異次元の女戦士とリフレクトバウンダー 【カオス】の光属性担当

2018年3月12日

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【前書き】

 【第3期の歴史13 蝶の短剣エルマ 遊戯王史上最凶の装備魔法】の続きになります。特に、この記事では前中後編の後編の話題を取り扱っています。ご注意ください。

 

【光属性担当 第3期の優良アタッカー】

 【ジャマキャン】の「おジャマトリオ」、そして【ギアフリード1キル】の「蝶の短剣-エルマ」という2大コンボパーツを輩出した「ガーディアンの力」ではありましたが、もちろん当パックの注目カードはこうしたコンボパーツだけではありません。それ単体で極めて高い性能を発揮する、【グッドスタッフ】系デッキの期待の新人となり得るパワーカードも収録されていました。

(カードパワーが)異次元の女戦士

 1枚目は「異次元の女戦士」という下級モンスターです。

このカードが相手モンスターと戦闘を行った時、相手モンスターとこのカードをゲームから除外する事ができる。

 自身と戦闘を行ったモンスターを、このカード自身と共に除外「できる」という効果を与えられています。第1期で誕生した「異次元の戦士」とは同型カードですが、なんとこちらは任意効果であり、状況に応じて除外効果を使用するかどうかを自由に選ぶことができました。

 つまり、小型モンスターと相打ちになるリスクを抱えていた「異次元の戦士」とは異なり、常に最善のタイミングで相手モンスターを道連れにできるということです。なおかつ、攻撃力も1500とリクルーターラインを上回っており、あまりにも露骨な上位互換であると言わざるを得ません。

 一応、守備力が1600であるために「黒き森のウィッチ(エラッタ前)」のサーチに対応していないという弱みはありますが、流石にこれだけで相互互換と言い張るのは無理があるでしょう。そもそも当時は「黒き森のウィッチ(エラッタ前)」自体が制限カードに指定されており、サーチ効果を使用する頻度が下がっていたという都合もあります。

 もちろん性能も当時の下級モンスターの中では飛び抜けて高く、早々に環境有数のエースモンスターとして君臨することになりました。というより、この時期は「異次元の戦士」自体が既に高評価を受けていた時代であり、その上位互換カードが評価されないはずがないと言うべきでしょうか。

 また、環境的にも強さを発揮しやすい土壌が整っていたことも見逃せません。このカードをセットして地雷として運用する場合、1600という絶妙な守備力が活きてくることが多かったからです。

 この時期のアタッカーは「魔導戦士 ブレイカー」や「同族感染ウィルス」らが務めており、必然的に1600打点との遭遇が非常に増加していました。そのため、一見頼りない守備力1600というステータスであっても絶妙に硬い壁として機能します。

 「魔導戦士 ブレイカー」は魔力カウンターが乗っている場合は1900打点となりますが、その場合は魔法罠除去効果を使わせないまま「異次元の女戦士」の道連れにしてしまえるため、むしろ得をしていると言えるでしょう。もちろん、「ヴァンパイア・ロード」などの上級モンスターを討ち取れた場合も同様です。

 ただし、「魔導サイエンティスト」に対してだけは注意を払わなければなりません。

 「魔導サイエンティスト」の効果で呼び出された融合モンスターは元々ターン終了時にエクストラデッキに戻る制約を抱えており、それらを道連れにしたところで一方的に損をしてしまうだけです。そもそもセットモンスターの処理には「魔人 ダーク・バルター」が使われることが多く、効果自体を発動できないケースも少なくありません。

 とはいえ、「異次元の女戦士」自体が高いカードパワーを内包していることは事実であり、多くの主流デッキで採用候補に挙がっていたことは前述の通りです。

 しかしながら、これと同等以上に強力なライバルがひしめいていたことも否定はできず、手放しでの採用は難しかったという事情もないわけではありません。個人的な話になりますが、私もこの時期は魔導戦士 ブレイカー」や「同族感染ウィルス」を優先して採用していたことを覚えています。

 そのため、この「異次元の女戦士」も実際は誕生当初から高い採用率を誇っていたわけではなく、おおよその全盛期は上記のカードに規制が加わった2003年以降に訪れていた可能性も低くはなかったのではないでしょうか。

 ちなみに、これは【カオス】が台頭し始める時期とほぼ一致しています。当時の【カオス】の圧倒的な強さを鑑みる限り、それと相性の良い「異次元の女戦士」が流行していったのはむしろ自然な流れだったのかもしれません。

魔鏡導士リフレクト・バウンダー 生けるマジックシリンダー

 「異次元の女戦士」には及ばないものの、「魔鏡導士リフレクト・バウンダー」も侮れない存在感を振り撒いていたカードです。

攻撃表示のこのカードが相手モンスターに攻撃された場合、相手攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与え、ダメージ計算後にこのカードを破壊する。

 攻撃表示の状態で攻撃を受けた場合、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手プレイヤーに与えたのち、自壊するという非常にトリッキーな効果を与えられています。自身を犠牲に攻撃モンスターの攻撃をそのまま相手に跳ね返すかのような効果であり、さながら「魔法の筒」を彷彿とさせるモンスターです。

 ただし、ダメージ計算は通常通り行うため、戦闘ダメージが発生することには注意しなければなりません。

 これはメリットにもデメリットにもなり、自身以上の攻撃力を持つモンスターとの戦闘ではダメージを負ってしまう反面、小型モンスターとの戦闘ではバーンダメージと戦闘ダメージを合わせて確実にこのカードの攻撃力分のダメージを通せます。「魔鏡導士リフレクト・バウンダー」の素の攻撃力は1700であるため、少なくとも1700ダメージを通せる安定性は本家にはない魅力でしょう。

 一方で、モンスターカードであるがゆえの弱みも存在しています。

 まず、「魔法の筒」の最大の強みであると言っても過言ではない奇襲性が失われているのは大きなマイナス点です。単純に除去される、あるいは除去を引くまで粘られるなどの手段によって回避されてしまう可能性が高く、また攻撃を跳ね返すモンスターを自由に選ぶこともできません。最悪の場合、リクルーターの自爆特攻の的にされて大損してしまうケースすら珍しくはないでしょう。

 とはいえ、そうした弱点とは裏腹に、モンスターカードであるからこその強みもあるのは事実です。サーチや蘇生全般に対応しているほか、純粋にステータスの高さからアタッカーとしてもまずまずの性能を誇ります。攻撃された場合に自壊してしまうのは前述の通りですが、意外にもこのカード自身が攻撃する場合は何の制約もないからです。

 そして1700という攻撃力も絶妙であり、当時活躍していた1600ラインアタッカーを討ち取れる打点を保持していたことも見逃せません。「同族感染ウィルス」などの脅威を戦闘破壊したのち、最低でも1700ダメージを与えつつ攻撃を一回吸収するというのは下級アタッカーとしては十二分の仕事と言えるでしょう。

 このように、使われると本当に恐ろしいカードではあったのですが……自分で使うと不思議と強くはない奇妙なカードでもあったことには触れておきます。

 確かにカード1枚で1700ダメージというのはバーンカードとしては非常に高効率です。しかし、やはりアドバンテージを失っているという事実は如何ともしがたいところはあります。ゲーム後半はともかく序盤はほとんど牽制にもならず、カード・アドバンテージとテンポ・アドバンテージを同時に失うだけに終わるケースも少なくありません。

 個人的な話になりますが、このカードを使っているとどうも勝因以上に敗因となるケースが多く、最終的にはデッキからも抜けてしまった思い出が残っています。

 「魔鏡導士リフレクト・バウンダー」が強力なカードだったのは事実ですが、それ以上に玄人向けと言えるカードだったのかもしれません。

 

【当時の環境 2002年11月21日】

 【第3期の歴史12 おジャマトリオ参戦 【ジャマキャン】の成立】以降の前中後編の記事内容を総括した項目となっています。ご注意ください。

 「おジャマトリオ」の参戦によって【ジャマキャン】が成立し、当時の魔法カード全盛の環境に一石を投じました。事実上、遊戯王史上初となる【メタビート】系列のデッキであり、素直なアドバンテージ・ゲームに慣れ切っていたプレイヤー達に少なくない混乱を与えています。

 実際、【ジャマキャン】の仕組みを知らないままこれと戦うのは無謀と言うほかありません。無警戒でいるうちにロックを決められ、成す術もなく負けてしまったという方も少なくないのではないでしょうか。

 これにより、標準的に【ジャマキャン】を意識したサイドを作っておくことはもちろん、相手のデッキが分からない場合も「おジャマトリオ」を警戒したプレイングを取るなどの対策が必要になりました。

 「蝶の短剣-エルマ」による【ギアフリード1キル】の成立も極めて大きな変化となります。こちらは純粋な先攻1キルデッキというよりも「無限ループを搭載したビートダウンデッキ」という外観であり、コンボ一辺倒とはならない安定した強さを誇っていました。

 その一方で、通常のビートダウンデッキではノイズとなるコンボパーツを多数積んでいる関係上、純粋な地力では【八汰ロック】【トマハン】に劣っていることは否めません。無限ループを決めれば勝利は決まったも同然ですが、決まらなければ不利な戦いを強いられることも事実です。

 同じくコンボデッキである【デビフラ1キル】に対しても全体的に速度で劣り、やはり不利がついてしまっています。こうした事情を鑑みる限り、この【ギアフリード1キル】が固有の尖った強みを秘めていたことは間違いありませんでしたが、総合力では一歩及んでいなかったと見ることもできるのではないでしょうか。

 その他には、「異次元の女戦士」や「魔鏡導士リフレクト・バウンダー」などの優秀な下級アタッカーも現れています。しかし、この時期は「魔導戦士 ブレイカー」「同族感染ウィルス」といった強力なライバルが幅を利かせていたため、あくまでも一戦力としての参戦にとどまっている格好です。

 総評としましては、前環境から引き続き【八汰ロック】【デビフラ1キル】がトップを走る中、【ジャマキャン】【ギアフリード1キル】などの新戦力が台頭してきている状況となります。

 対して【トマハン】前期以上に勢力を縮小させてしまっている形です。純粋に環境のパワーレベル自体が上昇し始めていることもあり、恐らく使用者は減少傾向にあったのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 前記事、前々記事と合わせて、「ガーディアンの力」販売によって起こった出来事は以上です。

 カードプールの更新によって【ジャマキャン】【ギアフリード1キル】という2つのデッキが成立し、環境の勢力図が大きく塗り替えられました。いずれも従来のデッキとは根本的に性質が異なっており、メタゲーム面ではもちろんのこと、プレイヤー側にも新たなプレイングスキルの理解が求められるようになっています。

 また、その後の12月は特に目立った動きもなく、遊戯王OCGにおける2002年代の出来事は事実上これが最後です。厳密には書籍同梱カードから新規カードが1枚現れています(全1502種)が、環境に与えた影響は皆無と言って良いでしょう。

 総じて第2期に比べて全体的にゲームが複雑化してきており、そしてそれは遊戯王OCGがカードゲームとして成熟しつつあったことの証左と言えるのかもしれません。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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