【エルマ1キル】(第3期)
【デッキデータ】
活躍期間 | 2002年11月21日~2003年1月1日 |
---|---|
脅威度 | 暗黒期(~) |
主な仮想敵 | 【八汰ロック】(~) |
【トマハン】(~) | |
【デビフラ1キル】(~) | |
【ジャマキャン】(2002年11月21日~) |
モンスターカード(15枚) | |
---|---|
×3枚 | 王立魔法図書館 |
鉄の騎士 ギア・フリード | |
魔導戦士 ブレイカー | |
×2枚 | 異次元の女戦士 |
クリッター(エラッタ前) | |
×1枚 | 黒き森のウィッチ(エラッタ前) |
魔法の操り人形 | |
魔法カード(23枚) | |
×3枚 | 悪夢の蜃気楼 |
サイクロン | |
蝶の短剣-エルマ | |
×2枚 | 増援 |
天使の施し | |
×1枚 | いたずら好きな双子悪魔 |
押収 | |
大嵐 | |
強引な番兵 | |
強欲な壺 | |
サンダー・ボルト | |
死者蘇生 | |
ハーピィの羽根帚 | |
早すぎた埋葬 | |
ブラック・ホール | |
罠カード(2枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | |
×1枚 | 王宮の勅命(エラッタ前) |
リビングデッドの呼び声 | |
エクストラデッキ(0枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | |
×1枚 |
【デッキ解説】
【エルマ1キル】は、「鉄の騎士 ギア・フリード」と「蝶の短剣-エルマ」による無限ループを利用し、魔力カウンターを絡めた即死コンボを狙うデッキです。2002年11月21日、レギュラーパック「ガーディアンの力」から「蝶の短剣-エルマ」が誕生したことで成立しました。
(※具体的なデッキ成立の経緯、またデッキコンセプトに関しましては上記記事にて解説しております。ご興味をお持ちの方はそちらをご覧いただければ幸いです)
デッキの呼び名にはいくつかの種類があり、【ギアフリード1キル】や【図書館エルマ】などと呼称されることもありました。そのうち、最も通りが良いと思われるのは【エルマ1キル】であるため、ここでは便宜上そのように呼んでいます。
前提として、【エルマ1キル】は完全なコンボ特化型、もしくはビートダウン軸のどちらかに分類されます。しかし、当時はカードプールの関係上、先攻1キル系デッキを組むことは非常に困難であり、ほとんどの場合ビートダウン軸の型に寄せられていました。
上記サンプルレシピもビートダウン軸の構築です。当時の【グッドスタッフ】にコンボパーツを追加投入したような形となっており、必ずしも無限ループに頼ることなく戦えるデッキに仕上がっています。
魔力カウンターの使い道は「王立魔法図書館」による無限ドローを基本とし、その他のカードはプレイヤーの好みによって決められていました。エクゾディアによる特殊勝利、「ビッグバンガール」と「士気高揚」による無限バーンなどが考案されていましたが、最もデッキに噛み合っていたのはやはり「魔法の操り人形」でしょう。
魔力カウンターによって「攻撃力の強化」と「モンスター除去を行う効果」を持っているため、ループが成立すれば一撃でゲームを決めることができるからです。上記のコンボと違って1枚挿しておくだけで済むため、事故の原因になるケースもそれほど多くありません。
ただし、場合によってはこうしたフィニッシャーは用意せず、無限ドローそのものを勝ち筋に据えることも十分に考えられます。元々【グッドスタッフ】を下敷きとしているため、膨大なアドバンテージを獲得できれば普通に戦うだけでも勝利することは容易いでしょう。
総評としましては、この【エルマ1キル】はゲームバランスの崩壊を招きかねない存在であり、暗黒期指定にふさわしい凶悪なデッキです。コンボパーツというノイズを含むため、普通のビートダウンデッキよりも地力で劣っている弱みもありますが、そうした欠点を補って余りある危険性を孕んでいたことは言うまでもありません。
もっとも、同時期には全盛期の【八汰ロック】という怪物も存在しており、実際の環境において支配的な地位を築いていたかどうかについては疑問が残る部分もあります。総合的なデッキパワーはそちらの方が高いため、恐らくは全体的な勝率も【八汰ロック】が優位に立っていたのではないでしょうか。
その後、デッキ成立から僅か1ヶ月後の制限改訂で「蝶の短剣-エルマ」に規制が入り、この【エルマ1キル】も事実上の解体宣言を下されています。
非常に素早い対応であり、当時の開発側が無限ループを危険視していたことが窺える出来事となっています。この時期は現在と比べてゲームスピードが緩やかであり、相対的にこうした即死コンボが猛威を振るいやすかったことも一因です。
最終的には第4期に「蝶の短剣-エルマ」が禁止カードに指定され、完全に環境から姿を消すことになりました。カードプールの広がった現在では当時とは比較にならないほど多彩な悪用法が考えられる(※)以上、今後もその位置から動くことは考えにくいのではないでしょうか。
(※ただし、現代のゲームスピードでは1周回って逆に弱くなっているため、必ずしも凶悪カードとは言えなくなっている面もあります。詳しくは下記の記事の通りです)
【まとめ】
【エルマ1キル】に関する話は以上です。
成立直後から無限ループによって環境を荒らしていった結果、僅か1ヶ月という短い時間で表舞台から退場させられることになりました。規制後すぐの間は「名工 虎鉄」を代用するなどで生き残ろうとする動きもありましたが、ほどなく自然衰退していっています。
もっとも、何らかの形で生存したとしても公式の手が加わることが予想できる以上、いずれにせよ【エルマ1キル】の命運はこの時点で尽きていたのかもしれません。
ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません