死霊騎士デスカリバー・ナイト参戦 【サイカリバー】の台頭

2018年7月27日

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【前書き】

 【第4期の歴史20 マッチキル【トランス】の成立とルール改訂 サイバー・ブレイダー風評被害】の続きになります。ご注意ください。

 2005年8月のレギュラーパックから有力な新人が参入し、さらには【リクルーターカオス】などの新勢力が環境に現れることになりました。この時期は【変異カオス】の陰に隠れ、目立った結果は残していませんでしたが、来期ではトップメタの一角として花開くデッキです。

 その裏では【トランス】成立の気配が蠢くなど、不穏な動きも見られます。とはいえ、上述の通り【変異カオス】に注目が集まっていた当時は話題に上がることもなく、ローグデッキの一種として細々と開発が進んでいた程度です。

 9月の制限改訂まで残り僅かとなり、2005年後期環境に期待が向かう中、その直前に遊戯王前半期を代表する最強格の下級アタッカーが誕生することになります。

 

死霊騎士デスカリバー・ナイト 最高のスパイクカード

 2005年8月25日、「ザ・ヴァリュアブル・ブック8」が販売されました。その書籍同梱カードとして新たに2種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは2219種類に増加しています。

 この時に現れた大型新人、それは「死霊騎士デスカリバー・ナイト」という下級モンスターでした。

このカードは特殊召喚できない。効果モンスターの効果が発動した時、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを生け贄に捧げなければならない。その効果モンスターの発動と効果を無効にし、そのモンスターを破壊する。

 いかなる方法によっても特殊召喚できない制約、そして「モンスター効果が発動した時、強制的に自身をリリースしてそれを無効化する効果」を内蔵しています。生きるカウンターとも言えるモンスターであり、奇襲性はないものの「見えている抑止力」として機能する優秀なモンスターです。

 さらに、攻撃力1900、守備力1800と非常に恵まれたステータスを持ち、アタッカーとしての適正すら兼ね備える点が尋常ではありません。単純に打点負けすることが少ないということに加え、相手に「戦闘破壊以外の方法による対処」を強いることができるからです。

 具体的には、このカードで相手モンスターを討ち取り、そのままフィールドに居座るだけでほぼ確実に1:2交換が成立します。当時の下級モンスターとしては最上の働きであり、かの「異次元の女戦士」と並ぶ屈指のパワーカードだったと言っても過言ではないでしょう。

 しかしながら、この「死霊騎士デスカリバー・ナイト」というカードには唯一にして最大の弱点がありました。

 「無効化する効果を自由に選べない」という点です。

 どんなモンスター効果も無効にできるということは、逆にどんなモンスター効果によっても相打ちに持ち込まれるということでもあります。止められても困らない効果を囮にされた場合、相手の不要牌を単体除去に変換してしまったようなものであり、むしろ足を引っ張っていることは明らかです。

 また、「キラー・スネーク(エラッタ前)」などの「何度でも効果を発動できるカード」にも注意しなければなりません。事実上ノーコストでこのカードを処理されてしまうどころか、後続の「死霊騎士デスカリバー・ナイト」も実質的に召喚不可能な状況へと追い込まれてしまいます。

 (ちなみに、このカードが情報として出回った時点では「キラー・スネーク(エラッタ前)」の禁止カード化が判明していなかったため、上記の理由から自滅しやすいと判断され低評価気味の扱いでした)

 そして最も悪いパターンは、自分のモンスターと心中してしまうケースです。

 これは多くの場合プレイングによって回避可能ですが、盤面次第では自分のモンスターの横にこれを置かざるを得ないケースもあります。その隙を相手に突かれてしまった場合、涙を呑んで2:0交換を見送るしかなくなるでしょう。

 

【サイカリバー】の成立 次世代の【グッドスタッフ】

 とはいえ、そうした弱みを考慮しても「死霊騎士デスカリバー・ナイト」が強力なカードであったことは確かです。使用者の実力によって強さが上下する、いわゆる「スパイクカード」としてプレイヤーに受け入れられ、ビートダウンデッキを中心に採用率を上げていきました。

 そんな中、このカードを最大限に活躍させることを狙うデッキ、【サイカリバー】が浮上します。

 一言でコンセプトをまとめれば「1:1交換以上を行い続けてビートダウンで勝利するデッキ」であり、要は【グッドスタッフ】の亜種です。違いはデッキ名にもなっている「サイバー・ドラゴン」「死霊騎士デスカリバー・ナイト」の2枚をメインアタッカーに据えていることで、それらと相性の悪いカードは採用を見送られる傾向にありました。

 具体例としては、「D.D.アサイラント」などの強制発動効果持ちモンスターが挙げられます。逆にこれとの併用を狙う型は【アサイカリバー】と区別され、【サイカリバー】以上に上級者向けのデッキとして扱われていました。

 ともあれ、この【サイカリバー】は【グッドスタッフ】の理念を下敷きとしているだけあって非常に安定した強さを持ち、成立直後からまずまずの好成績を残しています。

 もっとも、安定性と引き換えに【ガジェット】【リクルーターカオス】のような固有の強みを持たないデッキでもあったため、かつてのように支配的な地位を築いていたわけではありません。3ヶ月後の【獅子黄泉帝】の流行も向かい風となり、【グッドスタッフ】というアーキタイプ自体の厳しい立ち位置を覗かせています。

 しかし、最終的には1年後に「E・HERO エアーマン」「冥府の使者ゴーズ」を取り込み、【サイカリエアゴーズ】へと進化を遂げトップメタに躍り出ています。その結果、制限改訂によって関連パーツを潰されてしまい、デッキタイプとしては事実上の消滅を迎えました。

 ただし、【サイカリエアゴーズ】の解体後も汎用カードとしては生き残り、サイバー・ドラゴン」と双璧を成す最強格のアタッカーとして活躍していたのは確かです。現在では流石に第一線を退いているモンスターですが、当時の現役プレイヤーにとっては非常に思い入れのある1枚なのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 「死霊騎士デスカリバー・ナイト」の誕生によって起こった出来事は以上となります。

 強さと弱さが表裏一体のスパイクカードであり、遂には【サイカリバー】を成立させるなど大きな影響を及ぼしたモンスターです。プレイング面に現れた影響も決して少なくなく、例えば【ガジェット】ではこのカードを警戒して1枚は除去を抱えておくなど、「死霊騎士デスカリバー・ナイト」の存在を見越した行動が求められるようになりました。

 上述の通り、デッキとしては逆風の状況に置かれていましたが、1枚のカードとしては強い存在感を放っていたのではないでしょうか。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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