【ダムドビート】の歴史・時代ごとのデッキレシピまとめ
【前書き】
【ダムドビート】の大まかな歴史・時代ごとのデッキレシピについてまとめています。メタゲームやデッキ概要の解説については下記のリンクをご参照ください。
2007年11月(全盛期)
モンスターカード(24枚) | |
---|---|
×3枚 | キラー・トマト |
終末の騎士 | |
ダーク・アームド・ドラゴン | |
D.D.クロウ | |
霊滅術師 カイクウ | |
×2枚 | ファントム・オブ・カオス |
×1枚 | クリッター(エラッタ前) |
混沌の黒魔術師(エラッタ前) | |
スナイプストーカー | |
速攻の黒い忍者 | |
ダーク・クリエイター | |
魔導戦士 ブレイカー | |
冥府の使者ゴーズ | |
魔法カード(8枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | 増援 |
ダーク・バースト | |
×1枚 | 大嵐 |
サイクロン | |
早すぎた埋葬 | |
封印の黄金櫃 | |
罠カード(8枚) | |
×3枚 | 神の宣告 |
×2枚 | 闇次元の解放 |
×1枚 | 激流葬 |
聖なるバリア -ミラーフォース- | |
リビングデッドの呼び声 | |
エクストラデッキ(3枚~) | |
×3枚 | キメラテック・フォートレス・ドラゴン |
×2枚 | |
×1枚 | (+任意の融合モンスター) |
【ダムドビート】はその名の通り、「ダーク・アームド・ドラゴン」を中核に据えたビートダウンデッキの一種です。「ダーク・アームド・ドラゴン」の召喚条件から基本的には【闇属性】を下敷きとするケースが多く、上記サンプルレシピでもオーソドックスな【闇属性ビート】の構成が取られていることが分かります。
具体的には、【闇属性】基盤を支える「キラー・トマト」「終末の騎士」「ファントム・オブ・カオス」らを基本に、ミラーマッチ対策を意識した「霊滅術師 カイクウ」「D.D.クロウ」といった墓地メタ・除外メタや、除外リソースの活用手段「闇次元の解放」、さらには「ダーク・アームド・ドラゴン」を通すための「神の宣告」など、一通りのカードが揃った基本に忠実な構築です。
逆に言えば、これ以外にも様々な派生構築が存在していたということでもあり、他のデッキほど明確なテンプレートが定まっていたわけではありません。実際、同じ【ダムドビート】でも採用カードが全く異なっているということは珍しくなく、メタゲームの流れやプレイヤーの好みによって自在に構築が変化すると言っても過言ではないアーキタイプでしょう。
もっとも、当時の環境は「ダーク・アームド・ドラゴン」の圧倒的なカードパワーにより【ダムドビート】1強に近いメタゲームが成立しており、ミラーマッチ対策は必須と考えられていました。そのため、「霊滅術師 カイクウ」「D.D.クロウ」のうち少なくとも片方は採用するべきであると言われており、上記サンプルレシピのように両方ともメイン3積みの構築が取られるケースも珍しいことではありませんでした。
それ以外には、【D-HERO】ギミックを取り入れた【デステニーダムド】や、「大寒波」を採用してさらに攻撃性を高めた【寒波ダムド】など、様々な【ダムドビート】の派生構築が考案されています。特に【寒波ダムド】は将来的には【シンクロダムド】(※)のひな形にもなっており、俗に言う「寒波環境」を引き起こした一因がこれにあったことは間違いないのではないでしょうか。
(※【レスキューシンクロ】との複合型を指したデッキです)
【次元ダーク】型
モンスターカード(20枚) | |
---|---|
×3枚 | キラー・トマト |
終末の騎士 | |
ダーク・アームド・ドラゴン | |
ダーク・クリエイター | |
×2枚 | ファントム・オブ・カオス |
霊滅術師 カイクウ | |
×1枚 | 混沌の黒魔術師(エラッタ前) |
スナイプストーカー | |
速攻の黒い忍者 | |
冥府の使者ゴーズ | |
魔法カード(14枚) | |
×3枚 | アームズ・ホール |
D・D・R | |
×2枚 | 増援 |
ダーク・バースト | |
×1枚 | 大嵐 |
サイクロン | |
早すぎた埋葬 | |
封印の黄金櫃 | |
罠カード(6枚) | |
×3枚 | 闇次元の解放 |
×2枚 | |
×1枚 | 激流葬 |
聖なるバリア -ミラーフォース- | |
リビングデッドの呼び声 | |
エクストラデッキ(3枚~) | |
×3枚 | キメラテック・フォートレス・ドラゴン |
×2枚 | |
×1枚 | (+任意の融合モンスター) |
その他、第5期終盤に流行した【ダムドビート】の一種として、【次元ダーク】型と呼ばれるものも有名なアーキタイプとして知られます。「闇次元の解放」はもちろん、「D・D・R」やそれをサーチする「アームズ・ホール」をフル投入しているなど、除外リソースを最大限に活用することを目的とした派生型です。
ただし、【次元】というデッキ名に反して全体除外カードなどは基本的には採用されず、あくまでも「ダーク・アームド・ドラゴン」のサポートとして除外ギミックを搭載していたという特徴があります。つまり同時期に現れていた「邪帝ガイウス」採用型の【次元ビート】とは完全に別物であり、デッキコンセプトも全くの正反対と言っても過言ではありません。
ややこしいですが、「次元の裂け目」や「マクロコスモス」を採用している型を【次元ビート】、そうでない型を【次元ダーク】と分類すると見分けやすい(※)のではないでしょうか。
(※ただし、例外的に【次元ビート】と【次元ダーク】を複合したような型も存在したため、これだけで完全に分類できるわけではありません)
ともあれ、そんな【次元ダーク】最大の強みは何と言ってもリソース確保能力の高さにあり、通常の【ダムドビート】とは別格とも言える粘り強さを発揮します。とにかくリソースを減らさないことにかけては右に出るものはなく、中でも「混沌の黒魔術師(エラッタ前)」を絡めた疑似ループコンボは凶悪の一言です。
具体的には、「アームズ・ホール」→「早すぎた埋葬」→「混沌の黒魔術師(エラッタ前)」→「アームズ・ホール」→「D・D・R」→「混沌の黒魔術師(エラッタ前)」→「アームズ・ホール」→「D・D・R」と繋がっていくため、「神の宣告」や「D.D.クロウ」などに妨害されない限り実質不死身の2800打点として運用することができます。単純にコンボ自体が強力であることはもちろん、「相手の墓地を肥やさず、ダムドとも相打ちできるアタッカー」という点で環境にも噛み合っており、ミラーマッチで特に有効に働くというメリットがありました。
一方で、デッキスペースの兼ね合いから「D.D.クロウ」などを採用しにくいという欠点や、【パキケガジェット】などの【メタビート】にも対応が難しいというリスクを抱えていたことは事実です。特に後者は「パキケライオウ環境」とも言われた第5期終盤期においては大きなウィークポイントであり、そもそもカタログスペック通りのデッキパワーを発揮できないケースの方が多かったことは否めません。
そのため、全体の割合としてはやはりバランス型の【ダムドビート】が最多を占めており、【次元ダーク】型の【ダムドビート】も次第に淘汰されていくことになりました。
2008年4月(【緊テレダムド】期)
モンスターカード(22枚) | |
---|---|
×3枚 | クレボンス |
邪帝ガイウス | |
ダーク・アームド・ドラゴン | |
墓守の偵察者 | |
×2枚 | サイコ・コマンダー |
サイバー・ドラゴン | |
D.D.クロウ | |
×1枚 | クリッター(エラッタ前) |
墓守の番兵 | |
風帝ライザー | |
冥府の使者ゴーズ | |
魔法カード(13枚) | |
×3枚 | 緊急テレポート |
大寒波 | |
×2枚 | 月の書 |
×1枚 | 大嵐 |
サイクロン | |
死者蘇生 | |
洗脳-ブレインコントロール(エラッタ前) | |
早すぎた埋葬 | |
罠カード(5枚) | |
×3枚 | 奈落の落とし穴 |
×2枚 | |
×1枚 | 激流葬 |
死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前) | |
エクストラデッキ(15枚) | |
×3枚 | |
×2枚 | A・O・J カタストル |
X-セイバー ウルベルム | |
キメラテック・フォートレス・ドラゴン | |
ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前) | |
氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前) | |
×1枚 | ギガンテック・ファイター |
スターダスト・ドラゴン | |
ミスト・ウォーム | |
メンタルスフィア・デーモン | |
レッド・デーモンズ・ドラゴン |
その後、第6期突入とともに導入されたシンクロ召喚システムにより、【ダムドビート】も大きな転換期を迎えることになります。
強力なシンクロモンスターの誕生によって環境がインフレを起こしたことはもちろん、全体的にゲームスピードが高速化したことで従来の【ダムドビート】ですら追い付けない環境が訪れたため、何らかの形で構成を変えることを余儀なくされた結果です。
こうした経緯で生まれたデッキとしては【シンクロダムド】が特に有名ですが、それ以外にも【緊テレダムド】と呼ばれる型が成立していたことは見逃せません。
シンクロ召喚ギミックとして「緊急テレポート」を取り入れつつ、「クレボンス」を闇属性カウントに利用することを狙った構成であり、その意味では「レスキューキャット(エラッタ前)」「召喚僧サモンプリースト」らを取り込んだ【シンクロダムド】と同じ趣旨を持つデッキです。
しかし、こちらは「邪帝ガイウス」「風帝ライザー」といった各種【帝】モンスター、「墓守の偵察者」「墓守の番兵」による【墓守】ギミックなど、【シンクロダムド】と比べてビートダウン志向の強いカード選択を取っているという特徴があります。つまり従来の【ダムドビート】の特色を残しつつ時代に適応したようなコンセプトに仕上がっており、【ダムドビート】の後継デッキとしては最も素直な派生ルートを辿ったデッキと言えるのではないでしょうか。
とはいえ、やはりデッキパワーに関して言えば【シンクロダムド】の方が明らかに優れており、勢力としては中堅の域を出ないアーキタイプだったことは否めません。
一応、「王宮の弾圧」「スキルドレイン」などのメタカードが若干刺さりにくく、また「ライオウ」を比較的楽に処理しやすいといった強みがないわけではありませんでしたが、デッキパワー格差を覆すほど明確な利点かというと微妙な部分もありました。そもそも当時のメタゲームでは【シンクロダムド】が最大勢力を担っていた以上、地力勝負になる同型対決で不利がついてしまう弱みは相当厳しいものがあったのは確かです。
結局、【緊テレダムド】がこうしたボトルネックを解消する何かを得ることはできず、間もなく自然衰退の道を辿ることになります。その後は【シンクロダムド】が一時衰退する2008年9月以降において復権の芽が生まれていますが、今度は「ゾンビキャリア」を得た【シンクロアンデット】の勢いに押し流されてしまうなど、何かと不遇の状況に置かれていたアーキタイプです。
最終的には2009年3月に「緊急テレポート」が制限カードになったことで実質構築不可能となり、全盛期らしい全盛期を迎えないまま現役時代を終えてしまうことになりました。
もちろん、「ダーク・アームド・ドラゴン」自体は引き続きパワーカードとして猛威を振るい続けていたのですが、元々の【ダムドビート】のコンセプトはもはや崩壊してしまっている以上、やはりアーキタイプとしての歴史は第6期中頃の段階で途絶えていたと考えるべきなのではないでしょうか。
【まとめ】
【ダムドビート】の大まかな歴史・時代ごとのデッキレシピについては以上です。
環境全体の流れについては下記リンクをご参照ください。
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