【デビフラ1キル】(第2~3期)

2018年1月8日

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【デッキデータ】

 活躍期間 2000年8月10日~2003年4月23日
 脅威度 暗黒期(2000年8月10日~8月14日)
メタ外(2002年1月1日~4月30日)
トップメタ(2002年5月16日~2003年4月23日) 
主な仮想敵  【デッキ破壊】(2000年8月10日~8月14日)
【グッドスタッフ】(2000年8月10日~8月14日)
【キャノンバーン】(2000年8月10日~8月14日)
【八汰ロック】(2002年5月16日~)
【トマハン】(2002年5月16日~)
【ギアフリード1キル】(2002年11月21日~12月31日)

 

サンプルレシピ(2000年8月10日)
モンスターカード(14枚)
×3枚  キラー・トマト
 クリッター(エラッタ前)
 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
×2枚  聖なる魔術師
 デビル・フランケン
×1枚  デーモンの召喚
魔法カード(25枚)
×3枚  巨大化
 苦渋の選択
 サイクロン
 死者への手向け
×2枚  大嵐
 強奪
 死者蘇生
 天使の施し
×1枚  強欲な壺
 心変わり
 サンダー・ボルト
 ハーピィの羽根帚
 ブラック・ホール
罠カード(1枚)
×3枚  
×2枚  
×1枚 聖なるバリア -ミラーフォース-
エクストラデッキ(1枚)
×3枚  
×2枚  
×1枚  青眼の究極竜

 

【デッキ解説】

 

2000年8月

 【デビフラ1キル】は、「デビル・フランケン」と「青眼の究極竜」、そして「巨大化」の3枚を組み合わせ、ワンショットキルを狙うコンボデッキです。

 2000年8月10日に「PREMIUM PACK 3」で「青眼の究極竜」が誕生し、「デビル・フランケン」から攻撃力4000以上の超大型モンスターを呼び出せるようになったことで成立しました。遊戯王OCG史上初となる「後攻1キルデッキ」であり、遊戯王OCG全体で見ても極めて知名度の高いデッキとなっています。

 具体的なコンボの手順は以下の通りです。

 

①:「デビル・フランケン」の効果で5000LPを払い、「青眼の究極竜」を特殊召喚する。

 

②:「巨大化」を「青眼の究極竜」に装備させる。この際、「デビル・フランケン」のライフコストによってライフが大幅に減っているため、ほぼ確実に攻撃力倍化条件を満たすことができる。

 

③:攻撃力9000の「青眼の究極竜」で戦闘ダメージを通す。

 

 小難しいギミックは存在せず、非常にシンプルな構造のコンボとなっています。事実上、「デビル・フランケン」と「巨大化」の2枚を揃えるだけで成立することから、第2期出身のコンボとしては高い安定性を持っていました。

 また、「デビル・フランケン」は低ステータスのモンスターであるため、「クリッター(エラッタ前)」などでサーチしやすいというのも強みの一つです。属性的に「キラー・トマト」のリクルートにも対応しており、かなり安定して呼び出すことができます。

 反面、「巨大化」の方はアクセスがやや難しく、素のドローに頼る部分が大きいのは否定できません。一応、「苦渋の選択」で墓地に落として「聖なる魔術師」で拾うというルートも用意してありますが、若干遠回りであることは否めず、あくまでも手段の一つと認識しておくべきでしょう。

 ただし、上記のコンボパーツが揃うだけでは即勝利とはなりません。性質上、このコンボでゲームを決めるには戦闘ダメージを通す必要があるため、それを妨害してくるカードは天敵となっていることがその理由です。

 当時の環境には「聖なるバリア -ミラーフォース-」を始めとして、「万能地雷グレイモヤ」などの除去カード、「鎖付きブーメラン」や「和睦の使者」などのフリーチェーンの防御カード、更には「巨大化」を直接潰してくる「サイクロン」の存在と、仮想敵となる汎用カードが多数存在していました。これらのカードはおおよそどんなデッキにでも入っている可能性があり、遭遇率の高さは決して無視できるものではありません。

 防御カードの場合は一見すると致命的ではないようにも思えますが、実際にはライフ危険域の状態で棒立ちの「デビル・フランケン」を残すことになるため、返しの反撃で即死する危険を抱えており、やはり警戒するべきカードです。

 こうした事情から、【デビフラ1キル】はコンボの露払いとして「ハーピィの羽根帚」「大嵐」などの伏せ除去カードを可能な限り投入するのが常識となっていました。上記のサンプルレシピでは「サイクロン」まで3積みしており、とにかくコンボ成立に狙いを定めていることが分かります。

 更には、戦闘ダメージによって勝負を決める関係上、壁モンスターが複数並んでいる状況では言うまでもなくワンショットが成立しません。そのため、伏せ除去だけでなくモンスター除去も多くの場面で必須となり、「死者への手向け」などの除去も積まれるケースが大半となっていました。

 とはいえ、必ずしもダイレクトアタックを通さなければならないわけではなく、総ダメージが8000に届きさえすれば問題ありません。「デビル・フランケン」を含めれば展開後の総火力は9700となるため、例えば「黒き森のウィッチ(エラッタ前)」などが攻撃表示で残っていてもそのまま削り切ることが可能です。

 このように、コンボ成立には複数の手間を要しますが、「決まれば勝ち」というリターンの大きなコンボであり、【デビフラ1キル】としてデッキ単位で特化する価値は十分にありました。

 また、コンボパーツが揃わない場合であっても「青眼の究極竜」によるビートダウンプランを取ることができるため、他のコンボデッキと比べて手詰まりに陥りにくいという強みもあります。とはいえ、「青眼の究極竜」を除去された瞬間にほぼ勝ち筋を喪失してしまう弱点は無視できず、あくまでも最後の手段と考えておくべきでしょう。

 もちろん、ライフが5000を切ってしまった場合は「デビル・フランケン」の効果自体を発動できなくなり、その時点でデッキコンセプトの根幹が死んでしまうので注意が必要です。これに備えてわざわざライフゲインカードを積むというのも効率的とは言い難く、やはりライフが減る前に勝負を決めにいくべきでしょう。

 しかしながら、この【デビフラ1キル】というデッキはこうしたものとは別方向の、ある一つの大きな問題点を抱えていました。

 ゲーム的な意味での問題ではなく、プレイヤーに嫌われる傾向にあったという対人的な問題です。

 このコンボはとにかく外見が派手であり、悪い意味で人目を集めやすいという特徴を持っていました。実際には欠陥も多く、ただ強いだけのコンボではありません。

 しかし、そうした裏事情はあまり気にされず、「とりあえず【デビフラ1キル】は悪」という固定認識が浸透してしまっていたと記憶しています。

 こうした事情もあってか、2000年8月15日の制限改訂で「巨大化」が規制され、事実上【デビフラ1キル】を構築することはできなくなりました。デッキ誕生から僅か5日で寿命を迎えた格好となり、短命というのもはばかられる状況です。

 とはいえ、当時の環境を見て公式が即座に対応したということは考えにくく、あらかじめ手を打っておいたというのが実際のところだったのではないでしょうか。

 言い換えれば、開発側としてもこのコンボの存在を認知していたということになります。そうした公式の対応もあり、やはり【デビフラ1キル】が悪目立ちしてしまうデッキであったことは否定できない事実なのかもしれません。

 

2002年1月

 その後、2000~2001年を水面下で過ごしたのち、2002年1月1日の制限改訂で突如「巨大化」が無制限カードに制限解除されることになります。

 これにより、再び【デビフラ1キル】が実戦レベルで構築できるようになりました。初期に比べて関連パーツの規制はやや厳しくなっていましたが、最大のキーカードが完全復帰していることは大きく、愛好家を中心に構築が模索されていっています。

 しかし、この時期は【八汰ロック】【宝札エクゾディア】などの凶悪なデッキがひしめいており、後攻1キルデッキである【デビフラ1キル】が活躍できる環境ではありませんでした。元々弱点の多い不安定なデッキだったこともあり、ほぼその他大勢として埋もれてしまっていた印象です。

 この状況は第2期の終わりまで改善されることはなく、かつての栄光は影も形もないまま時代に流されていきました。

 

2002年5月

サンプルレシピ(2002年5月16日)
モンスターカード(10枚)
×3枚 キラー・トマト
デビル・フランケン
×2枚 クリッター(エラッタ前)
×1枚 黒き森のウィッチ(エラッタ前)
ならず者傭兵部隊
魔法カード(27枚)
×3枚 悪夢の蜃気楼
サイクロン
巨大化
名推理
×2枚 天使の施し
非常食
抹殺の使徒
×1枚 大嵐
強奪
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
ハーピィの羽根帚
早すぎた埋葬
ブラック・ホール
罠カード(3枚)
×3枚  
×2枚  
×1枚 王宮の勅命(エラッタ前)
聖なるバリア -ミラーフォース-
リビングデッドの呼び声
エクストラデッキ(7枚)
×3枚  
×2枚 青眼の究極竜
×1枚 異星の最終戦士
サウザンド・アイズ・サクリファイス
魔人 ダーク・バルター
デス・デーモン・ドラゴン
ドラゴン・ウォリアー

 

 第3期に入り、制限改訂によってカードプールの調整が図られたことで環境はデフレを迎えていました。

 全体的にサーチャーや全体除去に対して規制が入り、初期に比べてコンボの成功率が下がっています。とはいえ、周囲のデッキも同様に弱体化しているため、相対的にはかなり立場を回復させた印象です。

 さらに、同月16日販売の「新たなる支配者」から「名推理」という心強い味方を手に入れたことも見逃せません。

 コンボの成功率はもちろん、動き出しの速度もかなり向上し、総合力では初期の強さを上回っていたとすら言えるでしょう。実際、これ以降の環境ではトップメタの一角として存在感を示していくことになります。

 他にも、第2期終盤に獲得していた「悪夢の蜃気楼」もデッキパワーの底上げに貢献していました。

 基本形となる3:3体制に加え、「非常食」を2枚追加投入し、通常以上に回転に特化していることが分かります。その際、ライフゲインも有効に働くケースが多いのも魅力です。

 「巨大化」そのものとはアンチシナジーですが、場合によっては10000ライフコストを払って「青眼の究極竜」を2体展開し、強引にゲームエンドに持っていくルートを取ることもできます。ノーダメージであれば3000ゲインで済むため、見た目ほど達成は難しくありません。

 また、環境的にデッキの強みを発揮しやすい状況にあったことも追い風です。

 当時のメタゲームは【八汰ロック】【トマハン】などの中速ビートダウンが大部分を支配しており、【デビフラ1キル】のような高速でゲームを終わらせてくるデッキには弱いという欠点を抱えていました。じりじりとリソースを削っているところにワンショットを叩き込まれてしまうなど、本領を発揮する前に決着がついてしまうことが珍しくないからです。

 もちろん、【デビフラ1キル】側も妨害に弱いというリスクを抱えている以上、こうしたワンサイドゲームが多発していたわけではありません。むしろコンボパーツを集めている間にコントロールを固められ、身動きが取れなくなくなってしまうシチュエーションも同程度に発生していた印象です。

 どちらの視点から見ても難しい相手であり、全体的には差し引きゼロという状況だったのではないでしょうか。

 

2003年4月

 そして、およそ1年後の2003年4月、とうとう【カオス】が遊戯王の舞台に降り立つことになります。

 第3期最強の【グッドスタッフ】であり、遊戯王を象徴する暗黒期デッキのひとつです。当時としては人知を超えた圧倒的な強さを備えており、これ以降はほぼ【カオス】一色の世界が広がっていきました。

 もちろん、【デビフラ1キル】も混沌の脅威に飲まれ、ほどなく姿を消しています。後攻1キルという唯一無二の武器こそありますが、地力で大差をつけられている以上、まともに立ち向かうのは無理があったと言わざるを得ません。

 そもそも【カオス】の平均キルターンは下手をすると【デビフラ1キル】よりも早かった可能性すらあり、最大の強みである速度でも負けているという始末です。勝っている部分がほとんどないという状況であり、あえて【デビフラ1キル】を使い続ける意味はなかったのではないでしょうか。

 何らかのこだわりがあるのであれば、その限りではなかったのかもしれませんが、おおむねファンデッキという評価からは抜け出せなくなっていたのかもしれません。

 

【まとめ】

 【デビフラ1キル】に関する話は以上です。

 第2期前半期という穏やかな時代に現れた攻撃力9000の「青眼の究極竜は衝撃的と言うほかなく、このコンボの誕生は当時の多くのプレイヤーの度肝を抜きました。しかし、そのインパクトが度を越してしまった印象はあり、少なからずプレイヤーのヘイトを集めてしまったのは事実です。

 その後、騒動もそこそこに「巨大化」が規制を受け、第2期における【デビフラ1キル】は早々に環境から姿を消すことになります。残念といえば残念な結末ではあるものの、コミュニケーションツールでもある遊戯王OCGとしては正しい対応だったとも言えるでしょう。

 しかし、第3期では一転して主流デッキのひとつとして返り咲き、1年近い期間を環境の最前線で過ごすことになります。最終的には【カオス】という怪物に飲み込まれてしまったものの、第3期という時代の一要素を務めたことは確かだったのではないでしょうか。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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