昔は強かったブレイドナイト 第3期の英雄

2018年2月27日

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【前書き】

 【第3期の歴史4 元祖デザイナーズデッキ 【墓守】の誕生】の続きになります。ご注意ください。

 第3期最初のレギュラーパックが販売され、当時の環境に様々な形で振動が走りました。汎用パワーカードの参戦による【八汰ロック】【トマハン】の強化、「名推理」の誕生を受けての【デビフラ1キル】の台頭、そして遊戯王史上初の実用級デザイナーズデッキ【墓守】の成立など、この時に起こった出来事は数知れません。

 ところが、その後2ヶ月ばかりは大きなカードプールの変化もなく、ぽつぽつと限定カードや再録パックが現れていた程度です。この時期に生まれた新規カードは計11種類であり、遊戯王OCG全体のカードプールは1336種類に微増する形となりました。

 しかし、この僅か11枚の新規カードの中に、ある1枚の優良カードが含まれていたことには触れておかなければなりません。

 環境クラスの下級アタッカー、「ブレイドナイト」の誕生です。

 

【ブレイドナイト 2重のメリット効果】

 「ブレイドナイト」の当時のテキストは以下の通りです。

自分の手札が1枚以下の場合、フィールド上のこのカードの攻撃力は400ポイントアップする。また、自分のフィールド上モンスターがこのカードしか存在しない時、このカードが戦闘で破壊したリバース効果モンスターの効果は無効化される。

 「自身の攻撃力を強化する効果」と「戦闘破壊したリバースモンスターの効果を無効化する効果」の2種類の効果を与えられています。ただし、どちらも効果の適用には一定の条件を満たす必要があり、上手く使いこなすにはプレイング面で意識しなければなりません。

 しかし、その事実を踏まえても十分に強力な効果であり、それを2つ併せ持つ「ブレイドナイト」は当時としては革新的なモンスターとなっていました。

下級2000打点 ヂェミナイ・エルフの終わり

 まずは攻撃力上昇効果から取り上げていきます。

自分の手札が1枚以下の場合、フィールド上のこのカードの攻撃力は400ポイントアップする。

 強化値は400とごく僅かですが、元々の攻撃力1600と合わせて2000ラインに到達できます。条件を満たす必要があるとはいえ「ヴァンパイア・ロード」とも相打ちを取れるのはありがたく、下級アタッカーとしては十分な数値です。

 素の打点がやや頼りないのが欠点ですが、リクルーターを戦闘破壊できる程度の打点はあり、最低限「準アタッカー」として機能する強みがあります。逆に強化後の打点を前提に運用を考えるのであれば、手札が2枚以上の場合に弱体化するデメリットアタッカーとして見ることもできるでしょう。

 その場合、「ゴブリン突撃部隊」や「ダーク・ヒーロー ゾンバイア」などと比べて取り回しに優れており、比較的腐りにくいのが魅力です。下振れが「準アタッカー」に収まるというのはデメリットアタッカーとしては破格であり、複数枚の投入も検討できる優良カードと言えるでしょう。

 また、環境的に強化条件を満たしやすい状況にあったことも見逃せません。

 この時期は【八汰ロック】【トマハン】全盛期のハンデス環境に突入しており、お互いに手札を切らしやすいゲームバランスが成り立っていました。不利な時はもちろん、有利な時ですら手札が残っていないケースはざらにあり、僅かなリソースを巡って攻防が繰り広げられていた形です。

 つまり「ブレイドナイト」は標準的に2000打点を維持できる環境にあったということになります。流石に序盤に限れば準アタッカー状態ですが、中盤以降はほぼデメリットなしの2000ラインアタッカーだったと言っても過言ではありません。

 さらに、当時は「悪夢の蜃気楼」を活かすためにデッキ内のモンスター比率が下げられる傾向にあり、魔法・罠カードをセットして能動的に手札を減らすことも容易でした。よって状況次第では序盤からメインアタッカーとして運用することも十分に可能であり、下級アタッカーとしてはこれ以上ないほど効果的に機能します。

 もっとも、カードを伏せる余裕もないほど手札が潤沢であればその限りではありませんが、そもそもそのような状況に遭遇すること自体が稀であり、これを想定する意味はないでしょう。

 総評としましては、外観こそ地味ながら非常に環境に噛み合った効果であり、これだけでも十分に実戦級の能力です。【デビフラ1キル】などの一部のコンボデッキを除き、どんなデッキにも入り得る優秀な汎用アタッカーという評価が当てはまるでしょう。

 一方、「ブレイドナイト」の台頭によって「ヂェミナイ・エルフ」などの1900アタッカーが軒並み評価を落としています。同じくメリット効果を2つ持つ「ニュート」は評価を維持していますが、その「ニュート」も制限カードに指定されている都合上、やはり攻撃力1900のモンスターとの遭遇率が下がり始めていたことは否めません。

 事実上の1900ラインの崩壊であり、それらに位置するモンスターが戦線離脱した瞬間だったのではないでしょうか。

リバースモンスターメタ 聖なる魔術師の終わり

 アタッカーとしての強みが目立つ「ブレイドナイト」ではありますが、もう片方のリバースモンスターメタ効果も十分に実戦級の性能です。

自分のフィールド上モンスターがこのカードしか存在しない時、このカードが戦闘で破壊したリバース効果モンスターの効果は無効化される。

 「魔人 ダーク・バルター」とは系統を同じくする、自身が戦闘破壊したモンスターの効果を無効化する能力です。ただし、こちらはリバースモンスターにしか対応しておらず、リクルーターやサーチャーを無力化することはできません。

 また、自分フィールドに他のモンスターが1体でも存在する場合はそもそも効果自体が適用されないなど、1つ目の打点強化効果と比べて多少の粗が目立ちます。決して弱いわけではありませんが、少なくともこちらだけを目当てにこのモンスターを運用することはないでしょう。

 とはいえ、ゲーム序盤であれば条件を満たしやすく、後攻1ターン目のセットモンスターに対する様子見要員としては申し分ない働きをします。運良くリバースモンスターに直撃すればアドバンテージを取れるため、あって損はない便利な効果です。

 この時期はリクルーター全盛期の環境だった関係上、リバースモンスターとの遭遇率もやや下がってはいましたが、それでも「聖なる魔術師」などを見かけるケースは多く、それらに自然と対策を打てるというのは「おまけ」の一言で片付けるには惜しいメリットでしょう。

カオスモンスターの種 光属性担当

 このように、1枚で複数の役割をこなせる「ブレイドナイト」ではありますが、実はもう一つだけ大きな強みを持ち合わせています。

 光属性モンスターであるゆえに【カオス】の有力な種となり得たという強みです。

 詳しくは後ほどの記事で解説する予定ですが、この事実こそが「ブレイドナイト」を第3期の主力モンスター足らしめていたと言っても過言ではありません。つまり【カオス】未登場のこの時期は真価を発揮しておらず、【カオス】全盛期の2003年4月以降の環境でこそ輝くモンスターでもありました。

 もちろん、この時期においても優秀なアタッカーとして評価されていたことは上記の通りです。むしろ考え方によってはライバルの少なかった2002年こそが主戦場であったとも取れ、とにかく当時の環境で大きな存在感を示していたことは疑いようもない事実だったと言えるでしょう。

 

【当時の環境 2002年5月~7月上旬】

 「ブレイドナイト」の参戦により、アタッカーラインに革命が起こるとともにリバースモンスターが相対的に大きな打撃を受けました。

 攻撃力1900のアタッカーは信頼性を急落させる格好となり、「ヂェミナイ・エルフ」らも遂に現役から退いています。元々カードプールの変化から肩身を狭くしつつありましたが、これ以降はほぼ完全に姿をくらますことになりました。

 また、2000打点の上級モンスターである「ヴァンパイア・ロード」もやや信頼性を落としています。「ピラミッド・タートル」で容易にリクルートできるとはいえ下級モンスターと相打ちしてしまうというのは苦しく、これまでのように除去耐性頼りの強引なゲーム展開は発生しにくくなった形です。

 一方で、「聖なる魔術師」などのリバースモンスターに対しても少なくない影響が及んでいます。相手フィールドにモンスターがいない状況ではリバースモンスターの使用を控えるなど、「ブレイドナイト」を警戒したプレイングが求められるようになりました。

 デッキ単位の話では、【八汰ロック】を中心に有力な新人アタッカーとして選択肢に挙がっています。しかし、リクルーター戦法を特に重視する【トマハン】では採用されないケースも多く、最終的な判断はプレイヤーの好みによる部分もありました。

 また、【デビフラ1キル】においてはほぼ何の影響もなく、仮想敵としても無視できる小粒モンスターでしかなかったことは事実です。コンボさえ決まればどんな相手でも結果は同じであり、多少の打点の違いはおおむね誤差でしかありません。

 とはいえ、総合的な視点では環境に与えた影響は少なくなく、第3期前半期における常連メンバーへと名を連ねていくことになりました。

 

【まとめ】

 「ブレイドナイト」の誕生によって起こった出来事は以上となります。

 カードプールの更新量こそ僅かなものでしたが、その影響力はレギュラーパック販売時にも決して見劣りはしていません。2001年7~8月頃のカードプール推移とは状況が似ていることもあり、このカードの参戦経緯は「ニュート」を彷彿とさせるものがあったのではないでしょうか。

 補足となりますが、この「ブレイドナイト」はVジャンプ付録カードであり、ランダム収録のゲーム同梱カードの「ニュート」とは比較にならないほど入手が簡単だったという利点もありました。カード自体の強さもさることながら、何よりもプレイヤーの財布に優しかったという事実こそが最大の魅力だったのかもしれません。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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