【ライトロード】2008年の旅 裁きの龍が壊れカードだった頃

2019年1月20日

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【前書き】

 【第5期の歴史35 遊戯王の歴史 2007年の総括】の続きになります。ご注意ください。

 成熟の2007年が終わりを告げ、遊戯王OCGは9度目の新年を迎えることとなりました。年間を通して中速ビート・コントロール環境が広がる一方、年末には【ダムドビート】の参戦を受けて環境が一気に高速化を遂げるなど、どことなく不穏な気配が見え隠れしていたことは確かです。

 第5期も残すところ僅かとなる2月の折、その下旬に現れたレギュラーパックから大規模なカードプール変動が起こります。

 

【ライトロード】参戦 デザイナーズデッキの隆盛

 2008年2月23日、レギュラーパック「LIGHT OF DESTRUCTION」が販売されました。新たに80種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは3116種類に増加しています。

 第5期の最後を飾るにふさわしく、非常に見どころの多いラインナップに仕上がっていた豊作パックです。ただし、全体的にテーマ単位でのまとまりが強く、いわゆる汎用パワーカードに該当するカードは前弾ほどには収録されていません。

 その他、一部には「イレカエル」といった後々の禁止カードの影も見られます。当初は環境レベルでは意識されないマイナーカードに過ぎませんでしたが、将来的には【ガエルドライバー】の中核をなす極悪コンボパーツとして悪名を馳せるモンスターです。

 とはいえ、やはり当パックがもたらした最大の出来事は【ライトロード】カテゴリの参戦に他ならなかったのではないでしょうか。

1ターンに1度、手札を1枚捨てる事で自分の墓地に存在するレベル4以下の「ライトロード」と名のついたモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する場合、自分のエンドフェイズ毎に、自分のデッキの上からカードを3枚墓地に送る。

 上記は【ライトロード】を代表する下級モンスターの1体、「ライトロード・サモナー ルミナス」の当時のテキストです。現在でも知名度の高い優良モンスターであり、【ライトロード】と言えばこのカードが思い浮かぶ方も少なくないのではないでしょうか。

 当パックから現れた【ライトロード】モンスターは下記の通りとなっています。

・「ライトロード・パラディン ジェイン
・「ライトロード・マジシャン ライラ
・「ライトロード・ウォリアー ガロス
・「ライトロード・サモナー ルミナス
・「ライトロード・ハンター ライコウ(エラッタ前)
・「ライトロード・ビースト ウォルフ
・「ライトロード・エンジェル ケルビム
・「ライトロード・ドラゴン グラゴニス

 いずれも【ライトロード】の基本セットとでも言うべき顔触れであり、この頃から既にテーマデッキとしての基盤が完成していたことが窺えます。とりわけ「ライトロード・サモナー ルミナス」「ライトロード・ビースト ウォルフ」の2枚は【ライトロード】を象徴するカードとして今なお現役を務めており、これが2008年という時代に現れたことは非常に革新的な出来事だったと言えるでしょう。

 ちなみに、この頃はゲームバランスの関係で現在とは価値観が異なっており、単体で強い「ライトロード・マジシャン ライラ」や「ライトロード・エンジェル ケルビム」などの方が高評価を受けていました。特に前者は「魔導戦士 ブレイカー」に近い汎用アタッカーとして運用できることもあり、一時期は高額トップレアの一員として見られていたほどです。

 

ソーラー・エクスチェンジ(次世代兵器)

 一方、魔法カード枠の有力なサポートとして、「ソーラー・エクスチェンジ」の存在も見過ごすことはできません。

手札から「ライトロード」と名のついたモンスターカード1枚を捨てて発動する。自分のデッキからカードを2枚ドローし、その後デッキの上からカードを2枚墓地に送る。

 【ライトロード】における最強のドローソースであり、「カテゴリ専用サポートとしての強さ」は遊戯王全体でも上位に入ります。というより、むしろ現代の水準と比べても見劣りしない性能と言ってよく、文字通り「時代を先取りしすぎたパワーカード」という評価がふさわしい1枚です。

 性能を見る場合、単純に2:2交換のドローというだけでも及第点のカードパワーですが、そこに2枚分の墓地肥やしがついてくるというのは破格と言うほかありません。特に第5期当時は今ほどドローカードが豊富ではなかったため、相対的には「壊れカード」と言って差し支えない強さを誇っていました。

(具体的には、この頃は「デステニー・ドロー」がパワーカードに見られるようなゲームバランスでした)

 その他のサポートとしては、【ライトロード】専用の「リビングデッドの呼び声」とでも言うべき「閃光のイリュージョン」なども大きな注目を受けています。現在の価値観では力不足が否めない性能ですが、当時としては十二分に優秀なサポートカードであり、一時期は環境レベルでも採用実績を残していました。

(ただし、デッキの研究が進むにつれて次第に採用率が下がっていき、やがては採用圏外に飛ばされてしまったカードでもあります)

 いずれにしても、デザイナーズデッキが不遇の扱いにあった当時としては異次元とも言える厚遇ぶりであり、【ライトロード】が誕生したこの時こそが「デザイナーズデッキ=ファンデッキ」という価値観が覆された瞬間だったと言えるでしょう。

 

裁きの龍 ダムドに次ぐ壊れ筆頭

 とはいえ、上記のカード群だけでは流石に小粒感が拭えず、デッキとしての強さもやはりトーナメントレベルにまでは届きません。

 当時の【ライトロード】を環境の最前線に押し上げたのは、やはり「裁きの龍」の存在によるところが大きかったのではないでしょうか。

このカードは通常召喚できない。自分の墓地に「ライトロード」と名のついたモンスターカードが4種類以上存在する場合のみ特殊召喚する事ができる。
1000ライフポイントを払う事で、このカードを除くフィールド上のカードを全て破壊する。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する場合、自分のエンドフェイズ毎に、デッキの上からカードを4枚墓地に送る。

 言わずと知れた【ライトロード】最強の切り札であり、むしろ「裁きの龍」の存在こそが【ライトロード】を組む理由になると言っても過言ではないでしょう。実際、当時としてはあり得ないほどオーバーパワーなデザインがなされており、言葉は悪いですが「公式オリカ」などという誹りを受けることさえあったほどです。

 見方によっては「ダーク・アームド・ドラゴン」以上に強烈極まりないパワーカードに他ならず、それを裏付けるように【ライトロード】は第6期突入を待たずに環境入りを果たすことになります。【ダムドビート】を中心に回っていた当時の環境を真っ向から塗り替えた形であり、その意味では【パキケガジェット】などの「ダムドにメタを張ることで環境に居場所を見出していたデッキ」とは明らかに一線を画しています。

 もっとも、流石に【ダムドビート】を上回るシェアを獲得することはできず、終始2番手の立ち位置を抜け出せなかったことは事実です。

 これについては純粋なデッキパワーはもちろんですが、何より第6期に実装された【シンクロ召喚】のシステムに上手く対応できなかったことが強く関係しています。【レスキューシンクロ】との複合という形で流行に乗った【ダムドビート】と違い、良くも悪くもカテゴリの枠組みを抜け出せない【ライトロード】では若干の勢い不足感があったことは否めません。

 しかし、逆にシンクロ召喚全般が使用不可となっていた世界大会では見事上位入賞を果たすなど、ある意味では【ダムドビート】以上にメインデッキの地力の高さを示していたデッキです。その結果、2008年9月の改訂では早々に「裁きの龍」に規制が入ることとなり、環境デッキとしてはやや勢いを落としました。

 その後は【シンクロアンデット】の台頭、そして何より「ダーク・ダイブ・ボンバー(エラッタ前)」の存在によってシンクロ天下が訪れてしまったため、メタ上位からは一旦姿を消しています。もちろん、さらにその後には再び【ライトロード】の時代が到来することになるのですが、少なくとも2008年という区分においては活躍を終えていたと言えるでしょう。

 

【中編に続く】

 2008年の【ライトロード】については以上です。

 デザイナーズデッキ氷河期にあった当時の常識からは考えられないほど手厚いサポートとともに誕生し、そしてその期待を裏切らない活躍ぶりを示していくことになります。一応、ギミック単位では【ガジェット】や【HERO】などが過去にも存在していましたが、デッキ単位で環境入りを果たしたのはOCG始まって以来の快挙です。

 そんな【ライトロード】を輩出した「LIGHT OF DESTRUCTION」ですが、驚くべきことにこの時に起こった出来事はこれだけではありませんでした。当パック出身の数少ない汎用パワーカード枠として、ある意味では【ライトロード】以上に息の長い大型新人が現れていたのです。

 中編に続きます。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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