王宮の号令 【デッキ破壊】追い込まれる

2018年2月1日

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【前書き】

 【第2期の歴史30 制限改訂2001/5/28 宝札エクゾディア強化】の続きになります。ご注意ください。

 「補充要員」や「遺言状」の規制緩和によって【宝札エクゾディア】が更なる安定性を獲得し、先攻1キルとの遭遇率はこれまで以上に上昇していきました。その性質上、先攻を取られた場合は自発的に打てる手が存在せず、ジャンケンに負けた時点で「相手がソリティアを成功させるかどうかを眺めるゲーム」が始まってしまうという始末です。

 カードプールの変化も乏しく、6月~7月上旬にかけては有望な新規カードもほとんど現れていません。

 具体的には、2001年6月28日に「STRUCTURE DECK-遊戯編-」から2種類、同年7月5日に「遊戯王デュエルモンスターズ5 エキスパート1」から5種類、同攻略本上巻から1種類、計8種類の内訳です。遊戯王OCG全体のカードプールは1036種類に微増しています。

 暗黒時代の到来に不安が広がっていく最中、同年7月下旬にてようやくカードプールに大きな動きが起こりました。

 

【悪夢の迷宮 環境の迷宮入り】

 2001年7月21日、「Labyrinth of Nightmare -悪夢の迷宮-」が販売され、新たに52種類のカードが誕生しました。遊戯王OCG全体のカードプールは1088種類に増加しています。

 これまでのパックと同じく収録内容は充実しており、環境クラスの優良カードも多数含まれています。汎用カードだけでなくコンボデッキのキーカードを務めるカードも多く、中には「ウィジャ盤」などのそれ自体がデッキ名となるようなカードも存在していました。

優良デメリットアタッカー ダーク・ヒーロー ゾンバイア

 まずは汎用カードから触れていきます。1枚目は「ダーク・ヒーロー ゾンバイア」です。

このカードはプレイヤーを攻撃できない。戦闘でモンスターを1枚破壊する度に、攻撃力が200ダウンする。

 ダイレクトアタック不可、モンスター戦闘破壊の度に攻撃力低下という2つのデメリットを与えられた下級モンスターです。その代償として攻撃力が2100に設定されており、ヂェミナイ・エルフ」などの標準アタッカーを上回る打点を持っています。

 モンスターを戦闘破壊する度に攻撃力が下がる一方、プレイヤーへの直接攻撃は一切行えません。つまり、基本的に戦闘の度に弱体化していってしまうため、「ゴブリン突撃部隊」と同じく事実上は使い切りのアタッカーです。

 しかし、一度目の弱体化後も1900ラインは維持できるため、それらのアタッカーとも相打ちを取れます。返しの反撃で倒されるケースが多い「ゴブリン突撃部隊」と違って1:2交換を狙いやすく、そちら以上に【グッドスタッフ】のコンセプトとも噛み合う部分がありました。

 直接攻撃不可というデメリットもありますが、そもそも使い切りのアタッカーをダイレクトアタックで消費してしまうのは勿体ない使い方です。その攻撃で勝負が決まるという状況でもない限り、極端に足を引っ張るデメリットとはならないでしょう。

 逆に言えば、詰めの段階では全く役に立たないモンスターであることは否定できません。

 2000以上の戦闘ダメージを通せるかどうかという事実はゲームメイクにも大きく影響します。例えば、手札の「ダーク・ヒーロー ゾンバイア」が「ゴブリン突撃部隊」であれば勝っていた、などというシチュエーションに遭遇することも珍しくないのではないでしょうか。

 とはいえ、それは逆の場合についても同じことが言えます。結局のところは相互互換カードであり、その時の環境に合わせて使い分けていくというのがベターな結論となるでしょう。

サイコショッカーに勝てる下級アタッカー 魂を喰らう者 バズー

 2枚目は「魂を喰らう者 バズー」です。

自分の墓地のモンスターを3枚までゲームから取り除く事ができる。取り除いたカード1枚につき、相手のターン終了時まで攻撃力300アップ。この効果は自分のターンに1度しか使えない。

 墓地のモンスターを除外することで攻撃力を一時的に上げる効果を持っています。素の攻撃力は1600、最大3枚まで除外できるため、状況に合わせて1900~2500の範囲で打点を切り替えられる器用さを持ち合わせていました。

 下級モンスターとしては過去最高クラスの理論上火力を持ち、並みいる上級モンスターを単独で戦闘破壊する可能性を秘めているモンスターです。強化も相手ターン終了時まで持続するため、返しの反撃で落とされにくいという利点も見逃せません。

 何よりも魅力的なのは、やはり「人造人間-サイコ・ショッカー」に速やかに対処できるという部分でしょう。これまでは「異次元の戦士」や「ペンギン・ソルジャー」など、何らかの形でリスクを抱えるモンスターに解決をゆだねるしかありませんでしたが、このカードの誕生によって別方向からの回答を持てるようになっています。

 ただし、最大打点到達のためには3枚分の除外コストを工面しなければなりません。現代の価値観ではそれほど重いコストではないように思えますが、この時代においては相応に厳しい出費です。蘇生カードを腐らせてしまうリスクを抱えることになるほか、そもそも墓地にモンスターを溜めること自体が既に難しいと言わざるを得ません。

 性質上、一度全力を出した後はしばらく動けなくなることも留意しておくべきでしょう。1~2枚のコストを小出しにして長持ちさせる運用もできなくはありませんが、その使い方では上記の「ダーク・ヒーロー ゾンバイア」を使う方が効率が良いことは否定できません。

 総評としましては、全体的にピーキーな性能であり、何枚もデッキに積むようなカードではないという印象です。その分見返りは大きいため、採用する場合はサーチを前提にピン挿しするのが無難な選択となるのではないでしょうか。

対リバースモンスター最終兵器 王宮の号令

 上記の汎用カードとは別方向の強さを持つカードも現れています。

 リバースモンスターに対するメタカード、「王宮の号令」です。

全てのリバース効果モンスターの発動と効果を無効にする。

 「王宮のお触れ」に端を発する「王宮」シリーズ第3弾となる永続罠カードです。これが魔法・罠ゾーンに存在する限り、全てのリバースモンスターの効果を無効化するという豪快な効果を持っています。

 間違いやすい部分ですが、「リバース時に発動する効果」ではなく「リバースモンスターの効果」そのものを無効にしてしまう処理となります。具体的には、「ニュート」などの墓地で発動する効果も問題なく封殺可能です。

 この時期のリバースモンスターはいずれも低ステータスのモンスターだったため、これ1枚で完全にリバースモンスターの息の根を止めることができました。

 逆に言えばそれ以外のことは全くできず、汎用性という面では極めて扱いにくいカードでもあります。「聖なる魔術師」など、このカードで無力化できる汎用的な仮想敵も一応は環境に存在しますが、それが効果的であるかどうかは別の問題です。率直な意見を申し上げるのであれば、何も考えずにデッキに入れても事故要員にしかならないでしょう。

 つまり、このカードの真価はメタカードとしての面にこそあるということになります。上述の通りリバースモンスターに対しては滅法強いため、それらを軸に据えたデッキに対しては天敵クラスの効力が期待できます。

 では、この時期に活躍している、リバースモンスター主軸の環境デッキとは一体何でしょうか?

 【デッキ破壊】です。

 デッキのキーカードがいずれもリバースモンスターで占められているため、構造的にこのカードの直撃は避けられません。張られているだけでデッキコンセプトが根幹から死んでしまいます。

 【デッキ破壊】にとっては文字通り致命的なメタカードであることは言うまでもなく、その対策に追われていくことになりました。

 

【後編に続く】

 「Labyrinth of Nightmare -悪夢の迷宮-」に収録されていたカードのうち、単体で機能するタイプのカードについては以上です。

 3枚中2枚がアタッカー、残り1枚はメタカードと全体的に尖った内容となっています。もちろん、環境に及ぼした影響は小さくはなく、とりわけ「王宮の号令」は【デッキ破壊】の勢いを止めうるポテンシャルを持つ1枚です。

 しかし、この時のパックにも前弾と同様、恐ろしいデッキのコンボパーツを務めるカードが収録されていました。

 後編に続きます。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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