地雷デッキ【ダークガイア】の脅威 ワンキル系の流行

2019年1月15日

スポンサーリンク

【前書き】

 【第5期の歴史30 ファントムオブカオスがパワーカードだった頃】の続きになります。ご注意ください。

 「ファントム・オブ・カオス」という遊戯王最高峰のコピーモンスターが参入し、トーナメント、カジュアル環境問わず少なくない波紋が広がりました。それ自体がパワーカードでありながら、専用ギミックである【ファンカスノーレ】を成立させるなど、多方面に渡って影響を及ぼしていたカードです。

 そんな中、これまで沈黙を保っていたはずの「とある不発地雷」が、続く10月中旬の新規カード群によって突如炸裂することになります。

 

ダークコーリング 【推理ゲート】を環境入りさせた存在

 2007年10月20日、デュエリストパック「十代編3」「ヨハン編」が同日販売されました。それぞれのパックから8種類ずつ、計16種類の新規カードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは2919種類に増加しています。

 デュエリストパックとあるように全体的にキャラクター重視の収録内容となっており、ほぼ専用デッキ向けのラインナップにまとまっていたパックです。 【ヘルテントーチ】のキーカードを務めた「トーチ・ゴーレム」など、面白いコンボを成立させたカードも一部に見られますが、使い勝手に優れた汎用カードはほとんど収録されていません。

(現在では【トーチリンク】などでお馴染みのパワーカードですが、この頃は単体では使い道がなく、コンボ前提のマイナーカードという扱いを受けていました)

 その他の例外としては、【Bloo-D】成立の密かな立役者でもある「幻銃士」は実用レベルのカードとも言えますが、これも当初はあまり注目されていなかったため、やはり汎用カード枠に含まれるカードではありません。

 そうしたマイナーカード群の中で一際強烈な輝きを放っていたカード、それこそが「ダーク・コーリング」だったと言えるでしょう。

自分の手札または墓地から融合モンスターカードによって決められたモンスターを1体ずつゲームから除外し、「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。(この特殊召喚は「ダーク・フュージョン」による融合召喚扱いとする)。

 【イービルヒーロー】専用の融合魔法の1枚で、手札・墓地のモンスターを融合素材にできるという特徴を持っています。「ミラクル・フュージョン」に類似した損失の少ない融合魔法カードであり、当時の基準としては非常に優秀な専用サポートカードです。

 しかし、その優秀さが災いしてコンボの開発が進んだ結果、やがては後攻1キルギミックのパーツとして悪用されてしまうことになります。

 その原因となったのは、この3ヶ月ほど前に現れていた「E-HERO ダーク・ガイア」の存在でした。

このモンスターは「ダーク・フュージョン」による融合召喚でしか特殊召喚できない。このカードの元々の攻撃力は、融合素材に使用したモンスターの攻撃力の合計の数値となる。このカードの攻撃宣言時、相手フィールド上に存在する守備表示モンスター全てを表側攻撃表示にする事ができる。(この時、リバース効果モンスターの効果は発動しない。)

 融合素材としたモンスターの合計の攻撃力を得る効果、また攻撃時に相手モンスターを強制的に攻撃表示にさせる効果を持っており、とにかく火力に能力を極振りしたような攻撃的なモンスターです。とはいえ、それだけと言ってしまえばそれだけの性能ではあり、また「ダーク・フュージョン」にしか対応しない扱いにくさもあって当初はファンデッキ向けのカードという扱いを受けていました。

 ところが、ここに「ダーク・コーリング」を含めて考えた場合、「E-HERO ダーク・ガイア」の評価は一変します。具体的には、これまでの「消費が重い割に火力しか取り柄がない微妙カード」という低評価は払拭され、以降は「手札消費1枚で出せるフィニッシャー級のアタッカー」という高評価に塗り替わっていった形です。

 そうした流れを受け、次第に「E-HERO ダーク・ガイア」自体をフィニッシャーに据えるデッキが現れ始め、その最終形態として後攻1キルデッキである【ダークガイア】の成立に至ったというのが大まかな事の推移だったのではないでしょうか。

 

【ダークガイア】の成立 全盛期は数ヶ月ほど

 【ダークガイア】は、【推理ゲート】のギミックを下敷きに「ダーク・コーリング」をエンドカードに据えた後攻1キルデッキの一種です。

 大雑把なデッキの仕組みについては下記の通りとなっています。

 

①:「名推理」「モンスターゲート」によって融合素材を墓地に溜めつつ、「人造人間-サイコ・ショッカー」や「混沌の黒魔術師(エラッタ前)」からの「大嵐」「ハリケーン」によって伏せ除去を行う。

 

②:攻撃力6000オーバーの「E-HERO ダーク・ガイア」を融合召喚し、「巨大化」や「E-HERO ヘル・ゲイナー」で打点を補強してワンキルを決める。

 

 上記の通り、ギミック自体は非常にシンプルかつ条件が緩く、さらに妨害にも一定の耐性がある強力なワンキルコンボです。特に墓地肥やしの過程で落ちた「ダーク・コーリング」を「混沌の黒魔術師(エラッタ前)」や「魔法石の採掘」によって回収できる点が非常によく噛み合っており、事実上「ダーク・コーリング」のサーチ及び融合素材の供給に至るまでを【推理ゲート】ギミックだけで賄えるのが最大の強みと言えるでしょう。

 ただし、「E-HERO ダーク・ガイア」の融合素材は性質上「通常召喚できないモンスター」である必要があるため、選択肢はそれほど広くはありません。岩石族はほぼ「磁石の戦士マグネット・バルキリオン」一択であり、悪魔族についても候補は数種類に絞られます。

 このうち、攻撃力だけならば「幻魔皇ラビエル」の4000が当時の最高打点でしたが、総合的には「トレード・イン」や「モンスターゲート」の補助となる「トーチ・ゴーレム」の方が取り回しに優れていたため、最終的にはそちらが主流になっていきました。

 ともあれ、安定性と爆発力を兼ね備えた【ダークガイア】は地雷として十分な強さを持っており、以降の環境では強力な後攻1キルデッキとして猛威を振るうことになります。11月末に「アームズ・ホール」が現れると安定性はさらに向上し、一時期は【未来オーバー】の再来と恐れられたこともあったほどです。

 とはいえ、その同時期には【ダムドビート】などの強烈なパワーデッキも台頭してきており、【ダークガイア】にとっての追い風ばかりが吹いていたわけではありません。

 特に厳しかったのは【パキケガジェット】の存在で、「フォッシル・ダイナ パキケファロ」や「閃光の追放者」などでギミックが完全に停止してしまう関係上、かなりの苦戦を強いられます。また、時期的に「神の宣告」が流行していたという背景もあり、思うように結果を残せない逆風の状況にあったことは否めません。

 そのため、【ダークガイア】の全盛期はそれほど長くは続かず、2007年末から2008年初頭にかけて緩やかに勢いを落としていった印象です。ただし、地雷デッキという性質上「対策しないわけにはいかない」タイプのデッキでもあったため、メタゲームにはしばらくの間影響を与え続けていました。

 最終的には2008年9月の改訂において、かの凶悪先攻1キルデッキ【ドグマブレード】の規制に巻き込まれる形で解体宣言を下されています。もちろん、【ダークガイア】は【ダークガイア】でワンキルデッキとして悪名を馳せていたため、完全なとばっちりだったというわけでもないのですが、それでも結末としては少々しこりが残る形となってしまったのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 【ダークガイア】についての話は以上です。

 強力なサポートカードである「ダーク・コーリング」の参入を受けて【イービルヒーロー】の開発が進んだ結果、やがては後攻1キルデッキとして名を馳せるに至っています。ただし、その全盛期は数ヶ月と比較的短く、派手な外見とは裏腹に苦しい状況に置かれていたデッキでもありました。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

スポンサーリンク