制限改訂2000/11/1 苦渋エクゾ規制されず
【前書き】
【第2期の歴史16 苦渋エクゾディア襲来 補充要員エクゾパーツに】の続きとなります。ご注意ください。
「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」の誕生で当時の環境が揺れ動き、【グッドスタッフ】【デッキ破壊】【苦渋エクゾディア】の三雄がしのぎを削る状況が訪れました。多数の蘇生カードの影響で【リアニメイト】が考案されるなど、ファンデッキ界隈にも新たな風が吹いています。
しかし、続く10月中には特に目立った変化もなく、再録パックである「暗黒魔竜復活-REVIVAL OF BLACK DEMONS DRAGON-」が販売された程度です。この時は「Vol.4」「Vol.5」からの再録となり、「聖なる魔術師」や「死者への手向け」などの絶版カードの再入手が可能となりました。
そして11月1日、制限改訂によってこの三つ巴の環境にメスが入れられることになります。
【制限改訂 2000年11月1日】
2000年11月1日、遊戯王OCGにおいて6回目となる制限改訂が行われました。
制限カードに指定されたカードは以下の22枚です。
カオスポッド | 無制限 |
---|---|
キラー・スネーク(エラッタ前) | 無制限 |
サイバーポッド | 無制限 |
人造人間-サイコ・ショッカー | 無制限 |
強奪 | 準 |
死者蘇生 | 準 |
光の護封剣 | 無制限 |
封印されしエクゾディア | - |
---|---|
封印されし者の左足 | - |
封印されし者の左腕 | - |
封印されし者の右足 | - |
封印されし者の右腕 | - |
押収 | - |
巨大化 | - |
強引な番兵 | - |
強欲な壺 | - |
心変わり | - |
サンダー・ボルト | - |
ハーピィの羽根帚 | - |
ブラック・ホール | - |
遺言状 | - |
聖なるバリア -ミラーフォース- | - |
準制限カードに指定されたカードは以下の5枚です。
大嵐 | 無制限 |
---|---|
王宮の勅命(エラッタ前) | 無制限 |
いたずら好きな双子悪魔 | - |
---|---|
天使の施し | - |
墓守の使い魔 | - |
以上が当時コナミから下された裁断となります。
「カオスポッド」と「サイバーポッド」が同時に規制を受けるなど、【デッキ破壊】に対して強い圧力がかかっています。どちらも強力なリセット効果を持っていたため、純粋にカードパワーが高かったことも一因であったと思われます。
さらに、強力な攻撃抑制カードである「光の護封剣」が制限カードに指定されました。この時期は【グッドスタッフ】ではほとんど使われていなかったため、これも【デッキ破壊】を睨んだ規制です。ただし、【苦渋エクゾディア】においても時間稼ぎ札として採用されるケースがあり、完全に【デッキ破壊】だけを狙い撃ちにしていたわけではありません。
また、前弾で現れた「人造人間-サイコ・ショッカー」「王宮の勅命(エラッタ前)」が早々に規制を受けています。
前者が制限、後者が準制限ですが、元々上級モンスターは「黒き森のウィッチ(エラッタ前)」のサーチを前提に運用されるのが当時の常識です。致命的なダメージにはならず、依然【グッドスタッフ】ではエースアタッカーを務めていました。
他にも、「大嵐」や「キラー・スネーク(エラッタ前)」が無制限カードから規制されるなどの動きが起こっています。「大嵐」の方は単純な枚数調整といった印象ですが、「キラー・スネーク(エラッタ前)」は「苦渋の選択」とのコンボを潰された格好です。これにより【キャノンバーン】がデッキの土台を支えるエンジンを喪失し、構築困難な状況へと追い込まれました。
最後に、既存カードの規制強化として「死者蘇生」と「強奪」が制限カードに指定されています。どちらも単体の性能が極めて高く、必須カードの扱いを受けていたため妥当な規制です。もちろん規制後もその扱いは変わらず、むしろ枚数が絞られたことでより一層採用率は上昇していきました。
このように、全体的に【グッドスタッフ】【デッキ破壊】の双方に対する規制が入った制限改訂となっています。
その一方で、【苦渋エクゾディア】に対してはノータッチの状況であり、全盛期のパワーを維持したまま来期を迎える格好となりました。
【当時の環境 2000年11月1日】
キーカード2種を制限カードに指定され、【デッキ破壊】が大きく力を落としました。爆発力、安定性、除去能力など様々な面で影響を受けた形となり、やや厳しい立ち位置に置かれています。
とはいえ、コンセプト自体には被害は及んでおらず、主流デッキと呼べるだけの力は維持しています。元々【苦渋エクゾディア】に有利を取れるという強みもあり、環境の頂点付近にとどまる形となりました。
【グッドスタッフ】も細かなダメージを受けていますが、軽傷と言って差し支えない被害です。何よりデッキの性質上、代わりとなるパーツは無数に存在するため、屋台骨が揺らぐことはありません。やはり安定したデッキパワーは健在であり、このデッキもまた一大勢力として環境で存在感を示していくことになります。
問題の【苦渋エクゾディア】ですが、こちらは誕生時からほぼ変化していません。しかし、仮想敵である【デッキ破壊】【グッドスタッフ】がいずれもダメージを負っているため、相対的に強化を受けた格好です。特に【デッキ破壊】の弱体化は最高の追い風と言える変化で、この改訂以降はじわじわと勢力を拡大していきます。
総評としましては、前期の三つ巴から【苦渋エクゾディア】が一歩足を踏み出す格好となり、やや遅れて【デッキ破壊】と【グッドスタッフ】が続く状況となっています。その一方で【キャノンバーン】が完全に環境から撤退し、いよいよ上記の三つのデッキが熾烈な争いを繰り広げていくことになりました。
【まとめ】
2000年11月1日の制限改訂で起こった変化は以上です。
広い範囲で危険なカードが規制を受ける反面、【苦渋エクゾディア】の関連パーツは全くのノータッチと、ややバランスの悪い規制状況となっています。
とはいえ、誕生から1ヶ月でデッキが組めなくなるというのも酷な話ではあり、ここで見逃されるのもやむなしと言えるのかもしれません。
【デビフラ1キル】のように、5日間で消滅したデッキもありますが……。
ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
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