが【カオス】を積むようになり、逆に【カオス】を採用できない【トマハン】などのデッキは環境外へと飛ばされていっています。

 【八汰ロック】は前者のパターンだったため、大幅にデッキパワーを向上させることができましたが、その代償としてデッキコンセプトを【カオス】に乗っ取られてしまった形です。具体的には、デッキの構造が「八汰烏」ではなく【カオス】を最大限活用するためのものへと変化していき、これまでの【八汰ロック】とは全くの別物に変貌を遂げています。

 身も蓋もない言い方をするのであれば、この時期の【八汰ロック】は「八汰烏」を挿した【カオス】以外の何物でもなく、もはや【八汰ロック】というアーキタイプは半ば形骸化していたと言うほかありません。

 結局、この状況は第3期終盤まで変わることはなく、最終的には「八汰烏」の禁止カード化によってデッキ自体が消滅するという結末を迎えています。

 なおかつ、「八汰烏」は今日に至るまで禁止カードの位置から動いておらず、もちろん現在も【八汰ロック】は構築不可能です。今後も規制緩和の見込みは薄く、また復帰したとしても当時そのままのコンセプトを復元することは難しくなっている以上、実質的にはこの時をもって現役時代を終えたと言えるでしょう。

 

【まとめ】

 【八汰ロック】に関する話は以上です。

 第2期終盤に現れ、当時の【グッドスタッフ】を丸々乗っ取ってしまうという衝撃のデビューを果たした【八汰ロック】でしたが、最後は逆に【カオス】に乗っ取られるという結末を迎えています。「八汰烏」がいかに凶悪なカードであったとはいえ、流石に【カオス】ほどの影響力は持ち合わせていなかったということでしょう。

 その一方で現役期間の長さは1年4ヶ月にも及んでおり、非常に長期に渡って環境の最前線にいたことが分かります。【カオス】のインパクトに隠れている印象はありますが、この【八汰ロック】もまた遊戯王の歴史に名を残すデッキのひとつであるのではないでしょうか。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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