制限改訂2003/7/1 混沌帝龍エラッタ前 僅か2ヶ月で規制

2018年3月26日

【前書き】

 【第3期の歴史23 ヴィクトリー・ドラゴン誕生 遊戯王最大の過ち】の続きとなります。ご注意ください。

 遊戯王最大の過ちとも言える「ヴィクトリー・ドラゴン」が誕生し、遊戯王OCGは大きな不発地雷を抱え込むことになりました。当初はそれほど人目を集めていたわけではありませんが、将来的には多大な災いを振り撒く最悪のモンスターです。

 とはいえ、何よりも当時は【カオス】の脅威が極めて大きく、それに対する問題解決の一手として制限改訂が行われることになります。

 

【制限改訂 2003年7月1日】

 2003年7月1日、遊戯王OCGにおいて13回目となる制限改訂が行われました。

 制限カードに指定されたカードは以下の50枚です。

混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前) 無制限
ヴァンパイア・ロード -
お注射天使リリー -
キラー・スネーク(エラッタ前) -
クリッター(エラッタ前) -
黒き森のウィッチ(エラッタ前) -
サイバーポッド -
人造人間-サイコ・ショッカー -
同族感染ウィルス -
ドル・ドラ -
ならず者傭兵部隊 -
ファイバーポッド -
封印されしエクゾディア -
封印されし者の左足 -
封印されし者の左腕 -
封印されし者の右足 -
封印されし者の右腕 -
魔鏡導士リフレクト・バウンダー -
魔導戦士 ブレイカー -
メタモルポット -
八汰烏 -
悪夢の蜃気楼 -
いたずら好きな双子悪魔 -
押収 -
大嵐 -
苦渋の選択 -
強引な番兵 -
強奪 -
強欲な壺 -
心変わり -
サンダー・ボルト -
死者蘇生 -
団結の力 -
蝶の短剣-エルマ -
手札抹殺 -
天使の施し -
成金ゴブリン -
ハーピィの羽根帚 -
早すぎた埋葬 -
光の護封剣 -
ブラック・ホール -
魔導師の力 -
王宮の勅命(エラッタ前) -
現世と冥界の逆転(エラッタ前) -
聖なるバリア -ミラーフォース- -
停戦協定 -
破壊輪(エラッタ前) -
魔法の筒 -
無謀な欲張り -
リビングデッドの呼び声 -

 

 準制限カードに指定されたカードは以下の7枚です。

カオスポッド -
切り込み隊長 -
処刑人-マキュラ(エラッタ前) -
強制転移 -
増援 -
抹殺の使徒 -
ラストバトル! -

 

 無制限カードに緩和されたカードはありません。

 以上が当時コナミから下された裁断となります。変動なんと1枚であり、無制限カードからのいきなりの制限行きです。

 規制の対象となったのは「混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前)」でした。

 

カオスエンペラードラゴンに対する規制

 「混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前)」は【カオス】シリーズの筆頭にして、当時最強の攻撃性能と殺意を備えたモンスターです。もはや説明不要の究極のパワーカードであり、規制されない理由がないとすら言って良いでしょう。

 一方、同様に【カオス】代表の一角である「カオス・ソルジャー -開闢の使者-」に対してはノータッチの状況です。純粋にゲームバランス調整を第一目的とするのであれば制限行きが妥当ですが、【カオス】を収録していた「混沌を制す者」パック販売から2ヶ月と少ししか経っておらず、パッケージイラストを飾るトップレア2種を同時に規制するというのは販売戦略上難しい都合があったのかもしれません。

 事実上「混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前)」を名指しした形の改訂でもあることから窺えるように、この時の規制状況は開発側の苦肉の策だったのではないでしょうか。

 

【当時の環境 2003年7月1日】

 「混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前)」が制限カード指定を受け、【カオス】が一時的に力を落としています。

 単純にフィニッシャーの数が減ったため、その分の速度と火力を失ったほか、リセット効果による大味なリセットゲームが発生しにくくなりました。「八汰烏」とのコンボも成功率は大幅に下がり、「運が良ければ決まることもある」という程度に落ち着いています。

 元々「八汰烏」自体が【カオス】とあまり噛み合わなかったこともあり、プレイヤーによっては採用候補から外されるケースも少なくなかった印象です。私個人としましては、当時は「八汰烏」は思考停止で必須カードだと思っていたため漠然と【カオス】にも挿していたのですが、もう少し考える余地はあったのかもしれません。

 また、【カオス】4枚体制となったことで「カオス・ソーサラー」に若干の注目が集まっています。

このカードは通常召喚できない。自分の墓地の光属性と闇属性モンスターを1体ずつゲームから除外して特殊召喚する。フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体をゲームから除外する事ができる。この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃する事ができない。

 しかし、2枚看板と比べて明らかに見劣りすることは否めず、「召喚コストをこれに使うのは損」「そもそもデッキに入れるのが損」といった酷評を下されていました。もちろん、「カオス・ソーサラー」も当時の基準では飛び抜けて優秀なカードだったのですが、プレイヤーの目が肥えていた、あるいは感覚が麻痺していたということでしょう。

 このように、一定のデッキパワー低下を余儀なくされた【カオス】でしたが、メタゲームにおいては依然として1強環境を維持しています。多少弱体化したところで他のデッキからすれば異次元の強さであり、何らかのこだわりがない限り【カオス】を使わない選択肢はありません。

 この世のどこかには【ノーカオス】や【ジャマキャン】でトーナメントシーンを制した英雄も居たのかもしれませんが、そのような偉業もそう多いことではなかったのではなでしょうか。

 

【まとめ】

 2003年7月1日の制限改訂で起こった変化は以上です。

 実質「混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前)」1枚のためだけに行われた改訂であり、ひいては【カオス】の勢いを少しでも抑え込む意図があった調整となっています。

 しかし、流石にこれだけで【カオス】の牙城が崩れることはなく、混沌に包まれた暗黒時代が明ける気配も全くありませんでした。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

Posted by 遊史