遊戯王の歴史 1999年の総括

2017年12月20日

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【前書き】

 【第1期の歴史19 暗黒期到来 遺言状エクゾと無限射出バーン】の続きになります。ご注意ください。

 「遺言状(エラッタ前)」を得た【エクゾディア】を止められるデッキは存在しなくなり、当時の環境は事実上【エクゾディア】に完全制圧される形となりました。

 【グッドスタッフ】が影も形もなくなったことから、【エクゾディア】側も「光の護封剣」すら採用しなくなるなど、その構築もまたミラーマッチに向けて一極化していきます。

 また、【エクゾディア】同士の対戦では先攻を取ったプレイヤーが圧倒的に有利だったため、当時の遊戯王OCGは「複雑なジャンケン」「カードゲームができるジャンケン」などと揶揄され、カードゲームとしての評価を極端に落としていました。

 

【ジャンプフェスタ2000】

 環境の話からは一旦離れ、当時開催されたとあるイベントについて触れさせていただきます。

 1999年12月18日~19日の2日間、「ジャンプフェスタ2000」が東京ビッグサイトにて開催されました。【遊戯王 環境の歴史12 第1期 東京ドームの乱】の記事で取り上げたものとは異なりコナミ主催のイベントではなく、ジャンプ系列雑誌合同主催のイベントとなっています。

 あくまでもジャンプという大きな括りでのイベントであり、遊戯王はその一要素としての参戦にとどまりました。どのような形でイベントが開かれたのかは実際に行っていない私には分かりかねますが、ともあれ、その会場内で「PREMIUM PACK 2」が限定販売されたのは間違いないようです。

 この時の限定カードは数ヶ月後にレアリティを落として再販されたため、レアリティを考慮しないのであれば同名カードを入手することは容易でした。また、ここで誕生したカードは性能面では特別優れているとは言えなかったことから、やはりコレクションアイテムとしての用途に収まる形となります。

 そして、遊戯王OCGにおける1999年代の出来事はこれが最後です。カードゲームとして様々な問題を抱えての年越しとなり、その解決は来年に持ち越すこととなりました。

 

【1999年の総括】

 1999年に起きた出来事を時系列順に纏めていきます。

【最上級モンスター】の時代

2月4日、「Vol.1」が販売されます。

 この時、新たに40種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは40種類となりました。

 生け贄召喚のシステムがなく、暗黒騎士ガイア」「ブラック・マジシャン」などの最上級モンスターを所持しているプレイヤーが圧倒的に有利となっていました。

 しかし、それらはレアカードであり入手しにくく、店側の設備も不十分だったことからパックで当てるしかありませんでした。

2月21日、ゲームボーイ版「遊戯王デュエルモンスターズ」の全国大会開催

 ステンレス製カードなど、世界的に見ても極めて希少なカードの他、「女剣士カナン」が誕生しました。

3月1日、「BOOSTER1」が販売されます。

 この時、新たに35種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは76種類となりました。

 しかし、ここで誕生したカードは低攻撃力の下級モンスターで占められており、数合わせのカード群と言うほかない状況でした。

 「暗黒騎士ガイア」「ブラック・マジシャン」の2強状態は動かず、環境の変化は皆無となっていました。

3月18日、「STARTER BOX」が販売されます。

 この時、新たに56種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは132種類となりました。

 また、「融合モンスターカード」「フィールド魔法カード」「永続罠カード」の3種類の分類のカードが新たに生み出され、カードゲームとして僅かに広がりを見せました。

 「青眼の白龍」と「サンダー・ボルト」が誕生し、最上級モンスター至上主義の環境に拍車がかかる形となりました。

3月27日、「Vol.2」が販売されます。

 この時、新たに40種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは172種類となりました。

 「死者蘇生」「光の護封剣」といった当時としてはテクニカルなカードが誕生した他、上級モンスターである「カース・オブ・ドラゴン」、また「ホーリー・エルフ」「ハープの精」などの壁モンスターも生まれました。

 しかしながら、圧倒的な戦闘力を持つ最上級モンスターの前には、ほとんど誤差と言える守備力でした。

【下級ビート】の時代

5月5日、エキスパートルールが導入されます。

 公式ルールに加えて上級者向けにエキスパートルールが制定され、2つのルールが同時に存在する状況になりました。

 生け贄召喚が導入されたことで最上級モンスターが扱いにくくなり、対照的に当時不遇だった下級モンスターに役割が与えられる形となりました。

 特に壁モンスターが重要な立ち位置を占めるようになり、ゲーム性は次第に自由度が広がっていきました。

 また、初の制限改訂が行われ、「サンダー・ボルト」「ブラック・ホール」「落とし穴」といった除去カードが制限カードとされ、デッキに1枚しか入れられなくなりました。

【装備ビート】の時代

5月25日、「BOOSTER2」が販売されます。

 この時、新たに40種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは212種類となりました。

 当時としては優秀な属性対応の装備魔法カードが生まれ、その影響で原始的なコンセプトデッキである【装備ビート】が考案されました。

 【グッドスタッフ】に比べて展開速度や打点の高さが優れていたことから、それらに対して有利に戦いを進めることが可能でした。

5月27日、「Vol.3」が販売されます。

 この時、新たに45種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは257種類となりました。

 遊戯王OCG史上初となる効果モンスターが誕生し、ゲームの幅が一気に広がりました。

 「強欲な壺」などのパワーカードも現れ、【グッドスタッフ】が徐々に地盤を固め始めました。

6月中、「LIMITED EDITION 1」の応募企画が実施されます。

 この時、新たに9種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは266種類となりました。

 限定パックであり、通常のパックのように店頭での購入はできない商品となっていました。

 カードとしての性能面に特筆するところはなく、コレクションアイテムとしての用途が中心のカード群でした。

 唯一「千年の盾」が守備力3000のステータスを誇っていたことから、実戦級ではないもののやや注目を集めました。

【グッドスタッフ】の時代

7月8日、「遊戯王デュエルモンスターズⅡ 闇界決闘記」というゲームソフト、また同攻略本が販売され、その同梱カードが誕生します。

 この時、新たに11種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは277種類となりました。

 「鎖付きブーメラン」「死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前)」「ハーピィの羽根帚」など、非常に高いカードパワーを持ったカードが誕生しました。

 しかし、ゲームという高価な品物の同梱カードであり、更に収録内容もランダムとなっていたことから、非常に希少価値の高いカードとして法外な値段で取引されました。

 また、「鎖付きブーメラン」の誕生によって【装備ビート】を専用構築する必要性が薄くなり、使用者は自然消滅していく形となりました。

7月17日、「BOOSTER3」が販売されます。

 この時、新たに40種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは317種類となりました。

 当時としては珍しい効果を持つ「勇気の砂時計」が人目を集めましたが、実戦級のカードとは言えず、カジュアルな立ち位置に収まりました。

 「援軍」の誕生によりコンバット・トリックの概念が生まれ、プレイヤー達の間に罠カードに対する警戒心が生まれ始めました。

 また、「血の代償」が誕生しましたが、テキストの曖昧さから少なくない混乱を招き、公式からエラッタが行われるほどの大きな騒動に繋がりました。

7月22日、「Vol.4」が販売されます。

 この時、新たに50種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは367種類となりました。

 上級モンスターにして2500もの攻撃力を誇る「デーモンの召喚」が誕生し、当時の環境に大きな影響を及ぼしました。

 効果モンスターにも「聖なる魔術師」「闇の仮面」といった優秀なサルベージ効果を持つリバースモンスターが現れ、【グッドスタッフ】が大幅に強化されました。

 しかし、その代わりに「青眼の白龍」などの重い最上級モンスターが完全に役割を追われてしまい、収納ファイルで眠り続ける形となりました。

8月5日、「遊戯王デュエルモンスターズⅡ 闇界決闘記」の攻略本(下巻)が販売され、その同梱カードが誕生します。

 この時、新たに1種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは368種類となりました。

 「封印されし者の左腕」の誕生により、エクゾディアパーツが胴体を残すのみとなりました。

8月20日、「ザ・ヴァリュアブル・ブック」が販売され、その同梱カードが誕生します。

 この時、新たに2種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは370種類となりました。

 遊戯王OCG史上初となる儀式モンスター、儀式魔法カードがそれぞれ誕生しました。

 しかし、複数の要因により実戦級には程遠く、やはり収納ファイル行きとなったカードでした。

8月26日、「遊戯王デュエルモンスターズ決闘者伝説 in TOKYO DOME」が東京ドームで開催され、その会場内で「PREMIUM PACK 1」が販売されます。

 この時、新たに18種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは388種類となりました。

 会場限定販売の「PREMIUM PACK 1」の販売が混雑を理由に中止され、大騒動が起こりました。

 翌日の新聞などにも取り上げられるほどの騒ぎとなり、遊戯王界隈に少なくない遺恨を残す形となりました。

 後日、販売中止となったパックが来場者限定で通信販売され、多少の不和を残しつつも一応の解決を見せました。

 また、エクゾディアパーツが全て揃ったことで【エクゾディア】が構築可能となった時期でもありました。

8月26日、「BOOSTER4」が販売されます。

 この時、新たに35種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは423種類となりました。

 「ヂェミナイ・エルフ」を筆頭に高攻撃力の下級モンスターが多数誕生し、アタッカーラインが急激にインフレを起こしました。

 これまで現役だったアタッカーが例外なく戦力外通告をされる事態となり、多かれ少なかれ物議を醸す形となりました。

 更に、追加のドローソースとして「天使の施し」が誕生したことからゲームスピードが加速し、カードゲームとしてゲームバランスの崩壊を引き起こしつつありました。

9月23日、「Vol.5」が販売されます。

 この時、新たに50種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは473種類となりました。

 「心変わり」「死者への手向け」といったセットモンスターに有効な除去が誕生したことにより、リバースモンスターの信頼性が大幅に低下する形となりました。

 しかし、それはセットモンスターを巡る駆け引きというゲーム性を生み出し、ドローソースに依存した不健全なゲームバランスはある程度解消されていきました。

10月17日、「BOOSTER5」が販売されます。

 この時、新たに35種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは508種類となりました。

 「ニードルワーム」「メタモルポット」などのデッキを削る効果を持ったカードが誕生し、【デッキ破壊】の概念が生まれました。

 しかし、当時のルールでは【デッキ破壊】が戦術として成立せず、机上の空論のまま消えていく形となりました。

 永続的に自身以外の罠カードの効果を無効にする「王宮のお触れ」は、当時のプレイヤーにとって革新的なカードでした。

【エクゾディア】の時代

11月18日、「Vol.6」が販売されます。

 この時、新たに51種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは559種類となりました。

 遊戯王OCG最高峰のカウンター罠である「神の宣告」が誕生しましたが、当初はそれほど評価されていたカードではありませんでした。

 遊戯王を代表するサーチャーである「クリッター(Vol.6)」「黒き森のウィッチ(Vol.6)」が生まれたことで、【グッドスタッフ】【死のデッキ破壊ウイルス】などが順当に強化を受けました。

 しかし、このサーチャーの力を最も引き出したのは【エクゾディア】でした。

 当時はサーチ効果が手札から捨てられても発動していたため、非常に容易くパーツを集めることができました。

12月1日、「BOOSTER6」が販売されます。

 この時、新たに35種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは594種類となりました。

 多数の融合サポートカードが誕生したことが特徴で、【融合召喚】の構築が現実的なものとなりました。

 安定性は【グッドスタッフ】に劣るものの、爆発力では【融合召喚】も負けていませんでした。

 しかしながら、「デビル・フランケン」の存在により【グッドスタッフ】にお株を奪われてしまい、あえて【融合召喚】を組むメリットはなく、ファンデッキの範疇にとどまりました。

 また、実際の環境は【エクゾディア】の独壇場と言える状況となっていました。

12月9日、「遊戯王真デュエルモンスターズ 封印されし記憶」というゲームソフト、また同攻略本が販売され、その同梱カードが誕生します。

 この時、ゲーム同梱カードから5種類、攻略本から1種類、計6種類のカードが新たに誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは600種類となりました。

 「メタル化・魔法反射装甲」と共に「メタル・デビルゾア」などのメタルモンスターが誕生しました。

 実用性は乏しく、あくまでもコレクションアイテムとしての用途にとどまりましたが、特有の光沢を好む人種にとっては嬉しい収録となっていました。

 環境に与えた影響は皆無であり、やはり【エクゾディア】1強の時勢は揺るぎませんでした。

12月16日、「EX」が販売されます。

 この時、新たに17種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは617種類となりました。

 「遺言状(エラッタ前)」の誕生により、【エクゾディア】の環境支配が決定的なものとなりました。

 唯一の対抗馬だった【グッドスタッフ】が遂に倒れ、環境は【エクゾディア】のミラーマッチで埋め尽くされる形となりました。

 【エクゾディア】使いは【エクゾディア】に有利を取れる【エクゾディア】を追求するようになり、「光の護封剣」などの防御カードは抜けていき、極端な特化構築が推し進められていきました。

12月18日~19日の2日間、「ジャンプフェスタ2000」が東京ビッグサイトにて開催され、その会場内で「PREMIUM PACK 2」が販売されます。

 この時、新たに8種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは625種類となりました。

 ここで収録されたカードは数ヶ月後にレアリティを落として再販されたため、やはりコレクションアイテムとしての用途が中心のカード群でした。

 また、誕生したのは儀式モンスター、儀式魔法カードの2種類のみとなっており、特筆する性能でもなかったことから環境に影響を及ぼすこともありませんでした。

 

【まとめ】

 2月4日に遊戯王OCGが誕生した時点では、ルールの整備不足からゲーム性はほとんどなく、攻撃力の高いモンスターを召喚するだけの子供騙しに近い遊びでした。

 5月5日にエキスパートルールが導入され、ゲームとしての体裁がひとまず整えられる形となります。

 5月25日に生み出された【装備ビート】は当時としては画期的なデッキであり、7月8日に「鎖付きブーメラン」が誕生するまでの一ヶ月強、短い期間ではありますが活躍しました。

 7月22日に「デーモンの召喚」が誕生したことで【グッドスタッフ】が強化を受ける反面、重い最上級モンスターは役割を失ってしまいます。

 そこからしばらくの間は【グッドスタッフ】1強の時代が続き、「強いカードを上から順に積む」という理念が広く浸透していました。

 10月17日に「ニードルワーム」「メタモルポット」が誕生したことで【デッキ破壊】の概念が僅かに芽を出したものの、ルールの整備不足から戦術自体が成立せず、やはり当時の環境は【グッドスタッフ】で占められる形となっていました。

 しかし、11月18日に誕生した「クリッター(Vol.6)」「黒き森のウィッチ(Vol.6)」の影響で【エクゾディア】が活性化し、瞬く間に環境の勢力図が塗り替えられていきます。

 【グッドスタッフ】側も「メタモルポット」「ニードルワーム」でパーツを捨てさせるプランなどを考案して対抗しましたが、根本的に速度が追い付かず、12月1日に誕生した「遺言状(エラッタ前)」によってとどめを刺される形となりました。

 【エクゾディア】の勢いは年末までとどまらず、加速したまま新年を迎えることとなります。

 総評としましては、前半期は比較的穏やかな変化が続いたものの、後半期で「天使の施し」などのドローソースが誕生した辺りから環境に亀裂が入り出し、【エクゾディア】の台頭で決定的な崩壊を招いたものと思われます。

 様々な問題を抱えたまま2000年に突入する形となりましたが、誕生から1年未満のカードゲームであるということもあり、やむを得ない部分もありました。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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