ハイドロゲドン強すぎ問題 対【ガジェット】最終兵器

2018年7月20日

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【前書き】

 【第4期の歴史17 元祖サイバードラゴンシリーズ 融合前が一番優秀だった頃】の続きになります。ご注意ください。

 「サイバー・ドラゴン」を筆頭とする強力な新戦力の参入により、当時の環境は【変異カオス】と【フラガジェ】の2大勢力に分かれて争うことになりました。

 一応、【弾圧ワンフー】などのメタデッキも一部では使われていましたが、複数の理由から首位争いには食い込めず、苦しい立ち位置に置かれています。実質的な2強環境の到来であり、当時の選考会でも上位陣はこれらに埋め尽くされていたほどです。

 その後、ストラクチャーデッキや限定パックなどから計12種の新規カードが現れています(全2160種)が、いずれも当時のメタゲームには影響を与えていません。とはいえ、「神剣-フェニックスブレード」や「召喚僧サモンプリースト」など、後世で活躍を見せる有力な新人も密かに参入しています。

 いずれにしても上記の勢力図が崩れることはなく、大きな変動は8月のレギュラーパックの販売を待つことになりました。

 

ELEMENTAL ENERGY 新デッキを3つ生み出したパック

 2005年8月11日、レギュラーパック「ELEMENTAL ENERGY」が販売されました。収録枚数は60種類ですが、うち3種類が再録枠となっており、新規カードは57種類です。遊戯王OCG全体のカードプールは2217種類に増加しています。

 新たなカテゴリとして【暗黒界】が誕生しており、その特殊な共通ハンデス耐性からそこそこの注目を浴びています。とはいえ、誕生直後のこの時点ではまだデッキの開発も進んでおらず、また3週間後に「天使の施し」が禁止カード行きとなったこともあって日の目を見ることはありませんでした。

 その他の収録内容も全体的にカテゴリカードやシリーズカードによって占められていましたが、その中に数枚のパワーカードが潜んでいたことには触れておかなければなりません。

 

ハイドロゲドン 自己増殖するアタッカー

 その筆頭は、「ハイドロゲドン」という下級モンスターでした。

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、自分のデッキから「ハイドロゲドン」1体を特殊召喚する事ができる。

 モンスターの戦闘破壊をトリガーに、デッキから同名モンスターをリクルートする効果を持っています。攻撃力は1600と準アタッカークラスですが、リクルートした「ハイドロゲドン」からさらに後続を展開できるため、状況次第ではとてつもない爆発力を発揮する優秀なモンスターです。

 とはいえ、これだけでは優秀止まりのカードという評価に落ち着いてしまうことは否めません。この「ハイドロゲドン」がノーマルカードながら当パックのトップレアに輝いたことには、当時のメタゲームの流れが大きく影響していました。

 一言で言えば、【ガジェット】に対して極めて強烈に作用するアタッカーだったからです。

 攻撃力はガジェットトリオのいずれをも上回り、さらに後続を呼ぶ効果を持つため、【ガジェット】の備えるアドバンテージ生成能力に正面から対抗できます。【ガジェット】側は「ハイドロゲドン」の攻撃を通してしまったが最後、ガジェットの打点では超えられないアタッカー2体に対処を強いられることになり、除去デッキとしては苦しい展開に置かれます。

 単純に【除去ガジェット】の十八番である「モンスター除去→ガジェ召喚→ダイレクト」の切り返しが難しくなることに加え、何より致命的なのは「次のターン以降さらに状況が悪化していく」という事実です。どちらか片方でも「ハイドロゲドン」を残せば三度の増殖を許すため、必然的に「両方同時に対処する」もしくは「モンスターを召喚しない」の2択を強要されることになります。

 「ハイドロゲドン」の強みはこれだけではなく、特にミラーマッチにおいて守備力1000という数値が絶妙に除去耐性として機能していたことも無視できません。

 例えば、【除去ガジェット】の代名詞とも言える「地砕き」は守備力が一番高い相手モンスターを除去するカードですが、これは逆に言えばレッド・ガジェット」「イエロー・ガジェット」のどちらかが横にいる限り「ハイドロゲドン」に触れられないということでもあります。

 同様に「地割れ」もターゲットからすり抜けてしまうことが多く、一旦これによる展開を許してしまったあとの巻き返しは困難です。もちろん、最初の1体目さえ止められればこうした事態は防げますが、ただの下級モンスターがマストカウンター級の脅威となるのは相当のプレッシャーに他なりません。

 こうした理由により、「ハイドロゲドン」は当時の環境における代表的なアタッカーとしての地位を確立することになりました。この時期は【変異カオス】の影響でそれほど目立っていませんでしたが、全盛期は「ゲドンを通したら負け」とすら言われていたほどです。

 もっとも、最終的には「閃光の追放者」という強大なライバルの流行に伴って採用率を落としていき、やがては必須カードと呼ばれるほどの存在ではなくなっています。しかし、それでも2006年の選考会では日本代表プレイヤーの1人が「ハイドロゲドン」を3積みしていたなど、このカードのポテンシャルの高さをはっきりと結果に残していました。

 「ハイドロゲドン」の活躍は2006年にとどまりません。特に、2007年の世界大会準優勝者が【帝コントロール】に3積みしていたことはしばしば取り沙汰されます。

 その後、デザイナーズデッキが台頭し始める2008年以降は現役を退いてしまうカードですが、遊戯王OCGの歴史に名を遺すモンスターの1体として数えることに不足はないのではないでしょうか。

 

【中編に続く】

 「ELEMENTAL ENERGY」のトップレア、「ハイドロゲドン」については以上です。

 安くて強いを地で行くモンスターであり、トーナメントプレイヤーはもちろん、カジュアル層にも手が届きやすいカードとして愛用された実績を持ちます。現在では流石にマイナーカードという位置付けですが、当時の現役プレイヤーにとっては非常に馴染み深いカードです。

 補足となりますが、この「ハイドロゲドン」をキーカードとするデッキとして、【ミーネゲドン】と呼ばれる専用デッキが考案されていたことにも触れておきます。とはいえ、専用デッキを組むまでもなく「ハイドロゲドン」そのものがパワーカードだったことは上述の通りであり、実際には汎用アタッカーとして使われるケースの方が多いカードでもありました。

 そんな「ハイドロゲドン」を輩出した当パックではありますが、もちろんこの時に現れていた優良カードはこれだけではありません。

 中編に続きます。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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