制限改訂2014年4月 【征竜】の牙城、遂に陥落(環境上位)

2020年5月29日

【前書き】

 【第9期の歴史1 闇の時代「9期」の始まり 遊戯王史上最悪のインフレ世代】の続きとなります。ご注意ください。

 遊戯王史上最悪のインフレ世代とも言われる第9期がスタートし、遊戯王OCGはカードゲームとして新たなステージに進むことになりました。マスタールール3への移行に伴ってゲームシステムにも大きく調整が入っており、とりわけ新召喚法である【ペンデュラム召喚】の実装は極めて重大な出来事です。

 一方で、メタゲーム面に関しては相変わらず【征竜】の支配が根強い時代でもありましたが、そんな折に遂に【征竜】に対して深く切り込んだ制限改訂が入ることになります。

 

制限改訂 2014年4月1日

 2014年4月1日、遊戯王OCGにおいて37回目となる制限改訂が行われました。

 禁止カードに指定されたカードは以下の62枚です。

ゼンマイハンター 無制限
血の代償 制限
イレカエル
ヴィクトリー・ドラゴン
炎征竜-バーナー
混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前)
キラー・スネーク(エラッタ前)
クリッター(エラッタ前)
グローアップ・バルブ
黒き森のウィッチ(エラッタ前)
ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)
混沌の黒魔術師(エラッタ前)
サイバーポッド
サウザンド・アイズ・サクリファイス
処刑人-マキュラ(エラッタ前)
水征竜-ストリーム
聖なる魔術師
地征竜-リアクタン
D-HERO ディスクガイ(エラッタ前)
同族感染ウィルス
氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前)
ファイバーポッド
フィッシュボーグ-ガンナー
風征竜-ライトニング
魔導サイエンティスト
メンタルマスター
八汰烏
レスキューキャット(エラッタ前)
悪夢の蜃気楼
いたずら好きな双子悪魔
王家の神殿(エラッタ前)
押収
苦渋の選択
強引な番兵
強奪
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
次元融合
生還の宝札
洗脳-ブレインコントロール(エラッタ前)
大寒波
蝶の短剣-エルマ
天使の施し
ハーピィの羽根帚
早すぎた埋葬
ハリケーン
マスドライバー
魔導書の神判
未来融合-フューチャー・フュージョン(エラッタ前)
突然変異
遺言状
異次元からの帰還
王宮の弾圧
王宮の勅命(エラッタ前)
現世と冥界の逆転(エラッタ前)
死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前)
第六感
ダスト・シュート
刻の封印
破壊輪(エラッタ前)
ラストバトル!

 

 制限カードに指定されたカードは以下の65枚です。

焔征竜-ブラスター
巌征竜-レドックス
発条空母ゼンマイティ 禁止
瀑征竜-タイダル
嵐征竜-テンペスト
A・ジェネクス・バードマン
イビリチュア・ガストクラーケ
甲虫装機 ダンセル
甲虫装機 ホーネット
E・HERO エアーマン
E・HERO バブルマン
海皇の竜騎隊
カオス・ソルジャー -開闢の使者-
真六武衆-シエン
ゼンマイシャーク
ダンディライオン
TG ストライカー
TG ハイパー・ライブラリアン
デビル・フランケン
深淵の暗殺者
No.11 ビッグ・アイ
ネクロフェイス
氷結界の龍 トリシューラ
封印されしエクゾディア
封印されし者の左足
封印されし者の左腕
封印されし者の右足
封印されし者の右腕
フォーミュラ・シンクロン
BF-疾風のゲイル
ヴェルズ・オピオン
水精鱗-ディニクアビス(エラッタ前)
馬頭鬼
メタモルポット
立炎星-トウケイ
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン(エラッタ前)
異次元からの埋葬
一時休戦
インフェルニティガン
大嵐
おろかな埋葬
原初の種
死者蘇生
精神操作
増援
超再生能力
月の書
手札抹殺
貪欲な壺
光の援軍
封印の黄金櫃
ブラック・ホール
霞の谷の神風
モンスターゲート
闇の誘惑
リミッター解除
六武の門
ワン・フォー・ワン
アビスフィアー
神の警告
神の宣告
停戦協定
転生の予言
光の護封壁
マジカル・エクスプロージョン

 

 準制限カードに指定されたカードは以下の23枚です。

ダーク・アームド・ドラゴン 制限
七星の宝刀 制限
オネスト
カードガンナー
カオス・ソーサラー
召喚僧サモンプリースト
ゾンビキャリア
大天使クリスティア
D-HERO ディアボリックガイ
トラゴエディア
氷結界の虎王ドゥローレン
輪廻天狗
レスキューラビット
ローンファイア・ブロッサム
炎舞-「天璣」
王家の生け贄
黒い旋風
召集の聖刻印
連鎖爆撃
ヒーローアライブ
魔法石の採掘
おジャマトリオ
奈落の落とし穴

 

 無制限カードに緩和されたカードは以下の3枚です。

ダーク・ダイブ・ボンバー(エラッタ前) 禁止
魔界発現世行きデスガイド
激流葬

 

 以上が当時コナミから下された裁断となります。変動12枚、うち規制強化が6枚、規制緩和が6枚となっており、歴代改訂の中でも最少クラスの変動に収まっていた小規模改訂です。

 内容に関しても【征竜】関連の規制を除けば環境の中心部からは縁遠い話であり、実質的には【征竜】を名指しした改訂だったと言えるでしょう。

 

【征竜】への規制・親征竜制限に

 当時の環境トップであった【征竜】に対し、非常に厳しい規制が入りました。

 4色の親征竜が同時に制限カード行きを宣告され、アーキタイプレベルで大打撃を被ってしまっています。同色の【征竜】をサーチできなくなったことはもちろん、一度除外されただけで色が消えてしまうようになり、大幅な弱体化を余儀なくされた格好です。流石の【征竜】と言えども相当に苦しい規制であり、従来のコンセプトを維持することは事実上不可能となったと言えるでしょう。

 その結果、これ以降の【征竜】は新たに【青眼】要素を取り入れ、【青眼征竜】に姿を変えて活路を見出すことになります。

 中核となるのは「伝説の白石」「青眼の白龍」の2枚ですが、それ以外にも「デブリ・ドラゴン」によるシンクロギミック、あるいは「カードガンナー」などの汎用的なカードも取り入れて対応力を高めており、ある種の【グッドスタッフ】的な構成にシフトしていたことが窺えます。便宜上は【征竜】というアーキタイプに属してはいますが、実質的には【ドラゴンスタン】とでも言うべきコンセプトに行き着いていたのではないでしょうか。

 その他、直前の環境で「コアキメイル・ドラゴ」という相棒を発見していた(※)こともあり、第9期初頭環境においても有力メタの一角に踏みとどまっていた勢力です。

(※詳しくは下記の記事で解説しています)

 

「ダーク・ダイブ・ボンバー」エラッタ復帰 一気に無制限に

 永久禁止カードであったはずの「ダーク・ダイブ・ボンバー(エラッタ前)」が突如無制限カードにまで釈放され、大きな話題となっています。

 一見すると開発側の乱心を疑いたくなるような話ですが、これはエラッタによる弱体化を踏まえての話であり、実質的には「同じ名前の別のカード」に振る舞いを改めての復帰という扱いです。

 具体的には、下記のようなテキストに修正されています。

「ダーク・ダイブ・ボンバー」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分メインフェイズ1に自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。リリースしたモンスターのレベル×200ダメージを相手に与える。

 同名カードを含め1ターンに1度しか効果を使用できず、さらにメインフェイズ1以外ではそもそも射出できなくなっているなど、非常に厳しい制約が追加されていることが窺えます。もはや見る影もないほどの弱体化であり、悪用どころか普通に使うことすら難しい性能に落ちぶれてしまったことは否めません。

 実際、これ以降の環境では全く採用実績を残しておらず、実質的には復帰の代償として「その他大勢に埋没する」という対価を支払ったと言えるでしょう。

 

「ダーク・アームド・ドラゴン」準制限に(半年で逆戻り)

 かつてパワーカードとして猛威を振るった「ダーク・アームド・ドラゴン」が準制限カードに規制緩和されています。

 第5期終盤の【ダムドビート】に始まり、第6期初頭環境の【レスキューシンクロ】、その後は【シンクロアンデット】【スーパードローライダー】などで実績を残したOCG屈指のパワーカードであり、むしろ制限カードになった後ですら使われるほどに存在感を示していました。

 とはいえ、その全盛期からは数年が経過しており、相対的なカードパワーがやや落ち着いていたことも事実です。そのため、第9期開始というタイミングで緩和に踏み切るのは流れとしては不自然ではなく、実際当時のプレイヤーからも特に問題視はされていませんでした。

 しかし、蓋を開けてみれば【シャドール】を筆頭とする新世代の【闇属性】デッキで猛威を振るうことになり、その結果僅か半年後の改訂で制限カードに逆戻りするという経緯を辿っています。これは「ダーク・アームド・ドラゴン」のカードパワーの高さだけが原因となったわけではありませんが、結果的には時期尚早の判断だったと言えるのかもしれません。

 

【ゼンマイ】関連の規制

 かつて【ゼンマイハンデス】の中核として一世を風靡した「ゼンマイハンター」が禁止カード指定を下されています。

 しかし、その代わりに「発条空母ゼンマイティ」が制限カードに復帰したため、これによって【ゼンマイ】の構築難易度が「不可能」から「困難」レベルにまで改善されました。いわゆる交換改訂の一種であり、恐らくは【ゼンマイ】救済の意図があったものと思われます。

 とはいえ、メインエンジンの1つである「ゼンマイシャーク」が規制された状態では依然苦しいものがあり、これ以降も【ゼンマイ】界隈の冬の時代はしばらく続くことになります。

 

【まとめ】

 2014年4月の改訂で起こった大まかな出来事は以上です。

 第8期中頃の【征竜魔導】時代から続く【征竜】の脅威に対し、遂にその中核に切り込んだ規制が入っていることが窺えます。その結果、流石の【征竜】であっても無視できないほどのダメージを負うことになりましたが、それでもなお【征竜】という主柱が揺らぐことはなく、引き続き主流デッキの一角としてメタゲームを牽引していくことになる勢力です。

 まさに従来の常識を超えた恐るべき底力であり、遊戯王OCGにおいても一、二を争う凶悪アーキタイプと言っても過言ではない存在でしょう。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

著者情報:遊史

Posted by 遊史