遊戯王の歴史 2000年の総括
・前書き
・遊戯王の歴史 2000年
・【エクゾディア】の時代
・【グッドスタッフ】の時代
・【ハンデス三種の神器】の時代
・【デッキ破壊】の時代
・【デビフラ1キル】の時代
・【キャノンバーン】の時代
・【苦渋エクゾディア】の時代
・まとめ
【前書き】
【第2期の歴史23 魔法の筒(マジック・シリンダー)全盛期 一般販売前に制限カードに】の続きとなります。ご注意ください。
第2期突入から8ヶ月が経過し、2000年が終わりを迎えました。前年と比べてカードプールの更新量は約半分と緩やかなペースですが、カード1枚1枚の質は高く、密度の濃い1年間となっています。
【グッドスタッフ】はもちろん、【キャノンバーン】などの複雑なギミックを持つコンセプトデッキも考案されており、とりわけ【デビフラ1キル】の存在感は尋常ではありません。プレイヤー側の意識も含めて、カードゲームとしての奥深さを一段高めている格好です。
この記事では、そうした一連の時代の流れを大まかに解説(※)いたします。
(※詳細についてはリンク先の個別記事をご確認ください)
【遊戯王の歴史 2000年】
2000年に起きた出来事を時系列順に纏めていきます。
【遊戯王の歴史 2000年の総括】
【遊戯王の歴史 2001年の総括】
【遊戯王の歴史 2002年の総括】
【遊戯王の歴史 2003年の総括】
【遊戯王の歴史 2004年の総括】
【遊戯王の歴史 2005年の総括】
【遊戯王の歴史 2006年の総括】
【遊戯王の歴史 2007年の総括】
【遊戯王の歴史 2008年の総括】
【遊戯王の歴史 2009年の総括】
【遊戯王の歴史 2010年の総括】
【遊戯王の歴史 2011年の総括】
【遊戯王の歴史 2012年の総括】
【遊戯王の歴史 2013年の総括】
【遊戯王の歴史 2014年の総括】
【エクゾディア】の時代
2000年1月27日 「Vol.7」販売
この時、新たに51種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは676種類となりました。
「聖なるバリア -ミラーフォース-」や「ダーク・エルフ」、「異次元の戦士」など、当時の【グッドスタッフ】でも採用圏内に入る優秀なカードが多数誕生しています。しかし、この時期は【エクゾディア】の全盛期であり、そうした「真っ当に優秀なカード」達に活躍の機会は訪れていません。
辛うじて「サンダー・ドラゴン」のみ環境での生存を許されていますが、結局のところ【エクゾディア】に吸収されただけであり、それを良しとするべきかどうかはやや判断に迷うところかもしれません。
2000年3月1日 「BOOSTER7」販売
この時、新たに33種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは709種類となりました。
高火力のデメリットアタッカーである「地雷蜘蛛」、繰り返し使える除去効果を持つ「ドリーム・ピエロ」、そして遊戯王最強クラスの全体魔法罠除去カードの「大嵐」と、ブースターシリーズの最後を飾るにふさわしい豪華な収録内容です。
とはいえ、やはり【エクゾディア】に対抗できるようなカードではなく、環境目線ではほとんど何の変化にも繋がっていません。
2000年3月23日 「DARK CEREMONY EDITION」販売
この時、新たに8種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは717種類となりました。
当パックは「PREMIUM PACK 2」の収録内容を全て含んでおり、その再録パックとしての顔も持ち合わせています。元々はプレミアムシリーズは限定販売カードという触れ込みの商品でしたが、【第1期の歴史12 遊戯王最初の事件 東京ドームの乱 プレミアムパック販売中止騒動】の反省からか、これ以降は何らかの形で一般販売がなされていく形態に変更されています。
収録カードはいずれも儀式関連のカードとなっており、形式は「儀式モンスターとその儀式魔法」のセット×3です。環境に与えた影響は皆無であり、【エクゾディア】の天下は第1期の最後まで終わることはありませんでした。
【グッドスタッフ】の時代
2000年4月1日 第2回制限改訂
【エクゾディア】関連のキーカードが多数規制されたほか、「クリッター(Vol.6)」「黒き森のウィッチ(Vol.6)」の裁定変更が行われ、【エクゾディア】に壊滅的なダメージが入っています。
それと同時に「聖なるバリア -ミラーフォース-」などの一部の汎用カードにも規制が加わっていますが、第2期以降の環境を見据えた先出しの規制であり、この時期に活躍していたわけではありません。
第2期開始 新エキスパートルール導入
第1期が終了すると共にルールが整備され、「チェーン」や「スペルスピード」の概念が取り入れられるなど、様々な面でゲーム性が広がっています。
この時に制定されたルールの多くは現在でも採用されており、まさに遊戯王OCGのひな形が完成した時期であると言えるでしょう。
しかし、その裏でルール的な誤解釈も増加し、「最強サイクロン」問題に始まるプレイヤー同士のトラブルとの遭遇率も次第に上昇していきました。
2000年4月 「LIMITED EDITION 2」の応募企画実施
この時、新たに3種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは720種類となりました。
第2期フォーマット仕様のカードとしては最初に生まれたカードです。週刊少年ジャンプの応募企画による特殊なパックとなっており、通常の店舗での購入は不可能でした。
カード自体の性能は特筆するところもなく、環境に与えた影響もありません。
【ハンデス三種の神器】の時代
2000年4月20日 「Magic Ruler -魔法の支配者-」販売
この時、新たに50種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは770種類となりました。
新たなカードの分類として「速攻魔法」「永続魔法」が誕生しています。どちらも遊戯王OCGにはなくてはならない存在であり、歴史的な出来事の一つに含まれる大きな変化と言えるでしょう。
しかし、当パックには「ハンデス三種の神器」を始めとして、「苦渋の選択」などの永久禁止カードも多数収録されていました。環境に与えた影響も甚大であり、ここで誕生した【ハンデス三種の神器】は約3ヶ月に及ぶ暗黒時代を引き起こしています。
ただし、「デーモンの斧」などの優秀な装備魔法カードの誕生によって【マハー・ヴァイロ】が考案されるなど、平和な変化も訪れていました。
2000年4月20日 「ザ・ヴァリュアブル・ブック2」販売
この時、新たに2種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは772種類となりました。
書籍同梱カードであり、事実上はコレクションアイテムとしての側面が強いカードでした。環境への影響も特に見られません。
2000年5月15日 第3回制限改訂
「ハーピィの羽根帚」が制限カード、「強奪」が準制限カードに指定されました。
どちらも規制されうる強力なカードではありましたが、「ハンデス三種の神器」の方が遥かにゲームに悪影響を与えており、それらを完全に見逃した上での規制状況となっています。もちろん【ハンデス三種の神器】1強の環境も変わらず、依然として手札破壊地獄が続いていくことになりました。
2000年5月18日 「青眼の白龍伝説-LEGEND OF BLUE EYES WHITE DRAGON-」販売
「Vol.1」「STARTER BOX」からの再録パックであり、新規カードは含まれていません。
肝心の収録内容も目ぼしいところは「EX」とほぼ被っており、あえて購入する意義は薄いパックでもありました。
2000年5月21日 「Vジャンプ」付録カード誕生
この時、新たに1種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは773種類となりました。
書籍同梱カードとして「ガーネシア・エレファンティス」が現れています。ステータスの低い最上級バニラであり、実戦で使われる性能ではありませんでした。
2000年6月23日 「Booster R1」販売
「BOOSTER1」「BOOSTER2」からの再録ブースターです。ブースターシリーズは全体的に販売期間が短い関係上、参入時期によっては入手が難しいことがあり、そうしたプレイヤーには需要の大きな再録ブースターとなっていました。
【デッキ破壊】の時代
2000年7月13日 「Pharaoh’s Servant -ファラオのしもべ-」販売
この時、新たに52種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは825種類となりました。
「キラー・トマト」などの属性対応リクルーターが現れたほか、【デビフラ1キル】のキーカードである「巨大化」も生まれています。
また、初代「遊戯王最弱テーマ」として有名だった【トゥーン】カテゴリが成立したのもこの時です。
しかし、最も大きな出来事は「サイバーポッド」の誕生に他ならず、この影響で【デッキ破壊】が環境に台頭し始めることになりました。
その一方で不明瞭なテキストゆえに効果の誤解釈も多く、一部の地域では「サイバーポッド」の強さが過小評価(※)されてしまう事態にも繋がっています。
(※当時の私の周囲では、めくったカードはデッキに戻すという解釈が主流でした)
2000年7月13日、「遊戯王デュエルモンスターズⅢ 三聖戦神降臨」販売
この時、新たに11種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは836種類となりました。
ゲーム同梱カード8種類、予約特典カード1種類、初回限定カード1種類、攻略本同梱カード1種類の内訳です。収録内容は非常に濃く、優秀な攻撃反応罠カードである「万能地雷グレイモヤ」、更には「キラー・スネーク(エラッタ前)」といったパワーカードも含まれています。
ただし、この時期のゲーム同梱カードに漏れずランダム収録となっていたため、自力での入手は極めて困難な状況でした。
環境に与えた影響は大きく、特に「キラー・スネーク(エラッタ前)」は【キャノンバーン】誕生のきっかけとなっています。
2000年7月15日 第4回制限改訂
「ハンデス三種の神器」に対して厳しい規制が入り、【ハンデス三種の神器】が事実上の消滅を迎える格好となりました。代わりに【グッドスタッフ】として元の姿を取り戻し、健全なビートダウンデッキとして再び生まれ変わっています。
しかし、この時期は丁度【デッキ破壊】が勢力を拡大し始めていた関係上、2番手として後追いの立場に甘んじることになります。対策手段はあるものの全体的に不利がついていることは否めず、復活当初から苦しい展開へと追い込まれていました。
また、明らかに不当な規制ですが、「墓守の使い魔」が準制限カードに指定されています。もちろん、これによる環境の変化は皆無であり、制限解除されるまでの半年間、特に意味もなく禁止・制限リストに名を連ねていました。
2000年8月10日 「DM3攻略本下巻」販売
この時、新たに1種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは837種類となりました。
書籍同梱カードであり、観賞用に近いアイテムです。
【デビフラ1キル】の時代
2000年8月10日 「PREMIUM PACK 3」販売
1999年8月26日に開催された全国大会の大会賞品が収録されています。厳密には既存カードの再録ですが、ほとんどのプレイヤーにとっては新規カードと言って差し支えない内容でした。
攻撃力4500の融合モンスターである「青眼の究極竜」が現れたことがきっかけとなり、【デビフラ1キル】が開発されています。遊戯王OCG史上初となる後攻1キルデッキであり、良くも悪くも非常に大きな注目を集めることになりました。
2000年8月15日 第5回制限改訂
「巨大化」が制限カードに指定されたことで【デビフラ1キル】が壊滅的なダメージを負っています。デッキ誕生から僅か5日後の出来事であり、色々な意味で衝撃の結末と言うほかない事態です。
当時の環境を見た上での即時対応であるとは考えにくいため、公式側としてもパック販売前から既にコンボの存在及び危険性を認識していたものと思われます。
【キャノンバーン】の時代
2000年8月20日 アジアチャンピオンシップ開催
遊戯王OCG史上初の国際大会であり、事実上の世界大会でもありました。
本大会では【キャノンバーン】が優勝を飾っています。使用者は香港のプレイヤーであり、残念ながら日本は優勝を逃しています。
この影響からか【キャノンバーン】も一躍知名度を高める格好となり、環境での活躍も次第に増え始めることになりました。
2000年7月25日~8月27日 DM3公式大会開催
ゲームソフトの大会であり、その大会賞品として「ブラック・マジシャン・ガール」が現れました。遊戯王OCG全体のカードプールは838種類となっています。
大会プロモカードの例にもれず、このカードも極めて希少度の高いカードです。大半のプレイヤーにとっては実物を目にするのも難しい状況だったため、例外的にここでは誕生していないものとして扱っています。
2000年9月9日 「Booster R2」販売
「BOOSTER3」「BOOSTER4」からの再録ブースターです。当時は入手困難だった「ヂェミナイ・エルフ」や「天使の施し」が再録されたため、多くのプレイヤーに注目されています。
しかし、ブースターシリーズのカードは根本的に流通量自体が少なく、やはり依然として供給は不足している状態でした。
【苦渋エクゾディア】の時代
2000年9月28日 「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」販売
この時、新たに52種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは890種類となりました。
「人造人間-サイコ・ショッカー」「王宮の勅命(エラッタ前)」などのパワーカード、また「早すぎた埋葬」を始めとした強力な蘇生カードが現れたことで【グッドスタッフ】が活性化しています。
また「カオスポッド」「浅すぎた墓穴」を得た【デッキ破壊】も強化を受けていますが、「抹殺の使徒」などのメタカードも同時に現れているため、追い風だけの状況ではありません。
しかし、最も大きな出来事は「補充要員」と「苦渋の選択」のコンボが発見されたことでしょう。そして、これを最も効率的に活かすデッキとして【苦渋エクゾディア】が開発されています。
2000年10月26日 「暗黒魔竜復活-REVIVAL OF BLACK DEMONS DRAGON-」販売
「Vol.4」「Vol.5」からの再録パックです。「聖なる魔術師」や「死者への手向け」といった汎用カードの収録がなされています。
2000年11月1日 第6回制限改訂
「カオスポッド」「サイバーポッド」が同時に制限カードに指定され、【デッキ破壊】が大きく力を落としました。1枚はデッキに入れられるため「クリッター(エラッタ前)」などのサーチャーで拾うことはできますが、一手を余分に消費してしまうのは厳しい弱体化と言うほかありません。
【グッドスタッフ】も無傷ではなく、多くの必須カードが制限強化されたことで一定の被害を被っています。しかし、デッキの性質上代わりとなるパーツはいくらでも用意できるため、大きなダメージにはなりませんでした。
その一方で【苦渋エクゾディア】はノーダメージの状況となります。キーカードやサポート周りまで被害はほぼなく、唯一「死者蘇生」が制限カードに指定された程度でした。
2000年11月21日 「Vジャンプ」付録カード誕生
この時、新たに1種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは891種類となりました。
書籍同梱カードとして「絶対防御将軍」が現れています。守備表示のまま攻撃できるという変わった効果を持っていましたが、性能自体はそれほど優れておらず、環境での活躍もありません。
2000年11月23日 「EX-R」販売
この時、新たに2種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは893種類となりました。
「手札抹殺」の誕生によって【デッキ破壊】が息を吹き返しています。見方によっては以前よりも強化されている格好です。
同じく新規カードの「クロス・ソウル」も光るものはありましたが、全体的には今一つ及ばないという性能でした。
とはいえ、【リアニメイト】などのファンデッキでは声がかかるケースもあり、一定の注目を受けていたことは間違いなかったのではないでしょうか。
2000年11月23日 「Booster R3」販売
「BOOSTER5」「BOOSTER6」からの再録ブースターです。ブースター形態での販売はこれが最後となり、以降はパック式の販売形態へと移行しています。
2000年12月7日 「遊戯王デュエルモンスターズ4最強決闘者戦記」販売
この時、新たに17種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは910種類となりました。
バージョン別商法かつランダム収録同梱カードと史上稀に見るプレイヤー泣かせの販売形態が取られています。収録内容も幸か不幸か非常に豪華となっており、「破壊輪(エラッタ前)」「ブラッド・ヴォルス」「魔封じの芳香」などとそうそうたる顔触れです。
特に「魔封じの芳香」は2010年まで一度も再録されず、ここでしか入手できない希少カードとなっていました。
2000年12月14日 「Thousand Eyes Bible -千眼の魔術書-」販売
この時、新たに52種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは962種類となりました。
「ゴブリン突撃部隊」という新兵器を獲得し、【グッドスタッフ】が一段上の打撃力を手に入れています。
同様に、革新的な高打点モンスターとしては「魔導ギガサイバー」の存在もありましたが、一歩及ばず活躍の機会はそれほど訪れていません。
また、原作漫画の王国編でラスボスを務めた「サウザンド・アイズ・サクリファイス」も現れ、ファンによって専用デッキがいくつか考案されています。
その他、「リミッター解除」や「大寒波」など、後の世で猛威を振るうパワーカードを多数排出したパックでもありました。
しかし、この時期は「グラヴィティ・バインド-超重力の網-」が最も高評価を受けている状況でした。
2000年12月21日 「サウザンド・ルール・バイブル」販売
この時、新たに1種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは963種類となりました。
書籍同梱カードであり、コレクションアイテムとしての側面が強いカードです。
2000年12月21日 「ザ・ヴァリュアブル・ブック3」販売
この時、新たに2種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは965種類となりました。
攻撃抑制効果を持つ「悪夢の鉄檻」がやや注目を集めています。
2000年12月23~24日 「PREMIUM PACK 4」販売
この時、新たに4種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは969種類となりました。
ここで現れた「魔法の筒」は遊戯王OCG屈指の地雷札としての性質を持ち、多くのプレイヤーにその存在を警戒されていくことになります。
特に【グッドスタッフ】同士の対戦においてはそれが顕著であり、プレイングスキル如何によって勝率が大きく変化するようになっていきました。
【まとめ】
2000年1~3月は第1期終盤期であり、【エクゾディア】1強環境の暗黒時代となっていました。しかし、同年4月1日の制限改訂で関連パーツの大半を失い、環境から離脱しています。
第2期に入ると共に新エキスパートルールが導入され、現在のルールの大半がこの時期に完成することになりました。【エクゾディア】が消えたこともあって健全な環境が訪れるかに思えましたが、第2期第1弾となる「Magic Ruler -魔法の支配者-」にて「ハンデス三種の神器」が誕生し、新時代の幕開け早々に再び暗黒期へと逆戻りしています。
この状況は7月15日に関連カードが規制されるまで続き、その間は理不尽な手札破壊が至るところで横行している状況でした。カードゲームとしての評価も低く、原作やアニメとは対照的な評価です。
7月中旬頃からは【デッキ破壊】が勢力を拡大し始めています。しかし、キーカードである「サイバーポッド」はテキストの不備によって正確な効果が読み取れず、効果の誤解釈も各地で起こっていました。
8月は【デビフラ1キル】が彗星のように現れたものの、5日後の制限改訂で即座に息の根を止められています。また、同月の世界大会では【キャノンバーン】が見事優勝を果たし、にわかに注目を集めました。
そして9月には【苦渋エクゾディア】が誕生し、環境を荒らし始めることになります。とはいえ、この時期は【グッドスタッフ】や【デッキ破壊】も同程度に強く、結果的に三つ巴の環境が到来しています。
驚くべきことに、この3強の時代は多少の変動こそありましたが、2000年最後まで続いていく格好となりました。突出して強いデッキはなく、相性差によってゲームバランスが整えられている状態です。
総評としましては、前半期こそ混乱も少なくなかったものの、後半は相当安定しており、理想的とも言えるメタゲームが生成されていました。前年とは比べ物にならないほどゲームシステムも整備されており、総じて成長が見られる1年です。
ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
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