制限改訂2003/10/15 【カオス】弱体化と【サイエンカタパ】一時解体

2018年4月2日

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【前書き】

 【第3期の歴史28 第六感 遊戯王最凶格の壊れカード】の続きになります。ご注意ください。

 遊戯王最凶クラスのギャンブルカード、「第六感」がこの世に生を受け、当時の遊戯王OCGは「サイコロゲー」というレッテルを張られてしまうことになりました。

 発動すれば1/3の確率でゲームが終わってしまうという恐るべきカードであり、対人ゲームとして致命的な問題を抱えていることは明らかです。不安定さを抱えたカードではありますが、期待値的には使わないという選択肢がなく、当時のプレイヤーは否応なく「サイコロゲー」を強要されていくことになります。

 第2期終盤に勝るとも劣らない暗黒時代の幕開けであり、【カオス】の脅威と合わせて遊戯王というカードゲームは崩壊の危機を迎えつつありました。

 

【制限改訂 2003年10月15日】

 2003年10月15日、遊戯王OCGにおいて14回目となる制限改訂が行われました。

 制限カードに指定されたカードは以下の52枚です。

カオス・ソルジャー -開闢の使者- 無制限
混沌の黒魔術師(エラッタ前) 無制限
魔導サイエンティスト 無制限
ヴァンパイア・ロード
お注射天使リリー
混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前)
キラー・スネーク(エラッタ前)
クリッター(エラッタ前)
黒き森のウィッチ(エラッタ前)
サイバーポッド
人造人間-サイコ・ショッカー
同族感染ウィルス
ドル・ドラ
ならず者傭兵部隊
ファイバーポッド
封印されしエクゾディア
封印されし者の左足
封印されし者の左腕
封印されし者の右足
封印されし者の右腕
魔鏡導士リフレクト・バウンダー
魔導戦士 ブレイカー
八汰烏
悪夢の蜃気楼
いたずら好きな双子悪魔
押収
大嵐
苦渋の選択
強引な番兵
強奪
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
団結の力
蝶の短剣-エルマ
手札抹殺
天使の施し
成金ゴブリン
ハーピィの羽根帚
早すぎた埋葬
光の護封剣
ブラック・ホール
魔導師の力
王宮の勅命(エラッタ前)
現世と冥界の逆転(エラッタ前)
聖なるバリア -ミラーフォース-
停戦協定
破壊輪(エラッタ前)
魔法の筒
無謀な欲張り
リビングデッドの呼び声

 

 準制限カードに指定されたカードは以下の9枚です。

暗黒のマンティコア 無制限
メタモルポット 制限
カオスポッド
切り込み隊長
処刑人-マキュラ
強制転移
増援
抹殺の使徒
ラストバトル!

 

 無制限カードに緩和されたカードはありません。

 以上が当時コナミから下された裁断となります。変動5枚、うち規制強化が4枚、緩和が1枚です。

 前回以上に規制強化の意識が強く現れた調整であり、開発側もゲームバランス崩壊の危機を感じ取っていたことが窺える改訂と言えるでしょう。当時の主流デッキである【カオス】【サイエンカタパ】はもちろんのこと、【宝札マンティコア】に対しても一定の圧力がかかっています。

【カオス】に対する規制

 【カオス】の2枚看板を務める「カオス・ソルジャー -開闢の使者-」を筆頭に、「混沌の黒魔術師(エラッタ前)」や「魔導サイエンティスト」などの当時有数のパワーカードが同時に制限カード指定を受けました。

 いずれも【カオス】では必須カード級の扱いをされており、これらが同時に規制されたことは非常に大きなダメージと言うほかありません。特に最上級モンスター2体は【カオス】のキルターンを引き上げることに貢献していたため、デッキの爆発力を大きく落とす結果に繋がっています。

 残りの「魔導サイエンティスト」も単純に強すぎるカードであり、【カオス】でもエース級の活躍をしていたモンスターです。状況によっては光・闇属性の融合モンスターを呼び出した上で墓地に落とし、【カオス】のコストにあてるなど、潤滑油としても機能していた強みがありました。

 制限カードに指定されたことは大きな痛手と言って良く、やはりデッキパワーの低下を招いてしまっています。この時期はサーチャーの規制が厳しくなっていた都合もあり、使い勝手がかなり悪化してしまった格好です。

 とはいえ、上記3枚とも強力なカードであることに変わりはなく、これ以降の環境でも引き続き【カオス】の必須枠を占めていくことになりました。

【サイエンカタパ】に対する規制

 同様に、先攻1キルデッキである【サイエンカタパ】も壊滅的な打撃を食らっています。

 「混沌の黒魔術師(エラッタ前)」「魔導サイエンティスト」の2枚は【カオス】のエースモンスターであると同時に【サイエンカタパ】のキーカードでもあり、事実上【カオス】に対する規制がそのまま【サイエンカタパ】への規制に繋がっていた格好です。

 【サイエンカタパ】もコンボデッキである以上、キーカードに強く依存している問題から逃れることはできません。単純にコンボ成功率が下がったほか、「ディメンション・マジック」を効果的に使うことも難しくなっています。

 つまり単純計算でデッキスペースに7枠もの空きができてしまった形であり、率直に申し上げて非常に苦しい状況です。従来の構築を取ることはほぼ不可能となるどころか、下手をすれば解体宣言を受けかねない状況にまで追い込まれています。

 「処刑人-マキュラ」をギミックに組み込むなど、一定の抵抗運動もありましたが、「名推理」との兼ね合いから構築難易度は高めです。プレイヤーによっては再構築を諦めてしまう場合も少なくはなく、結果として11月に「モンスターゲート」が現れるまでは影を潜めることになりました。

【宝札マンティコア】に対する規制

 同じく先攻1キルデッキに対する圧力としては、「暗黒のマンティコア」が準制限カードに規制強化されていることが挙げられます。

 他のデッキに比べれば緩めの規制にも見えますが、性質上少なくとも1枚は「暗黒のマンティコア」を手札に握っておかなければならないため、外見以上に厳しい規制です。

 とはいえ、直接ギミックに影響する規制ではなく、自然と代わりの構築が模索されていっています。候補としてよく挙げられていたのは「聖鳥クレイン」で、ドローエンジン兼「暗黒のマンティコア」の蘇生コストとして重宝されていました。

 総評としましては、【サイエンカタパ】とは異なり致命的なダメージは受けておらず、依然として環境の一角にとどまっていた次第です。元々【サイエンカタパ】ほど安定していたわけでもなく、メタゲームにもそれほど影響していなかったことから、どちらかと言うと様子見の意味が強い規制だったのではないでしょうか。

規制緩和 【デッキ破壊1キル】微強化

 一方、上記3デッキとは逆に、【デッキ破壊1キル】は制限改訂によって強化を受けています。

 「メタモルポット」が準制限カードに規制緩和され、デッキパワーと安定性が順当に回復しました。元々弱点が多く、安定した活躍は難しいデッキでしたが、ドローエンジンにしてエンドカードでもある「メタモルポット」の規制緩和は大きな追い風と言えるでしょう。

 さらに、先月に誕生した「第六感」と絡めて「現世と冥界の逆転(エラッタ前)」のギミックを取り入れるなど、新たな型も考案され始めています。第3期の【デッキ破壊1キル】と言った場合、恐らくこの時期のものが最も有名なのではないでしょうか。

 とはいえ、こうした追い風を考慮してもデッキパワーは【サイエンカタパ】に一段劣っていることは否めません。流石にこの時期に限れば優位に立っていましたが、カードプールが追加されていくにつれ次第に引き離されていっています。

 あくまでも二番手を抜け出せない印象は強く、実際にトーナメントシーンで残した結果もそれほど多くはなかったのではないでしょうか。

 

【当時の環境 2003年10月15日】

 【カオス】【サイエンカタパ】【宝札マンティコア】の3デッキが同時に規制を受け、勢力を縮小させています。

 とりわけ【サイエンカタパ】が負ったダメージは大きく、一時的にではありますが当時の環境から姿を消すことになったほどです。一部では代わりの構築が研究されていたものの、全体的には鳴りを潜めていたと言っても過言ではないでしょう。

 また、【カオス】が大きく弱体化したことにより、とうとう他のビートダウンデッキにスポットライトが当たるようになっています。

 【カオス】を採用しない【グッドスタッフ】である【ノーカオス】を筆頭に、ハイビートを強く意識した【ミーネ・ウイルス】も全盛期には及ばないものの知名度を高めていきました。

 全体的に環境のデフレが起こった影響で【トマハン】【デビフラ1キル】が復権していったことも変化としては見逃せません。もちろんコントロールデッキである【ジャマキャン】も同様に息を吹き返しており、半年の潜伏期間を経て環境に再浮上した形です。

 とはいえ、総合力ではやはり【カオス】が最も強く、他のデッキと比べて一歩前に出ていた印象はあります。

 制限カード指定を受けた最上級2種の【カオス】に代わり、遂に「カオス・ソーサラー」が環境に浮上しました。

このカードは通常召喚できない。自分の墓地の光属性と闇属性モンスターを1体ずつゲームから除外して特殊召喚する。フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体をゲームから除外する事ができる。この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃する事ができない。

 実質「カオス・ソルジャー -開闢の使者-」の下位互換とも言えるモンスターですが、これ自体がパワーカードであることに変わりはなく、この規制以降は次第に評価が見直されていっています。流石に2005年~2006年頃の全盛期には及ばないものの、当時の【カオス】をトップメタの地位にとどめた要因のひとつであったことは間違いありません。

 しかしながら、これまでと比べれば他のデッキとの距離が大きく縮まったことは事実です。圧倒的だった戦力差が大幅に埋まったことにより、これ以降のメタゲームは次第に複雑化していくことになりました。

 

【まとめ】

 2003年10月15日の制限改訂で起こった変化は以上です。

 公式の厳しい対応によって環境に調整が入り、当時の遊戯王OCGはひとまず最悪の状況から脱することになりました。【カオス】の弱体化によって他のデッキに日が当たるようになったほか、【サイエンカタパ】が一時的に姿を消すなどの大きな改善も見られます。

 ところどころに綻びが残っていることは否めませんが、全体的にはゲームバランス回復の方向に動いていたと言えるのではないでしょうか。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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