カオスポッドと抹殺の使徒

2018年1月14日

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【前書き】

 【第2期の歴史14 サイコ・ショッカーと王宮の勅命】の続きになります。特に、この記事では前中後編の中編の話題を取り扱っています。ご注意ください。

 

【デッキ破壊 更なる強化】

 「人造人間-サイコ・ショッカー」「王宮の勅命(エラッタ前)」という強力な新兵器を手に入れ、【グッドスタッフ】はそのデッキパワーを堅実に高めていきました。

 しかし、「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」に収録されていたカードは素直な強さを持つカードばかりではなく、普通のデッキには入らない「コンボ色の強い」カードも多数含まれています。

盤面が混乱 カオスポッド

 その筆頭は間違いなく「カオスポッド」以外の何物でもないでしょう。

・リバース:お互いにフィールド上モンスターカードを持ち主のデッキに加えてシャッフルする。その後デッキに加えた数と同数のモンスターカードが出るまでめくる。それらを裏側守備表示でフィールドに出す。それ以外のカードを墓地に捨てる。

 リバース時に色々と複雑な処理が発生する効果を持ったリバースモンスターです。非常に込み入ったテキストが記されていますが、簡単にまとめると以下のようになっています。

①:フィールドのモンスターを全てデッキに戻す。

②:お互いのプレイヤーは、それぞれ自分がデッキに戻した数と同数のモンスターが出るまでデッキをめくる。

③:それらのモンスターを裏側守備表示で特殊召喚し、それ以外のめくられたカードを墓地へ送る。

 リバースするだけでフィールドのモンスターを根こそぎデッキバウンスし、別のモンスターに変えてしまいます。裏側守備表示でセットされるため、バトルフェイズ中であっても追撃を受けることはありません。当時のカードプールには耐性持ちのモンスターも存在しておらず、リバース効果の発動に成功すればほぼ確実に1ターン生き残ることが可能でした。

 また、この際にめくられた「モンスター以外のカード」は墓地へ送られることから、実質的にデッキ破壊効果を内蔵したモンスターとして見ることもできます。どの程度デッキを削れるかはその時のめくれ方次第ですが、運が良ければ10枚近く削れるケースもあり、当時は「何が起こるか分からない爆弾カード」として恐れられていました。

 当然のように【デッキ破壊】では期待の新人として注目され、デッキの常連メンバーとして頭角を現していくことになります。

 もちろん、裏側守備表示でモンスターが特殊召喚される関係上、リバースモンスターとも好相性です。この効果で相手ターンにセットしたリバースモンスターを返しのターンでそのまま反転召喚させられるため、まさに攻防一体という言葉が当てはまる活躍が期待できます。

 リバース効果を使い終わったリバースモンスターをデッキに戻して再利用する使い方も優秀で、当時の【デッキ破壊】においては「サイバーポッド」「メタモルポット」に次ぐエンジンパーツとしてデッキの土台を支えていました。

 ただし、リバース時に「カオスポッド」の戦闘破壊が確定している場合、その「カオスポッド」はデッキに戻らないので注意が必要です。また、デッキに1体もモンスターを戻さない場合は「デッキをめくる処理」も行われないため、結果的にそのプレイヤーに対しては何の影響も及ぼしません。

 逆に言えば、「カオスポッド」をあえて単体で用いることで自分へのデッキ破壊を防ぐことができるため、相手とデッキ枚数差をつけるテクニックとして重宝されました。「ニードルワーム」以来の「相手のデッキだけを削るカード」であり、「サイバーポッド」「メタモルポット」にはこなせない仕事ができる「相互互換カードの立ち位置」を次第に見出されていった格好です。

 補足になりますが、ここで誕生した「カオスポッド」は実は一度エラッタが行われており、エラッタ前のこのカードはレベル5以上のモンスターであっても特殊召喚可能でした。しかし、カードの性質上それが意味を持つケースは限られており、エラッタ後も使用感はそれほど変わらなかったものと思われます。

リバースモンスター専用蘇生カード 浅すぎた墓穴

 更に、【デッキ破壊】を強烈にサポートする新規カードとして、「浅すぎた墓穴」という魔法カードも誕生していました。

・自分と相手はそれぞれの墓地からモンスターカードを1体選び、守備表示でフィールド上にセットする。

 当時としては異色の蘇生カードで、任意のモンスターを裏側守備表示で釣り上げる効果を与えられています。ただし、相手にも好きなモンスターを蘇生させてしまうため、単体で使うだけではディスアドバンテージを負ってしまう扱いの難しいカードです。

 よって【グッドスタッフ】などのフェアデッキで採用できるタイプのカードではありませんが、相手にアドバンテージを与えても困らない【デッキ破壊】においては事実上デメリットを踏み倒せます。むしろ「カオスポッド」を使う場合は相手のモンスターが多いほど効果的に機能することから、逆にメリットとして捉えることすら可能です。

 また、当時は裁定も有利に働いており、現在の「お互いの墓地に蘇生可能なモンスターがいなければ発動できない」裁定とは違い、相手の墓地にモンスターが存在しない場合であってもこのカードを発動することができました。

 言い換えれば、先攻1ターン目であっても問題なく使用「できてしまっていた」ことになります。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この裁定の「浅すぎた墓穴」は非常に悪用しやすく、【宝札エクゾディア】【デッキ破壊1キル】などの先攻ワンキルデッキでは常連コンボパーツとして名を馳せていた時期もありました。

 とはいえ、この時期は純粋に優秀な蘇生カードとして見られており、リバースモンスター専用の「死者蘇生」として愛用されていくことになります。実際、この「浅すぎた墓穴」を得た【デッキ破壊】はデッキの安定性と粘り強さを大きく向上させており、以前と比べて一段上のデッキパワーを獲得していました。

 

【デッキ破壊 有力なメタカード】

 しかし、この時の【デッキ破壊】に与えられたものは強力な新兵器だけではありません。勢いづく【デッキ破壊】に歯止めをかけるかの如く、これに対して有効なメタカードが同時に2枚も現れています。

ゲームから除外 抹殺の使徒

 1枚目は、「抹殺の使徒」という魔法カードです。

・裏側表示のモンスター1体を破壊しゲームから取り除く。もしそれがリバースモンスターだった場合お互いのデッキを確認し、破壊したモンスターと同じカードを全てゲームから取り除く。その後デッキをシャッフルする。

 裏側表示のモンスター1体をゲームから除外し、更にそれがリバースモンスターであれば同名カードを根こそぎデッキから取り除きます。異次元の戦士」に続く「墓地送り以外の除去」であり、多くのプレイヤーが待ち望んでいた有力なリバースモンスターメタカードです。

 当時は除外されたカードを再利用する手段はなく、このカードによって除去されたカードは文字通りゲームから取り除かれてしまう格好となっていました。そしてリバースモンスターの場合はデッキの同名カードも含めて除外されてしまうため、リバースモンスターをキーカードに据えているデッキにとっては壊滅的な被害となってしまいます。

 リバースモンスターをデッキの主軸としているデッキとは一体何でしょうか?

 【デッキ破壊】です。

 メインパーツは「サイバーポッド」「メタモルポット」「ニードルワーム」「カオスポッド」と、ものの見事にリバースモンスターが並んでおり、この内のどれを抜かれても痛手となります。1発だけでは致命傷にはならないとはいえ、2発、3発と連打されてしまえばデッキが機能不全を起こしてしまいます。

 そもそも、リバースモンスターを裏側表示のまま処理されるだけでも苦しく、例えば手札0枚の状態で「メタモルポット」を潰されてしまえば立て直しは難しくなるでしょう。従来の定番除去である「使者への手向け」などと違って発動コストも要求されないため、相対的に対戦相手がリスクを負いにくい点も向かい風となっています。

 総じて【デッキ破壊】にとっては厳しいカードであり、メタゲームにおける難敵として立ち塞がる形となりました。

 もちろん、メタカードではなく単純に除去カードとして見た場合も優秀なカードです。

 当時は対処が難しかった裏側表示モンスターを確実に1:1交換で仕留められる上に、これで破壊したモンスターは墓地へ送られずにゲームから除外されるため、「クリッター(エラッタ前)」などのサーチャーを後腐れなく処理することができます。表側表示のモンスターに対しては無力ですが、ゲーム中に一度もモンスターがセットされないシチュエーションは稀であり、基本的に的となるモンスターには困りません。

 メタカードとしてデザインされたにもかかわらず極めて腐りにくく、この「抹殺の使徒」は次第にメタカードの域を超えて必須カードに近い立ち位置を確立していきました。

停戦協定(大嘘)

 2枚目は「停戦協定」という罠カードになります。

・裏側守備表示のモンスターを全て表にする。この時、リバース効果モンスターの効果は発動しない。フィールド上の効果モンスターの数だけ500ポイントのダメージを相手ライフに与える。

 効果がやや分かりにくいため、以下に内容を纏めます。

①:セットされている全てのモンスターを表側表示にする(この際、リバース効果は発動しない)。

②:フィールドの効果モンスターの数×500ダメージを相手に与える。

 裏側守備表示のモンスターを「リバース効果を発動させないまま」表側表示にし、更にダメージまで与える強力な罠カードです。フィールドの全てのモンスターに影響が及ぶため、これ1枚で複数のリバースモンスターに同時に対処できる強みがありました。

 間違いやすい部分ですが、発動しないのは「リバース効果」で、カウントするのは「効果モンスター」です。リバースモンスターメタカードという点が誤解を招きやすいのか、当時はこの部分がよく混同されていました。

 【デッキ破壊】へのメタカードとして見た場合、上記の「抹殺の使徒」に負けず劣らずの活躍が期待できます。

 【デッキ破壊】とのゲームでは「サイバーポッド」や「カオスポッド」などによって、複数のリバースモンスターが同時にセットされるシチュエーションも珍しくありません。そうした場面では「抹殺の使徒」1枚では手が回り切りませんが、「停戦協定」であればスマートに問題を解決できます。

 リバースモンスターが大量に並んでいる場合、追加のバーンダメージも非常に大きな数値を狙えます。状況によってはこれが引導火力となるケースも多く、【デッキ破壊】はこのカードの対策に頭を悩まされることになりました。

 しかしながら、カード単体で性能を見た場合、やや扱いにくさが目立つカードでもあります。

 このカードで行えることは「セットモンスターを表側表示にすること」と「バーンダメージを与えること」の2点だけであり、単体ではアドバンテージを取れません。最悪でもダメージにはなるため完全に腐るわけではありませんが、こうした目先のダメージは価値が薄く、カード1枚使ってまでやることではないというのは事実です。

 そのため、「抹殺の使徒」とは異なり必須カードに格上げされることはなく、あくまでもメタカードの枠内に収まる形となりました。とはいえ上述の通りメタカードとしては非常に優秀で、【デッキ破壊】対策として多くのデッキに投入された実績のあるカードです。

 

【後編に続く】

 当時の【デッキ破壊】に絡んだ新規カードについては以上です。

 サポートカードとメタカードが同時に現れるという、一言では言い表せない複雑な環境推移となっています。【グッドスタッフ】と【デッキ破壊】のどちらの目線でも難しい展開であり、それぞれがお互いを見据えて対策に追われる格好となりました。

 しかし、この激しい首位争いに割り込みをかけるように、とあるデッキが突如台頭してきます。

 後編に続きます。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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