神殿を守る者 地雷デッキ【神殿フルハンデス】の成立

2018年4月13日

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【前書き】

 【第3期の歴史34 深淵の暗殺者 無限の手札コストと【深淵1キル】の成立】の続きになります。特に、この記事では前後編の後編の話題を取り扱っています。ご注意ください。

 

【神殿を守る者 極悪フルハンデスコンボ】

 様々なコンボパーツを輩出した「ファラオの遺産」ではありますが、当パックの問題児は「深淵の暗殺者」だけではありません。無限の手札コストとは対をなす無限ハンデスカード、神殿を守る者」の参戦です。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手プレイヤーはドローフェイズ以外ではカードをドローする事ができない。

 これがフィールドに立っている限り、相手はドローフェイズ以外ではカードをドローできなくなるという制圧効果を持っています。通常ドローや「リロード」などを防ぐことはできませんが、「強欲な壺」を始めとする強力なドローソースを封殺できるというのは悪くない効果です。

 が、決して良い効果でもなく、これ単体ではまず使われないモンスターでしょう。単純にメリットが薄すぎる上に、そもそも場に維持すること自体が難しいと言わざるを得ません。

 ステータスも壁タイプであり、戦力として数えることも不可能です。どの角度から見ても扱いにくく、まず普通のデッキに採用されることはないのではないでしょうか。

 しかし、この「相手にドローさせない」という性質に着目してコンボパーツとして考えた場合、神殿を守る者」は一転して凶悪なカードに変貌を遂げます。

 「相手に手札交換させるカード」と併用した場合、相手の手札を全て捨てさせることができるからです。

 そして、上記のコンボ成立に狙いを定めたコンボデッキとして、【神殿フルハンデス】が開発されることになりました。

【神殿フルハンデス】 決まれば強いが……

 【神殿フルハンデス】は、「神殿を守る者」と手札交換カードを組み合わせ、相手の手札を全て捨てさせることに狙いを定めたコンボデッキです。コンボそのものは殺傷力を持ちませんが、実質的にゲームエンド級の効力を誇るため、構造自体は先攻1キルデッキと同質と考えるべきでしょう。

 「神殿を守る者」と組み合わせる手札交換カードについては、ほぼ「メタモルポット」一択となります。一見すると「手札抹殺」などもコンボパーツとして扱えるように思えますが、「神殿を守る者」が存在する間は「相手がドローする任意効果」を自分含めて発動できなくなるため、実際には成立しない状況です。

 ただし、あらかじめ手札交換カードを発動しておき、その効果解決時に「神殿を守る者」が存在する状態を作り出すことでフルハンデスコンボを決めることもできます。言葉では分かりにくいですが、例えば「手札抹殺」にチェーンして「リビングデッドの呼び声」を発動し、「神殿を守る者」を蘇生するなどの方法によって実現可能です。

 当時は「リビングデッドの呼び声」が制限カードに指定されていた関係上、あまり意識して狙える状況ではありませんが、覚えておいて損はないテクニックでしょう。

 もちろん、「メタモルポット」などの強制効果であればそうした工夫をする必要はありません。「神殿を守る者」が存在する状態で「メタモルポット」がリバースした瞬間、相手の手札を全て捨てさせるコンボが成立します。

 一方、自分は通常通り5枚ドローできるため、ほぼ勝利確定と言って良いほどの圧倒的な優位性が転がり込んでくることでしょう。

 しかしながら、現実的に上記のコンボを狙うことを考えた場合、乗り越えるべきハードルがいくつも立ち塞がることになるのは事実です。

 第一に、特定のモンスター2体をフィールドに揃え、かつ片方はセット状態からリバースさせなければなりません。当然、どちらか片方が除去された瞬間にコンボは瓦解してしまいます。

 第二に、たとえコンボを狙える状況に持ち込めたとしても、魔法&罠ゾーンにカードを伏せられるなどの手を打たれた場合、ハンデスの効力が薄くなってしまうのも問題です。幸い5枚ドローは成立するため有利になることに変わりはありませんが、苦労して決めたコンボの見返りとしてはやや物足りなさが残ります。

 そして第三の理由にして一番の問題は、そもそも2枚コンボであれば【サイエンカタパ】という強大なライバルが既に存在しており、あえてハンデスにこだわる必然性が薄いという事実でしょう。【神殿ハンデス】はそちらに勝っている部分がほとんどなく、むしろこちらは「メタモルポット」をリバースさせる手間の分だけ不利です。

 こうした事情を鑑みる限り、2004年当時の環境で実際にこのコンボが暴れていたかどうかについては疑問が残る部分もあります。一応、半年後の制限改訂では「メタモルポット」と「神殿を守る者」が同時に制限カード指定を受けているため、一定の脅威を振り撒いていたことは推測がつきますが、致命的なレベルには至っていなかったことも十分に考えられるのではないでしょうか。

 

【当時の環境 2004年2月26日】

 【第3期の歴史34 深淵の暗殺者 無限の手札コストと【深淵1キル】の成立】以降の前後編の記事内容を総括した項目となっています。ご注意ください。

 「深淵の暗殺者」という無限の手札コストが現れ、新時代の「キラー・スネーク(エラッタ前)」として猛威を振るっていくことになります。

 しかし、「深淵の暗殺者」をキーカードに据えた【深淵1キル】はこの時点では成立していません。キーカードの片割れを務める「魔法石の採掘」が誕生するのはおよそ一ヶ月後の出来事であり、当初は純粋に手札コストとしての仕事を見込まれていた次第です。

 また、僅か数日の期間でしたが、「サイバーポッド」や「ファイバーポッド」などの極悪リバースモンスターを回収するカードとしても活用されていました。元々この時期はリバースモンスターの評価が見直される傾向にあったため、【カオス】などの【グッドスタッフ】で採用されるケースも珍しくはなかったのではないでしょうか。

 一方、「神殿を守る者」については上記項目の通り、外見の脅威度と実際の脅威度が釣り合っていなかった印象はあります。もちろん、規制状況を踏まえれば全く鳴かず飛ばずだったということは考えにくいですが、やはり総合的な評価は地雷デッキ扱いに収まっていたと見るべきでしょう。

 補足となりますが、この【神殿フルハンデス】は誕生当時に限らず、第9期の「星守の騎士 プトレマイオス」現役時代にもそこそこの脚光を浴びています。

 具体的なコンボの手順は以下の通りです。

 

①:「神殿を守る者」を含むレベル4モンスターを2体並べる。

 

②:「星守の騎士 プトレマイオス」をX召喚し、エンドフェイズにX素材を補充する。

 

③:相手スタンバイフェイズに「アーティファクト-デュランダル」を重ねてX召喚し、手札交換効果を発動する。

 

④:③にチェーンして「リビングデッドの呼び声」などの蘇生カードで「神殿を守る者」を釣り上げる。

 

 必要パーツが多い割に誘発や除去を踏みやすく、ネタの域を出ないデッキでしたが、10年以上の時を超えて現世に蘇った【神殿フルハンデス】の姿に驚かれた古参プレイヤーの方も少なくなかったのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 前記事と合わせて、「ファラオの遺産」販売によって起こった出来事は以上となります。

 やはり何をおいても「深淵の暗殺者」の無限コストは脅威の一言であり、即効性や爆発力では「キラー・スネーク(エラッタ前)」を上回っている部分もあったほどです。実際に第4期中に準制限、制限と段階を追って規制強化の道を辿り、現在でもその位置からは一度も動いていません。

 逆に「神殿を守る者」については、言葉は悪いものの見掛け倒しという印象がついて回るカードです。騒ぎの大きさの割には実戦では脆く、環境での活躍もそれなりだったのではないかという疑問は残ります。

 確実に言えることではありませんが、この時期の【神殿フルハンデス】の存在感も第9期におけるそれと似たような感覚だったのかもしれません。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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