ブルーアイズとサンボルを持っているプレイヤーが勝つゲーム

2017年11月13日

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【前書き】

 【遊戯王 環境の歴史1 第1期の歴史1 伝説の始まり】の続きになります。ご注意ください。

 1999年2月4日に誕生した遊戯王OCG。無事にスタートを切ることはできたものの、その歩みは遅く、開発側、プレイヤー共に手探りの状況が続いていました。

 

【中身が塩 ブースターパック】

 1999年3月1日、「BOOSTER1」が販売され、新たに35種類のカードが誕生しました。これにより、遊戯王OCG全体のカードプールは75種類にまで増加し、前環境から倍近い数に膨れ上がっています。

 ここでの販売形態は通常のパックではなく、バンダイ版のカードダスに類似したシステムとなっていました。正式には「BOOSTERシリーズ」と呼ばれているカード群で、俗に言う「ガチャガチャ」からカード3枚1セットで購入する仕組みです。

 また、遊戯王OCGのカードとは別に、ルールが書いてあるカードが1枚同梱されていたと記憶しています。1種類だけではなく6種類ほどあり、シリーズごとに絵柄が異なっていました。

 話を戻して、この「BOOSTER1」で誕生したカード群ですが、残念ながらいずれも下級モンスターばかりであり、しかも最高攻撃力は1000と前弾のものを下回っていました。

 実質、数合わせに近いカード群と言うほかなく、環境に与えた影響は皆無でした。

 依然として「暗黒騎士ガイア」「ブラック・マジシャン」の2強状態に変化はなく、しばらくの間は穏やかな成長が続くかに思えましたが……。

 続く同年3月18日、この状況は早くも崩れ去ることとなりました。

 

【新たな分類のカードについて】

 環境の変化について触れる前に、3月18日に誕生した新たな分類のカードに関して解説いたします。

 モンスターカードには「融合モンスターカード」が、魔法カードには「フィールド魔法カード」が、罠カードには「永続罠カード」がそれぞれ追加されました。

弱すぎる融合モンスター

 「融合モンスターカード」は「融合」という専用の魔法カードによって特殊召喚されるモンスターです。通常のカードと違いメインデッキには入らず、融合デッキ(エクストラデッキ)と呼ばれる特殊なデッキに置かれ、そこから特殊召喚されます。

 特殊召喚には融合素材となる専用のモンスターが必要となるなど、厳しい召喚条件が課せられていますが、その見返りとして普通のモンスターよりも強力なモンスターを呼び出すことができます。

 しかし、誕生初期の融合モンスターは数も少なく、最高攻撃力は1800、最低攻撃力はなんと900と下級モンスターに毛が生えたような強さしか持っていませんでした。

 また、そもそも融合素材を揃えること自体が困難だったこともあり、実戦で使われることはほとんどありませんでした。

実用性が乏しすぎるフィールド魔法

 「フィールド魔法カード」は、発動後もフィールドゾーンに残り続ける特殊な魔法カードです。これらのカードがフィールドゾーンに存在する限り、ゲームに様々な影響を与えます。

 当時のルールではフィールド魔法はお互いのフィールドに1枚しか表側表示で存在できず、新たにフィールド魔法が発動された場合、古い方は「破壊扱い」で墓地へ送られることになっていました。

 ただ、薄々予想されている方もいらっしゃるかもしれませんが、このフィールド魔法と呼ばれるカードも誕生初期は強いとは言えないカードでした。

 一例として「草原」のテキストを挙げます。

・戦士・獣戦士族の攻撃力と守備力が、それぞれ200アップ!

 例によって誤差です。戦闘補助としては効力が薄い上に、特定の種族にしか効果が及ばないため汎用性にも乏しいカードと言えます。

 これを活用するにはデッキの種族を統一する必要がありますが、前述した理由からそこまでして使いたいほど強力なカードではありませんでした。

 更に、この影響は相手モンスターにも及ぶため、状況によっては相手を有利にしてしまうという問題点も抱えていました。

 やはり環境を左右するカードとは言えませんでしたが、原作漫画の「フィールド・パワーソース」と呼ばれる設定の再現としては良いカードだったのかもしれません。

唯一の永続罠 ドラゴン族・封印の壺

 「永続罠カード」は、発動後も魔法&罠ゾーンに残り続ける罠カードです。フィールド魔法と同様に、永続的に効果が適用される史上初のカードであり、当時としては画期的なカードでした。

 該当するカードは前回の記事で少し触れた「ドラゴン族・封印の壺」一種のみで、テキストは、

・ドラゴン族モンスターは、これがフィールド上にある限り守備表示になり、攻撃できない。

 となっていました。自分自身を破壊するテキストがなく、当時これを除去できるカードは「罠はずし」しか存在しませんでした。

 では、このカードは強いカードだったのか? という疑問が浮かばれる方もいらっしゃるかもしれません。

 一言では説明し切れないバランスのカードではございましたが、結論を先に述べますと、後述する理由により総合的には力不足の否めないカードとなっていました。

 

【当時の環境 1999年3月18日】

 1999年3月18日、「STARTER BOX」が販売され、新たに56種類のカードが誕生しました。遊戯王OCG全体のカードプールは131種類となり、遂に100種類の大台に乗る形となりました。

 ここでの販売形態は遊戯王OCG初の「構築済みデッキ」となっており、全ての商品に同一のカードが収録されていました。収録カードが確実に1枚ずつ手に入ることから、初心者に優しい仕様です。

 しかし、価格は優しくはなく、一つで3480円という高価格に設定されていました。これはカード以外に様々な付属品が同梱されていたためですが、それを踏まえてもやや割高であったと考えています。

 また詳細は後述いたしますが、通常版と限定版で若干内容が異なっており、その点も購入者には厳しい仕様となっていました。

 こういった問題もありましたが、箱の大きさも手伝ってかなりプレミア感のある商品だったことから、購入して損はないと言えるものだったと記憶しています。

世界で最も美しいドラゴン 青眼の白龍

 収録カードの中で特に強力だったのは、「青眼の白龍」と「サンダー・ボルト」の2枚です。

・攻撃・守備が最高の、なかなか手に入らない超レアカード。

 「青眼の白龍」のフレーバー・テキストです。その記述の通り、攻撃力3000、守備力2500といずれも二位を突き放し、あらゆるモンスターはこれに太刀打ちできませんでした。

 これまで最高の攻撃力を誇っていた「ブラック・マジシャン」はその座を譲り、「暗黒騎士ガイア」のカードパワーも相対的に低下しました。

 しかし、二番手、三番手であることに変わりはなく、いまだゲームに大きな影響を与える存在ではありました。

 そんな「青眼の白龍」でしたが、名前からも分かる通りドラゴン族モンスターであり、同時期に誕生した「ドラゴン族・封印の壺」の存在を無視することはできません。

 最強のモンスターに有効なメタカードとして、「ドラゴン族・封印の壺」は、にわかにプレイヤーの注目を集めることになりました。

 しかし実際のところ、「青眼の白龍」の守備力は2500であり、二番手の「ブラック・マジシャン」の攻撃力と同等です。

 よって、たとえ守備表示になっていたとしても他のモンスターで戦闘破壊することはできず、唯一これを戦闘破壊できる「青眼の白龍」も当然同じドラゴン族です。

 言うまでもなく「ドラゴン族・封印の壺」に引っかかり、一周回って何の解決にもならない状況を作り出してしまうだけでした。

 そもそも、ピンポイントメタカードは腐るケースが非常に多く、デッキへの投入自体にリスクを伴います。これを使っていたプレイヤーが全く居なかったとは思いませんが、多くの場合、他のカードを投入する方が合理的な選択でした。

テキストが短いカードは強い サンダー・ボルト

 ですが、「ドラゴン族・封印の壺」の評価が振るわなかった一番の理由は、恐らくは前述した「サンダー・ボルト」の存在にこそあるでしょう。

・相手モンスターをすべて破壊する。

 「テキストの短いカードは強い」を体現するカードです。カードゲームを全く遊んだことがないという方でも、何となくその強さが想像できるのではないでしょうか。

 自分には全く影響を与えず、相手モンスターだけを全滅させるカードが弱いはずがなく、誰もがその強さを一目で理解することになりました。もちろん、「青眼の白龍」の回答にもなるため、「ブラック・ホール」などの除去と合わせて可能な限りデッキに積まれていく形となります。

 もはや「ドラゴン族・封印の壺」など見向きもされず、程なくプレイヤー達の記憶から消えていきました。

 ちなみに、このテキストでは「すべて破壊」の範囲が曖昧であり、フィールド、手札、デッキのどこまでに影響するのかが明確ではありません。

 正解は「フィールド」のみ、です。いくらなんでも、手札やデッキのモンスターまで全滅させるなどという無法が許されるわけがありません。

 (しかし、やはりローカルルールについてはこの限りではなかったようです)

【血の代償騒動 上級モンスターを生け贄なしで召喚】

ぼったくり除去 はさみ撃ち

 また、追加のモンスター除去として「はさみ撃ち」という罠カードも誕生しました。

・自分のモンスター2体と相手のモンスター1体と「はさみ撃ち」を破壊する。

 コストとなるモンスター2体と「はさみ撃ち」の合計3枚のカードを消費し、相手モンスター1体を除去するカードになります。

 除去としては3:1交換であり、どんなモンスターでも除去できることを考慮しても、あまりにもアドバンテージの損失の大きいカードです。

 とはいえ、「青眼の白龍」に対処できる数少ないカードという事実は重く、当時は選択肢に含まざるを得ない状況となっていました。

 

【最後の希望 アクア・マドール】

 環境の激変に関する話は以上になりますが、手前勝手ながら「アクア・マドール」というカードについて少し触れさせていただきます。

 「アクア・マドール」は下級モンスターの1体です。東映アニメフェアで遊戯王映画が上映された時の劇場限定発売版でしか入手できず、非常に貴重なカードでした。

 その攻撃力は1200と並ですが、守備力は2000と最上級モンスターにも迫る数値となっています。同じ下級モンスターには絶対に突破されない壁モンスターであり、これをセットした時の安心感は大きなものでした。

 もちろん、攻撃力2000超えの最上級モンスターを止めることはできなかったため、それらを大量に積んだ、いわゆる「ブルジョワデッキ」には無力です。

 しかし、下級モンスターにしてステータスが2000の大台に乗っているというのは、強いを通り越して嘘のように思えたものでした。

 

【幻のステンレス製カード達】

 補足として、この時期に誕生したプロモーションカードに関する話を致します。

 同年2月21日、ゲームボーイ版「遊戯王デュエルモンスターズ」の全国大会が開催され、入場者特典に「女剣士カナン」が、ベスト4以上の賞品に4位「デビルズ・ミラー(st)」、3位「スーパー・ウォー・ライオン(st)」、2位「ゼラ(st)」、1位「カオス・ソルジャー(st)」がそれぞれ贈られました。

 賞品についてはいずれもステンレス製となっており、ゲームでは使用不可とされています。

 ただし、入場者特典の「女剣士カナン」のみ紙製のカードであり、遊戯王OCGでも使用可能です。

 しかし、世界に400枚しか存在せず、恐らくほとんどのプレイヤーにとっては幻のカードであったと思われるため、データ上の存在として扱い、ゲーム内では便宜上存在しないものとさせていただきます。

 

【まとめ】

 さて、今回は1999年3月中の出来事を中心に語らせていただきました。

 始まって一ヶ月と少しで早くも最高攻撃力が塗り替えられ、その先行きに不安を覚えたプレイヤーも多かったのかもしれません。

 とはいえ、原作漫画では非常に活躍の多いカードで、そもそもバンダイ版で既に登場済みのカードだったという事実もあり、意外と早く生まれてきたな、というのが正直な感想でした。

 個人的な話で恐縮ですが、私が最初に惚れ込んだカードがこの「青眼の白龍」です。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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