ネフティスの鳳凰神 強いようで弱く、しかし制限行きになったカード

2018年7月6日

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【前書き】

 【第4期の歴史11 やりくりターボ 第4期前半の爆アドコンボ】の続きになります。特に、この記事では前中後編の後編の話題を取り扱っています。ご注意ください。

 

ネフティスの鳳凰神 自己再生持ち・生ける大嵐

 レギュラーパック「FLAMING ETERNITY」のトップレア、それは「ネフティスの鳳凰神」という最上級モンスターでした。

このモンスターがカードの効果によって破壊された場合、次の自分のスタンバイフェイズ時にこのカードを特殊召喚する。この方法で特殊召喚に成功した場合、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。

 カードの効果で破壊され墓地へ送られた場合、次の自分スタンバイフェイズに自己再生する効果を持っています。【カオス】参入以前の2003年環境で猛威を振るった「ヴァンパイア・ロード」と同型の除去耐性持ちモンスターであり、その上位種とも言えるモンスターです。

 さらに、こちらは本家と異なり、自分のカードの効果で破壊された場合も自己再生条件を満たします。これにより「激流葬」などを惜しみなく撃てることに加え、「強奪」で奪われても除去によって間接的にコントロールを取り返すことができました。

 そして、このカードの最大の特徴は、自己再生時にフィールドの魔法・罠カード全てを破壊する効果を備えていることに他なりません。

 生ける「大嵐」とでも言うべき効果であり、状況次第では莫大なアドバンテージを獲得できる強力なリセット能力です。アドバンテージ面ではもちろん、永続魔法・罠カードを纏めて吹き飛ばしてしまえるなど、高いロック突破能力としても評価できます。

 自己再生効果、魔法・罠除去効果、どちらを取っても優秀であり、おおむねパワーカードと言って差し支えないモンスターです。ネックとなるのは2400という最上級モンスターにしては低めの打点ですが、怒れる類人猿」などの高打点アタッカーに対処されずに済むと考えれば十分な数値でしょう。

 

専用サポート ネフティスの導き手

 さらには、専用サポートカードである「ネフティスの導き手」の存在により、最上級モンスターゆえの取り回しの悪さも最小限に抑えることができます。

このカードを含む自分フィールド上のモンスター2体を生け贄に捧げる事で、デッキまたは手札から「ネフティスの鳳凰神」1体を特殊召喚する。

 自分自身と追加のモンスター1体をコストとし、手札・デッキから「ネフティスの鳳凰神」をリクルートする効果を持ったモンスターです。ステータスはリバースモンスター並ですが、既にモンスターが存在する状態でこれを召喚することにより、即座に「ネフティスの鳳凰神」を呼び出せる利点は侮れません。

 「マシュマロン」などの場持ちに優れた壁モンスター、「スケープ・ゴート」などのトークン生成カードと組み合わせることで素早く、かつ安定して効果を発動することができるでしょう。もちろん、「心変わり」などのコントロール奪取カードとは最高のシナジーを発揮します。

 また、この時期は未誕生のカードですが、「黄泉ガエル」などの自己再生モンスターとも極めて相性に優れていました。蘇生条件の関係上「ネフティスの鳳凰神」の大嵐効果とも噛み合うため、専用デッキにおいては必須カードとして見られていたほどです。

 こうした様々なシナジーを活用することを目的とし、専用デッキである【ネフティス】の開発が進められていくことになります。

 

【ネフティス】の成立 【除去ガジェ】の天敵

 【ネフティス】はそのデッキ名の通り、「ネフティスの鳳凰神」をフィニッシャーに据えたビートダウンデッキです。効果破壊耐性と魔法・罠除去効果を強みにゲームを押し切ることを狙います。

 キーカードはもちろん「ネフティスの鳳凰神」と「ネフティスの導き手」ですが、どちらも単体では扱いに困ることが多いため、必ずしも3積みされていたわけではありません。展開要員である「ネフティスの導き手」はともかく、「ネフティスの鳳凰神」は2枚程度に抑えておくのが無難でしょう。

 また、デッキコンセプトと直接の関係はありませんが、【やりくりターボ】のギミックが標準的に搭載されることがほとんどでした。単純にドローエンジンとして優秀だったという都合もありますが、手札に来てしまった「ネフティスの鳳凰神」をデッキに戻すカードとしても利用できたからです。

 デッキ固有の強みとしましては、やはり何と言っても圧倒的な除去耐性に他ならないでしょう。

 蘇生時のリセット効果と合わせて2重の意味で除去を受けにくいため、モンスター除去を効果破壊に頼ったデッキに対しては無類の強さを発揮します。特に攻撃反応罠カードを多用する【除去ガジェット】には滅法強く、実際に【ガジェット】の全盛期にはメタデッキとして環境の一角に浮上したほどです。

 

主戦場は2005年 当初は【次元斬】の餌食に

 しかしながら、2004年のこの時においては、この【ネフティス】が主流デッキとして名を馳せることはありませんでした。なぜなら、当時は「異次元の女戦士」や「D.D.アサイラント」が無制限カードであり、除外効果によって容易く処理されてしまうという致命的な弱点を抱えていたからです。

 これらは【次元斬】どころか当時のほとんどのビートダウンデッキに積まれていた汎用アタッカーであり、ゲーム中いつ遭遇してもおかしくないと言えるほどに広く流行していました。いくら「ネフティスの鳳凰神」が最上級モンスターとしては召喚しやすい部類であるとはいえ、流石に下級モンスターと相打ちしてしまうようでは思うような活躍は望めません。

 【アビス・コントロール】など、除外系アタッカーを採用しないコントロールデッキも環境に存在していましたが、こちらはこちらで「アビス・ソルジャー」によってバウンスされてしまいます。頼みの大嵐効果も「ネフティスを破壊してもらえない」という状況に陥りやすく、結局は強みを発揮できないことがほとんどです。

 自分から「ネフティスの鳳凰神」を破壊するなどの方法により、強引に活路を見出すことができないわけではありませんが、そこまでしなければならない時点で【ネフティス】が不利に置かれていることは明らかでしょう。

 結論としましては、主流デッキ未満カジュアルデッキ以上、要は中堅クラスのデッキという印象です。全く環境に顔を出さなかったわけではありませんが、少なくともトップメタの基準を満たしているとは言えません。

 ところが、3ヶ月後の制限改訂では「ネフティスの鳳凰神」が制限行きを果たしています。上述の通り、厳しく規制されるほど影響力のあったカードではないのですが、開発側の認識としてはそうではなかった模様です。

 もっとも、環境的に強みを発揮しにくかったというだけで、「ネフティスの鳳凰神」がパワーカードであること自体は事実でもありました。

 実際に2005年後期の【黄泉帝】では制限カードというハンデを抱えながらも採用候補に食い込むなど、このカードの高いポテンシャルを窺わせる実績を残しています。どちらかと言うと当時の規制は、そうした将来的な影響を見据えた形の改訂だったのかもしれません。

 

【当時の環境 2004年11月25日】

 【第4期の歴史10 ライトニング・ボルテックスが強かった時代】以降の前中後編の記事内容を総括した項目となっています。ご注意ください。

 「ライトニング・ボルテックス」を筆頭に強力な汎用カードが多数現れ、【グッドスタッフ】系デッキが再び勢いを取り戻しました。

 前回の制限改訂以降、「デッキスペースが余りがち」という問題を抱えるようになっていた【カオス】【ノーカオス】でしたが、そうした弱みがある程度払拭されています。多くのスペースを要求される【やりくりターボ】も同様の理由でそれほど負担にはならず、むしろ歓迎されている部分もあったほどです。

 こうした流れにより、手札コストとして非常に優秀であった「深淵の暗殺者」が一気に採用率を上げています。これまでも使われていたカードではありますが、「ライトニング・ボルテックス」という最高の相棒を手に入れた影響は大きく、以降の環境では必須カードの仲間入りを果たしました。

 また、優秀な魔法・罠除去効果を持つ「賢者ケイローン」参入による影響も無視できません。

 最も大きなダメージを受けたのは、コンセプト上ロックカードを多用する【アビス・コントロール】です。当時の優先権ルールの関係上、召喚自体を無効にしない限り効果の発動を許してしまうため、「破壊輪(エラッタ前)」などのフリーチェーンの除去では対応できません。

 とはいえ、それだけで止まるほど脆いデッキではなく、引き続きトップメタの一角として存在感を示していくことになります。

 最後に、【サイエンカタパ】に関してですが……こちらは相変わらず野放しの状況です。

 上記のカード群はいずれも【サイエンカタパ】相手では全く意味を成さず、ジャンケンに負ければ最後という状態は一向に改善されていません。一応、先攻時であれば【やりくりターボ】のライフゲインが効果的に働くケースもありますが、バトルフェイズが入る関係で2000ゲインしなければ生き残れず(8575+1300=9875)、パターンによってはその場合ですら焼き切られてしまいます。

 結局は焼け石に水にしかならないことも多く、やはり根本的な問題の解決は制限改訂を待つほかなかったのではないでしょうか。

 

【まとめ】

 前記事、前々記事と合わせて、「FLAMING ETERNITY」販売によって起こった出来事は以上です。

 強力な汎用カードの参入により【グッドスタッフ】系のデッキが復権したほか、【やりくりターボ】ギミックの流行によって全体的にゲームスピードが加速することになりました。

 その一方で、「魔のデッキ破壊ウイルス」や「ネフティスの鳳凰神」など、高いポテンシャルを備えながらも今一つ活躍に恵まれなかったカードも見られます。これらは直近の制限改訂では厳しい規制を受けることになりますが、実際の強さはそれほどではなかったというのは上述の通りです。

 その他、「レスキューキャット(エラッタ前)」といった後世で爆発する地雷カードの存在も忘れることはできません。こうした細かな部分も含めれば、当パックも非常に個性の強いパックだったと言えるでしょう。

 そして、2004年における遊戯王OCGの出来事はこれが最後となります。

 厳密には、続く12月に限定カードやストラクチャーデッキ新規カードなどが現れていました(全2027種)が、いずれも環境に影響するカードではありません。そのため、おおよそこの時の流れを引き継いだまま、5周目の年末を迎えることになりました。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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