制限改訂2002/1/1 手の施しようがない暗黒時代

2018年2月14日

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【前書き】

 【第2期の歴史40 遊戯王の歴史 2001年の総括】の続きになります。ご注意ください。

 波乱の2001年が終わりを告げ、遊戯王OCGは三度目の新年を迎えることとなりました。冒頭で【苦渋エクゾディア】が脱落するところから始まり、最終的には【八汰ロック】【宝札エクゾディア】【ラストバトル!】【宝札ビッグバン】【現世と冥界の逆転】など凶悪なデッキが暴れ回る暗黒時代に突入しています。

 このような荒廃した環境を放置しておけないことは火を見るより明らかです。2002年の元日、上記のデッキへの対策として第2期の行く末を決める制限改訂が施行されました。

 

【制限改訂 2002年1月1日】

 2002年1月1日、遊戯王OCGにおいて9回目となる制限改訂が行われました。

 制限カードに指定されたカードは以下の28枚です。

ファイバーポッド 無制限
八汰烏 無制限
魔導師の力 無制限
破壊輪(エラッタ前)
サイバーポッド
人造人間-サイコ・ショッカー
封印されしエクゾディア
封印されし者の左足
封印されし者の左腕
封印されし者の右足
封印されし者の右腕
押収
苦渋の選択
強引な番兵
強奪
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
団結の力
ハーピィの羽根帚
ブラック・ホール
リミッター解除
王宮の勅命(エラッタ前)
聖なるバリア -ミラーフォース-
停戦協定
魔法の筒
リビングデッドの呼び声

 

 準制限カードに指定されたカードは以下の11枚です。

ラストバトル! 無制限
カオスポッド
クリッター(エラッタ前)
黒き森のウィッチ(エラッタ前)
いたずら好きな双子悪魔
大嵐
天使の施し
光の護封剣
フォース
抹殺の使徒
補充要員

 

 無制限カードに緩和されたカードは以下の2枚です。

キラー・スネーク(エラッタ前) 制限
巨大化 制限

 

 以上が当時コナミから下された裁断となります。変動7枚、うち規制強化が5枚、規制緩和が2枚という状況であり、前回とは逆に規制強化の方向に動いていることが見て取れる改訂です。

 最も大きな対応として、「八汰烏」「ファイバーポッド」がそれぞれ無制限から制限カードに規制強化されました。いずれも「Mythological Age -蘇りし魂-」収録のカードであり、誕生から1ヶ月での規制となります。

 2枚とも非常に凶悪な性能を与えられたカードであり、とりわけ「八汰烏」は【八汰ロック】の成立を招いてしまったほどです。規制しない理由がなく、この対応は極めて妥当なものと言えるでしょう。

 ただし、どちらも「クリッター(エラッタ前)」などのサーチャーに対応している関係上、十分な問題解決には至っていません。素引きの確率が低下したことで遭遇率をやや落としつつも、依然として脅威度は下がっていない状況です。

 また、同パック収録の「ラストバトル!」も準制限カードに指定されています。こちらは【ラストバトル!】のキーカードであり、先攻1キルに対する圧力をかける意図があったことは間違いないでしょう。

 しかし、「八汰烏」らと違って制限指定ではないため、ある程度は様子を見ている向きがあることは否めません。実際のところ【八汰ロック】に比べれば総合的な脅威度は低く、それらとのバランスを取る判断があったのではないでしょうか。

 汎用カードへの規制としては、「破壊輪(エラッタ前)」が準制限から制限カードに移っていることが挙げられます。単純にパワーカードであることに加えて、【八汰ロック】では「八汰烏」の攻撃を通すカード、そして防ぐカードとして活躍していたため、これも当然の流れです。

 上記4枚に並んで、「魔導師の力」も制限カードに指定されています。当時はどう考えてもこれが使われるような環境ではなかったはずですが、単純に打点補助カードとして優秀だったことから、先を見越した形での規制だった可能性もなくはないでしょう。

 とはいえ、他に規制すべきカードがあったことは否めず、それらを差し置いての規制にはやや違和感が残ります。

 他の変動につきましては、長らく制限指定を受けていた「巨大化」「キラー・スネーク(エラッタ前)」の2枚が一気に無制限カードに緩和されました。

 「巨大化」が制限解除されたことにより、【デビフラ1キル】が再び実用レベルで構築できるようになっています。しかし、上述の通りもはや後攻1キルが活躍できる環境ではないことは明らかです。あえてコンボデッキのキーカードを釈放している辺りに環境のパワーバランスを調整せんとする苦慮の跡が見えますが、それでどうにかなるほど根の浅い問題ではありませんでした。

 「キラー・スネーク(エラッタ前)」も同じくゲームバランスを調整する意図があったものと思われますが、こちらも環境を動かす影響力は持っていなかったと言うほかありません。単純に「悠長すぎる」というのもありますが、そもそも最高の相棒である「苦渋の選択」が制限カードに指定されており、全盛期ほどの活躍は難しい状況です。

 結論としましては、凶悪カードに対する規制によって一定の調整は図られたものの、十分な圧力がかかっていたとは言えず、根本的な問題の解決には至っていません。おおむね応急処置といった印象が強く、これ以上の対応は次の制限改訂を待つほかありませんでした。

 

【当時の環境 2002年1月1日】

 「八汰烏」「ファイバーポッド」に対する厳しい規制が入り、【八汰ロック】がやや弱体化しました。しかし、両者ともにサーチャーに対応していることから致命傷とはならず、暗黒時代の象徴として環境上位に君臨し続けることになります。

 「ラストバトル!」の準制限指定によって【ラストバトル!】も安定性を落としていますが、こちらも致命的なダメージには繋がっていません。ただし、少なからず弱体化が入ったことは事実であるため、恐らくは使用者も減少傾向にあったものと思われます。

 対して、【宝札エクゾディア】【宝札ビッグバン】【現世と冥界の逆転】の3デッキには全く規制がかかっていません。

 このうち、【現世と冥界の逆転】は成立直後であるため除外するとしても、【宝札エクゾディア】【宝札ビッグバン】の2デッキは半年以上環境に存在し続けていた先攻1キルデッキであり、何らかの対応があって然るべきです。

 ただし、【宝札ビッグバン】に関しましては、キーカードのホーリー・エルフの祝福」の裁定変更によって消滅していた可能性が高いことは取り上げておく必要があるかもしれません。厳密な時期は不明ですが、少なくとも第3期突入後に復帰した時には影も形もなかったため、やはり2002年以降に生存していた可能性は低かったと見るべきでしょう。

 一方、【宝札エクゾディア】の方は上述の通り完全にノータッチと言える状況です。

 【八汰ロック】への牽制のためにあえて規制をかけなかった可能性もありますが、それはそれで不自然な話でもあり、やはり正確な意図は判明しません。とはいえ、開発側も常に完璧な対応を取れるわけではない以上、有り体に申し上げて単なるミスに過ぎなかったのではないでしょうか。

 総評としましては、多少の変動はあったものの大局は動かず、依然として【八汰ロック】と【先攻1キル】が環境を2分している状況となります。暗黒期からの脱出の気配はなく、遊戯王OCGの時代は致命的な問題を抱えたまま進行していきました。

 

【まとめ】

 2002年1月1日の制限改訂で起こった変化については以上となります。

 凶悪カードへの規制によって一定のバランス調整が図られたかに思えましたが、実際には十分な効果が発揮されることはありませんでした。制限カード指定だけでは【八汰ロック】の勢いを抑えきれず、そのまま第2期の終盤へともつれ込んでいくことになります。

 【宝札エクゾディア】完全に見落としてしまうなど、対応そのものにも問題が見られる改訂です。流石に開発側が当デッキの存在を認識していなかったとは思えず、ますます意図が読めない規制状況となっていました。

 とはいえ、結局のところ【現世と冥界の逆転】が牙を研いで待ち構えている以上、もはや何をしても手遅れと言える状況だったのかもしれません。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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