制限改訂2014年2月 【征竜】準制限へ 大幅弱体化(環境トップ)

2019年11月25日

【前書き】

 【第8期の歴史25 遊戯王の歴史 2013年の総括】の続きになります。ご注意ください。

 2013年が終わりを告げ、遊戯王OCGは15度目の新年を迎えることとなりました。何と言っても【征竜魔導】のインパクトが絶大だった時代であり、むしろそれ以外の出来事が霞んで見えるほどに印象的な1年(※)です。

(※また、【征竜魔導】以降も引き続き猛威を振るう【征竜】の支配が根強かった時代でもあります)

 相変わらずの【征竜】1強時代にプレイヤーから少なからず辟易の声が上がる中、続く2月に新年度初回となる制限改訂が入ることになります。

 

制限改訂 2014年2月1日

 2014年2月1日、遊戯王OCGにおいて36回目となる制限改訂が行われました。

 禁止カードに指定されたカードは以下の62枚です。

異次元からの帰還 制限
イレカエル
ヴィクトリー・ドラゴン
炎征竜-バーナー
混沌帝龍 -終焉の使者-(エラッタ前)
キラー・スネーク(エラッタ前)
クリッター(エラッタ前)
グローアップ・バルブ
黒き森のウィッチ(エラッタ前)
ゴヨウ・ガーディアン(エラッタ前)
混沌の黒魔術師(エラッタ前)
サイバーポッド
サウザンド・アイズ・サクリファイス
処刑人-マキュラ
水征竜-ストリーム
聖なる魔術師
発条空母ゼンマイティ
ダーク・ダイブ・ボンバー(エラッタ前)
地征竜-リアクタン
D-HERO ディスクガイ(エラッタ前)
同族感染ウィルス
氷結界の龍 ブリューナク(エラッタ前)
ファイバーポッド
フィッシュボーグ-ガンナー
風征竜-ライトニング
魔導サイエンティスト
メンタルマスター
八汰烏
レスキューキャット(エラッタ前)
悪夢の蜃気楼
いたずら好きな双子悪魔
王家の神殿(エラッタ前)
押収
苦渋の選択
強引な番兵
強奪
強欲な壺
心変わり
サンダー・ボルト
次元融合
生還の宝札
洗脳-ブレインコントロール(エラッタ前)
大寒波
蝶の短剣-エルマ
天使の施し
ハーピィの羽根帚
早すぎた埋葬
ハリケーン
マスドライバー
魔導書の神判
未来融合-フューチャー・フュージョン(エラッタ前)
突然変異
遺言状
王宮の弾圧
王宮の勅命(エラッタ前)
現世と冥界の逆転(エラッタ前)
死のデッキ破壊ウイルス(エラッタ前)
第六感
ダスト・シュート
刻の封印
破壊輪(エラッタ前)
ラストバトル!

 

 制限カードに指定されたカードは以下の63枚です。

E・HERO バブルマン 無制限
海皇の竜騎隊 無制限
デビル・フランケン 禁止
ヴェルズ・オピオン 無制限
七星の宝刀 無制限
封印の黄金櫃 無制限
A・ジェネクス・バードマン
イビリチュア・ガストクラーケ
甲虫装機 ダンセル
甲虫装機 ホーネット
E・HERO エアーマン
カオス・ソルジャー -開闢の使者-
真六武衆-シエン
ゼンマイシャーク
ダーク・アームド・ドラゴン
ダンディライオン
TG ストライカー
TG ハイパー・ライブラリアン
深淵の暗殺者
No.11 ビッグ・アイ
ネクロフェイス
氷結界の龍 トリシューラ
封印されしエクゾディア
封印されし者の左足
封印されし者の左腕
封印されし者の右足
封印されし者の右腕
フォーミュラ・シンクロン
BF-疾風のゲイル
水精鱗-ディニクアビス(エラッタ前)
馬頭鬼
メタモルポット
立炎星-トウケイ
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン
異次元からの埋葬
一時休戦
インフェルニティガン
大嵐
おろかな埋葬
原初の種
死者蘇生
精神操作
増援
超再生能力
月の書
手札抹殺
貪欲な壺
光の援軍
ブラック・ホール
霞の谷の神風
モンスターゲート
闇の誘惑
リミッター解除
六武の門
ワン・フォー・ワン
アビスフィアー
神の警告
神の宣告
血の代償
停戦協定
転生の予言
光の護封壁
マジカル・エクスプロージョン

 

 準制限カードに指定されたカードは以下の27枚です。

焔征竜-ブラスター 無制限
オネスト 制限
巌征竜-レドックス 無制限
ゾンビキャリア 制限
瀑征竜-タイダル 無制限
嵐征竜-テンペスト 無制限
ローンファイア・ブロッサム 制限
カードガンナー
カオス・ソーサラー
召喚僧サモンプリースト
大天使クリスティア
D-HERO ディアボリックガイ
トラゴエディア
氷結界の虎王ドゥローレン
魔界発現世行きデスガイド
輪廻天狗
レスキューラビット
炎舞-「天璣」
王家の生け贄
黒い旋風
召集の聖刻印
連鎖爆撃
ヒーローアライブ
魔法石の採掘
おジャマトリオ
激流葬
奈落の落とし穴

 

 無制限カードに緩和されたカードは以下の6枚です。

剣闘獣ベストロウリィ
神秘の代行者 アース
デブリ・ドラゴン
N・グラン・モール
冥府の使者ゴーズ
ライオウ

 

 以上が当時コナミから下された裁断となります。変動20枚、うち規制強化が10枚、規制緩和が10枚となっており、従来と比べて若干少なめの枚数変動に落ち着いています。

 しかし、当時の環境で猛威を振るっていた各デッキのキーカードにしっかりと対処が入っているため、内容に関しては比較的妥当なところに収まっていた良改訂だったと言えるでしょう。

 

【征竜】への規制

 当時の環境トップであった【征竜】に対して大規模な規制が入っています。

 4色の親征竜全てが準制限カードに指定されたほか、デッキの潤滑油として活躍していた「封印の黄金櫃」「七星の宝刀」が同時に制限行きとなるなど、デッキコンセプトを根幹から揺るがすような厳しいダメージが入りました。親征竜は当然として、後者2種も基本的には2~3枚の投入が前提となっていたカードであり、これらを同時に潰されたとあっては流石の【征竜】と言えども相当苦しい状況です。

 加えて、【征竜】の手軽なエンドカードとして猛威を振るっていた「異次元からの帰還」の禁止カード行きも見逃せません。

 実際のところ、カードパワー的にはむしろ規制が遅すぎたと言って良いほどのカードではありますが、【征竜】で濫用されたことが決定打となり、遂に永久禁止カードの仲間入り(※)を果たした格好です。

(※一応、類似カードである「次元融合」に比べればまだ復帰の見込みは残されていると言えなくもない性能ですが、少なくとも現時点のゲームバランスでは現役復帰は考えられないカードでしょう)

 いずれにしても、当改訂によって【征竜】が大幅に弱体化したことは確かであり、これに合わせてデッキコンセプトを切り替えることを余儀なくされたことは間違いありません。

 しかし、驚くべきことにこうした念入りな規制を受けたにもかかわらず【征竜】の勢いが衰えることはなく、依然として環境トップクラスの地力をキープしていました。むしろ周囲のデッキが弱体化したことで相対的にポジションが良くなっていたほどであり、引き続きトップメタとして第8期終盤を駆け抜けていくデッキです。

 

【ヴェルズ】への規制

 【ヴェルズ】に対する規制として、「ヴェルズ・オピオン」が制限カード指定を下されています。

 当時の環境では主に【征竜】のメタデッキとして活躍していた勢力ですが、そうした背景とは別にそもそものデッキパワーが標準以上の域にあったことも間違いなく、このタイミングで遂に規制らしい規制が入った形です。これにより、「ヴェルズ・オピオン」自体が後続の「ヴェルズ・オピオン」に繋がるという【ヴェルズ】最大の強みを失ってしまったため、【ヴェルズ】としては見た目以上に厳しい被害を被ることになりました。

 とはいえ、全盛期ほどではないにしろ【メタビート】としては破格の地力を持っているデッキだったことに変わりはなく、これ以降の環境でもしばらくの間はメタデッキの一角として実績を残していくことになります。

 

【海皇水精鱗】への規制

 【海皇水精鱗】への規制として、「海皇の竜騎隊」が制限カードに指定されています。

 第8期環境を代表するデッキの1つであり、当時においても【征竜】に次ぐ勢力として名を馳せていたため、キーカードの更なる規制という形で圧力が入った格好です。前改訂で失った「アビスフィアー」「水精鱗-ディニクアビス(エラッタ前)」と合わせて3種のサポートを潰されてしまい、全盛期と比較して大幅にデッキパワーを落としています。

 特に「海皇の竜騎隊」は【海皇水精鱗】では3枚でも足りないと言われるほどに重要なキーカードだったため、これを失ったことは非常に深刻なダメージでした。安定性はもちろんのこと、継戦能力に関しても相当苦しいボトルネックを抱えることになるなど、デッキ本来の力を半分も引き出せなくなったと言っても過言ではありません。

 一応、デッキの構築そのものが不可能となったわけではありませんが、少なくともトーナメントレベルの強さを維持することは難しくなった(※)と言えるでしょう。

(※しかし、将来的には第9期にて「海皇子 ネプトアビス」を獲得し、【海皇】に姿を変えて環境に復帰することになります)

 

【HEROビート】への規制

 「E・HERO バブルマン」が制限カード指定を受けています。

 過去には微妙カードの代名詞のような扱いを受けていた【HERO】サポートですが、ひとたび有用性を見出されてからの躍進は著しく、この頃にはほぼ必須級の展開要員として【HEROビート】界隈を支えていました。また、その【HEROビート】自体も4軸の筆頭デッキとして長らく環境に生き残っていたため、その勢いを抑制するという意味も含めての規制強化だったのではないでしょうか。

 これにより、4軸デッキとしては言うに及ばず、【HEROビート】としても従来の安定性を維持することが難しくなってしまい、【HERO】系列のアーキタイプは環境から一時姿を消す(※)ことになります。

(※しかし、将来的には【M・HERO】として復権を果たしています)

 

「デビル・フランケン」の制限復帰

 第5期中頃に禁止カードに指定されて以来、長らく不動を保っていた「デビル・フランケン」が驚愕の制限復帰を果たしています。

 過去には【デビフラワンキル】のキーカードとして、その後は各種ワンキル系デッキの出張ギミックとして、そして末期には【ダークゴーズ】などのサイドスイッチプランにすら採用されるほどに環境を荒らし回ったカードであり、まさに遊戯王前半期を代表するパワーカードの地位にあった存在です。そうした経緯もあって現役復帰はないものと考えられていたカードですが、およそ7年の封印を経て遂に出所を迎えています。

 とはいえ、流石に第8期ともなればゲームスピードも以前とは比較にならないほど高速化していたため、制限復帰直後の環境では目立った実績を残すことはありませんでした。実際、2014年7月には無制限カードにまで完全釈放されており、往年のパワーカードも時代の流れには勝てないということを克明に物語っています。

 一方で、第9期に入ってしばらくすると一部のデッキで先攻制圧のパーツに組み込まれるようになるなど、以前とはまた別の運用方法も持ち上がることになりました。その結果、2016年10月には再び制限カードに逆戻りしており、当初の予想とは外れた方向(※)で実績を残した面白いカードでもあります。

(※もっとも、実は過去の環境においても【ネクロフラ】などで疑似的な制圧カードとして使われていた時期はあります

 

過去のパワーカードの緩和

 「ゾンビキャリア」を筆頭に、過去の環境で猛威を振るったパワーカードが規制緩和されています。

 かつて【シンクロアンデット】【スーパードローライダー】を中心に一時代を築いたシンクロ世代の巨人であり、全盛期には禁止カード行きの噂すら囁かれていた存在ですが、エクシーズ期に入ってしばらくする頃にはめっきり姿を見かけなくなっていました。そのため、もはや制限カードに指定しておく理由は薄くなっており、この時をもってとうとう規制緩和の道を歩み始めた格好です。

 その後は間もなく無制限カードに完全釈放されていますが、それでも自己再生持ちのチューナーとしては属性や種族に恵まれていたため、相性の良いデッキではトーナメントレベルで採用実績を残すこともありました。

 他方では、過去に【植物シンクロ】の中核パーツとして活躍していた「ローンファイア・ブロッサム」が準制限カードに復帰したことも見逃せません。

 「ゾンビキャリア」と同様、改訂後の環境では特に実績を残していませんが、こちらは効果の性質上インフレを追い風にしやすいタイプのカードでもあり、第9期突入以降は時間経過とともに徐々に再評価の流れが進んでいます。将来的には【植物リンク】などを中心に大々的に猛威を振るい、結局は制限カードに逆戻りするという経緯を辿ったカードです。

 

【まとめ】

 2014年2月の改訂で起こった大まかな出来事は以上です。

 前期環境の覇者であった【征竜】を筆頭に、当時のメタゲームを動かしていた各勢力に比較的妥当な規制が入っています。特に【征竜】に対する圧力は相当厳しいものがあり、大幅な弱体化の結果遂に環境トップにまで落ちてしまうことになりました。

 「トップに落ちる」というのは相当に違和感を覚える表現ではありますが、実際そうとしか言えない状況であり、率直に言って意味不明です。暗黒期、1強と来ての環境トップであるため、一応は改善に向かっていることも間違いないのですが、やはり何処となく不穏な空気が漂っていることは否めません。

 とはいえ、普通のデッキではまず耐えられないほど厳しい規制であり、改訂内容そのものには特に不備はなかったため、どちらかと言うとこれを難なくスルーしてしまった【征竜】の方が異常だったのではないでしょうか。

 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。