ナチュル・ビーストが【レスキューシンクロ】の相棒だった頃

2019年3月12日

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【前書き】

 【第6期の歴史11 闇の誘惑 海外オリカと言われたカード】の続きになります。ご注意ください。

 「闇の誘惑」という遊戯王OCGを代表する闇属性サポートカードの参戦により、【シンクロアンデット】を筆頭とする闇属性関連デッキに土台から強化が入りました。さらには、そのドロー加速力を活かして【スーパードローライダー】などの大振りなデッキも開発が進むなど、単純なサポートにとどまらない影響力を振り撒いていたパワーカードです。

 強力なサポートによって【シンクロアンデット】の支配が強まる中、その流れに待ったをかける新規カード群が現れたのは同月中のことでした。

 

ナチュルビースト 遊戯王最高峰の魔法メタ

 2008年9月22日、デュエルターミナル第3弾である「DUEL TERMINAL -反撃のジャスティス!!-」の稼働が開始されました。新たに30種類のカードが誕生し、遊戯王OCG全体のカードプールは3434種類に増加しています。

 デュエルターミナルの中でも屈指の塩弾と言われるタイトルであり、驚くほど中身に華がない収録内容です。一応、ドゥロループでお馴染みの「氷結界の虎王ドゥローレン」などが有名どころに数えられますが、そもそもこれも真っ当な方向に強いカードではないため、やはり環境目線では魅力的と言えるカードではありません。

 そんな塩弾唯一のトップレアこそが「ナチュル・ビースト」だったと言えるでしょう。

地属性チューナー+チューナー以外の地属性モンスター1体以上
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、自分のデッキの上からカードを2枚墓地に送る事で、魔法カードの発動を無効にし破壊する。

 デッキトップ2枚を墓地に送ることで魔法カードを任意に、それも何度でも無効にできるというとんでもない制圧効果を持っています。コストは実質ノーコストであり、それどころかむしろ「カードガンナー」に近い墓地肥やし効力が期待できるため、事実上は相手の魔法カードを完全に封殺してしまう(※)カードです。

(※ただし、「超融合」など一部のカードは防げないため注意が必要です)

 言うなればシンクロモンスター版の「ホルスの黒炎竜 LV8」のようなデザインのカードとなっており、そちらと比べて遥かに召喚条件が軽く設計されている辺りに、第4期当時と比べて明らかにカードパワーのインフレが発生していることが窺えるのではないでしょうか。

【お触れホルス】の歴史・時代ごとのデッキレシピまとめ

 とはいえ、出しやすくなったと言ってもシンクロ素材に地属性縛りが設けられている以上、これまでの汎用シンクロのように何も考えず呼び出せるモンスターではありません。例えば【シンクロアンデット】で「ナチュル・ビースト」を出すのは不可能に近く、これを安定してシンクロ召喚したい場合には専用デッキあるいは何らかの出張ギミックを用意する必要があります。

 しかし、それを踏まえてでも使いたくなるポテンシャルは十二分に備えており、当初から「ナチュル・ビースト」をあの手この手で呼び出すギミック(※)がいくつも考案されていました。

(※むしろ現在でもナチュル・ビースト」を呼び出せることが一種の強みになると考えられているほどです)

 総じて遊戯王OCGでも最高峰の性能を持った魔法メタカードであり、第6期当時はもちろん、現代においてすら現役を務めているほど息の長いカードです。魔法カードを多用するデッキが流行するたびにメタとして浮上していると言っても過言ではなく、恐らくは今後も年単位で活躍していくカードなのではないでしょうか。

 

【レスキューシンクロ】大幅強化 猫1枚からナチュビ

 そんな「ナチュル・ビースト」の最初の活躍の舞台は、当時の環境デッキの一角【レスキューシンクロ】において用意されていました。

 2008年9月の改訂で少なからず弱体化していたアーキタイプですが、それでも引き続きメタ上位に居座っていたため、その新戦力として環境でも注目を受けたというのが大まかな経緯です。「レスキューキャット(エラッタ前)」はレベル3以下の獣族であれば何でもリクルートできるため、ここに「コアラッコ」などを巻き込むことで簡単に「ナチュル・ビースト」をシンクロ召喚することができます。

 ちなみに、地属性のレベル2であれば「コアラッコ」以外でも同様の役割がこなせますが、基本的には「コアラッコ」1択というのが当時の定石でした。これはそもそもカードプールが貧弱だったという都合もありますが、何より「コアラッコ」の弱体化効果が「X-セイバー エアベルン」と非常に相性が良かったからです。

 どのような高打点モンスターでも戦闘破壊できるというのはもちろんのこと、X-セイバー エアベルン」の直接攻撃を確実に通すという意味でも重要な役割を持っており、レスキューキャット(エラッタ前)」から呼び出すモンスターとしてはこれ以上ない適性を発揮します。

 なおかつ、メイン2に入った後は「ナチュル・ビースト」に変身して蓋をできるため、動きに無駄がありません。純粋にリクルート要員として考えるなら「ライトロード・ハンター ライコウ(エラッタ前)」よりも有用であり、実際に「ナチュル・ビースト」の誕生以前でも型によっては採用実績を残していたほどです。

 とはいえ、素引きすると腐りやすいという致命的な弱点はカバーし切れず、ナチュル・ビースト」の存在を考慮した上でもピン挿しにとどまるケースが主流でした。

 

ライオウの方が硬いと言われていた時代

 いずれにしても、「ナチュル・ビースト」の参戦を受けて【レスキューシンクロ】が大きく強化されたことは間違いありません。

 単純に先攻時の展開パターンの選択肢が増えたというだけでも十分にありがたい話ですが、やはり「ナチュル・ビースト」最大の強みは魔法メタ性能にこそあります。【スーパードローライダー】などの魔法比重の高い相手には先攻で立てればほぼ勝ち確となり、それ以外の相手であっても少なくない抑止効果が望めることは確かです。

 しかし、逆に魔法カードが絡まない展開手段には何ら効力を発揮しないため、状況によってはあっさり処理されてしまうことも少なくありませんでした。

 特に致命的だったのが「レスキューキャット(エラッタ前)」からの展開であり、ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)」によって「ナチュル・ビースト」を奪い取られる可能性があるというのはかなり危険と言わざるを得ません。

 もちろん、「奈落の落とし穴」や「次元幽閉」などの妨害カードがあればそうした事態は防げますが、同じく6シンクロに属する「氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前)」には完全に成す術がなく(※)、カウンター罠を構えていなければほぼ確実に突破されてしまいます。

(※当時の優先権ルールの関係上、「奈落の落とし穴」では起動効果を止められませんでした)

 その他、ゾンビキャリア」を絡めた展開も止めることができないため、【シンクロアンデット】に対しても「ナチュル・ビースト」はあまり有効には働きません。相手の手札によっては運よく刺さるケースも無いわけではありませんが、少なくとも積極的に狙っていく展開ではないでしょう。

 つまり、当時の主だった仮想敵には刺さりそうで刺さらないという状況に置かれていたことは否めず、先攻1ターン目に「ナチュル・ビースト」を立てるプレイングは見かけほど強くはないというのが一般認識でした。どちらかと言うと「ライオウ」などの下級メタビモンスターの方が硬いと言われており、基本的にはそちらを優先して出すのがセオリーだったのではないでしょうか。

 結論としては、「ナチュル・ビースト」の存在は【レスキューシンクロ】を順当に強化する一方、【シンクロアンデット】に押され気味だった状況を盛り返すほどの影響力は持っていなかったと見るべきでしょう。

 

【まとめ】

 「ナチュル・ビースト」についての話は以上となります。

 当時どころか現代の水準でも遜色ない性能を持った魔法メタカードとして注目を受け、実際に【レスキューシンクロ】を筆頭に環境でも採用実績を残していたカードです。しかし、メタゲーム的な都合によりカタログスペックの高さを上手く活かすことができず、しばらくは思うように活躍できない状況が続いていました。

 とはいえ、それだけで「ナチュル・ビースト」の有用性が否定されるわけではなく、冒頭で述べたように今後も魔法メタの筆頭カードとして環境で使われ続けることは間違いないでしょう。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

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