制限改訂2001/1/15 苦渋エクゾディアの最期

2018年1月26日

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【前書き】

 【第2期の歴史24 遊戯王の歴史 2000年の総括】の続きになります。ご注意ください。

 2000年が終わりを告げ、遊戯王OCGは二度目の新年を迎える形となりました。【エクゾディア】(第1期)が支配を固めていた前年とは対照的に、【グッドスタッフ】【デッキ破壊】【苦渋エクゾディア】の3つのデッキがしのぎを削る環境が訪れています。

 ビートダウン、コントロール、コンボと一通り揃った面白い環境ではありましたが、制限改訂という天災の前にはどんなデッキも逆らえません。

 4ヶ月近く続いた激しい勢力争いの末に、遂に状況が動くことになります。

 

【制限改訂 2001年1月15日】

 2001年1月15日、遊戯王OCGにおいて7回目となる制限改訂が行われました。

 制限カードに指定されたカードは以下の27枚です。

苦渋の選択 無制限
リミッター解除 無制限
王宮の勅命(エラッタ前)
停戦協定 無制限
補充要員 無制限
魔法の筒 無制限
リビングデッドの呼び声 無制限
カオスポッド
キラー・スネーク(エラッタ前)
サイバーポッド
人造人間-サイコ・ショッカー
封印されしエクゾディア
封印されし者の左足
封印されし者の左腕
封印されし者の右足
封印されし者の右腕
押収
巨大化
強引な番兵
強奪
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
ハーピィの羽根帚
ブラック・ホール
聖なるバリア -ミラーフォース-

 

 準制限カードに指定されたカードは以下の10枚です。

クリッター(エラッタ前) 無制限
黒き森のウィッチ(エラッタ前) 無制限
光の護封剣 制限
フォース 無制限
抹殺の使徒 無制限
遺言状 制限
破壊輪(エラッタ前) 無制限
いたずら好きな双子悪魔
大嵐
天使の施し

 

 無制限カードに緩和されたカードは以下の1枚です。

墓守の使い魔

 

 以上が当時コナミから下された裁断となります。非常に多くのメンバー入れ換えがあった制限改訂であり、環境に及ぼした影響も相応に大きなものでした。

【苦渋エクゾディア】に対する規制

 「苦渋の選択」と「補充要員」が同時に制限カードに指定され、【苦渋エクゾディア】が壊滅的なダメージを受けています。

 デッキ名からも分かる通り、どちらもデッキコンセプトの根幹を成す重要なキーカードです。元々3枚積みを前提にデッキが開発されていた都合上、この規制によって根本的な部分にまで亀裂が入ってしまったことは言うまでもありません。

 コンボパーツを潰されたコンボデッキに未来はなく、【苦渋エクゾディア】は静かに環境から姿を消していきました。

 とはいえ、【エクゾディア】のギミック自体は健在です。上記コンボを失いながらもアーキタイプとしては生存しています。環境上位で戦う力は残っていませんが、完全にメタ外へ飛ばされるほどの弱体化は受けていません。

 ただし、「クリッター(エラッタ前)」「黒き森のウィッチ(エラッタ前)」が準制限カードに、「リビングデッドの呼び声」が制限カードに指定されてしまったため、【エクゾディア】としても力を落としていたのは事実です。単純にサーチャーの数が減り、それらを使い回す蘇生カードも規制を受けてしまっています。

 そのため、やはり全体的に【エクゾディア】というアーキタイプ自体が深い傷を負ってしまったことは否めません。多数のファンの存在から使用者が大きく減ることはありませんでしたが、メタゲーム視点では暫しの眠りにつく形となりました。

無制限カードに対する規制

 「魔法の筒」が制限カードに、「破壊輪(エラッタ前)」が準制限カードに指定されています。

 2枚とも2000年12月中に誕生したカードであり、非常に短い期間での規制となります。特に「魔法の筒」は一般販売すらされていない状況です。

 規制の理由につきましては、バーン戦術に対する抑止効果を期待したものと思われます。同じくバーン効果を含む「停戦協定」も同時に制限指定を受けていることを考慮する限り、当時の開発側がバーンカードを危険視していたことは間違いありません。

 また、優秀なセットモンスター除去カードである「抹殺の使徒」も準制限カードに指定されました。当時は必須カードに近い扱いをされていたパワーカードだったため、妥当な規制です。これにより、リバースモンスターの生存率がやや改善されると共に、【デッキ破壊】が相対的に微強化を受けています。

 「フォース」や「リミッター解除」など、少々首を傾げるような規制も一部に見られます。

 「リミッター解除」は効果自体は強力ですが、この時期は目ぼしい機械族モンスターが「人造人間-サイコ・ショッカー」程度しかおらず、それほど使われてはいなかったと記憶しています。使用者が全く居なかったとは思いませんが、率直に申し上げてマイナーカードであり、規制が必要な状況ではありませんでした。

 「フォース」は単純に「可もなく不可もなく」という評価が当てはまるカードです。使い方次第では化ける面白いカードではあるものの、やはり規制を受けるほどではありません。

 しかし、この規制状況は2年後の2003年4月10日まで続くことになります。私の周囲ではあまり使われていなかったカードではありますが、場所によっては高い採用率を維持していたのかもしれません。

既存カードの規制強化及び規制緩和

 準制限カードだった「王宮の勅命(エラッタ前)」が制限カードに規制強化されています。当時はもはや「デッキに入れない理由が無い」とすら言われていたパワーカードだったため、議論の余地なく順当な規制であると言えるでしょう。

 また、この規制に関連して、「マジック・ドレイン」などの魔法カウンターが再評価を受けることになります。強力なライバルの規制によって相対的に評価が見直された格好です。

 規制緩和につきましては、「光の護封剣」「遺言状」が準制限カードに緩和されました。前者はともかく、後者は非常に悪用しやすいカードであり、やや思い切った緩和です。

 とはいえ、エラッタ後は表立った活躍をしていたわけでもなく、ある意味では妥当な緩和だったのかもしれません。

 最後に、「墓守の使い魔」が無制限カードに解放されたことにも触れておきます。元々規制自体が適正とは言えない状況だったため、むしろあるべき姿に戻ったものと考えるべきでしょう。

 

【当時の環境 2001年1月15日】

 「苦渋の選択」と「補充要員」のコンボを失い、【苦渋エクゾディア】が事実上の解体宣言を受けました。前年10月から環境の最前線で活躍していたデッキでしたが、ここで一旦環境トップからは離脱する形となります。

 【グッドスタッフ】と【デッキ破壊】は目立ったダメージもなく、依然として環境上位に居座っています。新たなライバル誕生の気配もなく、自然と2強環境へと移行していきました。

 しかし、メタデッキとして【アロマ・コントロール】が開発され始める時期でもあります。これは「王宮の勅命(エラッタ前)」が制限カードに指定されたことが関係していると思われます。

 これまでのように気軽に魔法カードを止められなくなったため、デッキ単位でその対策に特化することの価値が浮上し始めた都合です。とりわけ「魔力の枷」を取り入れた【アロマ・チェイン】は有名なのではないでしょうか。

 とはいえ、この時期は漠然と概念が浮かび上がっていた程度であり、環境で存在感を示していたわけではありません。デッキのパーツも出揃っておらず、まだまだ潜伏期間という印象です。

 総評としましては、【グッドスタッフ】と【デッキ破壊】が上位に位置し、その一段下に【エクゾディア】が食い下がる状況となっていました。

 

【まとめ】

 2001年1月15日の制限改訂による影響については以上です。

 環境トップの一角だった【苦渋エクゾディア】が規制によって姿を消し、当時の遊戯王OCGはあっという間に2強環境へと移り変わっていきました。

 同じくキーカードを潰されたことのある【デッキ破壊】とは違い、コンボに強く依存している【苦渋エクゾディア】は制限改訂を生き残ることができず、あえなく環境上位から脱落しています。デッキパワーは同格でしたが、コンボデッキゆえの脆弱性が現れてしまった結果です。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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