ゴヨウ・ガーディアン全盛期 エラッタ前は禁止級の性能?

2019年3月1日

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【前書き】

 【第6期の歴史4 新種族「サイキック族」誕生 緊急テレポート出張セットの大流行】の続きになります。特に、この記事では前後編の後編の話題を取り扱っています。ご注意ください。

 

ゴヨウガーディアン 色々おかしかったカード

 レギュラーパック「THE DUELIST GENESIS」が生んだ6シンクロの怪物、それは「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」というカードでした。

星6/地属性/戦士族/攻撃力2800/守備力2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、そのモンスターを自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

 恐らくですが、当時これを見た現役プレイヤーの頭に真っ先に浮かんだのは「書いてあることが色々おかしい」という疑問だったのではないかと思われます。まずレベル6で攻撃力2800というだけで既に何かが変なのですが、最大の問題は戦闘破壊したモンスターを疑似コントロール奪取する効果にあったことは間違いないでしょう。

 単純に考えても戦闘破壊で2枚分のボード・アドバンテージを取れる以上、その時点で他の多くのアタッカーを凌駕する性能を秘めていることは明らかです。なおかつ、「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」自体のステータスの高さから大抵のモンスターを戦闘破壊できるため、コントロール奪取カードとして見ても相当高い信頼性を持っています。

 さらに、シンクロモンスターの中でも出しやすい部類に入る6シンクロに属していることに加え、チューナーの縛りなども存在しない(※)という「圧倒的な召喚条件の軽さ」も大きな強みに繋がっていました。

(※現在ではエラッタによって「地属性のチューナー」という縛りが追加されています)

 これにより、以降の環境ではどのような状況からでも「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」のシンクロ召喚を狙える、また相手に狙われるというゲームバランスが成立してしまうことになります。見方によっては「氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前)」以上に環境を激変させたカードであり、実際コンボを考えないのであれば「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」の方が取り回しに優れていたため、採用枚数ではこちらが上回っている(※)傾向にありました。

(※当時は両方を2枚積みにするか、ブリュ2、ゴヨウ3というバランスが定石とされていたほどです)

 一方、こうしたエクストラ枠の固定によって他の6シンクロに居場所がなくなるという事態も発生しています。特にこの直前に現れていた「大地の騎士ガイアナイト」は一体何だったのかという話であり、実際に当時はこの関係が頻繁にネタにされていました。

 

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ゴヨウラインの成立 2800以下は信頼できない環境

 「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」の誕生は当時のメタゲームに多大な影響をもたらしました。疑似コントロール奪取という効果の性質上、自分の大型モンスターを逆に奪われてしまう危険が常について回るようになったからです。

 これにより「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」に戦闘破壊されてしまうモンスターは軒並み評価を落とし、反対に戦闘破壊されないモンスターはそれ自体が強みであると認識されるまでになっています。前者の筆頭が「森の番人グリーン・バブーン(エラッタ前)」であり、後者は「裁きの龍」や「A・O・J カタストル」が該当していました。

 これと同じ理由で評価が上がったのが「ダーク・アームド・ドラゴン」です。

 攻撃力2800という打点によって相打ちに持ち込むことができ、さらに召喚制限により「月の書」などを受けてもコントロール奪取を防げるなど、かなり安心してフィニッシャーを任せることができました。元々パワーカードと認識されていたモンスターではありますが、当時「ダーク・アームド・ドラゴン」が大流行していたことにもこうした要因があり、環境にも噛み合ったパワーカードという最高のポジションを築き上げることに成功しています。

 ちなみに、当時「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」メタとして最も有力視されていたのが「氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前)」でした。なぜなら、優先権ルールの関係で召喚さえ無効にされなければ確実にバウンスが決まったため、極めてローリスクで実質1:2交換に持ち込むことができたからです。

 一方で、先出しされている「氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前)」に対しては戦闘破壊からのコントロール奪取が成立するという事情もあるため、お互いがお互いのメタになるという複雑な関係が成り立っていました。これらが同じ6シンクロであることを踏まえれば何とも宿命的な対立関係であり、パワーカード同士が睨み合いを利かせるという意味では見方によってはゲームバランスの釣り合いが取れていたと言えなくもない(※)でしょう。

(※その分、他のカードが入る余地がなかったということでもあるため、結局不健全な話ではありますが……)

 こうした環境における支配的な振る舞いの結果、2009年3月の改訂では「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」が制限カード指定を下されることになります。これは「氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前)」と同じタイミングでの規制強化であり、上記の睨み合いを含めまさに兄弟のような関係です。

 その後は以前までのような尖兵としての使い方はできなくなっていますが、ここぞという場面で出せばゲームの流れを覆す力は確実に持っており、依然としてエクストラの必須枠を埋め続けていました。結果として2011年3月では遂に禁止カード行きを宣告され、ようやく「ゴヨウライン」の概念が崩壊を迎えた形です。

 

今はエラッタ前でも弱いゴヨウ 時の流れは残酷

 それ以来、6年近くに渡って禁止カードに封印され続けていた「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」でしたが、2017年1月の改訂でエラッタを踏まえつつも見事制限復帰を果たすことになります。

 しかし、やはり時の流れというものは残酷であり、第10期を目前に控えた当時の環境に適応するだけのカードパワーはもはや「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」には残っていませんでした。これはエラッタによる弱体化を考慮しない場合でも同様で、言ってしまえばカタログスペック自体がそもそも型落ちになってしまっていたということでもあります。

 かつては脅威的だった攻撃力2800という数値はもはや珍しくも何ともなく、戦闘を経由するコントロール奪取というのもかなり悠長な効果です。これがデュエル中に必要になる状況は非常に限定的であり、仮に出せるとしても他に優先すべきモンスターが多すぎて採用の見込みがないというのが現状(※)でしょう。

(※実際、海外環境では2014年7月に制限復帰、2015年4月には無制限カードにまで釈放されていました)

 そのため、仮にエラッタが入らないまま現役復帰していたとしても、「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」がトーナメントレベルで使われることはほとんどなかったのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」についての話は以上です。

 第6期出身のシンクロモンスターとしては間違いなく最強の一角に立っていた存在であり、その圧倒的なカードパワーにより「大地の騎士ガイアナイト」を始めとする他の多くの6シンクロを採用圏外に追いやっています。これが【シンクロ召喚】の実装から僅か1ヶ月後に現れていたというのは信じがたい話であり、むしろそうした調整ミスこそが【シンクロ召喚】というシステムの悪名に繋がっていたことは間違いないでしょう。

 しかし、今となってはその「ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」ですら時代遅れの性能に衰えていることは否めず、そうした盛者必衰の理もまた遊戯王OCGというゲームのインフレ性を象徴しているのかもしれません。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。