【トマハン】(第3期)

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【デッキデータ】

 活躍期間 2002年3月21日~2004年9月1日
 脅威度 メタ外(2002年3月21日~5月1日)
トップメタ(2002年5月1日~9月19日)
メタ内(2002年9月19日~2003年1月1日)
トップメタ(2003年1月1日~4月24日)
メタ外(2003年4月24日~10月15日)
メタ内(2003年10月15日~2004年9月1日)
主な仮想敵  【八汰ロック】(~2003年4月24日)
【デビフラ1キル】(2002年5月16日~2003年4月24日)
【ギアフリード1キル】(2002年11月21日~2003年1月1日)
【ジャマキャン】(2002年11月21日~2003年4月24日)
【カオス】(2003年4月24日~)
【ノーカオス】(2003年10月15日~)
【次元斬】(2004年2月5日~)
【ミーネ・ウイルス】2004年3月1日~9月1日)
【ウイルスカオス】(2004年3月1日~9月1日)
【深淵1キル】2004年3月25日~)

 

サンプルレシピ(2002年5月16日)
モンスターカード(16枚)
×3枚 キラー・トマト
ピラミッド・タートル
×2枚 ヴァンパイア・ロード
クリッター(エラッタ前)
魂を削る死霊
首領・ザルーグ
×1枚 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
八汰烏
魔法カード(18枚)
×3枚 強制転移
×2枚 天使の施し
抹殺の使徒
×1枚 いたずら好きな双子悪魔
押収
大嵐
強引な番兵
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
ハーピィの羽根帚
早すぎた埋葬
ブラック・ホール
罠カード(6枚)
×3枚  
×2枚 マジック・ドレイン
×1枚 王宮の勅命(エラッタ前)
聖なるバリア -ミラーフォース-
破壊輪(エラッタ前)
リビングデッドの呼び声
エクストラデッキ(0枚)
×3枚  
×2枚  
×1枚  

 

【デッキ解説】

 【トマハン】は、キラー・トマト」のリクルート効果を展開の主軸とし、首領・ザルーグ」などで継続的なハンデスを狙っていくことを目的としたビートダウンデッキです。2002年3月21日、レギュラーパック「Pharaonic Guardian -王家の守護者-」から「首領・ザルーグ」が誕生したことで成立しました。

 「キラー・トマト」の効果に対応している攻撃力1500以下の闇属性モンスターを各種取り揃えることで、状況に応じて最適なモンスターを展開できる器用さが最大の強みです。反面、全体的に打点の低さが目立ち、純粋な戦闘では不利に置かれやすい弱みを抱えています。

 そのため、魔法・罠カードでそれらをサポートすることを考えなければなりません。基本的にはモンスター除去系のカードを優先して採用し、「サイクロン」などは枠が余った場合のみの採用となるでしょう。

 採用されるカードは時代によってまちまちですが、どの時代にも共通することとして「強制転移」が可能な限り投入されるのが基本でした。相手のアタッカーを奪い、さらに押し付けたリクルーターを戦闘破壊することで後続を展開するなど、除去と展開を兼ねる最高の噛み合い札として評価されていたからです。

 

2002年3月

 とはいえ、そんな【トマハン】も参戦当初から開発が進んでいたわけではありません。なぜなら、2002年3月は第2期終盤の暗黒期、【現世と冥界の逆転】(第2期)を筆頭に多数の先攻1キルデッキが猛威を振り撒いていたからです。

 遊戯王屈指の末期環境とも言うべき時代であり、真っ当なデッキに活躍の場はありませんでした。当然【トマハン】が生き残れるような環境ではなく、ほぼその他大勢として埋もれてしまっていた状況です。

 一応、デッキが成立していたという意味ではこの時期からが現役となりますが、事実上は存在しないも同然の状態だったのではないでしょうか。

 

2002年5月

 その後、第2期最後に行われた制限改訂で大規模なカードプールの変動が起こり、ようやく【トマハン】にも光が当たるようになります。

 当時暴れていた先攻1キルデッキをことごとく潰す形の改訂であり、遊戯王OCGはある程度カードゲームとしての健全さを取り戻しました。それに加えて全体的に環境がデフレを起こしたため、【トマハン】以外にも復権の動きを見せたデッキは少なくありません。

 また、同月販売のレギュラーパック「新たなる支配者」から現れた新規カードの存在も【トマハン】の台頭に一役買っています。

 「魂を削る死霊」という有力な新人の参戦を受け、「キラー・トマト」のリクルート効果の選択肢が広がったことは非常に大きな出来事です。種族的に「ピラミッド・タートル」のリクルートにも対応しているため、【トマハン】自体のリクルート戦法を補強する結果にも繋がっています。

 とりわけ「ヴァンパイア・ロード」を無理なく標準搭載できるようになったことは明確な追い風と言えるでしょう。これまでネックだった打点の低さがある程度解消され、【八汰ロック】などの既存のビートダウンデッキとも対等に戦えるようになりました。

 この時期は破壊以外の除去は数少なく、「ヴァンパイア・ロード」を後腐れなく処理できるカードは「強奪」などのごく一部のカードに限られていました。なおかつ、その「強奪」も「悪夢の蜃気楼」「サイクロン」「サンダー・ブレイク」パッケージの流行に伴って信頼性を落としており、そもそもデッキに採用されていないというケースも珍しくなかった背景があります。

 結果として当時の「ヴァンパイア・ロード」の場持ちの良さは凄まじいものがあり、場合によってはこれ1体でゲームが終わってしまうことすらあったほどです。唯一の弱点は手札にドローしてしまった時に持て余しやすいことですが、そうした弱みを補って余りあるパワーカードであり、ひいては【トマハン】の強さの源とも言える存在だったのではないでしょうか。

 

2002年9月

 第3期突入以降トップメタをひた走る【トマハン】でしたが、9月19日にレギュラーパック「黒魔導の覇者」が販売されたことで大きく勢力を後退させることになります。

 「魔導戦士 ブレイカー」「魔導サイエンティスト」「同族感染ウィルス」といった有力な新人が同時に現れ、仮想敵であった【八汰ロック】が大幅に強化を受けました。いずれも第3期当時の基準を大きく超えた強烈なパワーカードであり、シナジーを活かして立ち回る【トマハン】としては苦しい状況と言わざるを得ません。

 さらに、このうち「魔導サイエンティスト」「同族感染ウィルス」の2枚は【トマハン】のデッキコンセプトの関係上、極めて相性が悪いカードでもあります。前者は「魔人 ダーク・バルター」の存在から、後者は単純に除去効果を持つことから「キラー・トマト」を潰してくるため、まともに戦線を維持することすらままならなくなってしまったからです。

 とりわけ「魔導サイエンティスト」は当時の【トマハン】の切り札であった「ヴァンパイア・ロード」さえ容易く無力化してしまうなど、【トマハン】にとっては厳しい向かい風が吹いていました。【トマハン】側も「魔導サイエンティスト」を取り入れることは可能でしたが、そもそもそれをリクルートする段階で躓いてしまう以上、この時期は2番手の立ち位置を抜け出すことは難しかったのではないでしょうか。

 

2003年1月

サンプルレシピ(2003年1月1日)
モンスターカード(17枚)
×3枚 キラー・トマト
ピラミッド・タートル
×2枚 ヴァンパイア・ロード
魂を削る死霊
首領・ザルーグ
×1枚 クリッター(エラッタ前)
黒き森のウィッチ(エラッタ前)
魔導サイエンティスト
魔導戦士 ブレイカー
八汰烏
魔法カード(17枚)
×3枚  
×2枚 強制転移
抹殺の使徒
×1枚 いたずら好きな双子悪魔
押収
大嵐
強引な番兵
強奪
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
天使の施し
ハーピィの羽根帚
早すぎた埋葬
ブラック・ホール
罠カード(6枚)
×3枚  
×2枚 マジック・ドレイン
×1枚 王宮の勅命(エラッタ前)
聖なるバリア -ミラーフォース-
破壊輪(エラッタ前)
リビングデッドの呼び声
エクストラデッキ(18枚)
×3枚 アンデット・ウォーリアー
紅陽鳥
サウザンド・アイズ・サクリファイス
デス・デーモン・ドラゴン
ドラゴン・ウォリアー
魔人 ダーク・バルター
×2枚  
×1枚  

 

 2003年1月1日、制限改訂によって環境が整えられ、後退気味であった【トマハン】も勢力を回復させています。

 「魔導戦士 ブレイカー」「同族感染ウィルス」などのパワーカードに加え、「悪夢の蜃気楼」「キラー・スネーク(エラッタ前)」が規制を受けたことで【八汰ロック】に対して大きな弱体化が入りました。単純にデッキパワーの格差が縮まったほか、これまでのようにリソース差で圧倒されるシチュエーションも減っています。

 とはいえ、この時に「強制転移」が準制限カードに指定されているため、【トマハン】も一定のダメージを負っていたのは事実です。相対的に考えれば【八汰ロック】との戦力差が縮まった改訂ですが、【デビフラ1キル】などの他のデッキの存在を考えれば若干の向かい風ではあるでしょう。

 さらに、その【八汰ロック】も単に弱体化したわけではありません。失ったアタッカーの代用カードとして「異次元の女戦士」が標準搭載されるようになり、【トマハン】のリクルーター戦術を別軸から潰してくるようになったからです。

 除外効果を持つことから「ヴァンパイア・ロード」の回答にもなるなど、【トマハン】視点では非常にやりにくい相手です。一応、アドバンテージ面で見れば1:1交換ですが、シナジー面では大幅に損な取引を押し付けられていることは言うまでもありません。

 また、依然として「魔導サイエンティスト」が無制限カードに居座っているなど、【トマハン】にとって無視できない脅威は残ります。この時期の【トマハン】が主流デッキの一角を務めていたこと自体は事実ですが、やはり初期に比べれば大人しい活躍ではあったのかもしれません。

 他方では、別勢力として【ジャマキャン】が台頭し始めていたことも見過ごせない出来事です。

 遊戯王史上初となる【メタビート】の系譜であり、当時の魔法カード全盛の時代に対抗馬として現れています。当然【トマハン】視点でも難しい相手であり、サイドでの対策は必須です。

 ただし、【ジャマキャン】側もサイド戦を見越した構築を取っていることは言うまでもありません。総じて前期以上に複雑なメタゲームが展開されていたのではないでしょうか。

 ちなみに、上記サンプルレシピでは「アンデット・ウォーリアー」が融合デッキ(エクストラデッキ)に用意されていますが、これは「グラヴィティ・バインド-超重力の網-」対策です。このカードが3枚必要になるケースはまずありませんが、積んでおくだけならば損はないため、特に理由がない限りフル投入されることがほとんどだったのではないでしょうか。

 

2003年4月

 群雄割拠の様相を呈する第3期環境でしたが、続く4月24日、レギュラーパック「混沌を制す者」が販売されたことで世界がひっくり返ることになります。

 他記事でも再三取り上げているためここでは省略しますが、遊戯王前半期最強の【グッドスタッフ】である【カオス】が誕生し、またたく間に環境の王者として君臨しました。これまでのメタゲームが小競り合いに見えるほどの圧倒的なデッキパワーを備えており、当然【トマハン】が太刀打ちできる相手ではありません。

 一応、【トマハン】側も強力な魔法カードを多数積んでいるため、全く勝てないということはないのですが、勝率で上回ることだけは絶対にないでしょう。そもそも1ゲーム取っただけでは勝利とはならず、奇跡的にマッチを取れても次の対戦はどうするのかという話になってしまいます。

 さらに、7月頃からは最悪の先攻1キルデッキである【サイエンカタパ】も猛威を振り撒き始めるなど、この時期の環境は完全にゲームバランスが崩壊していたと言うほかありません。事実上、この時期に【トマハン】を使うことによるゲーム上のメリットは皆無だったのではないでしょうか。

 

2003年10月

 【カオス】参戦から半年後、制限改訂によって多数の凶悪カードに規制が入り、【トマハン】も復帰を果たしています。

 ただし、【トマハン】の構築は1月時点からほぼ変化していません。【カオス】参入直前の制限改訂で「ヴァンパイア・ロード」が制限カード指定を受けているため、「ピラミッド・タートル」の配分に調整が入っている程度です。

 元々【トマハン】はシナジーを活かして立ち回るデッキであり、環境のデフレの影響を受けにくい反面、インフレには着いていけないという弱点を抱えていました。また、デッキスロット的にメタカードを積むことも難しく、【ノーカオス】のように「霊滅術師 カイクウ」を標準搭載することも困難です。

 良くも悪くも【トマハン】というアーキタイプから外れることができない以上、複雑さを増したメタゲームでは相対的な不利がついてしまうことは否めません。デッキ自体の完成度の高さから環境レベルにはとどまっていましたが、これまで以上に厳しい立ち位置に置かれていたのではないでしょうか。

 

【トマハン】(第4期)

 時代の変化に押し流され、次第に自然衰退していく【トマハン】でしたが、第4期初頭の【ミーネ・ウイルス】全盛期に復権の動きを見せています。

 デッキ内のほとんどのモンスターの打点が1500未満であるため、「死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前)」が全く効きません。数少ない高打点モンスターである「ヴァンパイア・ロード」は耐性によって実質的にウイルス効果を回避できるなど、対【ミーネ・ウイルス】においては無類の強さを発揮します。

 とはいえ、この時期の【ミーネ・ウイルス】はどちらかと言うと【グッドスタッフ】に近いアーキタイプであり、根本的に高いデッキパワーを備えていたという強みもありました。そのため、【トマハン】側が極端に有利であるとも言えず、サイド戦では逆にメタカードによって互角以上に持ち込まれてしまうでしょう。

 そもそも当時存在していた主流デッキは【ミーネ・ウイルス】だけではありません。【カオス】【ノーカオス】はもちろんのこと、除外戦術によってリクルーターを潰してくる【次元斬】という大きな仮想敵も存在します。

 他方では、【深淵1キル】といった強力なコンボ・コントロールデッキ、そして何より【サイエンカタパ】という巨悪の影もあり、一筋縄ではいかない環境であったことは事実です。トップデッキである【ミーネ・ウイルス】のメタデッキとして注目を集めてはいたものの、純粋な地力という面では一定のハンデを抱えていたことは否めないでしょう。

 最終的には2004年9月の制限改訂で【ミーネ・ウイルス】が解体宣言を下されたことにより、この【トマハン】も事実上の引退を迎えることになります。

 

 他の多くの主流デッキと違い、規制によって構築不可能となったわけではありませんが、環境デッキとしての現役時代はこの時をもって終了したと言えるのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 【トマハン】に関する話は以上です。

 第2期終盤に現れたものの、誕生直後から先攻1キルデッキの嵐に晒されるところから始まり、最後は時代の流れに飲み込まれるような形で現役時代に幕を引きました。しかし、時期により浮き沈みはありつつも、第3期初頭から環境を走り続けた息の長さは目を見張るものがあります。

 特に、遊戯王第1回目の世界大会で優勝の栄光を飾ったことは最高の実績に他なりません。国内のカードプールとは異なる環境であるため、当記事のレシピとはまた別の構築が取られていましたが、【トマハン】というアーキタイプの高いポテンシャルを窺わせる事実とも言えるのではないでしょうか。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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